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『朝カフェマーケティング』に学ぶ、 顧客中心主義のマーケティング 2010/06/09 永井孝尚 第 5 回朝カフェ次世代研究会
 
本日お伝えしたいこと ,[object Object],[object Object]
本日お話しする内容 ,[object Object],[object Object],[object Object]
本日お話しする内容 ,[object Object],[object Object],[object Object]
最初に質問です ,[object Object],[object Object],[object Object]
朝 6 時半に、聞いてみました 決め手 他の選択 買ったモノ お名前
買った理由 他の商品 あなたの 価値 買った商品
競合 顧客の価値 バリュー・プロポジション ひっくり返すと、 .... バリュー(価値) + プロポジション(提案、主張) 他の商品  あなたの 価値 買った商品 買った理由 自社 消費者 企業 ( 永井孝尚著「朝のカフェで鍛える実戦的マーケティング力」 p.52 より )
  「お客さんは、きっと分る」 ,[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],"We are only one"
「分っていないなぁ」 ,[object Object],[object Object],[object Object],新発売の清涼飲料水:  2000 種類以上 / 年 日本の需給ギャップ: 30-40 兆円 "You are one of many"
もう少し、考えてみましょう バリュー・プロポジション 競合  顧客の価値 自社 
競合 顧客  自社 商品中心
競合 顧客  自社 競合中心   ( 比較)
競合 顧客 自社 喧嘩  ( 顧客そっちのけ )
競合 顧客 自社 差別化欠如 = レッド・オーシャン
競合 顧客 どうする? 自社
競合 でも、出来るの? 顧客 気がつかない ニーズ 自社
ある鶏肉加工工場 ,[object Object],熟練作業者曰く、 「この業界では、昔から手で骨を取り出している。 それ以外の方法を考えること自体、ばかげている」
ある機械製作会社が考えた ,[object Object],[object Object],[object Object],出典:「潜在ニーズを探る 問題意識がビジネス生む」 ( 日刊工業新聞  2007/6/6  専修大学商学部 黒瀬直宏教授執筆 )  「自動で脱骨する」というニーズに、 顧客は気づいていなかった
5年後の車について、消費者は答えを持たない (カルロス・ゴーン)
顧客中心主義  =  顧客課題最優先で考える ≠  顧客の言いなりになる
本日お話しする内容 ,[object Object],[object Object],[object Object]
マーケティング セールス 違いは?
セールス マーケティング 目の前の顧客満足 未来の顧客満足 時間軸が違う 「今期の売上は?」 「ブランド認知度は?」 過去 現在 未来
法人顧客コミュニケーションの戦略的視点 セールス視点  マーケティング視点  今期の売上達成率 ブランド認知・来期の案件生成 経営視点   企業の持続的成長  課題 解決策 の特定 解決策 の調査 提案要請 (RFP) 提案受諾 成約 事例化 課題の 発見
セールス活動の進化 案件発掘 顧客要望 手段 見つけて、捕獲 no は禁句 個人技を究める 育てる 真の課題は ? (No もアリ ) チームワーク 狩猟生活 農耕生活
本日お話しする内容 ,[object Object],[object Object],[object Object]
ありがちなパターン 「問題の本質」は、売れていないことだ だから、営業戦力を増強する
悪魔のループ 「問題の本質」は、売れていないことだ でも、売れない .... だから、営業戦力を増強する
対策を取る前に、 ..... 分析は十分か? 根本原因 それを取り除けば、解決するもの 「売れていない」のは、根本原因か?
