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2017年ノーベル経済学賞予想
参考資料
大阪大学大学院 経済学研究科
安田洋祐
E-mail: yosuke.yasuda@gmail.com
Web: http://sites.google.com/site/yosukeyasuda/jp...
全体の流れ
ノーベル経済学賞の特徴
2000年以降の受賞者のおさらい
過去の予想(08,10,11,14,15,16年)の総括
ハズれ続けるトムソン・ロイターの予想
予想(ほぼ)完全一致のNemmers賞
経済学賞予想の勘どころ
今年のイチ押し...
ノーベル経済学賞の特徴
【ノーベル賞に欠かせない3条件】
(「5つの「なぜ?」で分かるノーベル経済学賞」参照)
新規性
分野やツールの開拓者
無謬性
理論研究が圧倒的に中心
有用性
被引用件数、学会での権威
2017/8 安田洋祐 | 大阪大学...
2000年以降の受賞者/分野(1)
2000年: Heckman, McFadden
ミクロ計量 => 計量
2001年: Akerlof, Spence, Stiglitz
非対称情報 => ミクロ
2002年: Kahneman, Smit...
2000年以降の受賞者/分野(2)
2006年: Phelps
マクロ経済動学 => マクロ
2007年: Hurwicz, Maskin, Myerson
メカニズムデザイン => ミクロ
2008年: Krugman
国際貿易・空間経済学 ...
2000年以降の受賞者/分野(3)
2012年: Roth, Shapley
マーケットデザイン => ミクロ
2013年: Fama, Hansen, Shiller
資産価格分析 => 応用分野 + 計量
2014年: Tirole
産業組...
過去16年の受賞傾向
受賞分野を分野別に見ると
ミクロ(6)、マクロ(3)、応用分野(6)、計量(5)
応用分野の多くはミクロとの関連が強い
マクロが減ってきている => そろそろマクロ系?
純粋理論家や手法のパイオニアばかり
受賞者を分野別に...
私の過去の予想:2008年度
Eugene Fama (1939-, ファイナンス)
2009年(Hansen、Shillerと)受賞
Peter Diamond (1940-, 財政、労働)
2010年(Mortensen、Pissaride...
過去の予想:2010年度
Peter Diamond (1940-, 財政、労働)
2010年(Mortensen、Pissaridesと)受賞 的中!
Christopher Sims (1942-, 計量、マクロ)
2011年(Sargen...
過去の予想:2011年度
Lars Peter Hansen (1952-, 計量)
2013年(Fama、Shillerと)受賞
Jerry Hausman (1946-, 計量)
Michael Jensen (1939-, 企業金融)
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過去の予想:2014年度
Robert Barro (1944-, マクロ、成長)
Ariel Rubinstein (1951-, ゲーム理論)
Jean Tirole (1953-, 産業組織、規制、銀行業)
2014年受賞 的中!
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過去の予想:2015年度
Robert Barro (1944-, マクロ、成長)
マクロ界の最後の超大御所!?
Paul Romer (1955-, 内生的成長理論)
BarroやLucas(2回目)との共同受賞があるかも
Anthony A...
過去の予想:2016年度
Robert Barro (1944-, マクロ、成長)
マクロ界最後の超大御所!?
Paul Milgrom (1948-, オークション理論)
Robert Wilsonとの共同受賞があるかも
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トムソン・ロイターの予想
2010年: Kiyotaki, Moore; Alesina; Murphy
2011年: Diamond D.; Hausman, White; Krueger Ann, Tullock
2012年: Ross; ...
偉い「Nemmers賞」受賞者リスト
2016: Richard Blundell → 手法・理論以外から初めての受賞
2014: Jean Tirole (2014)
2012: Daron Acemoglu → まだ若過ぎるが将来は当確か?...
その他の代表的な指標
論文の被引用件数
トムソン・ロイターが重視
ジョン・ベーツ・クラーク・メダル
数年前に先行頻度が隔年から毎年に
最近はあまり当てにならない印象
ユルヨ・ヨハンソン賞
欧州版のクラーク・メダル
American Econom...
2016年度の方針
前年の受賞理由に近い分野は選ばれない
ミクロ理論(ゲーム、意思決定など)は無い!
ミクロ計量理論、マクロ理論のどちらか
計量 --- 因果推論、フィールド実験、構造推計
マクロ --- 内生的成長理論
経済分野以外の受賞もゼ...
安田予想で未受賞の候補者たち
Robert Barro (1944-, マクロ、成長理論) → 今年も有力候補!
