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第 125 回   ku-librarians 勉強会




科学的合理性に著しく反する図書に図書館はどうつきあっているのか?
:聞き取り調査を通じて
                                   千里金蘭大学   現代社会学部講師
                                                岡部晋典


【要旨】
いわゆる疑似科学といわれる現象をあつかった書籍が様々に社会のなかでは流通し
ている.このような事象に対し,知識を蓄積し,伝達する機関としての図書館はど
のようにそれらの本とつきあっているのか,各図書館のとっている戦術の現状を,
聞き取り調査を通じて明らかにすることを目的にする.


なお,今回の発表は問題解決型ではなく問題発見型アプローチをとる.疑似科学問
題を図書館で扱うこと自体に対する先行研究のなさ(というよりもこのような研究
に対する暗黙のタブー視)も主要因の一つであるが,疑似科学と図書館を扱う上で
は様々にナイーヴな問題が孕んでいる。つまり疑似科学問題については,どうして
も「ある種のむずかしさ」が存在する.したがって,今回の発表においては,
                                  「図書
館で疑似科学問題を考える上では多くの困難さがある」ということを共有し,つい
でといってはなんだが,こんな妙なことを考え研究を行っている人間がいる,とい
うことを知っていただければ望外である.


問題提起型の発表であり,かつ発表者自身にも先行きの見えない部分も多々あるた
めゆえ,新鮮な視点で,遠慮のないご批判をいただきたい.


【自己紹介】
岡部晋典(おかべゆきのり)
1982 年 9 月 9 日生 (27 歳)
愛知県出身.
筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程(休学中)
千里金蘭大学現代社会学部現代社会学科            講師
 (任期付き:二年.「今話題」のあの大学です)
研究テーマ:
       卒論~D1:
       イギリスの科学哲学者,カール・ポパーの提唱した世界3論と図書館情報
       学のかかわり
       D2 以降:ポパー研究の図書館情報学への応用一般を試行錯誤中
          新人講師として苦労中←イマココ!



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【大前提】
「べき論」を拒否し,ウェーバー流価値中立論を研究倫理上のコードとして用いる
図書館に疑似科学図書をいれるべき,いれざるべきという議論を行うつもりはない
現状を把握し,分析することを目的とする.


【研究の背景・動機】
「疑似科学」といわれる存在が社会のなかで様々に問題としてとりあげられてきて
いる.きっかけは TOSS(教育技術法則化運動)で扱われた『水からの伝言』.
TOSS でとりあげられたものが道徳の授業として伝播していった.


内容:
「水にありがとうというと綺麗な結晶になり,馬鹿野郎というと汚い結晶になる」
        →人間の体内の殆どは水分で構成されている
        →したがって人に汚い言葉をかけてはいけない…
        (道徳の授業で教材としてとりあげられた)


→科学者らの猛反発:
「しつけの根拠に科学を持ち出すな」
    (by 大阪大学菊池誠:彼の NHK『視点・論点』は YouTube に転載され
     多くの注目を集めた)


はてなブックマーク等での批判,ウェブ上における疑似科学批判の緩やかな高まり
    →一方で,図書館界からの反応はほぼ皆無.なぜ?
     →図書館ならではの難しさによるものか?(後述)


【疑似科学と図書館とは】
このテーマはいくつかに切り分けることができる1.


1 なお,   欧米においても pseudoscience を扱う書籍が図書館で問題になっているが,
これは主に ID 説(インテリジェントデザイン,知性ある設計者により現在の世界が
成立しているという考え方)とのからみが多いように思われ,むしろ宗教的側面が
前景化する.たとえば ID 説信奉者の弁護士である Casey Luskin がイギリスの図書
館で ID 説書籍が排斥された事に怒り狂っているポストなどが簡単にみつかる→
” Bah Humbug! British Librarian Tries to Ban Explore Evolution in the Name of
Darwin”
http://www.evolutionnews.org/2009/12/bah_humbug_british_librarian_t030241.h
tml
なお,本稿においては,宗教的議論が入るのをきらい,純粋に科学と疑似科学のみ


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大分類すると
(1) 疑似科学とは何か:境界設定問題
(2) 図書館の自由宣言
(3) 図書選択論(選書論)


としていくつか取り出しうると考えられる(他には?)


【疑似科学とは何か】
「疑似」:本物によく似ていてまぎらわしいこと.また,そのもの.(大辞泉)


「疑似科学」
一般的には「科学のふりをしているがそうでないもの」と呼ばれる事が多い
 →日本において「疑似」の用法で有名なものの一つに,丸山眞男による
 「(陸軍は)擬似デモクラティック」            (1950 年の対談による)


疑似科学の特徴(とされるもの):
 再現性,検証可能性,反証可能性がない,反証可能性で棄却される.
 血液型性格診断などが擬似科学の特徴的な存在であるとされる.
 身の回りにあふれている.
 ひとによってはそれを疑似科学としてとらえるが,他の人にとっては擬似科学と
捉えないケースも多い.


[重要]
疑似科学に「ひっかかる」人はむしろ科学を信頼しているからというパラドックス


一昔前:科学技術は社会に悪影響を及ぼす,必ずしも人間を幸せにしないという感
覚(原発反対運動,公害などが背景)
現在:科学技術は人々を幸せにするという人々の増加
       ※内閣府の調査


疑似科学問題は科学に対する信頼性があるから可視化された問題と考えられる!




どこまで疑似科学なのか個々人ではなかなか見抜けない

で議論が行えると思われる国内の事例に注目して議論を進める.


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 血液型性格診断        →あやしい?
 健康グッズ          →これは効きそう?
 燃費改善グッズ        →うーん…
単純なリテラシー問題に堕すと見えなくなる問題は多いのでは?