例えば、 .... なぜ、肩が凝る? 血行が悪いから 身体を動かしていないから デスクワークが多いから マッサージ 終業後に運動 (対症療法) (根本療法)
売れない、典型的な根本原因 ,[object Object],[object Object]
売れない、典型的な根本原因 ,[object Object],[object Object]
省エネルック クールビズ 1979 年 2005 年
マーケティング戦略のあるべき姿は、顧客起点、一気通貫 対象顧客の定義 顧客の課題 バリュープロポジション 製品戦略 プロモーション戦略 チャネル戦略 価格戦略
バラバラ バリュープロポジション 製品戦略 プロモーション戦略 チャネル戦略 価格戦略 × × × × × × × × × × × × 理由: 組織の壁、リーダーシップ欠如、個別最適(インセンティブ不全、等 ) 、マーケティングマインド欠如、スキル不足、  etc. etc. 対象顧客の定義 顧客の課題
売れない、典型的な根本原因 ,[object Object],[object Object]
新製品は、売れない
思えば、新製品ばかり担当 1991 年~ 製品企画、プリセールス、開発マネージャー ・グループウェア製品 ・全文検索エンジン ・文字認識技術 1998 年~ マーケティングマネージャー ・インターネット・コラボレーション技術 ・ e-CRM 製品 ・コールセンター向け音声認識製品 2007 年~ 戦略マーケティングマネージャー ・ミドルウェア製品群全般
新製品の見込み客 全く関心がない  (84%) 関心がある  (16%)
すいません、誇張しすぎでした
新製品の見込み客 全く関心がない  (84%) ちょっと関心がある  (2.5%) ほとんど関心がない  (13.5%) 徒労 最初に行くべき 次に行くべき
錆びないネジ  ( 価格 2-3 倍、海上の保ち 4 倍 ) ,[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],出典: 「いかに製品を売るか 理解と信用を勝ち取る」  ( 日刊工業新聞  2007/6/20  専修大学商学部 黒瀬直宏教授執筆 )
タイミング次第で、正しい顧客は異なる 革新者 2.5% 初期 採用者 (EA) 13.5% 前期 多数派 (EM) 34% 後期 多数派 34% 遅延者 16% 採用時期
タイミング次第で、正しい顧客は異なる 革新者 2.5% 初期 採用者 (EA) 13.5% 前期 多数派 (EM) 34% 後期 多数派 34% 遅延者 16% 採用時期 "Nobody? Good!"
タイミング次第で、正しい顧客は異なる 革新者 2.5% 初期 採用者 (EA) 13.5% 前期 多数派 (EM) 34% 後期 多数派 34% 遅延者 16% 採用時期 "Nobody? Good bye !"
タイミング次第で、正しい顧客は異なる 革新者 2.5% 初期 採用者 (EA) 13.5% 前期 多数派 (EM) 34% 後期 多数派 34% 遅延者 16% 正反対 採用時期 "Nobody? Good!" "Nobody? Good bye !"
タイミング次第で、正しい顧客は異なる 革新者 2.5% 初期 採用者 (EA) 13.5% 前期 多数派 (EM) 34% 後期 多数派 34% 遅延者 16% 採用時期 キャズム越え
タイミング次第で、正しい顧客は異なる 採用時期 初期段階で、ここを攻めても無駄 ( 市場の実に 84%)
タイミング次第で、正しい顧客は異なる 採用時期 まず、ここを攻める ( 市場の 16%)
キャズム越えのために ,[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object]
キャズム越えのために 皆様の体験をお聞かせください
本日お伝えしたいこと ,[object Object],[object Object], ->顧客に提供できる価値を:絞る、創造する、伝える  ->課題と、根本となる原因を、混同しない
ありがとうございました

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朝カフェマーケティングに学ぶ 顧客中心主義のマーケティング

Editor's Notes

  1. 本日はお時間をいただき、ありがとうございます。 これから 1 時間、「顧客中心主義のマーケティング」というテーマで、お話しさせていただきます。
  2. 今日のお話しは、昨年出版した本と、一昨年出版した本の中から、一部を抜粋し、深掘りしたものです。 もしご興味がありましたら、併せてご覧下さい。
  3. 10 年ほど前に日本 IBM の社長だった北城さんは、いつも言いたいことを 3 つに絞っていました。 でも、私はさらにシンプルにするために、2つに絞りました。 本日お伝えしたいことは、この 2 点です。 まず、「マーケティングの出発点は顧客価値」ということ。しかしこのように言うと、もしかしたら、「お客様は神様だから、言うことには全て 100% 対応しなさい」というように受け取られるかもしれません。しかし、今回お伝えしたいことは違います。 今回のテーマは、むしろ、お客様は必ずしも神様ではない、ということです。お客様の言うことを額面通り受けて対応するのではなく、お客様が困っている真の課題を考えましょう、ということです。 また、マーケティングが必ずぶつかる問題があります。「売れない。どうしよう?」という問題です。 しかし、売れないこと自体は、必ずしも問題ではありません。そのことも考えてみたいと思います。
  4. 以上に 2 点を考えるために、今日は 3 つのことをお話しします。
  5. まず、すでに色々なところで話していますが、バリュープロポジション。
  6. ということで、最初からいきなり皆さんに考えていただきたいと思います。 最近、「どうしても欲しい」と思い買ったモノは、何でしょうか ? 他の選択肢は、何だったでしょうか ? 買おうと思った決め手は、何でしょうか ? 10 秒ほど、考えてみてください。
  7. 考えてみていただいたら、次に思いついた方に、手を挙げてお話しいただきたいと思います。 いかがでしょうか ?