Elhanan Helpman (1946-, 国際貿易、成長) → もう少し先か?
Paul Milgrom (1948-, 組...
2017年のイチ押し候補者
Charles Manski (1948-, 計量)
ノンパラメトリック、部分識別分野のパイオニア
Ariel Pakes (1949-, 計量、産業組織論) New!
実証産業組織論(構造推計)の父
Robert ...
参考:日本人候補者
清滝信宏 (1955-, マクロ、金融)
最大の業績であるKiyotaki-Mooreが1997年出版
そのためまだ時期尚早かもしれない…
Mooreの他に、BlanchardやWrightとの共同受賞も
根岸隆 (1933...
まとめ ー 今年も予想は難しい…
計量はどの分野が選ばれるか読みにくい
因果推論 --- アングリスト、カード ← まだ早い?
ノン(セミ)パラメトリック --- マンスキ
構造推計 --- ペイクス
受賞が遠のいているマクロ分野も可能性大
成...
オマケ:未来のノーベル賞有力候補
Daron Acemoglu (1967-)
経済学界のドン、最後の総合経済学者?
Marc Melitz (1968-)
国際貿易に革命を起こしたメリッツ・モデル
Abhijit Banerjee (1961...
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2017年ノーベル経済学賞予想 --- 参考資料

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2017年度のノーベル経済学賞(正式には「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」)を予想するために作成したスライドです。昨年度のスライドはこちら:
https://www.slideshare.net/YosukeYasuda1/2016-66369696

参考ブログ記事(note)ーノーベル経済学賞って何だろう?
https://note.mu/yagena/n/nb4119b82726d

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2017年ノーベル経済学賞予想 --- 参考資料

  1. 1. 2017年ノーベル経済学賞予想 参考資料 大阪大学大学院 経済学研究科 安田洋祐 E-mail: yosuke.yasuda@gmail.com Web: http://sites.google.com/site/yosukeyasuda/jp 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 1
  2. 2. 全体の流れ ノーベル経済学賞の特徴 2000年以降の受賞者のおさらい 過去の予想(08,10,11,14,15,16年)の総括 ハズれ続けるトムソン・ロイターの予想 予想(ほぼ)完全一致のNemmers賞 経済学賞予想の勘どころ 今年のイチ押し候補者 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 2
  3. 3. ノーベル経済学賞の特徴 【ノーベル賞に欠かせない3条件】 (「5つの「なぜ?」で分かるノーベル経済学賞」参照) 新規性 分野やツールの開拓者 無謬性 理論研究が圧倒的に中心 有用性 被引用件数、学会での権威 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 3
  4. 4. 2000年以降の受賞者/分野(1) 2000年: Heckman, McFadden ミクロ計量 => 計量 2001年: Akerlof, Spence, Stiglitz 非対称情報 => ミクロ 2002年: Kahneman, Smith 行動・実験経済学 => 応用分野 2003年: Engel, Granger 時系列分析 => 計量 2004年: Kydland, Prescott マクロ経済動学 => マクロ 2005年: Aumann, Schelling ゲーム理論 => ミクロ 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 4
  5. 5. 2000年以降の受賞者/分野(2) 2006年: Phelps マクロ経済動学 => マクロ 2007年: Hurwicz, Maskin, Myerson メカニズムデザイン => ミクロ 2008年: Krugman 国際貿易・空間経済学 => 応用分野 2009年: Ostrom, Williamson 制度・ガヴァナンスの経済学 => 応用分野 2010年: Diamond (Peter), Mortensen, Pissarides サーチ理論 => 応用分野(+ ミクロ & マクロ?) 2011年: Sargent, Sims マクロ計量 => マクロ + 計量 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 5
  6. 6. 2000年以降の受賞者/分野(3) 2012年: Roth, Shapley マーケットデザイン => ミクロ 2013年: Fama, Hansen, Shiller 資産価格分析 => 応用分野 + 計量 2014年: Tirole 産業組織論、規制の経済学 => ミクロ(+ 応用分野?) 2015年: Deaton 開発経済学、公共経済学、実証手法 => 応用分野 + 計量 2016年: Hart, Holmstrom 契約理論(情報の経済学) =>ミクロ 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 6
