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20151030サービス改善のための対話
- 1. サービス改善のための対話 ～問いの立て方とインタビュー法～ 駿河台大学 メディア情報学部 専任講師 （千葉大学 アカデミック・リンク・センター 客員研究員） 國 本 千 裕 1 平成27年度図書系職員研修，京都大学 (2015-10-30)
- 2. ∗ 経歴 ∗ 2011-2014 千葉大学アカデミック・リンク・センター特任助教 ⇒ 情報利用行動 定点観測ＰＪ 担当 ∗ 2014- 駿河台大学メディア情報学部専任講師 千葉大学アカデミック・リンク・センター客員研究員 ∗ 研究分野 ①素人よる専門情報の探索・利用 ②大学生の情報利用と学習行動 講師 自己紹介 2
- 12. Ａ： こうあるべき、こうあってほしい（理想） Ｂ： 実際の利用者の行動（現実） ↓ 「なぜ、ギャップが起きるのか？」を考える Ａ が間違っている（ニーズとずれている）のでは？ Ｂ の行動はなぜ起きているんだろう？ もつべき「問題意識」 12
- 15. ◎ 図書館は何ができるか 図書館員自身が 考える 発言やデータを分析する 何が不足？何が便利？何を喜ぶ？ 学生に聞く（問をたてる） あなたは普段、何を、どうやって勉強してる？ 行動をみる 図書館にあまりこない 勉強方法に困っている 15
- 20. ∗ 大学内外での、生活・学習？【行動】 ① 学生全体の、状況・傾向を知る ② 学生個人の、学習行動をみて、聴く ∗ 図書館内の、学習・情報利用？【認識】 ③ 学生がどう「思って・感じて」いるかを聴く ∗ 図書館内の、空間の利用？【環境】 ④ 机と人の「配置」をみる ⑤ 人の「通行量」をみる ⑥ 人の「動線」をみる ∗ 図書館内の、コンテンツ利用？【資源】 ⑦ 資料の「館内移動」をみる ⑧ 資料の「利用状況」をみる 質的調査 と 量的調査 ウェブ 質問紙 ブックトラック ＲＦＩＤ 定点カメラ観測 赤外線 iBeacon フォーカス グループ インタビュー 写真＋ インタビュー 20
- 21. ∗ 目的 ∗ 学内の学習環境整備のための基礎データ ∗ 千葉大生の学習や生活時間の継続的把握 ∗ 対象 ∗ 全学部学生（学内公募） ∗ 質問項目（３７問） ∗ A）学習・生活空間の利用に関する設問 ∗ B）情報利用行動に関する設問 ∗ C）千葉大学附属図書館の利用状況 ①ウェブ質問紙による、 全体の状況・傾向調査 21
- 22. 図書館への来館目的 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 附属図書館へは行かない なんとなく 休憩のため 図書・雑誌を利用／借りるため 授業の課題・レポートや論文を作成する… 教育用端末（PC)を利用するため 友達とグループで勉強するため ひとりで勉強するため 2013 2012 環境があるから、 協働・集団学習 するわけではない 22
- 23. 附属図書館で最も好ましいと思う場所 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2012 (n=991) 2013 (n=929) N棟 2・3階の会話可能な学習エリア N棟 3階のPCエリア N棟 4階のグループ学習室 N棟 2-4の個人学習デスク K棟 1-3の個人学習デスク L棟 1-4階の個人学習デスク 附属図書館本館（西千葉キャンパス）では学習しない／附属図書館本館には行かない 静寂空間へのニーズ も存在する 23
- 24. ∗ 留意点 ∗ 把握したい「全体」を明確化+対象設定 ∗ 「何を知るために」その設問を立てるか？ ∗ 方法 ∗ 紙・ウェブなど様々 ⇒データや個人情報の管理に留意（学籍番号） ∗ メリット ∗ 多数の声（傾向・状況）を聴ける ∗ 位置づけの明確化（相対化）が可能 質問紙調査 24