  8. 先程お聞きしたことを図にまとめると、このようになります。 この赤い部分が、買った理由です。 例えば、電動歯ブラシを考えてみましょう。 「買った商品」は電動歯ブラシですね。でも、電動歯ブラシにも色々あります。 A さんは「ポシェットに入るものを探していた」とおっしゃいました。つまり色々な電動歯ブラシの中から、ポシェットに入れても違和感がないようなカワイイ電動歯ブラシが、自分の価値に合った、ということになります。 そして他社はそのような価値の商品を提供していなかった、ということですね。
  9. 今まで消費者の視線で考えてみました。 私達は消費者なので、この視点はすごく理解しやすいと思います。 これを裏返すと、企業の視点になります。 買った商品は自社製品。他の商品は競合製品。あなたの価値は顧客の価値です。 そして買った理由がバリュープロポジションです。 このように考えると、分りやすいのではないでしょうか? 例えば、あなたが家電商品企画担当者ならば、若い女性をターゲットに考え、どのような点に顧客が価値を感じるかを様々な調査を行い、電動歯ブラシを持ち歩くというライフスタイルを見つけて、持ち歩いても違和感がないカワイイ電動歯ブラシを企画する、ということになります。 マーケティングというのは、このように顧客の視点を持つこと。これがエッセンスです。 この両方の視点を持つことが大切です。 しかし、企業の立場で実際に商品を企画し販売したことがある方ならお分かりいただけると思いますが、このような視点を持つことが、実はなかなか難しいのです。
  10. 商品を企画する立場では、このように考え勝ちです。 まず、企画段階では、誰もが自分が企画した商品はすごい商品だと考えます。 企画段階で、世の中に出せばすごい反響を呼ぶと考えます。 実際に販売をしてみるとなかなか売れない。でも、使ってみれば、お客さんもきっと分ると信じています。 少し売れます。しかし思ったよりも反響がない。でも、使い込めばきっと分ると信じています。 そして、最終的に販売中止になることもあります。この段階でも。きっとお客さんは自分が分っていないと言うことがそのうち分るはずと思います。 自分達は、オンリーワンだと信じ続けているのです。 しかし、立場を変えて考えてみると、どうでしょう?
  11. 私達は消費者でもあります。 消費者としての私達は、このように結構厳しい視線を持っているのではないでしょうか ? 選択肢や代替策が沢山あるからです。 例えば、日本で 1 年間に販売される清涼飲料水は、実に 2000 種類。その中でヒットするのはごくわずかです。 日本の需要と供給のギャップも 30-40 兆円です。供給が需要を上回っている状況が続いているのです。
  12. バリュープロポジションという考え方、この図で考えると、分りやすいのではないでしょうか? この図を使って、もう少し掘り下げてみると、理解が深まると思います。 ここで、バリエーションを考えてみましょう。
  13. まず、バリュープロポジションの絞り込みをしない場合です。 お客さんに一方的に製品の説明をするのは、こんなパターンですね。 でも、このアプローチでは、お客さんの視点が全く抜けています。 本来であれば、様々な製品の価値の中から、どの部分がお客さんが価値を感じるかを考える必要があります。
  14. 競合のことばかり考えているケースもあります。 何かというと、競合との比較ばかり。 機能の比較表を作ったりするケースです。 しかしこれでは、お客さんの価値は二の次ですし、差別化の視点もありません。
  15. さらにひどくなると、お客さんのことは一切考えずに、ライバルの罵倒ばかりしているケースもあったりします。 ライバルのことを一切考えなくてよい、というのは言い過ぎですが、本来はお客さんの価値が第一であり、ライバルのことは二の次、三の次である筈です。
  16. もうひとつ、顧客価値を考えても、ライバルと同じ土壌で勝負しているケースもあります。 「ブルーオーシャン戦略」で言うところの「レッドオーシャン」ですね。 つまり、サメ同士が互いに互いを食い合っている状況です。 このような市場は、価格競争に陥り勝ちなので、収益率も低いのです。