  7. 7. 過去16年の受賞傾向 受賞分野を分野別に見ると ミクロ(6)、マクロ(3)、応用分野(6)、計量(5) 応用分野の多くはミクロとの関連が強い マクロが減ってきている => そろそろマクロ系? 純粋理論家や手法のパイオニアばかり 受賞者を分野別に見ると ミクロ(12)、マクロ(5)、応用分野(11)、計量(6) マクロと計量が少ない印象 近年は非経済学者の受賞が無い => 分野外からの受賞も? 2002年:カーネマン(心理学) 2005年:シェリング(政治学・国際関係論) 2009年:オストロム(社会学) 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 7
  8. 8. 私の過去の予想:2008年度 Eugene Fama (1939-, ファイナンス) 2009年(Hansen、Shillerと)受賞 Peter Diamond (1940-, 財政、労働) 2010年(Mortensen、Pissaridesと)受賞 Oliver Williamson (1932-, 取引費用) 2009年(Ostromと)受賞 Jerry Hausman (1946?-, 計量) Paul Krugman (1953-, 国際貿易) 2008年に単独受賞 的中! 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 8
  9. 9. 過去の予想:2010年度 Peter Diamond (1940-, 財政、労働) 2010年(Mortensen、Pissaridesと)受賞 的中! Christopher Sims (1942-, 計量、マクロ) 2011年(Sargentと)受賞 清滝信宏 (1955-, マクロ、金融) Douglas Diamond (1953-, 金融) Lars Peter Hansen (1952-, 計量) 2013年(Fama、Shillerと)受賞 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 9
  10. 10. 過去の予想:2011年度 Lars Peter Hansen (1952-, 計量) 2013年(Fama、Shillerと)受賞 Jerry Hausman (1946-, 計量) Michael Jensen (1939-, 企業金融) Douglas Diamond (1953-, 銀行取付) 清滝信宏 (1955-, マクロ、金融)  はじめて予想を外す…(ショック><) 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 10
  11. 11. 過去の予想:2014年度 Robert Barro (1944-, マクロ、成長) Ariel Rubinstein (1951-, ゲーム理論) Jean Tirole (1953-, 産業組織、規制、銀行業) 2014年受賞 的中! Paul Romer (1955-, 内生的成長理論) Barroとの共同受賞があるかも Bengt Holmstron (1949-, 契約理論) TiroleやHart(次頁)との共同受賞があるかも Elhanan Helpman (1946-, 国際貿易、成長) Gene Grossmanとの共同受賞があるかも 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 11
  12. 12. 過去の予想:2015年度 Robert Barro (1944-, マクロ、成長) マクロ界の最後の超大御所!? Paul Romer (1955-, 内生的成長理論) BarroやLucas(2回目)との共同受賞があるかも Anthony Atkinson (1944-, 公共経済学) 話題のピケティとも共同研究あり Angus Deaton (1944-, 公共経済学) 2015年受賞 的中! Charles Manski (1948-, 計量) 現在の潮流である「識別・部分識別」分野の始祖 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 12
  13. 13. 過去の予想:2016年度 Robert Barro (1944-, マクロ、成長) マクロ界最後の超大御所!? Paul Milgrom (1948-, オークション理論) Robert Wilsonとの共同受賞があるかも Ariel Rubinstein (1951-,ゲーム理論) 交渉理論での貢献でつとに有名 Paul Romer (1955-, 内生的成長理論) Barroとの共同受賞もあり得る Charles Manski (1948-, 計量) 現在の潮流である「識別・部分識別」分野の始祖 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 13
  14. 14. トムソン・ロイターの予想 2010年: Kiyotaki, Moore; Alesina; Murphy 2011年: Diamond D.; Hausman, White; Krueger Ann, Tullock 2012年: Ross; Atkinson, Deaton (2015); Shiller (2013) 2013年: Angrist, Card, Krueger Alan; Hendry, Pesaran, Phillips; Peltzman, Posner 2014年: Aghion, Howitt; Baumol, Kirzner; Granovetter 2015年:Blundell; List; Manski 2016年:Blanchard; Lazear; Melitz オレンジ:受賞者、青:安田予想、取り消し線:故人 同年の受賞はゼロ!(引用件数偏重、若手バイアス) 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 14