【現在の公共図書館】
リクエスト至上主義により「うさんくさい図書」でも入れざるを得ない状況
 →ためしにカーリルで調べてみると…?
最近流行の「健康情報棚」の躍進とホメオパシー情報の滲入
   ※図書館は資料の内容に責任は取れないとは明記してあるが…


【従来の論争的図書】
政治的図書や社会思想的図書が対象に
:多様な意見が並立し,したがって両者の意見を収蔵することが可能


疑似科学問題
:(素朴に科学を表象するなら)科学は誤った知識を棄却するプロセスを持つゆえ,
(社会的知識と異なり)かならずしも並立する意見をすべて収蔵する必要はない?
…のだろうか?


→「図書館の自由宣言」侵犯問題として扱われたものはほぼ全てが社会的問題.
      科学的問題として図書館で扱われたイシューのうち,
      目を惹くものに遠藤周作『こんな治療法もある』がある.
      「代替医療」の本
      →本の内容を実際に試した人間のアトピーが悪化
      →出版社による絶版および出版社による図書館への提供禁止の要請
      →図書館側による要請撤回の要請あるいは館によっては除籍のケースも




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擬似科学ってなんだ?


【境界設定問題】
科学と疑似科学の境界線を引くもの.線引き問題とも.
科学哲学者,カール・ポパー(1902-1994)の提唱
疑似科学問題を考える際にはもっとも利用される思考法.


20 世紀初頭
      論理実証主義者:科学を定義しようとした


ポパーの登場:「科学とは何か」ではなく,科学か疑似科学かで境界をひこう
科学の特徴:
      反証可能性がある.自らが誤っているかどうかの
      テストに耐え続けることができる
疑似科学:
      反証可能性がない,あるいは批判に対して言い逃れをする


※科学,疑似科学,非科学の扱いに注意.
 疑似科学は科学のふりをしているもの,非科学は科学ではないもの


反証可能性:
 自らが間違っていることを確かめるためのテストを考案すること,
 また,そのテストに耐え続けることができること
そのテストに耐え続けることができるのが「科学的理論」
                         .
(筆者は前者を論理的反証可能性,後者を実践的反証可能性と区別)


          →この区別じたいは,ポパーがクーンとのパラダイム論争を経てから
          前景化しているが…このあたりは煩瑣&詳細になりすぎるので別途


※ポパーはアインシュタインの影響を強く受けている.
相対性理論は,その理論の矛盾を調べるための常にテストに晒され,しかもそれに
耐え続けているから「科学的理論」だとポパーはいう.




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【ポイント】
科学と疑似科学は明確な線引きはひけない.広大なグレーゾーンがある
(1) 最先端過ぎてよくわかっていないもの
(2) 正しいと思われていても研究の進歩によって書き換えられること


ポパー流の論法でいくと,科学か疑似科学かは完全な線引きができないことになる
絶対真,絶対偽という概念のかわりに漸近的な真,といった概念の導入
   →反・基礎付け主義の考え方


歴史的背景:
  反証可能性登場時にポパーが行った批判:
  占星術やマルクス主義を自らが科学だとみなしていることについて
  →論理的に反証を考えられないし,言い逃れをするため科学ではないとひはん
  (論理的反証可能性の欠如といっていい?)


現在の疑似科学図書
   実は「論理的反証可能性」はあることが多いと考えられる.
        →疑似科学的書籍を扱う上での悩ましさのひとつと考える


→したがって,従来通りの(論理的)反証可能性一辺倒では,現在の疑似科学図書
を必ずしも疑似科学の問題として捉えることはできない可能性がある.


【図書館の自由宣言】
[参考]
 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、
もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。
第 1 図書館は資料収集の自由を有する。
第 2 図書館は資料提供の自由を有する。
第 3 図書館は利用者の秘密を守る。
第 4 図書館はすべての検閲に反対する。
 図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
[/参考]


この研究については,京都医科大学で発表済み
 (Special thanks to 福島幸宏氏@京都府立総合資料館)




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発表を3行でまとめると…
(1)なんであんなに「自由宣言」って元気なの?
(2)網羅的に『図書館雑誌』をサーベイしてみた
(3)戦後の「高揚した」時代,破防法,終戦後の若手の発言権増大が原因


          余談:長尾真の最近のスローガン
          「知識はわれらを豊かにする」
          →もともと NDL のスローガンは「真理がわれらを自由にする」
          マールブルグ大学に留学経験のある羽仁五郎による
                 長尾はこのスローガンを時代にそぐわないと棄却
                 (自伝『情報を読む力,学問する心』参照)


【1960~70 年代アメリカにおける知的自由と社会的責任】
「知的自由派」と「社会的責任派」の衝突(現在にも引き継がれている)
 アメリカ図書館協会知的自由委員会委員長バーニングハウゼンのまとめ


社会的責任派:図書館は社会問題について責任を果たす
 社会問題への責任に応じるための決議を館界で行い,それに優先的にサービス
     vs
知的自由派:特定の見解にコミットせず知識を提供するのみに留める
 特定の価値判断に陥ることなく図書館業務の底上げを図る


…という件
特定のトピックに図書館がコミットすることは図書館が価値判断そのものに踏み込
むこととなり,知的自由に反するという見解.


【図書選択論(選書論)
          】
おなじみ「要求論」vs「価値論」


要求論:図書館の蔵書は利用者のニーズに応えるべきである.図書館は本そのもの
の内容に踏み込んではならない.
価値論:図書そのものに固有の価値を認め,価値ある図書を積極的に図書館は提供
せねばならない.


中小レポート以前の図書館(利用されなかった!)の反省から,価値論から要求論
へ,といわれる



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第 125 回   ku-librarians 勉強会




中小レポート周辺での期待:
リクエストとレファレンスが表裏一体であるという議論
   リクエストの増大→レファレンスの増大→図書館員および利用者の質的向上
   を,夢として図書館界は描いていた.


