SlideShare a Scribd company logo
1 of 2
R3 において,xz平面上の円周S1 : (x−1)^2+z^2 =1を,z軸に平行な直線x=−1,
y=0の 周りに回転して得られるトーラスを T1 とする.
また, xy 平面上の円周 S2 : (x+1)^2 + y^2 = 1 を, y 軸に平行な直線 x = 1, z
= 0 の周りに回転して得られるトーラスを T2 とする.
(1) T1 と T2 の共通部分 T1 ∩ T2 = S1 ∪ S2 の整係数ホモロジー群を求めよ.
(2) T1 と T2 の和集合 T1 ∪ T2 の整係数ホモロジー群を求めよ.
R3 において,xz平面上の円周S1 : (x−1)^2+z^2 =1を,z軸に平行な直線x=−1, y=0の 周りに回転して得られるトーラスを T1 とする.
また, xy 平面上の円周 S2 : (x+1)^2 + y^2 = 1 を, y 軸に平行な直線 x = 1, z = 0 の周りに回転して得られるトーラスを T2 とする.
(1) T1 と T2 の共通部分 T1 ∩ T2 = S1 ∪ S2 の整係数ホモロジー群を求めよ.
S1∩S2=1点であることに注意してマイヤービートリスを使って計算すれば良い。
H2(T1∩T2)=0 H1(T1∩T2)=Z+Z H0(T1∩T2)=0
(2) T1 と T2 の和集合 T1 ∪ T2 の整係数ホモロジー群を求めよ.
A=T1 B=T2 X= T1 ∪ T2とする。
H2(A∩B)→H2(A)+H2(B)→H2(X)→H1(A∩B)→H1(A)+H1(B)→H1(X)→H0(A∩B)→H0(A)+H0(B)→H0(X)→0
0 Z Z Z+Z Z+Z Z+Z Z Z Z
I j j i I j (j-j,i-i)
H2(A)+H2(B)→H2(X)が単射でH1(A∩B)→H1(A)+H1(B) のkerは0であるからH2(X)=Z+Z
H1(A∩B)→H1(A)+H1(B)のImはH1(A)+H1(B)→H1(X)のkerよりker(H1(A)+H1(B)→H1(X))=Z+Z
よってIm(H1(A)+H1(B)→H1(X))=Z+Z+Z+Z/Z+Z=Z+Z
H1(X)→H0(A∩B)のImはH0(A∩B)→H0(A)+H0(B)のker=0であることからIm(H1(X))=0
よってH1(X)=Z+Z
H0(X)=Z H1(X)=Z+Z H2(X)=Z+Z

More Related Content

More from nabeshimamasataka

More from nabeshimamasataka (20)