  15. 15. 偉い「Nemmers賞」受賞者リスト 2016: Richard Blundell → 手法・理論以外から初めての受賞 2014: Jean Tirole (2014) 2012: Daron Acemoglu → まだ若過ぎるが将来は当確か? 2010: Elhanan Helpman → Krugmanが同分野で受賞したのが気がかり 2008: Paul Milgrom → 関連分野が受賞も未だに超有力候補 2006: Lars Hansen (2013) 2004: Ariel Rubinstein → ミクロ理論の筆頭候補 2002: Edward Prescott (2004) 2000: Daniel McFadden (2000) 1998: Robert Aumann (2005) 1996: Thomas Sargent (2011) 1994: Peter Diamond (2010) 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 15
  16. 16. その他の代表的な指標 論文の被引用件数 トムソン・ロイターが重視 ジョン・ベーツ・クラーク・メダル 数年前に先行頻度が隔年から毎年に 最近はあまり当てにならない印象 ユルヨ・ヨハンソン賞 欧州版のクラーク・メダル American Economic Association会長 世界で最も規模の大きい経済学会 Econometric Society会長 AEAと並び権威と伝統ある経済学会 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 16
  17. 17. 2016年度の方針 前年の受賞理由に近い分野は選ばれない ミクロ理論(ゲーム、意思決定など)は無い! ミクロ計量理論、マクロ理論のどちらか 計量 --- 因果推論、フィールド実験、構造推計 マクロ --- 内生的成長理論 経済分野以外の受賞もゼロとは言えない 過去の安田予想はかなり当たっている! やはり圧倒的に「偉い人」が受賞しているが…  今年も過去の安田予想&偉い人に注目! 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 17
  18. 18. 安田予想で未受賞の候補者たち Robert Barro (1944-, マクロ、成長理論) → 今年も有力候補! Elhanan Helpman (1946-, 国際貿易、成長) → もう少し先か? Paul Milgrom (1948-, 組織の経済学、オークション) → 今年は厳しい… Ariel Rubinstein (1951-, ゲーム理論) → 今年は厳しい… Michael Jensen (1939-, 企業金融) → しばらく金融は無いか? Jerry Hausman (1946?-, 計量) → もはやチャンス無しか? Charles Manski (1948-, 計量) → チャンスあり Paul Romer (1955-, 内生的成長理論) → 反主流派の言説の影響は? Ben Bernanke (1953-, マクロ、金融) → マクロ金融系なら有力候補 Douglas Diamond (1953-, 銀行取付) → しばらく金融は無いか? Mark Granovetter (1953-,ネットワーク理論) → 分野外では可能性が高そう 清滝信宏 (1955-, マクロ、金融) → まだ少し早いか? David Card (1956-, 労働経済学) → そろそろ可能性アリ (安田の主観による)偉い人から順に 赤→緑→青 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 18
  19. 19. 2017年のイチ押し候補者 Charles Manski (1948-, 計量) ノンパラメトリック、部分識別分野のパイオニア Ariel Pakes (1949-, 計量、産業組織論) New! 実証産業組織論(構造推計)の父 Robert Barro (1944-, マクロ、成長) マクロ界最後の超大御所!? Paul Romer (1955-, 内生的成長理論) Barroとの共同受賞もあり得る Elhanan Helpman (1946-, 国際貿易、成長) 未だに生産的な大御所中の大御所 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 19
  20. 20. 参考:日本人候補者 清滝信宏 (1955-, マクロ、金融) 最大の業績であるKiyotaki-Mooreが1997年出版 そのためまだ時期尚早かもしれない… Mooreの他に、BlanchardやWrightとの共同受賞も 根岸隆 (1933-, ミクロ、経済学説史) Econometric Society会長を務める 他に会長を務めた宇沢、森嶋は故人 雨宮健 (1935-, ミクロ計量理論) 一番ノーベル賞に近づいた日本人経済学者 2000年に受賞のチャンスを逃した? 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 20
  21. 21. まとめ ー 今年も予想は難しい… 計量はどの分野が選ばれるか読みにくい 因果推論 --- アングリスト、カード ← まだ早い? ノン(セミ)パラメトリック --- マンスキ 構造推計 --- ペイクス 受賞が遠のいているマクロ分野も可能性大 成長論のローマー、中立命題のバローなど 分野外からの思わぬ受賞も有り得るか? 因果推論のルービン(統計学) ネットワーク分析のグラノベッター(社会学) 日本人で可能性があるのはほぼ清滝氏だけ 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 21
  22. 22. オマケ:未来のノーベル賞有力候補 Daron Acemoglu (1967-) 経済学界のドン、最後の総合経済学者? Marc Melitz (1968-) 国際貿易に革命を起こしたメリッツ・モデル Abhijit Banerjee (1961-) & Esther Duflo (1972-) フィールド実験(+RCT)のパイオニア Andrei Shleifer (1961-) 行動ファイナンス、圧倒的な被引用件数 2017/8 安田洋祐 | 大阪大学 22

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