   …というもくろみ
(もちろん失敗.レファレンス皆無の無料化資本屋論へ繋がる)


おおまかに分類すると,現場出身者は「絶対的要求論」,研究者らは「価値論」ない
しは「制限的要求論」といわれる立場とされる
 →要求論ではなぜそのニーズが社会に「生まれてくるか」についての
   議論はこれまで管見の及ぶ範囲では全くない


選書論は行き詰まっているとされる
 1)地理性,館種性を踏まえない一枚岩として捉えた議論の膠着
 2)理論と実践の乖離
 3)いくつかの感情的反発


→要求論,価値論の議論は確かに便利なのだが,
疑似科学問題にそのまま使えるのか?という疑問


【理論編のアポリア】


疑似科学と図書館を理論的に攻めても難しい!
では,現実を見てみようと,筑波大学知的コミュニティ基盤研究センターの助成に
よって各地の図書館へ聞き取り調査を行った.




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【聞き取り調査】
※対象館名および担当者は公開しないと確約


時期:2009 年 7 月~2010 年 3 月
抽出手法:雪だるま式サンプリング,各種のシンポジウム等での登壇図書館員への
          依頼等
対象館:東日本中心,大規模館 vs 小規模図書館の2項対立として設定
      (ウェーバー的理念型を流用…したつもり)
対象者:基本的には選書対象者(科学担当者を優先).
調査手法:半構造化インタビュー
調査対象館
 大規模図書館:都道府県立 or 政令指定都市レベル              5館(A~E 館とする)
 小規模図書館:町村立レベル                3館(F~H 館とする)
調査時間:最短 30 分,最長 3 時間,平均して 1 時間程度


[半構造化インタビューでの質問項目]
  (1)選書全般
      体制,カタログ利用,選書基準など
  (2)利用者層
      娯楽志向か?研究志向か?疑似科学関係でのクレームは?
  (3)運営手法
      ILL,分類番号振り直し,棚の配置
  (4)疑似科学
      収蔵は?複本は?
  (5)取り扱いにこまる本について
      過去問題になったケースでほかには?
  (6)司書のライフヒストリー
      なぜ司書に?司書資格の有無は大きい?正規非正規は?
  (7)除籍
      除籍基準は?ルール等は?
  (8)自由宣言について
      どう思う?
  (9)地域性
      どのようにある?




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【結果】
※特徴的な回答をピックアップした.詳細については後日文章化する.


[体制]
       小規模図書館:選書は一人で全てを担当.
       大規模図書館:門あるいは類ごとで担当者.ただし異動はよくあり専門性
       は確立しない(B 談),サブジェクトライブラリアンはいない(全て)
                                       ,従
       って「科学担当」の図書館員というのは存在しない.


カタログ利用:H 以外の全て,TRC『週刊新刊全点案内』利用


選書基準:大規模はほぼ持っているが,柔軟な利用をはかるような文言に.
          外部向けの公表できる選書基準と内規が別に存在する(D)


娯楽・レクリエーションとしての利用がどこも多い
       ただし B,D,E は+αで研究利用の利用者を強調.
       A(都道府県立),C(政令指定都市)は「図書館の図書館」を自称.
       H は海外利用者が多い(観光地).内容が分からなくてもニーズがあれば表
       紙のコピーを手がかりに取り寄せとの発言


疑似科学関係でのクレーム
       E:科学棚への排架へのクレーム,NDC147(超心理学,心霊研究2)に
       E 以外:擬似科学だといってクレームがついたことはない
       B:擬似科学が社会問題となっているとは知らなかったが,言われてみると
       健康情報などでは気になる書籍が入っている…


[運営手法]
       ILL:うちは ILL で頼まれている先の図書館だから,自分個人として図書
       館に入れるのが嫌な本でも「持たざるを得ない」(B,C 談).
       県内 ILL をかけて持っている図書館があれば「やったー」 談)
                                   (C
       予算の都合もあるので,なるべく取り寄せる方向で(G,H)


       分類番号:カタログ会社による分類番号が間違っている事が多いので,振
       り直す(C,D,E).よって,棚の位置もかわる


2NDL も『水伝』は 147 で分類しているが某社の MARC では最初 400 付近が記載
…


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第 125 回   ku-librarians 勉強会




      ○○で××が治った系の本は「連絡先が書いてある」ようなものはなるべ
      く入れないようにしている(あきらかに販促目的の図書の拒否)(C,E,G)
      番号の振り直しはしたことがない(B)
      棚同士の担当者で衝突することもありえる(A,D).たとえば YA 図書を
      YA コーナーに入れるか,9 番台に入れるか…(押し付け合い)


[疑似科学図書]
おおざっぱにまとめると…
大規模:既に[入ってしまっている]
小規模:少しはありえる or もっと入れてもいい?     と発言するという傾向.


      A:図書館の図書館だから持たないといけない.
      C:リクエストがあるから入れる.入れたくはない本もあることはある.ILL
      で対処できるときは対処
      B,C:複本は○冊リクエストがかかった時点で自動的に入れざるを得ない
      D:どうしても図書館にふさわしくない本は謝絶する.内規で謝絶理由に合
      致しそうなものを探す.
      F:利用者が求めるからある.
      G,H:多少はある.
      C,E,F,G:閉架を利用して,変な本は,図書館としては持っていることは持
               っているが利用者の目に直接触れないようにすることもある
      H:もっと入れていいと個人的には考える.


[取り扱いに困る本について]
      D:BL 本などは土地柄入れろと言われて積極的に入れてはいるが,
           実はレーベル切りをしている.このレーベルは入れない,と
           内規で決めている.
      F:アニメ雑誌の表紙がけしからんから排除せよとのクレームがあった.
           →上層部(非司書)が予算不足を理由に継続受け入れを打ち切り.
           クレームがあると予算不足の折もあり,非司書で教育委員会あがりの
           職員は,図書館の自由宣言のことを知らないから困る.
      E:少年犯罪モノ等での議論はよくある.チームで議論する.
      B:正規職員,非正規職員,委託の人,さまざまなポジションがいることを
      活かして対等に議論するようにしている.