双曲幾何学
双曲幾何学双曲幾何学
双曲幾何学
 
曲面の面積の計算と証明
曲面の面積の計算と証明曲面の面積の計算と証明
曲面の面積の計算と証明
 
ゼータ関数と任意の正の数への収束
ゼータ関数と任意の正の数への収束ゼータ関数と任意の正の数への収束
ゼータ関数と任意の正の数への収束
 
少し複雑な積分問題
少し複雑な積分問題少し複雑な積分問題
少し複雑な積分問題
 
D上の関数の極値の問題
D上の関数の極値の問題D上の関数の極値の問題
D上の関数の極値の問題
 
関数の各点収束と一様収束
関数の各点収束と一様収束関数の各点収束と一様収束
関数の各点収束と一様収束
 
積分と漸化式
積分と漸化式積分と漸化式
積分と漸化式
 
ガウス積分
ガウス積分ガウス積分
ガウス積分
 
2次曲面の極値の問題
2次曲面の極値の問題2次曲面の極値の問題
2次曲面の極値の問題
 
D上の関数の極値の問題
D上の関数の極値の問題D上の関数の極値の問題
D上の関数の極値の問題
 
発散と収束の証明
発散と収束の証明発散と収束の証明
発散と収束の証明
 
ラプシアン作用素
ラプシアン作用素ラプシアン作用素
ラプシアン作用素
 
メビウスの帯とトーラス
メビウスの帯とトーラスメビウスの帯とトーラス
メビウスの帯とトーラス
 
3つの球体の合体
3つの球体の合体3つの球体の合体
3つの球体の合体
 
凸角形全体の位相の性質
凸角形全体の位相の性質凸角形全体の位相の性質
凸角形全体の位相の性質
 
コンパクトとハウスドルフの問題
コンパクトとハウスドルフの問題コンパクトとハウスドルフの問題
コンパクトとハウスドルフの問題
 
円の位相
円の位相円の位相
円の位相
 
位相と有限集合
位相と有限集合位相と有限集合
位相と有限集合
 
(a,b]位相とコンパクト性
(a,b]位相とコンパクト性(a,b]位相とコンパクト性
(a,b]位相とコンパクト性
 
積位相とコンパクト
積位相とコンパクト積位相とコンパクト
積位相とコンパクト
 

Recently uploaded

リアル戦国探究in米沢 事前講座1スライド(スタッフ共有用)『川中島の謎』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 事前講座1スライド(スタッフ共有用)『川中島の謎』についてのスライドリアル戦国探究in米沢 事前講座1スライド(スタッフ共有用)『川中島の謎』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 事前講座1スライド(スタッフ共有用)『川中島の謎』についてのスライドKen Fukui
 
【ゲーム理論入門】ChatGPTが作成した ゲーム理論の問題を解く #3 Slide
【ゲーム理論入門】ChatGPTが作成した ゲーム理論の問題を解く #3 Slide【ゲーム理論入門】ChatGPTが作成した ゲーム理論の問題を解く #3 Slide
【ゲーム理論入門】ChatGPTが作成した ゲーム理論の問題を解く #3 Slidessusere0a682
 
TEAMIN Service overview for customer_20240422.pdf
TEAMIN Service overview for customer_20240422.pdfTEAMIN Service overview for customer_20240422.pdf
TEAMIN Service overview for customer_20240422.pdfyukisuga3
 
ゲーム理論 BASIC 演習105 -n人囚人のジレンマモデル- #ゲーム理論 #gametheory #数学
ゲーム理論 BASIC 演習105 -n人囚人のジレンマモデル- #ゲーム理論 #gametheory #数学ゲーム理論 BASIC 演習105 -n人囚人のジレンマモデル- #ゲーム理論 #gametheory #数学
ゲーム理論 BASIC 演習105 -n人囚人のジレンマモデル- #ゲーム理論 #gametheory #数学ssusere0a682
 
リアル戦国探究in米沢 当日講座2スライド(スタッフ共有用)『人を致すも人に致されず』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座2スライド(スタッフ共有用)『人を致すも人に致されず』についてのスライドリアル戦国探究in米沢 当日講座2スライド(スタッフ共有用)『人を致すも人に致されず』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座2スライド(スタッフ共有用)『人を致すも人に致されず』についてのスライドKen Fukui
 
リアル戦国探究in米沢 事前講座2スライド(スタッフ共有用)『両雄の強さの秘密』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 事前講座2スライド(スタッフ共有用)『両雄の強さの秘密』についてのスライドリアル戦国探究in米沢 事前講座2スライド(スタッフ共有用)『両雄の強さの秘密』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 事前講座2スライド(スタッフ共有用)『両雄の強さの秘密』についてのスライドKen Fukui
 
リアル戦国探究in米沢 当日講座1(スタッフ共有用)『兵は詐をもって立つ』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座1(スタッフ共有用)『兵は詐をもって立つ』についてのスライドリアル戦国探究in米沢 当日講座1(スタッフ共有用)『兵は詐をもって立つ』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座1(スタッフ共有用)『兵は詐をもって立つ』についてのスライドKen Fukui
 
リアル戦国探究in米沢 当日講座3スライド(スタッフ共有用)『糧は三度はさいせず』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座3スライド(スタッフ共有用)『糧は三度はさいせず』についてのスライドリアル戦国探究in米沢 当日講座3スライド(スタッフ共有用)『糧は三度はさいせず』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座3スライド(スタッフ共有用)『糧は三度はさいせず』についてのスライドKen Fukui
 

Recently uploaded (8)

リアル戦国探究in米沢 事前講座1スライド(スタッフ共有用)『川中島の謎』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 事前講座1スライド(スタッフ共有用)『川中島の謎』についてのスライドリアル戦国探究in米沢 事前講座1スライド(スタッフ共有用)『川中島の謎』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 事前講座1スライド(スタッフ共有用)『川中島の謎』についてのスライド
 
【ゲーム理論入門】ChatGPTが作成した ゲーム理論の問題を解く #3 Slide
【ゲーム理論入門】ChatGPTが作成した ゲーム理論の問題を解く #3 Slide【ゲーム理論入門】ChatGPTが作成した ゲーム理論の問題を解く #3 Slide
【ゲーム理論入門】ChatGPTが作成した ゲーム理論の問題を解く #3 Slide
 
TEAMIN Service overview for customer_20240422.pdf
TEAMIN Service overview for customer_20240422.pdfTEAMIN Service overview for customer_20240422.pdf
TEAMIN Service overview for customer_20240422.pdf
 
