「経営学入門」3
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「経営学入門」3
- 2. ＜Agenda＞ 1. 組織の特性、必要性 2. 組織の基本的な見方 3. 組織論の諸分野 2
- 3. 組織の必要性
- 4. 0. 社会的分業、組織 • われわれは「いろいろなものを少しずつ」必要としている • 少しずつのいろいろなものが手に入る豊かさ • 企業は「特定のなにかを集中的に生産」して効率性をあげる ↓ • なぜ集中的に生産すると効率が上がるのか • 単に人が集まっただけでは効率は上がらない • 互いの仕事(業務)を調整して「正しい努力」をする必要 ↓ • 人と人の調整を積み重ね、協働する仕組みを考える組織(論) 4
- 5. 1-1. 組織の必要性 • なぜ、組織を成り立たせる必要があるのか?? • 1人で全てできれば良いが・・・ • 仕事の量が多すぎる、できない仕事がある ↓ • 複数の人が協力して何かを成し遂げることが必要となる • 仕事を分け合うことで、1人あたりの仕事の量を少なくする • 補い合うことで、できない仕事を少なくする • 複数の人で仕事を分担し、専門特化すれば、効率が上がる 5
- 6. 1-2. 組織を考える必要性 • 複数の人が協働する時に生じる問題 • 1人あたりの仕事の量が減らない • 協力してもできない仕事が残る ↓ • 人の集まりが、無駄なく、無理なく仕事(業務)を分担し、何か を成し遂げる「仕組み」が必要 • タイミングをあわせて業務を調整する必要性 ＝組織について考える(組織論の)必要性 6
- 7. 1-3. 組織はいきもの • 組織、とくにそれを構成する組織メンバーの状態は変化する • 組織として活動するためには、常に仕組みを作り、手直しする ことが必要 • 組織メンバー同士のコミュニケーションを促す • 共通目的を持たせる • 貢献意欲を持たせる 7
- 8. 1-4. 組織論の問題意識 • 組織で生じる問題とその解決方法について考える分野 • 人が協働し、意味のある仕事(業務)を成し遂げるにはどうす ればいいのか • 問題が生じにくい仕組み • 問題が生じた場合の対応策 • 組織論と経営資源 • 経営資源の中でも、業務を遂行する主体であるヒトに焦点化 • 「ヒトが情報やモノ、カネを使いこなし、業務を遂行するには どうすればいいのか」を考える 8
- 9. 2-1. 分業―組織の基本的な見方(1)― • 組織に参加しているヒト(個人)に仕事(業務)を割り振ること • サブユニットに仕事を分割すること • 分業を行う際に考えること • 業務の量は適切か • 割り振られた人(サブユニット)が業務を遂行できるのか • 能力と仕事内容 • 能力開発の可能性 • 全体として目的の成果をあげられるか 9
- 10. 2-2. 調整―組織の基本的な見方(2)― • 業務は、適切なタイミングと方法で纏めなければならない • 調整 • 組織に参加した人(サブユニット)に割り振った仕事をまとめ 上げること • 調整の際に考えること • 業務の重複、矛盾、分業のあり方 • 誰が、いつ、どのように仕事をまとめ上げるのか 10
- 11. 2-3. 指揮命令、権限、意思決定 ―組織の基本的な見方(3)― • 組織として仕事を進めていくと対立や矛盾が生じることがある • 誰かが責任をもって、対立や矛盾を解決する必要がある ↓ • 意思決定と指揮命令(権限)の配分 • 誰にどのような意思決定を任せるのか • 意思決定の階層化 11
- 12. 実際の組織とその研究
- 13. 2-4. 役割に基づくサブユニット • 企業の中の役割(機能)に基づく 分業 • 機能別組織 • 営業(うる) • 製品サービスを売る • 製造、提供 (つくる) • 製品を製造する、サービスを提供 する • 企画、開発 (つくる) • 新しい製品サービスを創り出す • 調達、購買 • 製品サービスの提供に必要なモノ を買う • 財務経理 • 企業活動に必要なカネを管理する • 人事、総務 • 企業活動に必要な人を管理する • マーケティング • 市場の情報を得る、市場に製品や サービスを知らせる(市場と情報の やり取りをする) 13
- 14. 2-5. 目的に基づく分業 • 企業の特定の活動達成することを目指した分業 • 製品やサービス、プロジェクトの遂行のために必要な複数の 機能(の集団)を組織の中に集める • 製品サービス別組織 • プロジェクトチーム • 事業部制 • 事業(部)という単位で、必要な機能を自己完結的に持つ 14
- 15. 2-6. 組織を動かす • 組織図だけでは分からない、決まらないことがある • ヒトは計画された通りに仕事をするとは限らない • 指揮を執り、命令を下すヒトの能力、個性 • リーダーの任命、リーダーシップの発揮 • 命令を受けた人が期待された働きをするためにはどうすべきか • 動機付け 15
- 16. 2-7. 組織を変えていく • 経営資源の変化(情報や知識の蓄積・喪失)、環境の変化に応じ て、組織は変化する • 経営資源を蓄える、失う場合 • 環境への対応 • 組織能力の構築 • 大きな変革と、小さな改善の組み合わせ • 重要だが難しい組織の変革 • 組織慣性の問題 16
- 17. 3-1. 組織全体を見据えた分野 • マクロ組織論 • 組織を1つのまとまりとみて、組織全体と環境との関係を明 らかにする • コンティンジェンシー理論 • ミクロ組織論 • 組織を構成する人に着目して、その活動の内容や合成の結果 としての組織の動きを明らかにする • 意思決定論 • 組織の中で繰り返される決定(意思決定)を明らかにする 17
- 18. 3-2. 組織の中のヒトを見つめる分野 • 動機付け • 組織で働くヒトに、より良く役割を果たさせるためにどうす ればよいかを明らかにする • リーダーシップ • 組織の中で意思決定、指揮・命令、動機付けなどで重要な役 割を果たすリーダーのあり方を明らかにする • 人的資源管理 (HRM: Human Resource Management) • 組織を構成するヒトの採用、育成、報酬などの望ましいあり 方を明らかにする 18
- 19. 3-3. 組織のダイナミズムを捉える分野 • 組織学習 • 組織が情報や知識を蓄積していく過程、望ましい蓄積の仕方 を明らかにする • 組織文化 • 組織の中で働くヒトが共有する、一定の考え方やモノの見方 (文化)の形成過程、役割などを明らかにする 19
- 20. ＜経営学を学ぶための書籍＞ • 沼上幹(2004) 『組織デザイン』日本経済新聞社. • 沼上幹(2009) 『経営戦略の思考法』 日本経済新聞出版社. • 高橋伸夫(2015) 『経営学で考える』有斐閣. • 高橋伸夫(2016) 『経営の再生―戦略の時代・組織の時代 第4 版』有斐閣. • 藤田英樹(2009)『コア・テキスト ミクロ組織論』 新世社.