[ライフヒストリー]



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第 125 回   ku-librarians 勉強会




        A:図書館に配属されたので司書資格を取りに.
        B:短大出身.やはり本が好きなので.
        F:図書館情報大学出身.
        H:実は出身は芸術関係
             ※   変な経歴の図書館員は面白い?(筆者感想)


[除籍]
        E,D:除籍のほうが選書なんかよりずっと難しい
        B:除籍はそもそもしない.よほど汚れない限り書庫に保管する.地方にあ
           るため,利用者に気軽に国会図書館に行って貰うわけにもいかない
        C:除籍するより閉架に入れるタイミングのほうが難しい.ILL 用に持って
        おかないといけないから除籍はよほどのこと.しかしこの前電動書架が壊
        れた.


[自由宣言について]
        C:ポスターがあるのだがどこに置くかで揉めたりもする.
        B:実は,それほど日常で気にしたことはない.
        D:お題目…ではあるかも
        E:対立する意見には両者を収蔵するといっても,実際に発行されている量
        が物理的に異なる場合がある.実際には,一方の意見しか書籍として発行
        されておらず,もう一方の意見を八方手を尽くして探すこともある.
        G:オペレーション的には自由宣言に従っている
        F:図書館員のプライドだよね…
        H:現行のままでいいのではないか?


[地域性]
        A:ある.国会図書館や大規模図書館が近くにないからうちが防波堤.
        C:幸い予算が沢山あるので,外の図書館からのリクエストも受け入れざる
        を得ない面がある
        D 娯楽のために来る人が多いのでその人たちのリクエストに引っ張られる
         :
        面はある
        F:図書館の上層部が司書の勉強経験のない,例えば学校の先生あがりだと
        問題が起こる.選書について常に自己検閲がついてまわるし,それを肯定
        していいと思っている.また,東北の田舎なのですごく保守的.大学で習
        ったこととぜんぜんちがう!
        H:観光地という特性は大きい.地域性はある.



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第 125 回   ku-librarians 勉強会




【以上をおおざっぱにまとめると…】


疑似科学図書について
ほぼ,どの図書館でも,
「図書館で持つのはたぶん問題だが,現状では持たざるを得ないジレンマ」
を感じている.
それは,地方の大規模図書館といった地域性であったり,利用者のリクエスト至上
主義でまわっている図書館ほどその悩みは強いことが窺える.


一方で,教育的指向の強い上層部がいる図書館(例えば F)などは,擬似科学図書
を収蔵しないことを正当化する一方で,娯楽色の強い図書も同時に排除,職員によ
る自己検閲にさらされる傾向にあることがわかる.


持ちたくはない,だが持たざるを得ない.このジレンマを大規模図書館ほどかかえ
ている.
 →そのために,
・分類番号を利用し,科学ではなく超心理学等に振り直す
      しかし近年は OPAC を利用するから利用者に
      その配慮が通じているかは疑問,という発言あり
・閉架を積極的に利用する
      直接的に利用者の目に触れないようにし,棚の「統一感」をつくる
・奥付に商品販売の連絡先があるような,明らかな営業目的の図書は敬遠する


という戦術を図書館がとっていることが明らかになった.


また,社会の公共のための機関でありたい一方,リクエストが来ると応えざるを得
ないジレンマを感じている職員は多い.




また,大規模図書館は往々にして疑似科学図書を「入ってしまっている」ものとし
て問題視して捉え,小規模図書館は「入ってきたらどうしようか」という論法で議
論する傾向もみられた.


【まとめ】
擬似科学といったナイーヴな問題についての選書は,教科書的な選書論,図書館の



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自由宣言の単純な遂行のような単純なふるまいはほとんど見られない.
本音と建前,予算の壁,他類チームとの摺り合わせ等のダイナミックな衝突のなか
で図書館員は疑似科学図書と向き合っていることがあきらかになった.
→ゆえに,
    「図書館と擬似科学」と単純に一枚岩で論じられるようなものではないが,
 それぞれの館のもつ性格と関連させながら傾向を論じることは不可能ではないよ
うに思われる.


 社会的教育機関としての図書館と,娯楽,要求をかなえる機関としての図書館と
しての存在という矛盾を自覚しつつ活動している図書館員は多い.
しかし,現段階の結論として,この矛盾の自覚があるからこそ,図書館は環境管理
型権力(アーキテクチャ)を無意識に実現させているパラドックスがあるようにも
思われる(例:閉架,ILL).なやましいところである.


【今後の課題】
・ より広範囲かつ定量的な調査によって館種ごとの傾向を見る必要がある.
・ 理論のほうへのフィードバックを実践例から行う必要がある.とくにポパーの反
  証可能性の議論がそのまま図書館と擬似科学を考える上で「使える」議論である
  とは考えにくい.科学者コミュニティにおける偽の科学的知識の棄却のありかた
  と,一般社会における偽の科学的知識の棄却のあり方の差異について問うていく
  必要があるだろう.
・ 社会的知識,とくに政治・思想問題にかんして図書館の自由宣言に反するとされ
  た事例は多い.そのなかでは(今回みられたような)閉架に入れることそのもの
  が批判的に捉えられるケースもある.従って,科学的知識と社会的知識の知のあ
  りかたの異同を踏まえた上で,従来の論法の射程距離が通じるかどうかを把握す
  ることが必要である.


【大学図書館員が多いであろうみなさんに質問】
今回は公共図書館を中心に研究しましたが,大学図書館において,疑似科学,ない
しは「あきらかに間違った」書籍を,研究目的ではなく,教育目的に資するために
排架するのはどう思われますか?