  17. さて、ここで問題です。 この青い部分、どう考えるべきでしょうか ? お客さんが価値を感じていない部分です。 ちょっと考えてみてください。
  18. これは、お客さんが気がつかないニーズです。 お客さんに、このニーズに気づいていただくことで、新たな価値を提供できます。 でも、こんなこと、出来るんでしょうか ? 実は、出来るんです。 事例で見てみましょう。
  19. ある鶏肉加工工場の話です。 加工機械メーカーの営業担当者が、工場に行ったところ、工員が手作業で鶏モモ肉の骨をはずしていました。とても非効率です。 営業担当者が熟練作業員に話したところ、こう言われたそうです。 「この業界では、昔から手で骨を取り出している。 それ以外の方法を考えること自体、ばかげている」
  20. この営業担当者はこう考えました。 「自動脱骨機を作ろう」 実機デモを見た顧客は、一目でその価値がわかり、飛びつきました。この商品は大ヒット商品になりました。 つまり、「自動で脱骨する」というニーズは確かに存在していたにも関わらず、顧客は気づいていなかったということですね。 この話は実話です。前川製作所という会社が作った「トリダス」という商品です。 つまり、顧客は自分で自分のニーズに気づいていないことが結構あるのです。 iPhone や iPAD もそうですね。このような商品を提示されて、初めて私達は利用方法に気づく訳です。
  21. カルロス・ゴーンもこのように言っています。 全て顧客の言いなりになることは、必ずしも正しくないのです。 むしろ、顧客の真の課題を把握し、その課題に対して企業としていかに対応できるかを真剣に考えていくことが大切なのです。
  22. つまり、顧客中心主義とは、顧客課題最優先で考える、ということです。 しかしそれは、必ずしも顧客の言いなりになる、ということではありません。 顧客は神様ではありません。間違っていることもある、ということです。 顧客を幸せにすることを、常に真剣に考えていくことが重要なのです。
  23. では、次に、セールスとマーケティングについて考えていきます。
  24. 最初に質問です。 セールスとマーケティングの違いは何でしょうか ?
  25. 色々な視点がありますが、本質的な部分は、時間軸が違う、ということだと思います。 営業本部長が社長に常に言われていることは、多くの場合、今期の売上げ達成です。これは色々な考え方があって、セールスに売上げ目標を課していない会社もあります。しかしそのような場合でも、目の前の担当している顧客の満足向上が目標になっています。 つまり、セールスが最優先しているのは、今期、今月、今週、今日です。そのため、常に具体的で現実的な対応を考えることになります。 一方で、マーケティング本部長が社長に常に言われていることは、ブランド認知度です。言い換えると、未来の顧客満足度向上です。つまり、マーケティングが最優先しているのは、未来です。そのため、ある程度抽象化した考え方をすることになります。 このような価値観の相違があるので、セールスとマーケティングが意思疎通できないケースが実は多いのです。
  26. 一方で、法人顧客コミュニケーションの戦略的な視点を考えてみましょう。 顧客が購買決定するまでのプロセスは、このような形になります。 まず課題を発見し、->解決策を特定->解決策を調査-> RFP-> 提案->受諾します。 企業から見ると、さらに事例化もあるでしょう。 このようなプロセスを経て、顧客は購買活動を行います。 ラッパのような形になっている理由は、最終的に売上を立てるまでに各ステップでより沢山の案件を持っておく必要があるからです。 このような案件管理の方法をパイプライン管理と言います。 皆さんは、営業案件の管理はどのように行っていますか?「 50% 受注できる」とか「 25% だ」とか考えていませんか?しかし、その方法は個人差があります。主観的尺度だからです。 そこで、客観的尺度で案件管理する必要があるのです。 RFP が出た、提案書を出した、というのは、誰でも同じ判断ができます。 さて、このプロセスの中で、マーケティングの役割は、顧客が課題を発見し解決する際に、自社を考えてくれるようにすることです。そして自社を考えてくれた顧客の案件を、セールスに渡して、セールスが契約まで繋げて売上を立てることになります。 このように考えると、マーケティングとセールスはお互いに補完的であることが理解いただけるのではないでしょうか ? ちなみに、経営者は企業の持続的成長を実現するために、両者の視点を持っています。
