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2014年2月22日

人工知能学会 ことば工学研究会(第45回)

翻訳としての評価行為
~ワークショップによる、対象記述空間
から意思決定空間への座標変換~

北海道大学高等教育推進機構
科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)

石村源生
ishimura@costep.hucc.hokudai.ac.jp
まえおき(言い訳?)
• 発表者の専門は「科学技術コミュニケーション」。
– 科学技術と社会の双方に関係する問題について、社
会システム全体の集合的意思決定機能とその正当性
を向上させるためのコミュニケーションのあり方を探究
し、実践する分野。
– 本研究会においては“場違い”なテーマかもしれない。

• 発表者は、言語学、自然言語処理、翻訳理論の
専門知識を持たない。
• 本発表は、実証実験、シミュレーション、開発、実
践等に関するものではなく、ポジションペーパー。
• あえて本研究会で発表し、専門的見地からのご
助言、ご示唆を頂きたい。
背景
• 科学技術と社会の双方に関係する問題(=トランスサ
イエンス問題)が、近年重要になってきている(例:地球
環境問題/生命倫理/エネルギー問題)。
• 科学技術を社会の中でどのように扱うべきかという問
題に、正解は無い。
• また、よりよい結果を導くための方法論も全く未成熟。
• 利害関係者の立場によって価値観が異なる。
• 結局実践的観点からは、是々非々でその都度考えて
いくしか無い。
• とはいえ一方で、中朝的な事態の改善のためには、評
価、合意形成、意思決定のためのより良い方法論(=
具体的な実践手法とその基礎となる理論)を開発する
必要がある。
「翻訳」としての評価行為
• 我々がトランスサイエンス問題(に限らず一般の
問題の場合でも同様だが)に直面し、それに対処
しようとするとき、問題をただじっと眺めていても
答えは得られない。
• 問題を観察、記述し、一定の(明示的ないし暗黙
的)基準で(広義の)評価を行い、それを、どのよ
うな意思決定に結びつけるかを判断しうるような
種類の情報に変換して表現することで、初めて問
題解決に向けて「前進」することができる。
• 本発表では、このような、問題の記述を意思決定
に利用可能な情報表現に変換する評価行為等
を、広義の「翻訳」と捉える。
“常識的な意味での”翻訳
• (専門家の方々からすれば的外れな捉え方かもし
れませんが・・・)
• ある対象の特定の言語による記述を前提とし、
同じ対象の別の言語による記述を、できるかぎり
前者の記述の持つ情報量を損なわず、歪みのな
い形で行う行為。
• 翻訳前と翻訳後の情報(テクスト)は、「日本語/
英語」「古語/現代語」といった種類の違いは
あっても、基本的には同じカテゴリの情報として
位置づけられる。
対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」
• しかし、筆者が「翻訳」という言葉を適用した
「評価行為」においては、翻訳前と翻訳後では
明らかに情報のカテゴリが異なっている。
• 翻訳前において、それは対象の記述のための
情報であり、翻訳後において、それは意思決
定のための情報である。
• これを、対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」と呼ぶこともできる。
翻訳/座標変換
• 本発表では、「翻訳」「座標変換」という言葉を
ほぼ同義のものとして扱っている。
• ただし、敢えて区別すると、「翻訳」というター
ムを使うときはコミュニケーションの側面から、
「座標変換」というタームを使うときは情報処
理、計算の側面からこの問題を捉えている。
対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」
観察者

評価者

利害関係者

実践者

対象の記述

評価

合意形成

意思決定

対象

施策
対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」
• 対象の記述
– 対象の客観的な記述。原則的には「価値」を含まない(※後述)。

• 評価
– 対象の客観的な記述情報を、意思決定に利用できる情報に変
換したもの。「価値」を含む。
– 例
• 量的情報:順位、評点など(1次元、多次元)
• 質的情報:自然言語による論評など