【主要参考文献】
・ 伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』
・ 河井弘志『図書選択論の視界』
・ カール・ポパー『実在論と科学の目的』
・ 日本図書館協会図書館の自由に関する調査委員会



                                      14
第 125 回   ku-librarians 勉強会




     『図書館の自由に関する宣言の成立』
・ 日本図書館協会図書館の自由に関する調査委員会
     『図書館の自由に関する事例 33 選』
・ 安井一徳『図書館は本をどう選ぶか』


など




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  • 1. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 科学的合理性に著しく反する図書に図書館はどうつきあっているのか? :聞き取り調査を通じて 千里金蘭大学 現代社会学部講師 岡部晋典 【要旨】 いわゆる疑似科学といわれる現象をあつかった書籍が様々に社会のなかでは流通し ている.このような事象に対し,知識を蓄積し,伝達する機関としての図書館はど のようにそれらの本とつきあっているのか,各図書館のとっている戦術の現状を, 聞き取り調査を通じて明らかにすることを目的にする. なお,今回の発表は問題解決型ではなく問題発見型アプローチをとる.疑似科学問 題を図書館で扱うこと自体に対する先行研究のなさ(というよりもこのような研究 に対する暗黙のタブー視)も主要因の一つであるが,疑似科学と図書館を扱う上で は様々にナイーヴな問題が孕んでいる。つまり疑似科学問題については,どうして も「ある種のむずかしさ」が存在する.したがって,今回の発表においては, 「図書 館で疑似科学問題を考える上では多くの困難さがある」ということを共有し,つい でといってはなんだが,こんな妙なことを考え研究を行っている人間がいる,とい うことを知っていただければ望外である. 問題提起型の発表であり,かつ発表者自身にも先行きの見えない部分も多々あるた めゆえ,新鮮な視点で,遠慮のないご批判をいただきたい. 【自己紹介】 岡部晋典(おかべゆきのり) 1982 年 9 月 9 日生 (27 歳) 愛知県出身. 筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程(休学中) 千里金蘭大学現代社会学部現代社会学科 講師 (任期付き:二年.「今話題」のあの大学です) 研究テーマ: 卒論~D1: イギリスの科学哲学者,カール・ポパーの提唱した世界3論と図書館情報 学のかかわり D2 以降:ポパー研究の図書館情報学への応用一般を試行錯誤中 新人講師として苦労中←イマココ! 1
  • 2. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 【大前提】 「べき論」を拒否し,ウェーバー流価値中立論を研究倫理上のコードとして用いる 図書館に疑似科学図書をいれるべき,いれざるべきという議論を行うつもりはない 現状を把握し,分析することを目的とする. 【研究の背景・動機】 「疑似科学」といわれる存在が社会のなかで様々に問題としてとりあげられてきて いる.きっかけは TOSS(教育技術法則化運動)で扱われた『水からの伝言』. TOSS でとりあげられたものが道徳の授業として伝播していった. 内容: 「水にありがとうというと綺麗な結晶になり,馬鹿野郎というと汚い結晶になる」 →人間の体内の殆どは水分で構成されている →したがって人に汚い言葉をかけてはいけない… (道徳の授業で教材としてとりあげられた) →科学者らの猛反発: 「しつけの根拠に科学を持ち出すな」 (by 大阪大学菊池誠:彼の NHK『視点・論点』は YouTube に転載され 多くの注目を集めた) はてなブックマーク等での批判,ウェブ上における疑似科学批判の緩やかな高まり →一方で,図書館界からの反応はほぼ皆無.なぜ? →図書館ならではの難しさによるものか?(後述) 【疑似科学と図書館とは】 このテーマはいくつかに切り分けることができる1. 1 なお, 欧米においても pseudoscience を扱う書籍が図書館で問題になっているが, これは主に ID 説(インテリジェントデザイン,知性ある設計者により現在の世界が 成立しているという考え方)とのからみが多いように思われ,むしろ宗教的側面が 前景化する.たとえば ID 説信奉者の弁護士である Casey Luskin がイギリスの図書 館で ID 説書籍が排斥された事に怒り狂っているポストなどが簡単にみつかる→ ” Bah Humbug! British Librarian Tries to Ban Explore Evolution in the Name of Darwin” http://www.evolutionnews.org/2009/12/bah_humbug_british_librarian_t030241.h tml なお,本稿においては,宗教的議論が入るのをきらい,純粋に科学と疑似科学のみ 2
  • 3. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 大分類すると (1) 疑似科学とは何か:境界設定問題 (2) 図書館の自由宣言 (3) 図書選択論(選書論) としていくつか取り出しうると考えられる(他には?) 【疑似科学とは何か】 「疑似」:本物によく似ていてまぎらわしいこと.また,そのもの.(大辞泉) 「疑似科学」 一般的には「科学のふりをしているがそうでないもの」と呼ばれる事が多い →日本において「疑似」の用法で有名なものの一つに,丸山眞男による 「(陸軍は)擬似デモクラティック」 (1950 年の対談による) 疑似科学の特徴(とされるもの): 再現性,検証可能性,反証可能性がない,反証可能性で棄却される. 血液型性格診断などが擬似科学の特徴的な存在であるとされる. 身の回りにあふれている. ひとによってはそれを疑似科学としてとらえるが,他の人にとっては擬似科学と 捉えないケースも多い. [重要] 疑似科学に「ひっかかる」人はむしろ科学を信頼しているからというパラドックス 一昔前:科学技術は社会に悪影響を及ぼす,必ずしも人間を幸せにしないという感 覚(原発反対運動,公害などが背景) 現在:科学技術は人々を幸せにするという人々の増加 ※内閣府の調査 疑似科学問題は科学に対する信頼性があるから可視化された問題と考えられる! どこまで疑似科学なのか個々人ではなかなか見抜けない で議論が行えると思われる国内の事例に注目して議論を進める. 3