  27. また、セールス活動も時代と共に、進化していく必要があります。これは、狩猟生活と農耕生活に例えて考えると、分りやすいかもしれません。 数万年前の昔は、人類の大多数は狩猟生活を営んでいました。人口に対して、自然界に獲物が沢山あったからこそ、可能だったようです。実際、縄文時代の日本は、割と豊かな生活だった、という調査もあります。このような時代、獲物は、そこで見つけたものを確実に捕獲していました。そのために、狩りの個人技を究めていました。 セールスに例えると、案件は顧客の現場に出向き、そこで案件を見つけ、顧客の要望には絶対 No と言わず、個人のセールススキルを徹底的に極めて、案件を獲得する、といった感じでしょうか? 一方で、人類はある時期から農耕生活を始めています。一説には、狩りをしすぎて獲物がなくなったため、自分達で食料を確保する必要性に迫られたからである、という話もあります。このような時代は、食料は自分で大切に育てることになりますし、そのためには、個人技ではなく、チームワークが必要になります。 セールスに例えると、現代の状況と非常に似ていることが分ります。 現代では、顧客の課題を考えて市場を捉えて、真の課題を解決するための手段を考えておき、顧客の課題の視点で案件の種を見つけてきて、個人技ではなくチームワークを重視してそれを育てていく、ということが必要になります。 予め顧客の課題を定義する訳ですから、場合によっては、顧客の要望がこちらが想定している課題や解決策に合っていない場合、 No と言うこともありなのでしょう。 ソリューションマーケティングの基本的な考え方は、恐らくこのよう考え方なのでしょうね。
  28. 最後に、マーケティングをやっていると出会い勝ちな問題「なぜ売れないのか」を考えてみたいと思います。
  29. このパターン、よくあるのではないでしょうか? そして、営業力を強化しよう、という結論になったりします。
  30. でも、この考え方は危険です。 結局売れない、なぜだ、やっぱり売れていないことが問題だ。さらに営業力を強化しよう、という結論になったりします。 でも、実際には営業力が弱いためではなく、技術力が弱いために顧客満足度が下がって、売れていないのかもしれません。こんな状況をちゃんと分析せずに、技術者を現場からはがして営業にしたりすると .... さらに売上が下がりますよね。 まさに悪魔のループです。恐いことです。
  31. だから、対策を取る前に、十分な分析が必要なのです。 根本原因は何かを徹底的に考えることです。 その根本原因とは、それを取り除くことで解決するものです。 例えば、先程のケースでは、「売れていないこと」が根本原因だったでしょうか ? 違いますよね? 根本原因は「技術力の低下」です。だとすると、技術者を手厚くする、という、営業力強化と逆の対策が必要です。
  32. 一例を考えましょう。 肩凝りに悩むことは多いと思います。 そこで、血行が悪いから、 ... とマッサージに通う人は多いのではないでしょうか ? でも、マッサージに行ってもしばらくするとまた凝ってきます。 それは、これが対症療法だからです。言い換えると、根本的な原因を解決していないのです。 もう少し原因を掘り下げてみましょう。色々な理由があると思います。人によってはかみ合わせが悪いという原因もあり得ます。あるいは身体を動かしていないという理由もあるかもしれません。ではなぜ身体を動かしていないかというと、デスクワークが多いから、という分析も成り立ちます。 ここまで分析できれば、例えば終業後に運動に行く、等の対策を立てられます。
  33. 私の色々な経験では、売れない典型的な根本原因は、大きく分けてこの二つだと思います。
  34. まず最初に、ばらばら。 これはどういう意味でしょうか ?
