1. 39 火焼赤壁（周瑜軍、曹操の大軍を赤壁で焼き払う）
赤壁に停泊する曹操の連環戦艦に、呉の火攻め舟が激突する

2. 第 39 集 火焼赤壁（周瑜軍、曹操の大軍を赤壁で焼き払う）2009.7.01 更新
―「3 時間で～」第 42 話参照
チャプター① 船着場の夜景。明々と松明が灯る戦艦が停泊。その戦艦の 3 階のデッキに
周瑜が現れる～
チャプター② 呉の兵士が大きな進軍ラッパを吹く中、蔡和が周瑜の前に引きずり出され
る～
チャプター③ 炎をくぐって逃げ出した曹操、部下の張遼に先導を頼む～
チャプター④ 戦いに敗れ、疲れ果てた曹操一行、切り立った崖に囲まれた細い一本道(華
容道)にさしかかる。と、曹操突然笑いだし...
チャプター⑤ 戦勝に沸く劉備陣営。劉備と孔明、大喜びのていで、あちこち指図する～
～曹操を取り逃がした関羽、うなだれながら軍を率いて帰途につく。
この第 39 集の見どころは 2 つある。１つは赤壁の大合戦。もう１つは関羽が情に負けて曹
操を取り逃がしてしまう場面。赤壁の合戦の方は、もう「スゴイ！」の一言。
呉の船から、火をつけた凧を曹操側
に飛ばすと...
見事、曹操の船の帆に命中！

3. つぎに、関羽が曹操を取り逃がす場面を追ってみよう。
④許都を目指して敗走する曹操らが華容道にさしかかると、
そこには関羽が待ち構えていた。
曹操は最後まで戦うつもりでいたが、部下や馬は既に疲れ果てており、戦える状況ではな
い。その時、曹操の参謀・程昱が曹操のもとに来てささやく：｢関羽は、強きを挫き、弱
きを助け(傲上而不忍下、欺強而不凌弱)、恩と仇をしっかりと区別し、信義にもとるこ
とをしません。曹操殿は昔、関羽に貸しをつくられております。もし今、自ら懇願なされ
ば、この危機を脱することができるかもしれません。｣

4. 関羽の
性格を
見抜い
て、曹操
に脱出
策を授
ける参
謀・程昱
(左)
曹操はその言葉を受けて、関羽に見逃してくれるよう頼みに行くと、果たして関羽の心は
動き、捕まえるべきか見逃すべきか迷いはじめた。そしてそこへ曹操の武将・張遼が近づ
き、「関羽殿、関羽殿～」と泣きついてくる。
関羽(字は雲長)に泣きつく張遼
張遼は関羽より年下で、関羽が昔曹操の配下にいた時の同僚ともいえる人物。これでかな
り腰砕けとなった関羽に対して最後の決定打がくる。つまり曹操の兵卒たちがバタバタと
膝をつき、関羽に土下座をしながら「関将軍～！」と泣き叫ぶのだ。程昱の言った通り、
常に弱きを助ける関羽、とても彼らを捕まえることができない。

5. 惨敗を喫
した曹操、
同僚だっ
た張遼、可
哀想な兵
士たち(左
隅・土下座
している)
を見て、心
動かされ
る 関 羽
(右・前)
この場面を見ていて思ったのだが、関羽は結局、曹操の言葉に惑わされて見逃したのでは
なく、曹操と共に戦って敗残兵となった張遼や兵卒たちを哀れんで見逃してしまったので
はないだろうか。
私はてっきり天下の曹操が惨めな姿で関羽に懇願することが関羽のプライドをくすぐっ
たのだと思い、「３時間で～」の本にもそのように書いたが、もしかしたらこちらの方が
よりよく関羽を表現していて、意義深いのではないかと思う。