  • 4. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 血液型性格診断 →あやしい? 健康グッズ →これは効きそう? 燃費改善グッズ →うーん… 単純なリテラシー問題に堕すと見えなくなる問題は多いのでは? 【現在の公共図書館】 リクエスト至上主義により「うさんくさい図書」でも入れざるを得ない状況 →ためしにカーリルで調べてみると…? 最近流行の「健康情報棚」の躍進とホメオパシー情報の滲入 ※図書館は資料の内容に責任は取れないとは明記してあるが… 【従来の論争的図書】 政治的図書や社会思想的図書が対象に :多様な意見が並立し,したがって両者の意見を収蔵することが可能 疑似科学問題 :(素朴に科学を表象するなら)科学は誤った知識を棄却するプロセスを持つゆえ, (社会的知識と異なり)かならずしも並立する意見をすべて収蔵する必要はない? …のだろうか? →「図書館の自由宣言」侵犯問題として扱われたものはほぼ全てが社会的問題. 科学的問題として図書館で扱われたイシューのうち, 目を惹くものに遠藤周作『こんな治療法もある』がある. 「代替医療」の本 →本の内容を実際に試した人間のアトピーが悪化 →出版社による絶版および出版社による図書館への提供禁止の要請 →図書館側による要請撤回の要請あるいは館によっては除籍のケースも 4
  • 5. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 擬似科学ってなんだ? 【境界設定問題】 科学と疑似科学の境界線を引くもの.線引き問題とも. 科学哲学者,カール・ポパー(1902-1994)の提唱 疑似科学問題を考える際にはもっとも利用される思考法. 20 世紀初頭 論理実証主義者:科学を定義しようとした ポパーの登場:「科学とは何か」ではなく,科学か疑似科学かで境界をひこう 科学の特徴: 反証可能性がある.自らが誤っているかどうかの テストに耐え続けることができる 疑似科学: 反証可能性がない,あるいは批判に対して言い逃れをする ※科学,疑似科学,非科学の扱いに注意. 疑似科学は科学のふりをしているもの,非科学は科学ではないもの 反証可能性: 自らが間違っていることを確かめるためのテストを考案すること, また,そのテストに耐え続けることができること そのテストに耐え続けることができるのが「科学的理論」 . (筆者は前者を論理的反証可能性,後者を実践的反証可能性と区別) →この区別じたいは,ポパーがクーンとのパラダイム論争を経てから 前景化しているが…このあたりは煩瑣&詳細になりすぎるので別途 ※ポパーはアインシュタインの影響を強く受けている. 相対性理論は,その理論の矛盾を調べるための常にテストに晒され,しかもそれに 耐え続けているから「科学的理論」だとポパーはいう. 5
  • 6. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 【ポイント】 科学と疑似科学は明確な線引きはひけない.広大なグレーゾーンがある (1) 最先端過ぎてよくわかっていないもの (2) 正しいと思われていても研究の進歩によって書き換えられること ポパー流の論法でいくと,科学か疑似科学かは完全な線引きができないことになる 絶対真,絶対偽という概念のかわりに漸近的な真,といった概念の導入 →反・基礎付け主義の考え方 歴史的背景: 反証可能性登場時にポパーが行った批判: 占星術やマルクス主義を自らが科学だとみなしていることについて →論理的に反証を考えられないし,言い逃れをするため科学ではないとひはん (論理的反証可能性の欠如といっていい?) 現在の疑似科学図書 実は「論理的反証可能性」はあることが多いと考えられる. →疑似科学的書籍を扱う上での悩ましさのひとつと考える →したがって,従来通りの(論理的)反証可能性一辺倒では,現在の疑似科学図書 を必ずしも疑似科学の問題として捉えることはできない可能性がある. 【図書館の自由宣言】 [参考] 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、 もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。 第 1 図書館は資料収集の自由を有する。 第 2 図書館は資料提供の自由を有する。 第 3 図書館は利用者の秘密を守る。 第 4 図書館はすべての検閲に反対する。 図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。 [/参考] この研究については,京都医科大学で発表済み (Special thanks to 福島幸宏氏@京都府立総合資料館) 6
  • 7. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 発表を3行でまとめると… (1)なんであんなに「自由宣言」って元気なの? (2)網羅的に『図書館雑誌』をサーベイしてみた (3)戦後の「高揚した」時代,破防法,終戦後の若手の発言権増大が原因 余談:長尾真の最近のスローガン 「知識はわれらを豊かにする」 →もともと NDL のスローガンは「真理がわれらを自由にする」 マールブルグ大学に留学経験のある羽仁五郎による 長尾はこのスローガンを時代にそぐわないと棄却 (自伝『情報を読む力,学問する心』参照) 【1960~70 年代アメリカにおける知的自由と社会的責任】 「知的自由派」と「社会的責任派」の衝突(現在にも引き継がれている) アメリカ図書館協会知的自由委員会委員長バーニングハウゼンのまとめ 社会的責任派:図書館は社会問題について責任を果たす 社会問題への責任に応じるための決議を館界で行い,それに優先的にサービス vs 知的自由派:特定の見解にコミットせず知識を提供するのみに留める 特定の価値判断に陥ることなく図書館業務の底上げを図る …という件 特定のトピックに図書館がコミットすることは図書館が価値判断そのものに踏み込 むこととなり,知的自由に反するという見解. 【図書選択論(選書論) 】 おなじみ「要求論」vs「価値論」 要求論:図書館の蔵書は利用者のニーズに応えるべきである.図書館は本そのもの の内容に踏み込んではならない. 価値論:図書そのものに固有の価値を認め,価値ある図書を積極的に図書館は提供 せねばならない. 中小レポート以前の図書館(利用されなかった!)の反省から,価値論から要求論 へ,といわれる 7