• 合意形成
– 複数の利害関係者が意思決定に関与する場合に必要な、評価
の「総合」「すり合わせ」

• 意思決定
– 評価と合意形成に基づいて決定された施策(=対象をどう扱う
か)の情報。
対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」
• これらのステップを順にたどることを、それぞれ
「後者の情報への前者の情報の座標変換」あ
るいは 「後者の言葉しか通じない相手への前
者の言葉の翻訳」と捉える。
例:ラーメン店のメニュー
• 現状
– 塩ラーメン、醤油ラーメン、味噌ラーメン、チャーシュー
麺・・・といった多数のメニューを提供。

• 課題
– コストがかさみ、かつ調理時間が長くなる。

• 対策(目的)
– メニューの種類を絞る。

• 方法
– 意思決定(=メニューの種類を絞る)のためは、それに
資する情報を得るために、対象(=各ラーメン)の状態
を記述し、評価する(=「美味しい/ふつう/まずい」
あるいは「人気が高い/あまり人気が無い」等) 。
対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」
観察者

評価者

利害関係者

実践者

対象の記述

評価

合意形成

意思決定

対象

施策
対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」
利害関係者が一人
の場合
観察者

評価者

実践者

対象の記述

評価

意思決定

対象

施策
対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」
観察者+評価者

利害関係者

実践者

対象の記述+評価

合意形成

意思決定

「記述の言葉」の中
に「評価の言葉」が
含まれている場合
対象

施策

例:595グラムのラーメン/麺がしっかりしているラーメン/美味しいラーメン
対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」
観察者

評価者+利害関係者

実践者

対象の記述

評価+合意形成

意思決定

評価結果を合意と見なすこと
が了解されている/評価プロ
セスの中に合意形成が組み込
まれている場合
対象

施策
対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」
観察者+評価者+実践者

対象の記述+評価+意思決定

「記述の言葉」の中に
「意思決定の言葉」が
含まれている場合
対象

例:「このラーメン、ダメ。もうやめよう。」

施策
対象記述空間から意思決定空間への
「座標変換」
• 意思決定の基準は、(少なくと
も概念的には)ある一本ないし
複数の境界線(正確には多次
元曲面)としてその空間上で
表現することができる(=「判
定曲面」)。
• 座標変換された対象の情報
(意思決定空間上の一点もし
くは一定の面積/体積を持っ
た領域)がその境界線(=判
定曲面)によって区切られたど
の領域にプロットされるかを確
認し、その結果に意思決定を
従わせる、といったようなプロ
セスが遂行される。

対象

対象記述空間

座標変換
(=評価)

意思決定空間

意思決定

実施
判定曲面

中止
座標変換と評価行為
• この座標変換は、数学的に一意に定まるよう
なアルゴリズムによってなされるのではない。
• そこには、対象記述と意思決定を結びつける
「評価行為」という、極めて主観的、恣意的、
合意形成的、構築主義的な要素が本質的に
介入している。
• これまでは一般的、抽象的な議論をしてきまし
たが、ここで、トランスサイエンス問題における
意思決定の問題にフォーカスを移します。
科学技術に関する意思決定のあり方
• 今日、科学技術が巨大化、複雑化するにつれ、
その自然環境や社会環境への影響は無視で
きなくなり、かつ、容易に予測しがたくなってき
ている。
• このような状況下において、一部の政策担当
者や専門家、科学者のみに意思決定を委ね
ることに対して、合理的意思決定プロセスの
観点から、さらには民主主義の観点から異議
を唱える声が大きくなってきている。
科学技術に関する意思決定への
市民参加
• 科学技術に関する意思決定への市民参加の典
型的手法は、「市民参加型テクノロジーアセスメ
ント(pTA: participatory Technology
Assessment)」である。
• pTAの代表例として、市民陪審、コンセンサス会
議、討議型世論調査(DP)などが挙げられる。
• 日本でも、ここ10年来各地で何度かテーマを異
にしたコンセンサス会議が実施されてきた。
• またここ数年、エネルギー政策、食の安全・安心
などをテーマとしたいくつかの討議型世論調査
(DP)も実施されている。
市民参加型テクノロジーアセスメントの
問題点
• 一般に周到な準備とスタッフ、予算等の多大
なリソースを必要とする。
• 目前に迫る問題を市民が独力で、実際的に
解決するために地域レベルで柔軟に実施する
にはいささかハードルが高い。
• 議論を行う際、複数の代替案や評価基準が
混在してしまうと論点の可視化、共有が困難
になる。
トランスサイエンス問題の解決のため
のワークショップ手法の開発
• これらの課題を鑑みて、筆者は、簡便さに定
評のある代表的な階層化意思決定手法であ
るAHP(Analytic Hierarchy Process)をベース
にしつつ、各地域においてトランスサイエンス
問題に関する意思決定上の課題を抱えた市
民が柔軟に実施できる問題解決ワークショッ
プ手法を提案し、その開発と試行を行うことと
した。
AHP(Analytic Hierarchy Process)
• 最終目標に対して複数の代替案があるとき、
それらを評価する複数の評価基準に照らし合
わせて、どのように代替案を選択すればよいか
を決めるための手法。
AHPの考え方
目標(旅行先
を決定する)

