胸部CT読影の基本　〜びまん性陰影の読み方〜

胸部CT読影の基本
～びまん性陰影の読み方～
島根大学病院医学教育センター
センター長／准教授
長尾大志

読影の練習には
• 胸腔内の基本的な構造を意識する
• CT上の異常パターンとその場所を認識する
• 放射線科医師の所見があっても、ともかく自分なり読影する
⇒模範読影を確認し修正

枝分かれを繰り返し、
どんどん細くなる。
肺門部：1cm以上
末梢：0.5mm

血管と気管支の見え方
血管↑ ↓気管支
長尾大志．レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室改訂第2版．日本医事新報社，2018. を参照して作成

血管の見え方
0.5mm

気管支の見え方
0.5mm

CTで見えるのは0.5mm以上の構造物
⇒血管と太い気管支

見える気管支はこれだけ

気管支＋肺動脈の最後はこの辺

気管支・血管＝小葉中心部
肺静脈＝小葉辺縁部
1cm
1cm
肺静脈
（径0.5mmより細い）
肺動脈
（径0.5mm）
（細）気管支
（径0.5mm）
肺胞（0.2mm）

肺胞内で好中球が細菌と戦って膿性になる
膿の海

コンソリデーション
• 細菌性肺炎
• 器質化肺炎/間質性肺炎
• 浸潤性粘液産生性腺癌

1cm
肺静脈
肺動脈
（径0.5mm）
（細）気管支
（径0.5mm）
肺胞（0.2mm）
1cm

小葉中心性粒状影
• 細気管支炎、DPB（diffuse panbronchiolitis）
• 抗酸菌感染症
• 過敏性肺炎
• じん肺
• 呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患（RB-ILD）
• RA関連
• HTLV-1関連

1cm
肺静脈
肺動脈
（径0.5mm）
（細）気管支
（径0.5mm）
肺胞（0.2mm）
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リンパ系
1cm

肺の実質と間質
実質
間質
実質
実質
：毛細血管
1mm

肺動静脈・気管支周囲は「(広義)間質」
（細）気管支
肺動脈
肺静脈

「狭義の間質」と「（広義）間質」

すりガラス影≒「狭義の」間質性陰影

すりガラス影
• 間質性肺疾患からの鑑別
• 薬剤摂取歴
• 間質性肺炎であればステロイド
• 感染症
• COVID-19
蜂巣肺や網状影の有無（間質性肺炎）

肺静脈の端はXPでもCTでも見えない

肺静脈≒（広義）間質が拡大する

広義間質肥厚像
• 肺水腫
• 好酸球性肺炎
• 癌性リンパ管症
• サルコイドーシス
• リンパ増殖性疾患
⇒リンパ節腫脹の確認要

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