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アサーションの考え方

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アサーションの考え方

  1. 1. アサーションの考え方アサーティブに気持ちや提案を伝えるために 金子周平(鳥取大学)
  2. 2. アサーションとは何かAssertion ①何かを力強く主張したり表明したりする行動 ②何らかの真実を主張する強い発言  (オックスフォード英英辞典) さわやかな自己表現 自他尊重のコミュニケーション (平木,2009) ※平木典子『改訂版 アサーション・トレーニング』  表現の型 非主張的 攻撃的 アサーティブ ?児童生徒への のび太 ジャイアン しずかちゃん ? 説明例 I m not OK I m OK I m OK I m not OK OK corral You are OK You aren t OK You are OK You aren t OK
  3. 3. アサーションとOK corral(交流分析) 非主張的 アサーティブ I m not OK, You are OK I m OK, You are OK 憂うつな立場 健康な立場 ∼の逃避 get away from 一緒にやっていく go on with コーラル (絶望的) グラム 攻撃的 I m not OK, You are not OK I m OK, You are not OK 不毛な立場 こだわり・被害的立場 行き止まり get nowhere with 排除する get rid of (参考 Ernst, 1971) ※様々な立場での指摘 脚本の指定通りの生き方(交流分析)            構造に拘束された状態(Person-centered Approach)            認知の歪み[スキーマ/自動思考](認知療法)
  4. 4. 私たちは、今日なにを学ぶのか Ⅰ 自分が何を求めているかを知る   今、気になることをリストに書き出していく   とらわれている考えをチェックする   身体感覚や状況に注目する Ⅱ アサーションのヒントを学ぶ   アサーティブ権   挨拶   前置き   DESC(describe, express, specify, consequences)   Open-Closedな質問   緊張を緩めた姿勢と声   適切な自他の区別   アンビバレントな感情の表現
  5. 5. 私たちは、今日なにを学ぶのか Ⅲ 場面を設定してリハーサルをする   架空事例のAさん)   架空事例のBさん)   架空事例のCさん)   あなたの場合) Ⅳ 子どもにアサーションを教えるヒントを学ぶ   児童生徒のニーズを理解する・引き出す   ゆっくりと進めるところまで進める   やや不適切な表現もプロセスの一部として認める
  6. 6. 自分が何を求めているかを知る  (○) 「自分」が何をどのように表現、主張したいかに気づくこと  ( ) まず、アサーションをしてみよう。  (△) 一般的に適切で効果的なアサーションを学ぶ・教える。  今、気になることをリストに書き出していく とらわれている考えをチェックする① 【意識しやすいもの】(拮抗禁止令:交流分析) 完全であれ 注釈つきの文章で話す、数字で要点を挙げる、上を見る… 強くあれ 感情や行動を自分とは関係のないように指示語を使って話す… もっと努力せよ 進行中、難航中を示す言葉、訊問するような言葉… 他人を喜ばせよ 最初は調子よく後半落ち込む話し方、自信の無い語尾… 急げ 時間を区切る言葉、「さて、始めよう、時間がない」 ※I. Stewart, V. Joines『TA TODAY 最新・交流分析入門』
  7. 7. 自分が何を求めているかを知る とらわれている考えをチェックする② 【意識しやすいもの】(認知の歪み:認知療法) 全か無か思考 少しのミスも完全な失敗と考える 一般化のしすぎ 一つの例で、世の中の全てが○○だと考える 心のフィルター 一つのよくない出来事にこだわり、全てマイナスに捉える マイナス化思考 よい出来事やよい側面を無視する 結論の飛躍 根拠がないものに、悲観的な結論を出す 拡大/過小評価 失敗を過大に捉え、長所を過小評価する(他人には逆) 感情的決めつけ 自分の気分は現実に○○だからその反映だと考える すべき思考 何かをする時、すべき、すべきではないと考える レッテル貼り ミスをする自分は○○だなどの偏見を持つ 個人化 よくないことが起こった時に、それを自分に関連づける ※参考 D. D. Burns『いやな気分よさようなら』
