交渉力について
2017-11-17 @ 未踏八合目合宿
サイボウズ・ラボ/未踏社団理事 西尾泰和
成果報告会の後
• 今みなさんは成果報告会に全力疾走中
• 報告会が終わってほっとした後に
大企業などから交渉を持ちかけられる
ことがある
• 何に気を付けるべきか
2
あなたのママではない
• 世の中の人はあなたのママではない
• あなたの幸せを一番に考えたりしない
• 今まで周囲の人に愛されていたなら
それは恵まれた状況。
社会は必ずしもそうではない。
• 他人はその人の幸せのために動いている
3
他人の幸せ軸を把握
• 何を幸せと考えるかは人によって異なる
• 幸せ軸の向きがあなたと食い違ったとしても
あなたが正義で相手が邪悪なのではなく
人間の価値観が多様なだけのこと
• あまりひどいことにならないよう法律があるが、
法律に反しない範囲で他人があなたの幸せを損ね
た場合、あなたの自己責任である
• だから相手の幸せ軸の把握が大事
4
あなたの交渉相手は組織ではない
組織なる巨大な存在と交渉するのではない。
担当者を介して、意思決定者と交渉する。
彼らは人間である。彼らの幸せ軸は何か?
5
提供者の量と交渉力の関係
• 資源交換の交渉において、資源の提供者が少ないほど
提供者の交渉力は高まる。
• ある工場しか作れない部品を複数のメーカーが欲しがったら
その工場は強い交渉力を発揮できる。
• どの工場でも作れる部品を作っている工場は交渉力が弱く、
メーカーからの値下げ要求に抵抗できない。
• 資源交換の交渉において、何が交換される資源で、
その希少度はどうなのかを考える必要がある。
• 未踏人材は「他にない新しいもの」を作るので、
それを欲しがる大企業に対しては基本的には強い立場。
6
知識は交渉力のかなめである
• 相手の幸せ軸、意思決定者が誰か、相手の締
切はいつか、などの知識が交渉力に直結する
• 知っているふりをしてもすぐばれる。わから
ないことはきちんと質問するべき。
• 相手が質問に正しく答えるとは限らない。
知ったかぶり、誤解、悪意はありふれている。
相手以外の質問相手を持つべきである。
7
平和的にふるまおう
• (これは意見が分かれるところかもしれない。
個人的なライフスタイルの趣味とも言える)
• 平和的にふるまおう。最初から戦いを挑むの
ではない。互いに幸せになるのが好ましい。
• これは相手の幸せのために自分の幸せを犠牲
にすることではない。
• 幸せ軸がずれていて、互いに幸せになること
が叶わないと分かったら、距離を置こう。
戦うコストも無料ではない。
8
価値を評価するのは買い手である
• 売り手のあなたと買い手の他人の価値の評価
は一致しない。幸せ軸が異なるからである。
• あなたが高い価値を感じていても、買い手が
価値を感じなければ、高い値はつかない。
• 逆にあなたにとって価値のないものでも、
買い手が高い価値を感じるなら、安く譲って
はいけない。それがあなたの欲しいものと交
換できる「交渉のカード」である。
9
余裕をもとう
• 慌てて欲しがると高い対価を払うことになる
• 集めるべき情報を集めず、考えるべきことを
考えずに意思決定を行えば、当然失敗する。
• 「やるかやらないか」の二択ではなく、
選択肢を増やしてから判断しよう。
• 今回の交渉が成立しなくても死にはしない。
焦っておかしな契約を結べば、将来の可能性
が潰れる。目の前の一人だけを見ず、
将来のたくさんの買い手の一人と捉えよう。
10
まとめ
• 色々話したが一番大事なのはやはり
「他人の幸せ軸は自分とは異なる」
「相手はあなたの幸せのために
行動しているわけではない」が大事
• 互恵的コミュニティで生きてきた恵まれた人
は「みんなが互いの幸せのために行動してい
る」という誤った前提を置きがち。
• みんなシステム把握能力高いから、
前提条件を変える必要性にだけ気付いてもら
えたら後は自分で考えられると思う。
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練習問題
「西尾がこのスライドを作成・公開した」という
観測事実から、彼の幸せ軸について考察せよ
(注)「未踏人材の幸せを願っている」という軸は
その軸にNOと答える人がほとんどおらず
「YESである」という情報の価値が低いので
この問題の回答として認めません。
僕の回答はここに書いてもいいのだけど、
考える機会を作り出した方が有益だと思うので
書かないことにしました。
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交渉力について