  • 8. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 中小レポート周辺での期待: リクエストとレファレンスが表裏一体であるという議論 リクエストの増大→レファレンスの増大→図書館員および利用者の質的向上 を,夢として図書館界は描いていた. …というもくろみ (もちろん失敗.レファレンス皆無の無料化資本屋論へ繋がる) おおまかに分類すると,現場出身者は「絶対的要求論」,研究者らは「価値論」ない しは「制限的要求論」といわれる立場とされる →要求論ではなぜそのニーズが社会に「生まれてくるか」についての 議論はこれまで管見の及ぶ範囲では全くない 選書論は行き詰まっているとされる 1)地理性,館種性を踏まえない一枚岩として捉えた議論の膠着 2)理論と実践の乖離 3)いくつかの感情的反発 →要求論,価値論の議論は確かに便利なのだが, 疑似科学問題にそのまま使えるのか?という疑問 【理論編のアポリア】 疑似科学と図書館を理論的に攻めても難しい! では,現実を見てみようと,筑波大学知的コミュニティ基盤研究センターの助成に よって各地の図書館へ聞き取り調査を行った. 8
  • 9. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 【聞き取り調査】 ※対象館名および担当者は公開しないと確約 時期:2009 年 7 月~2010 年 3 月 抽出手法:雪だるま式サンプリング,各種のシンポジウム等での登壇図書館員への 依頼等 対象館:東日本中心,大規模館 vs 小規模図書館の2項対立として設定 (ウェーバー的理念型を流用…したつもり) 対象者:基本的には選書対象者(科学担当者を優先). 調査手法:半構造化インタビュー 調査対象館 大規模図書館:都道府県立 or 政令指定都市レベル 5館(A~E 館とする) 小規模図書館:町村立レベル 3館(F~H 館とする) 調査時間:最短 30 分,最長 3 時間,平均して 1 時間程度 [半構造化インタビューでの質問項目] (1)選書全般 体制,カタログ利用,選書基準など (2)利用者層 娯楽志向か?研究志向か?疑似科学関係でのクレームは? (3)運営手法 ILL,分類番号振り直し,棚の配置 (4)疑似科学 収蔵は?複本は? (5)取り扱いにこまる本について 過去問題になったケースでほかには? (6)司書のライフヒストリー なぜ司書に?司書資格の有無は大きい?正規非正規は? (7)除籍 除籍基準は?ルール等は? (8)自由宣言について どう思う? (9)地域性 どのようにある? 9
  • 10. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 【結果】 ※特徴的な回答をピックアップした.詳細については後日文章化する. [体制] 小規模図書館:選書は一人で全てを担当. 大規模図書館:門あるいは類ごとで担当者.ただし異動はよくあり専門性 は確立しない(B 談),サブジェクトライブラリアンはいない(全て) ,従 って「科学担当」の図書館員というのは存在しない. カタログ利用:H 以外の全て,TRC『週刊新刊全点案内』利用 選書基準:大規模はほぼ持っているが,柔軟な利用をはかるような文言に. 外部向けの公表できる選書基準と内規が別に存在する(D) 娯楽・レクリエーションとしての利用がどこも多い ただし B,D,E は+αで研究利用の利用者を強調. A(都道府県立),C(政令指定都市)は「図書館の図書館」を自称. H は海外利用者が多い(観光地).内容が分からなくてもニーズがあれば表 紙のコピーを手がかりに取り寄せとの発言 疑似科学関係でのクレーム E:科学棚への排架へのクレーム,NDC147(超心理学,心霊研究2)に E 以外:擬似科学だといってクレームがついたことはない B:擬似科学が社会問題となっているとは知らなかったが,言われてみると 健康情報などでは気になる書籍が入っている… [運営手法] ILL:うちは ILL で頼まれている先の図書館だから,自分個人として図書 館に入れるのが嫌な本でも「持たざるを得ない」(B,C 談). 県内 ILL をかけて持っている図書館があれば「やったー」 談) (C 予算の都合もあるので,なるべく取り寄せる方向で(G,H) 分類番号:カタログ会社による分類番号が間違っている事が多いので,振 り直す(C,D,E).よって,棚の位置もかわる 2NDL も『水伝』は 147 で分類しているが某社の MARC では最初 400 付近が記載 … 10
  • 11. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 ○○で××が治った系の本は「連絡先が書いてある」ようなものはなるべ く入れないようにしている(あきらかに販促目的の図書の拒否)(C,E,G) 番号の振り直しはしたことがない(B) 棚同士の担当者で衝突することもありえる(A,D).たとえば YA 図書を YA コーナーに入れるか,9 番台に入れるか…(押し付け合い) [疑似科学図書] おおざっぱにまとめると… 大規模:既に[入ってしまっている] 小規模:少しはありえる or もっと入れてもいい? と発言するという傾向. A:図書館の図書館だから持たないといけない. C:リクエストがあるから入れる.入れたくはない本もあることはある.ILL で対処できるときは対処 B,C:複本は○冊リクエストがかかった時点で自動的に入れざるを得ない D:どうしても図書館にふさわしくない本は謝絶する.内規で謝絶理由に合 致しそうなものを探す. F:利用者が求めるからある. G,H:多少はある. C,E,F,G:閉架を利用して,変な本は,図書館としては持っていることは持 っているが利用者の目に直接触れないようにすることもある H:もっと入れていいと個人的には考える. [取り扱いに困る本について] D:BL 本などは土地柄入れろと言われて積極的に入れてはいるが, 実はレーベル切りをしている.このレーベルは入れない,と 内規で決めている. F:アニメ雑誌の表紙がけしからんから排除せよとのクレームがあった. →上層部(非司書)が予算不足を理由に継続受け入れを打ち切り. クレームがあると予算不足の折もあり,非司書で教育委員会あがりの 職員は,図書館の自由宣言のことを知らないから困る. E:少年犯罪モノ等での議論はよくある.チームで議論する. B:正規職員,非正規職員,委託の人,さまざまなポジションがいることを 活かして対等に議論するようにしている. [ライフヒストリー] 11