  8. 8. 自分が何を求めているかを知る とらわれている考えをチェックする③ 【意識しにくいもの】(参考 禁止令:交流分析)   私はいない方がいいのかな 私じゃだめかな 子どものままがいいのかな 目立っちゃいけないのかな 近づいちゃいけないのかな 健康でない方がいいのかな あれこれ考えない方がいいのかな 【意識しにくいもの】  ・慢性的な筋緊張  ・イメージや夢
  9. 9. 自分が何を求めているかを知る 身体感覚や状況に注目する  フォーカシング(Focusing)  二つの始め方 1.意識的に選んだことを取り上げる         2.注意を求めているものが出てくるのを待つ  からだの内側、特に喉、胸、胃、下腹のあたりに注意を向ける。  何かに気づいた時は、「こんにちは」とこころの中で挨拶をする。   …(中略)…  その時の気持ちを十分に尊重して、「何か」に感謝して終える。 ・慌てずにいる(一つに決めようとしない/批評家/疑惑家) ・頑張って描写をするよりは、ゆっくりと探ることの方が有効   ※A. W. Cornell『やさしいフォーカシング』
  10. 10. アサーションのヒントを学ぶ アサーティブの権利①  アサーティブ概念の起源  1940年代後半∼50年代の北アメリカの行動療法   (Slater, 1949; Wolpe, 1958)  望まないことに巻き込まれたり、いじめられている人はもちろん、  そうでない人も「自分の権利のために立ち上がる」ということ。 (Alberti & Emmons, 1970; Lazarus, 1971)      【時代背景】 Bob Marley  Get up, Stand up (1973)   Get up, stand up.   Stand up for your right...
  11. 11. アサーションのヒントを学ぶ アサーティブの権利② あなたの判断で、あなたが求めていることを決める権利 あなたの意見やアイデアが、他の人と同じくらい尊重される権利 自分の態度を整理するために時間をかける権利 健全な競争心をもつ権利 怒りなどの気持ちを感じ、表現する権利 あなたが求めている事を人に伝える権利 人に配慮や助け、愛情を求める権利 成人として扱われる権利 特定の場面では他の人に要求する権利 根拠なく間違っていると決めつけられない権利 分別ある成人として扱われ、見下されない権利 自分勝手さや罪悪感を感じることなく断る権利 (繰り返しではなく、新しいことを)間違える権利 価値観を押しつけられない権利 人に行動を変えてほしいと頼む権利 (Jakubowski & Lange, 1978)
  12. 12. アサーションのヒントを学ぶ アサーティブの権利③ ※70年代後半からのニュアンスの変化  誰かを脅かしたり罰したりすることなく、  過度な不安や恐怖に巻き込まれることなく、  気持ち、好み、求めていること、意見を表出すること (Alberti & Emmons, 1982; Galassi & Galassi, 1978) 挨拶 =アサーションがしやすくなる入り口  習慣や観察学習の要素も大きい  とらわれている考えの影響を強く受けやすい   私の方を全く見ないから、嫌われているんだ。彼は私のことを   忘れているだろう。私が声をかけると邪魔だと思うに違いない。
  13. 13. アサーションのヒントを学ぶ 前置き =アサーションがしやすくなる入り口   ・ちょっと待って下さい…   ・質問なのですが…   ・話は変わりますが…   ・いい機会だと思いますのでお伝えしたいことがあります…   ・前々からお伝えしたかったのですが…     難しければ→えー、あのー…(と、まず声を出す)          →息を吸う、口を開くだけでもよい ※「挨拶」や「前置き」の前後に相手の名前を呼ぶことが大切 注:TPOによって効果的/逆効果であるもの ただの感想なのですが…、聞き逃したかもしれないのですが… 私の理解力がないからかもしれませんが…