  35. この違いについて言及。 左は大平さん、右は小泉さん。 大平さんは省エネルックを推進。小泉さんはクールビズを推進。 省エネルックは今でも憶えている人がいるくらいだから、当時はとても話題になった。でも定着しなかった。クールビズは成功。省エネルックが失敗した原因は、一見、このファッションが原因に見える。しかし実は違う。 狙いは「第二次石油ショック対策のための国民運動」と「京都議定書のための国民運動」。だからきっかけは同じ。 最初のターゲットは「まずビジネスマンを狙う」だからここまでは両者は同じ。 違いは、顧客ニーズの把握。省エネルックが失敗した最大の原因は、「抵抗感」。顧客であるビジネスマンが違和感なく切れるような形になっていなかった。ファッションだけでない。「省エネに協力しなさい」というネーミングもそう。 クールビズでは、徹底的に顧客であるビジネスマンの立場に立って、抵抗感排除を最優先にした。そこで「クールビズ」という名称も公募して 3200 件の名前から「かっこよく温暖化防止」という名前を付けた。 つまり、戦略の狙いは同じ、ターゲットも同じだったが、それらがバリュープロポジションの定義に繋がっていなかった。
  36. マーケティング戦略は、このように顧客起点で一気通貫が必要。
  37. しかし、先の例のように、どこか 1 箇所でも繋がっていないと、その戦略は失敗する。 そして、その原因には様々なものがある。 クールビズでは、某大手広告代理店が入り、戦略レベルをキッチリと詰めて、ここを完璧に繋げた。
  38. もうひとつの理由。「いけていない」
  39. ちなみに、私は仕事では新製品ばかり担当してきました。 成功したもの、失敗したもの、色々あります。
  40. 商品の普及度合いによって、購入する顧客は異なる。 消費者が商品購入する際の態度を5つのタイプに分類。商品の普及プロセスはこの段階を順番に経て普及するとの考え方 デフュージョンモデルという。
  41. 初期採用者 =Early Adapter 。 新技術で差別化しようとする。 新商品が誰も使っていないと、チャンスと考える。
  42. 前期多数派。 Early Adapter 。 新商品に慎重。リスクを見極める。誰か実績を挙げているかどうか気にする。 誰も使っていないと分ると、購買を見送る。
  43. つまり、 EA と EM は、一見似ているが、行動は正反対。
  44. この間の谷が、いわゆるキャズム。 普及率 16% を越えるかどうかが、新商品普及の壁。 この間をいかに越えるかが、新商品を成功させるカギ。
  45. だから、新商品導入期では、この部分の顧客は攻めても無駄。 しかも、この部分は市場の実に 84% もある。 つまり、ほとんどの顧客は、新商品採用を見送る。
  46. 狙うべきは、ここ。 しかし市場の 16% しかいない。 案件の見極めが極めて重要。 ちなみに、朝カフェの人達は iPAD 購入率が極めて高い。 iPhone や Expedia も。 そもそも、朝活にこれだけコミットしている人達は珍しい。 世の中の動きに先行している。
  47. 私の経験で、いかにキャズム越えを果たすか ? まず EA を攻めまくる時期と、 EM への訴求を準備して拡げる時期を分けて考える。 新商品には、デモや商品説明の要求が殺到する。そのようなデモは認知度向上には重要だが、 EM にいくら説明しても、商品購買にはなかなか繋がらない。つまり実案件にはならない。新商品は多くの場合セールスの人数が少数なので、戦力を分散できない。だから、初期は案件の見極めが極めて大事。 セグメントの絞り込みも大切。色々な人達が、よかれと思って、色々な応用分野を提案してくる。それらをしっかり聞くことは大事だが、振り回されてはいけない。最優先で攻める分野を絞り込み、徹底的に攻める。 そして全て事例化する方針で進める。 EM への訴求段階になったら、ホールプロダクト化を意識する。周辺製品やサービス。リスクを提言したい顧客が対象だから。市場露出も拡大する。事例集は有効。 さらに、ある程度の規模の企業の場合は、地道な社内マーケティングも必要。実は EA/EM は、社内セールスにも該当する。新商品を売りたくないと考えるセールスは多い。
  48. ぜひ、皆さんの体験を Q&A の時間でお聞かせいただければと思います。
  49. 本日のまとめ