A案

B案

C案

D案
AHPの考え方
• 各代替案(A案~D
案)を比較しながら評
点をつける。
• どのような評価基準
で比較するかによって
評点が変わってしまう。
• 例えば「興味」「費用」
「時間」。

目標(旅行先
を決定する)

A案

B案

C案

D案
「評価基準」の導入
目標(旅行先
を決定する)

評価基準→

A案:
京都

興味

費用

B案:
北海道

時間

C案:
ハワイ

D案:
東京
評価基準毎の比較
例:「「興味」という評価
基準だけから見たとき、
それぞれの案にどれだけ
評点を与えられるか?」

目標(旅行先
を決定する)

興味

A案:
京都

費用

B案:
北海道

時間

C案:
ハワイ

D案:
東京
評価基準毎の比較
目標(旅行先
を決定する)

興味

費用

時間

A案:
京都
興味:
費用:
時間:

B案:
北海道

C案:
ハワイ

D案:
東京

80点
60点
60点

70点
50点
60点

90点
30点
20点

30点
90点
90点
「評価基準毎の比較」をどう統合するか?
目標(旅行先
を決定する)

興味

費用

時間

A案:
京都
興味:
費用:
時間:

B案:
北海道

C案:
ハワイ

D案:
東京

80点
60点
60点

70点
50点
60点

90点
30点
20点

30点
90点
90点
各評価基準の「重要度」の導入
目標(旅行先
を決定する)

興味

費用

時間
各評価基準の「重要度」の導入
目標(旅行先
を決定する)

興味
重要度:

費用

時間

90点

60点

40点
各評価基準の「重要度」の導入
目標(旅行先
を決定する)

興味

A案:
京都
興味: 80点
費用: 60点
時間: 60点
集計結果: ○点

費用

B案:
北海道
70点
50点
60点
○点

時間

C案:
ハワイ
90点
30点
20点
○点

D案:
東京
30点
90点
90点
○点

重要度
90点
60点
40点
AHPの計算方法(まとめ)
• 各評価基準の重要度を評価する。
• 評価基準毎に、各代替案を評価する。
• 「評価基準毎の各代替案の評価」を、各評価基
準の重要度に沿って重みづける。
• これらを所定のアルゴリズムで合成し、各代替案
の総合評価とする。
• 評価者が複数存在する場合は、個々の評価者の
評価結果を所定のアルゴリズムで合成し、総合
評価とする。
• 各代替案の総合評価を比較し、もっとも評価の
高い代替案を採用する。
評価手法として「一対比較法」を利用
• 「一対比較法」と呼ばれる評点法
を利用する。
• 評価者は、異なる二つの評価対
象の価値を主観的に評価し、評点
をつける。
• この評点群によって構成される行
列を所定のアルゴリズムで計算す
ることによって、最終的には全て
の評価対象の価値を数値化して
順位を決める。

