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田単復国②(斉将・田単、即墨城に籠城)
- 1. 戦国篇 第 20 集
田単復国②(斉将・田単、即墨城に籠城)
即墨城に籠城し、燕軍と対峙する田単
- 2. 第 20 集 田単復国②(斉将・田単、即墨城に篭城) -戦国篇-
―あらすじ―
燕と講和するという使命を果たせなかった田単(でんたん)は、失意の中、斉・湣(びん)
王の待つ即墨に戻ろうとする。が、その途中、師匠である太史敫(きょう)の屋敷を訪ねる。
太史敫は、大切な斉の史書を自分に代わって守る事を拒否した田単のことを恨んでおり、
彼には一瞥もくれない。その太史敫の態度にショックを受けた田単は、湣王復命後は再び師
匠に会うことなく、山に篭もろうと決意する。
一方、一旦は田単を突き放したものの、彼に未練のある太史女は、田単の気持ちを確かめ
ようとするが、彼は太史女から貰った形見の品を返し、そのまま立ち去ってしまう。呆然と
その後姿を見守る傷心の太史女。その彼女の姿を見つけた法章(ほうしょう)は、不思議そ
うな顔で、太史女が落としたその形見の品を拾い上げる。
身分を隠し
て太史家に
居候する斉
太子・法章
(左)と太史
女(右)
さて、田単が即墨城に近づくと、何と城内からは煙が上がっており、何やら異変が起きた
様子である。慌てて城内に飛び込む田単。すると、楚将・淖歯(とうし)の兵に抱えられた
斉・湣王が、まさに処刑場へ連れて行かれようとしている。
楚兵の制止を振り切って湣王の側までいく田単。が、淖歯の合図と共に楚兵らは一斉に湣
- 3. 王めがけて弓を引く。と、湣王の胸に数本の矢が突き刺さり、王はたちまち絶命する。
楚の将軍・淖歯に処
刑される斉湣王
それを見た田単は、悲しくて涙が止まらない。
一方の淖歯は、湣王の死体を見て大笑い。その声に、田単は剣を抜いて淖歯に近づく。が、
田単は淖歯の敵ではなかった。淖歯はいとも簡単に田単の剣を払いのけると、田単はその勢
いで地面に倒れてしまう。
と、その光景を見ていた斉の人々は、一斉に「斉国、斉国、斉国……」と大合唱する。そ
の声に勇気づけられた田単、懐に隠しもっていた例の牛の角を取り出し、油断していた淖歯
の胸元めがけて突撃。淖歯を刺し殺してしまう。
この一件で、田単への信望は一挙に高まり、即墨の人々は田単を即墨城の指導者に推そう
とする。が、田単は燕軍と戦って勝つ自信はなく、果たして即墨の指導者となるべきか迷っ
ていた。と、そこへ占い師がやって来て、その事を占ってみようと提案する。
占いの結果、田単が即墨の将軍になる事は“吉”と出た。そこで、田単もやっと腹を決め、
即墨の兵らを指導して燕軍に対する反撃を始める。
一方、楽毅(がっき)は即墨城がなかなか落ちないため、城外から地下トンネルを掘り、
燕兵らを城内に潜入させようと試みるが、その計略は田単に見破られ、トンネルから出てき
た燕兵らはすべて捕まり、殺される。
- 4. 斉都・臨淄(りんし)の太史敫の屋敷では、太史女が夜、床に入ろうと服を脱いでいた。
と、そこへ法章が入って来る。
太史女:「あんた、
何 し に 来 た の
よ!?」
法章:
「えっ?、そ
ういう意味じゃ
あ...」
驚く太史女に法章は平謝り。が、太史女は怒って法章に屋敷から出て行くよう言う。
法章は半泣きになり「父・湣王亡き今、一体どこへ行けばよいのです?」と言う。
「えっ!父・湣王ですって?」慌てて聞き返す太史女、そして法章はついに自分の身分を打
ち明ける。
ところで、燕・昭王は、楽毅の労をねぎらうため、太子・楽資と共に楽毅の陣に慰問に訪
れようとしていた。ところが、太子・楽資は父・昭王に「楽毅はもともと燕の人間ではあり
ません。彼に軍の統帥権を握らせておけば、将来、謀叛を企てるかもしれません」と注進す
る。
それを聞いた昭王は怒って言う:
「燕に侵略した憎い斉を倒し、昔の恨みを晴らしてくれた
のは楽毅だぞ! 国を治めることに気を配らず、権謀術数ばかり学びやがって…。誰か、こい
つ(太子)に鞭を 20 回くれてやれ!」
- 5. 沐浴中の燕
昭王(左)、楽
毅を誹謗す
る太子・楽資
(右)の言葉
に怒りだす
その後、楽毅本人と会った昭王は、即墨を猛攻せず、斉の民衆が燕に降伏するようもって
いきたいという楽毅の戦略を許す。また、楽毅の活躍に報いるため、彼を昌国君に封じる。
が、その後、昭王に鞭打たれた太子・楽資が楽毅の陣を訪ね、楽毅のせいで自分が鞭打た
れたことに対する恨みを述べて去って行く。
一方、即墨城の田単らは、最初優勢であったが、楽毅率いる燕軍の包囲により、日一日と
疲弊していた。そしてその状況は臨淄の太史敫らの耳にも届く。愛する田単の境遇を危惧す
る太史女は、父・太史敫に現状打開の方策を尋ねる。すると太史敫は「こうなれば、一刻も
早く太子・法章を捜し出し、斉王として即位してもらわなければ… しかし、太子は一体どこ
におられるのだろう…」と言う。
その言葉にハッとする太史女。彼女はついに観念し、太子・法章が屋敷内に居ることを告
白する。驚いた太史敫は、いそいで法章に会い、頓首して言う:
「今、斉国は滅亡の危機に瀕
しております。太子様、どうか直ちに即墨に行かれ、王位をお継ぎください」