  • 12. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 A:図書館に配属されたので司書資格を取りに. B:短大出身.やはり本が好きなので. F:図書館情報大学出身. H:実は出身は芸術関係 ※ 変な経歴の図書館員は面白い?(筆者感想) [除籍] E,D:除籍のほうが選書なんかよりずっと難しい B:除籍はそもそもしない.よほど汚れない限り書庫に保管する.地方にあ るため,利用者に気軽に国会図書館に行って貰うわけにもいかない C:除籍するより閉架に入れるタイミングのほうが難しい.ILL 用に持って おかないといけないから除籍はよほどのこと.しかしこの前電動書架が壊 れた. [自由宣言について] C:ポスターがあるのだがどこに置くかで揉めたりもする. B:実は,それほど日常で気にしたことはない. D:お題目…ではあるかも E:対立する意見には両者を収蔵するといっても,実際に発行されている量 が物理的に異なる場合がある.実際には,一方の意見しか書籍として発行 されておらず,もう一方の意見を八方手を尽くして探すこともある. G:オペレーション的には自由宣言に従っている F:図書館員のプライドだよね… H:現行のままでいいのではないか? [地域性] A:ある.国会図書館や大規模図書館が近くにないからうちが防波堤. C:幸い予算が沢山あるので,外の図書館からのリクエストも受け入れざる を得ない面がある D 娯楽のために来る人が多いのでその人たちのリクエストに引っ張られる : 面はある F:図書館の上層部が司書の勉強経験のない,例えば学校の先生あがりだと 問題が起こる.選書について常に自己検閲がついてまわるし,それを肯定 していいと思っている.また,東北の田舎なのですごく保守的.大学で習 ったこととぜんぜんちがう! H:観光地という特性は大きい.地域性はある. 12
  • 13. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 【以上をおおざっぱにまとめると…】 疑似科学図書について ほぼ,どの図書館でも, 「図書館で持つのはたぶん問題だが,現状では持たざるを得ないジレンマ」 を感じている. それは,地方の大規模図書館といった地域性であったり,利用者のリクエスト至上 主義でまわっている図書館ほどその悩みは強いことが窺える. 一方で,教育的指向の強い上層部がいる図書館(例えば F)などは,擬似科学図書 を収蔵しないことを正当化する一方で,娯楽色の強い図書も同時に排除,職員によ る自己検閲にさらされる傾向にあることがわかる. 持ちたくはない,だが持たざるを得ない.このジレンマを大規模図書館ほどかかえ ている. →そのために, ・分類番号を利用し,科学ではなく超心理学等に振り直す しかし近年は OPAC を利用するから利用者に その配慮が通じているかは疑問,という発言あり ・閉架を積極的に利用する 直接的に利用者の目に触れないようにし,棚の「統一感」をつくる ・奥付に商品販売の連絡先があるような,明らかな営業目的の図書は敬遠する という戦術を図書館がとっていることが明らかになった. また,社会の公共のための機関でありたい一方,リクエストが来ると応えざるを得 ないジレンマを感じている職員は多い. また,大規模図書館は往々にして疑似科学図書を「入ってしまっている」ものとし て問題視して捉え,小規模図書館は「入ってきたらどうしようか」という論法で議 論する傾向もみられた. 【まとめ】 擬似科学といったナイーヴな問題についての選書は,教科書的な選書論,図書館の 13
  • 14. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 自由宣言の単純な遂行のような単純なふるまいはほとんど見られない. 本音と建前,予算の壁,他類チームとの摺り合わせ等のダイナミックな衝突のなか で図書館員は疑似科学図書と向き合っていることがあきらかになった. →ゆえに, 「図書館と擬似科学」と単純に一枚岩で論じられるようなものではないが, それぞれの館のもつ性格と関連させながら傾向を論じることは不可能ではないよ うに思われる. 社会的教育機関としての図書館と,娯楽,要求をかなえる機関としての図書館と しての存在という矛盾を自覚しつつ活動している図書館員は多い. しかし,現段階の結論として,この矛盾の自覚があるからこそ,図書館は環境管理 型権力(アーキテクチャ)を無意識に実現させているパラドックスがあるようにも 思われる(例:閉架,ILL).なやましいところである. 【今後の課題】 ・ より広範囲かつ定量的な調査によって館種ごとの傾向を見る必要がある. ・ 理論のほうへのフィードバックを実践例から行う必要がある.とくにポパーの反 証可能性の議論がそのまま図書館と擬似科学を考える上で「使える」議論である とは考えにくい.科学者コミュニティにおける偽の科学的知識の棄却のありかた と,一般社会における偽の科学的知識の棄却のあり方の差異について問うていく 必要があるだろう. ・ 社会的知識,とくに政治・思想問題にかんして図書館の自由宣言に反するとされ た事例は多い.そのなかでは(今回みられたような)閉架に入れることそのもの が批判的に捉えられるケースもある.従って,科学的知識と社会的知識の知のあ りかたの異同を踏まえた上で,従来の論法の射程距離が通じるかどうかを把握す ることが必要である. 【大学図書館員が多いであろうみなさんに質問】 今回は公共図書館を中心に研究しましたが,大学図書館において,疑似科学,ない しは「あきらかに間違った」書籍を,研究目的ではなく,教育目的に資するために 排架するのはどう思われますか? 【主要参考文献】 ・ 伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』 ・ 河井弘志『図書選択論の視界』 ・ カール・ポパー『実在論と科学の目的』 ・ 日本図書館協会図書館の自由に関する調査委員会 14
  • 15. 第 125 回 ku-librarians 勉強会 『図書館の自由に関する宣言の成立』 ・ 日本図書館協会図書館の自由に関する調査委員会 『図書館の自由に関する事例 33 選』 ・ 安井一徳『図書館は本をどう選ぶか』 など 15