A

B

C

D

E

・・・

A

B

評点

A

C

評点

・

・・
「一対比較法」を評価手法として利用
• AHPの場合、以下のように評点化。
AとBの重要度は同じ
AはBよりやや重要
AはBより重要
AはBよりかなり重要
AはBより絶対的に重要

1
3
5
7
9

A

B

AはBに比べて
絶対的に価値が高い
9

1
「一対比較法」の利点と妥当性
• 利点
– 毎回、二つの評価対象を比較して評価すれば良
いので、評価が容易である。

• 妥当性
– この数値化手法は、対象の客観的性質を比較的
良く反映していることが知られており、数々の適用
事例から、その妥当性が実証されている。
→この一連の手順は、特定の作業とアルゴリズムを採用すること
によって、「対象の価値」を「多次元の主観的評価」を経て、順位
づけ可能な「数値」に「翻訳」するものであると考えられる。
AHPをトランスサイエンス問題の解決
手法として採用する際の問題点
• 代替案が必ずしもあらかじめ明らかになっていな
い。
• 評価基準が必ずしも先験的に定まっていない。
• 異なる評価者の評価に、しばしば顕著な乖離が
みられる。
• 該当する科学分野についてある程度の事前知識
が必要である。
• 必ずしも一足飛びに問題「解決」や意思「決定」が
目的とされるわけではなく、まず問題の理解と共
有が必要な場合も少なくない。
AHPをベースとした「意思決定共有支
援型」ワークショップの開発
• AHPをベースとしながらも、トランサイエンス問題に適し
た形でのワークショップの方法論を開発する必要があ
る。
• 特に、計算の各ステップにおいて、参加者との間にお
ける対話的、循環的なプロセスを組み込む必要がある
と考えられる。
• また、参加者が自らの評価体系の構造を自覚し、他の
参加者と共有すること自体の意義を重視する。
• このようなワークショップを「トランスサイエンス問題に
関する「意思決定共有支援型」ワークショップ」と名付
け、その開発・試行・評価・普及を行う計画である。
ワークショップのプログラム設計案
• 参加者は、事前に該当する科学分野についてある程度の学習を行う。
• その際、専門家による口頭、または資料(文書、視聴覚情報、ウェブコンテ
ンツ等)を通じての情報提供により、学習を支援する。
• 可能な代替案についてブレーンストーミングを行い、KJ法を用いて選択肢
を絞り込む。
• 可能な評価基準についても同様にブレーンストーミングを行い、KJ法を用
いて選択肢を絞り込む。
• これらの段階を経て個人毎のAHPを行い、結果を個々の参加者が反省的
に捉え直すことで、自分自身の評価に関する優先順位を再認識する契機
とする。
• 参加者同士でそれぞれのAHPの結果を比較し、参加者の評価基準の優先
順位の多様性や、「結果(=意思決定)」に至るプロセスの多様性を共有す
る。
• あくまで暫定的な形での「意思決定」を行い、これをもってワークショップの
最終成果物とする。
• 一方、意思決定に至るプロセスで得られた中間成果物(代替案リスト、評
価基準リスト、個々人のAHPの結果、それらについての意見交換等)にも
同等の価値をおき、適切な施策立案に活用する。
ワークショップの意図
• 必ずしもワークショップ全体で一つの問題「解決」
や意思「決定」を行うことを目的とするのではなく、
参加者間の多様な意思を「共有」することで相互
理解を深め、より柔軟で多面的な解決策を模索
するための契機とする。
• そのために、ワークショップのプロセス全体に関す
る参加者同士のリフレクションを行う。
• それによって参加者が、自分たちが実際行ってい
る評価行為(=「対象記述空間から意思決定空
間への座標変換」=翻訳)への理解を深めること
が期待される。
本ワークショップ手法の利点
• 比較的小規模で、柔軟な実施が可能。
• 必ずしも意思「決定」を唯一の目的としないので、決定結
果の政治的正当性に縛られることなく、参加者の多様な
意見や価値観をすくい取り、可視化することができる。
• 「評点化=数値化」を行うことによって、参加者が自分自
身の評価に関する優先順位を反省的に捉え直すことが