  14. 14. アサーションのヒントを学ぶ DESC(describe, express, specify, consequences) 出来る限り客観的な事実を、そのまま描写する describe  ○○の時… △△がありますね、□□していますね。 私がそれに対してどのように感じているかを表現する express  私は○○と感じています、△△な感じがしました。 相手にとってもらいたい行動を特定する specify  あなたに○○してもらいたいと思っています。 conse- その結果、自分がどのようになりうるかを伝える quences  そうすると私は○○に、あなたも△△でしょうね。 (参考 Bower & Bower, 1976)
  15. 15. アサーションのヒントを学ぶ Open-Closedな質問 相手を脅かさない、You re OKのアサーションのために ・どのように思いますか?感じますか? ・何か考えておられることがありますか?        最初はできるだけOpenな質問で聞く ・いいと思う、良くないと思う?  それともどちらでもない? ・やってみるお気持ちはありますか?       反応が得にくい場合は選択肢・Closedな質問を使う ・自分の考えを言いなさい。       相手の気持ちを強く守りたい時のみ命令を使う      (「∼してもよい」の許可はアサーティブとは言えない)
  16. 16. アサーションのヒントを学ぶ 緊張を緩めた姿勢と声 アサーティブさを姿勢と声のトーンでも表現する まっすぐの姿勢を体で覚える   =姿勢が歪んだことに気づける 力が抜けた状態を体で覚える   =緊張して力が入ったことに気づける    …肩上げ、呼吸法、漸進的筋弛緩法 低くてゆっくりとした声をみつける    …声のトーンを徐々に下げていく(半音ずつ)    … 漸進的筋弛緩法で口の周りの緊張をとく ※まずは小さな声で「気持ちが乗っている」ことを確認しながら  次第に声を大きくしていく。
  17. 17. アサーションのヒントを学ぶ 適切な自他の区別 自他の混同①:本来は「彼ら」のことなのに「私」を主語にする   例:(誰かから押し付けられた仕事を)私はこういう仕事も大切だと思います。   自他の区別→評価の基準を、相手(環境)ではなく自分におく        →人の考えや期待を「鵜呑み」にしない 自他の混同②:本来は「私」のことなのに「彼ら」を主語にする   例:彼らが私を不安にさせるんです。   自他の区別→「感情は自分のもの」という原則をもつ 自他の混同③:主体が曖昧なまま「我々」を主語にする   例:我々(私たち)は理念を大切にしていますよね。   自他の区別→誰が何をしているのかを意識する ※参考 倉戸ヨシヤ『ゲシュタルト療法』
  18. 18. アサーションのヒントを学ぶ アンビバレント(両価的)な感情の表現 人は内面にただ一つだけの意見・考え・気持ちを持つべき? 様々な気持ちを一つに決めて、はっきりと伝えるべき? ↓ TPOにより、両価的な感情をそのまま伝えることも効果的 ・皆の足並みも気になりますが、私は今回はやめておきます。 ・これは私の仕事ではないと思いますが、今回は足並みを揃えます。 ・試してみたい気もしますし、控えておきたい気もしています。 ・心配はありますが、その心配を伝えるのに躊躇いもあります。 ・しんどいのは分かるけれど、やってみたら? ・やってみたらいいと思うけれど、しんどいよね。
  19. 19. 子どもにアサーションを教えるヒントを学ぶ 児童生徒のニーズを理解する・引き出す  ・個別に時間をとって気になっていることを尋ねる  ・ニーズが等身大の子どもの願いになっていくように援助する  ・社会的に望ましいニーズを求めない  ・スクールカウンセラーなどと一時的に話してもらう ゆっくりと進めるところまで進める  ・子どもが引っかかっているところを丁寧に援助する   (困難な点を一緒に超えれば、子どもは自ら学んでいく)  ・一部始終を教えようとしない
  20. 20. 子どもにアサーションを教えるヒントを学ぶ やや不適切な表現もプロセスの一部として認める  ・アサーティブを目標として保つことは難しい  ・短期目標が「攻撃的」になることもある    =助長はしないが、その瞬間の気持ちの表現として認める     のび太にとっては、しずかちゃんや出来杉くんよりも、     ジャイアンやスネ夫の方が目標になりやすい   よし、おもいっきりジャイアンのわる口をふきこもう。  「ヤカンレコーダー(4巻)」 ぼくはだんぜん、がき大将になる。 「ゆめふうりん(2巻)」  ・誰にでも「アサーティブであるべき」という価値観を拒む   アサーティブ権がある

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