- 25. ②フォト・ボイス調査による 個人の学習行動調査 ① 「勉強する」の詳しい内容は？ ② 必要とされる環境・コンテンツ・サービスとは？ 【FGIより】 課程（カリキュラム）に関係しない学習が多い？ 25
- 26. 分析枠組（問の立て方） 26 ① 学習行動の分析 ∗ 学生はどんな学習を行うの？ ↓ ② 理由の分析 ∗ なぜ（そのように）行われるの？ ↓ ③ 学習に用いられる“要素”の分析 ∗ いつ、どこで、何が学習に用いられるの？ 図書館は、 どこで役に立つ？ 何をすればいい？
- 27. あなたの勉強の様子を教えて下さい ①１月間、学生にカメラを貸与 学習行動を自分で撮影 ・図書館（30分おき） ・図書館外（学習開始時） + ②写真をみながら「個人インタビュー」 ・1～1.5時間 27
- 30. 例） アクティビティ （活動の場や機会を大学が提供） 「就職先が高齢者の介護 予防（フィットネス）の会社 なので、人に教えるという 意味での経験値」 【スポーツ科学】 「アルバイト先が障がい 児の預かり保育。レクリ エーションの際に参考 になる事柄がないかを 見てみた」 【スポーツ科学】 「建築学科のサークル （中略）空間インスタ レーションの準備」 【建築】 TA（小学校体育） サークル（建築） アルバイト(保育) 「課程内」で学習した内容を（進路も意識しつつ） 「課程外」の活動で活用 学内 設備 学内 紹介 専門 資料 30
- 32. ∗ 留意点 ∗ 肖像権（写り込み）への対処はかなり必要 ∗ 最初の説明を丁寧にする必要あり ∗ 方法 ∗ 写真とインタビューの読込み・解釈が必要 ∗ メリット ∗ 参加者自身による撮影なので負担感が少ない ∗ 客観的な記録（日時、行動、状況まで）がとれる ∗ 認識（思うこと）が写り込む フォト・ボイスによる 個人の「学習行動」の調査 32
- 34. ∗ 社会のニーズ： 高等教育の意義の明確化etc. ∗ 大学のニーズ： 教育改革、アクティブラーニング推進etc. ∗ 学生のニーズ： 課程学習、過程外学習、居場所 etc. 直面する「難題」の答えは、 常に（誰かの）ニーズとともにある 組織＝図書館へのミッション発生 （もはや数人では解決できないレベル） 34
- 38. 1. 自学と自館の置かれた状況をみて 2. 学生のおかれた状況をみて 3. 学生の行動と認識を聴いて 自館だけの「方向性」をひとつ ＯＲ 複数選ぶべし！ 回答するとしたら。 38
- 39. ・・・以上です。ありがとうございました。 本日紹介した以外にも、千葉大学附属図書館とともに実施した「利用者調査」の詳細な報告書が、 千葉大学アカデミック・リンク・センターウェブページの以下の場所に掲載されています。 ① 『評価委員会報告書』 （http://alc.chiba-u.jp/assessment_committee.html） …学習支援、教材作成支援、そのほか全プロジェクトの取組み報告と記録（３年分） ② 『千葉大学学習状況・情報利用環境調査集計報告書』 （http://alc.chiba-u.jp/research.html） …全学向けウェブ質問紙調査の集計報告書 ③ 『アカデミック・リンク・セミナー』 （http://alc.chiba-u.jp/seminar.html） …動画および配布資料あり。下記２件が情報利用行動調査に関するセミナーです。 ・「千葉大学アカデミック・リンク・シンポジウム～つながる学び： アカデミック・リンクのこれまでとこれから」（2014年12月22日） ・「学生たちは新しい学習環境をどのように使い、どのように学んでいるのか」 アカデミック・リンク・セミナー 2013年度No.5」（2014年3月27日） ・・・ご参考までに・・・。 39