容易となる。
– 定量化そのものをこのワークショップの目的とするわけではな
く、むしろこのようなリフレクションを促すことに価値があると
考える。
– コンセンサス会議や討議型世論調査では、議論を行う際、複
数の代替案や評価基準が混在してしまうと論点の可視化、
共有が困難になることが予想される。本手法における「評点
化=数値化」は、その点を改善している。
手法開発の意義
• これまで、合意形成・意思決定のための様々な参
加型手法が欧米から輸入されてきたが、手法の
開発国との政治体制や地域コミュニティの形態の
差異に対する考慮が不十分であった点が、その
活用・普及が必ずしも成功していない原因のひと
つではないかと考えられる。
• 東日本大震災を経験した日本において、日本な
らではの参加型手法を開発することで、海外に向
けて日本のアカデミズムが社会とどのように向き
合おうとしているかを示すことができる。
本発表の位置づけ
• この「意思決定共有支援型ワークショップ」を、冒頭で述べた
「翻訳」という観点から捉えて概念を整理する糸口を掴みたい。
• 特に、 「問題の記述を意思決定に利用可能な情報表現に変換
する評価行為」を(広義の)翻訳としてとらえたときに得られる含
意について、専門的観点からご助言・ご示唆を頂きたい。
• 一方留意しなければならないのは、上記評価行為は特定個人
が単独で行うのではなく、複数の参加者のインタラクションに
よって、ある種の合意形成を通じて行われる、という点である。
• つまりこれを「翻訳」として捉えるならば、それは「そもそもどのよ
うな翻訳が望ましいか」という、集団による熟議と合意形成のプ
ロセスを含んでいる、と言える。
• このような「集団による熟議と合意形成のプロセス」が、翻訳に
関する研究の蓄積の中でどのように位置づけられうるのかにつ
いても、同様に専門的観点からご助言・ご示唆を頂きたい。
いくつかの補助線
① 本研究における、主観的評価の数値化、複数
次元の価値の一元化、異なる質の情報間の変
換、といったものにまで、翻訳概念は拡張されう
るのか。
② 本研究における、 「ワークショップによる対象の
評価・合意形成プロセスを経た意思決定(という
広義の翻訳)」は、(狭義の)翻訳におけるユー
ザー参加、集合知の活用例とどのように関連し
うるのか。
③ その場合、どのような認識利得があるのか。
②翻訳におけるユーザー参加、集合知
の活用例
• テキスト翻訳
– みんなの翻訳
• http://trans-aid.jp/

– プロジェクト杉田玄白
• http://www.genpaku.org/

– クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのブログ翻訳のススメ
• http://www.yamdas.org/column/technique/cctrans.html

– ソーシャル翻訳コニャック(有料)
• https://conyac.cc/ja

• 動画字幕
– 字幕.in(youtube動画に字幕を付けて投稿できるサイト/現在閉鎖)
– viki(ユーザー参加型字幕翻訳つき映像共有サービス)
• http://www.viki.com/

• 海外のウェブサービスのローカリゼーション
– facebook(サイト提供テキスト、ユーザー投稿記事)
• https://www.facebook.com/note.php?note_id=279377092074682
本研究テーマと、翻訳におけるユー
ザー参加、集合知の活用との関連
• 集合知は翻訳において価値を持つか?
– 機能(質的向上)の観点から
– 民主主義の観点から

• 多様な翻訳が存在するとき、それらの記録・管理・調
停・流通等をどうするべきか?
• 翻訳は中立か?「評価」を含むか?
–
–
–
–

翻訳書の部分翻訳、引用文献部分の削除等
海外の事象のニュース報道における情報選択と改変
海外映像の字幕における省略と改変
政治的文脈での発言・文書の翻訳における歪曲の可能性

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