ゲーム理論 BASIC 演習105 -n人囚人のジレンマモデル- #ゲーム理論 #gametheory #数学
ゲーム理論 BASIC 演習105 -n人囚人のジレンマモデル- #ゲーム理論 #gametheory #数学ゲーム理論 BASIC 演習105 -n人囚人のジレンマモデル- #ゲーム理論 #gametheory #数学
ゲーム理論 BASIC 演習105 -n人囚人のジレンマモデル- #ゲーム理論 #gametheory #数学
 
リアル戦国探究in米沢 当日講座2スライド(スタッフ共有用)『人を致すも人に致されず』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座2スライド(スタッフ共有用)『人を致すも人に致されず』についてのスライドリアル戦国探究in米沢 当日講座2スライド(スタッフ共有用)『人を致すも人に致されず』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座2スライド(スタッフ共有用)『人を致すも人に致されず』についてのスライド
 
リアル戦国探究in米沢 事前講座2スライド(スタッフ共有用)『両雄の強さの秘密』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 事前講座2スライド(スタッフ共有用)『両雄の強さの秘密』についてのスライドリアル戦国探究in米沢 事前講座2スライド(スタッフ共有用)『両雄の強さの秘密』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 事前講座2スライド(スタッフ共有用)『両雄の強さの秘密』についてのスライド
 
リアル戦国探究in米沢 当日講座1(スタッフ共有用)『兵は詐をもって立つ』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座1(スタッフ共有用)『兵は詐をもって立つ』についてのスライドリアル戦国探究in米沢 当日講座1(スタッフ共有用)『兵は詐をもって立つ』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座1(スタッフ共有用)『兵は詐をもって立つ』についてのスライド
 
リアル戦国探究in米沢 当日講座3スライド(スタッフ共有用)『糧は三度はさいせず』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座3スライド(スタッフ共有用)『糧は三度はさいせず』についてのスライドリアル戦国探究in米沢 当日講座3スライド(スタッフ共有用)『糧は三度はさいせず』についてのスライド
リアル戦国探究in米沢 当日講座3スライド(スタッフ共有用)『糧は三度はさいせず』についてのスライド
 

2つのトーラスの合体

  • 1. R3 において,xz平面上の円周S1 : (x−1)^2+z^2 =1を,z軸に平行な直線x=−1, y=0の 周りに回転して得られるトーラスを T1 とする. また, xy 平面上の円周 S2 : (x+1)^2 + y^2 = 1 を, y 軸に平行な直線 x = 1, z = 0 の周りに回転して得られるトーラスを T2 とする. (1) T1 と T2 の共通部分 T1 ∩ T2 = S1 ∪ S2 の整係数ホモロジー群を求めよ. (2) T1 と T2 の和集合 T1 ∪ T2 の整係数ホモロジー群を求めよ.
  • 2. R3 において,xz平面上の円周S1 : (x−1)^2+z^2 =1を,z軸に平行な直線x=−1, y=0の 周りに回転して得られるトーラスを T1 とする. また, xy 平面上の円周 S2 : (x+1)^2 + y^2 = 1 を, y 軸に平行な直線 x = 1, z = 0 の周りに回転して得られるトーラスを T2 とする. (1) T1 と T2 の共通部分 T1 ∩ T2 = S1 ∪ S2 の整係数ホモロジー群を求めよ. S1∩S2=1点であることに注意してマイヤービートリスを使って計算すれば良い。 H2(T1∩T2)=0 H1(T1∩T2)=Z+Z H0(T1∩T2)=0 (2) T1 と T2 の和集合 T1 ∪ T2 の整係数ホモロジー群を求めよ. A=T1 B=T2 X= T1 ∪ T2とする。 H2(A∩B)→H2(A)+H2(B)→H2(X)→H1(A∩B)→H1(A)+H1(B)→H1(X)→H0(A∩B)→H0(A)+H0(B)→H0(X)→0 0 Z Z Z+Z Z+Z Z+Z Z Z Z I j j i I j (j-j,i-i) H2(A)+H2(B)→H2(X)が単射でH1(A∩B)→H1(A)+H1(B) のkerは0であるからH2(X)=Z+Z H1(A∩B)→H1(A)+H1(B)のImはH1(A)+H1(B)→H1(X)のkerよりker(H1(A)+H1(B)→H1(X))=Z+Z よってIm(H1(A)+H1(B)→H1(X))=Z+Z+Z+Z/Z+Z=Z+Z H1(X)→H0(A∩B)のImはH0(A∩B)→H0(A)+H0(B)のker=0であることからIm(H1(X))=0 よってH1(X)=Z+Z H0(X)=Z H1(X)=Z+Z H2(X)=Z+Z