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83 偸渡陰平(鄧艾、陰平を越えて成都に入城)




成都に至る山道の中で最難関である摩天嶺を登る鄧艾軍

  (赤いマントを着ているのは鄧艾の息子・鄧忠)
第 83 集   偸渡陰平(鄧艾、陰平を越えて成都に入城)2009.11.30 更新
         ―「3 時間で~」第 86 話参照

チャプター①    鍾会の陣の前。鍾会と鄧艾、お互いに殺気を漂わせながら陣に入る~
チャプター② 鄧忠(鄧艾の息子)と魏兵たち、断崖絶壁の摩天嶺をよじ登る~
チャプター③    鄧艾が涪城を落としたと聞き、
                       「成都も危ない」と慌てだす蜀主・劉禅~
チャプター④ 綿竹。鄧艾軍を迎えうつ諸葛瞻と尚(孔明の子と孫)~
チャプター⑤ 劉諶(劉禅の五男)、成都開城を反対するも聞き届けられず、怒り狂って一人剣を
          振るっていると、夫人と子供らがやってきて...
           ~解説「AD263 年、劉禅は魏に降伏、建国 43 年で蜀漢は滅亡した」


本第 83 集のあらすじは以下の通り(1→4):


1部下の諸葛緒を勝手に処罰されたため、文句を言おうと鍾会の陣に乗り込んできた鄧艾だが、
 鍾会は武装した大勢の兵士に守られているため、言いたいことも言えない。話題はいきおい今
 後の蜀攻略の話に移る。
 鍾会が鄧艾に姜維が守る剣閣を落とす方法を尋ねると、鄧艾は「魏の一軍が陰平を越えて成都
 に奇襲をかければ、姜維が慌てて成都救援に向うでしょう。鍾会殿はその隙に剣閣が取られて
 は如何ですか?」と言う。それを聞いた鍾会、断崖絶壁の続く陰平を越えるなど不可能だと思
 ったが、口では「素晴しい策ですね。どうか存分にやって下さい。私はここで朗報をお待ちし
 ています」と答える。


                                            心の中では鄧艾
                                            を「無謀な奴」と
                                            馬鹿にしておき
                                            ながら、表面的に
                                            はおべんちゃら
                                            を言う鐘会(中央
                                            /緑のマント)


                                            鐘会の心中を察
                                            してムッとする
                                            鄧艾(左/茶色の
                                            マント)
鍾会の胸中を悟った鄧艾、ムッとして陣をでると、「何が何でも陰平を抜け、成都を攻略する
ぞ!」と決意する。
2決意を固めた鄧艾、兵士たちを激励しながら険しい陰平の山道を行く。




                                     苦労しながら進軍
                                     する魏兵たち




途中、谷底墜落など幾多の犠牲者を出しながらもやっと摩天嶺という場所に到着。しかし、そ
こから先は断崖で道はない。
「ここまで来たのが無駄足だった」と嘆く兵士らを尻目に鄧艾は、分厚いフェルト布を身にま
とい、その断崖から転がり落ちる。




                                    フェルトにくるまり、
                                    先頭をきって断崖絶
                                    壁を飛び降りようと
                                    する鄧艾(中央・右)


                                    父の体を気遣いなが
                                    らフェルトを着せて
                                    あげる息子の鄧忠
                                    (中央・左)
それを見た兵士たちは勇気百倍、同じように転がって下におりる。




                                 鄧艾に続いて急坂を転
                                 がり降りる魏兵たち




こうして鄧艾軍は、その先にある江油、涪城の二城を攻略。
これを聞いた成都の劉禅、「この勢いでは今に成都も危なくなる」と慌てだす。そして孔明の
息子・諸葛瞻に兵を与え、鄧艾軍を迎え撃たせる。が、諸葛瞻もしょせん鄧艾の敵ではなく、
結局、諸葛瞻・尚父子は討死してしまう。こうして鄧艾は綿竹城も落とし、いよいよ成都に迫
る。
3劉禅はこれを聞くと慌てふためき、文武百官を集めて対策を協議する。役人たちは、「南方へ
逃げよう」と言う者、「呉に身を寄せよう」と言う者と様々だが、なかなか意見がまとまらな
い。すると文官である譙周が進み出て「将来、魏が呉を併合する可能性が高く、今ここで呉に
降伏した場合、呉と魏の両方に降伏することになる。そのような恥辱を受けるくらいなら、さ
っさと魏に屈した方がましである」と言い出した。




                          魏に降伏することを勧める譙周
劉禅をはじめ他の役人たちもその意見に驚くが、それ以上の意見も出ず、その方向に話が進み
そうになった。
その時、譙周を声高に非難する声が上がった。劉禅の五男・劉諶である。彼は先帝・劉備が築
いた蜀の誇りを守るため、徹底抗戦を主張。




                          父・蜀帝・劉禅に対し、自分の決意を
                          叫ぶ劉諶
                          (コメカミに怒りマークが浮かんでい
                          る...)




しかし、保身策で頭がいっぱいの劉禅にことごとく否定され、結局、譙周の言う通り魏に降伏
することに決まる。
4この「余りにもあっけない帰順の決定」に業を煮やした劉諶、一人自室で剣を振るっていると、
妻の崔夫人が 3 人の息子たちを連れて入ってきた。劉諶から「魏に帰順するくらいなら死んだ
方がまし」と聞かされた崔夫人、その義に感じ入り、自分も先に死ぬ。




                                      劉諶の妻・
                                      崔夫人と子
                                      供たち
それを見た劉諶、嘆き悲しむが、これを契機に、子供も道連れに一家全員で死のうと決意。3
 人の息子を殺し、劉備の祭られている廟に赴き、自分も首をかき切って死ぬ。




                            祖父・劉備の廟の中で自害して果て
                            る劉諶
                            (劉備の位牌の前に並べられた白い
                            物は、妻や子供たちの首)




 ちょうどその頃、劉諶の父である劉禅は、成都の城を出て鄧艾・鄧忠父子の前に行き、地面に
 跪いて帰順の受理を請うていた。




                                     向こう側、横一直
                                     線に並んでいる
                                     のは魏の鄧艾軍。


                                     こちらで、棺おけ
                                     の載った車と共
                                     にひれ伏してい
                                     るのは、劉禅はじ
                                     め蜀の群臣。




本第 83 集には見どころが二つある。一つは鄧艾の陰平越え(あらすじ2)。もう一つは劉諶一家
の心中(同4)である。
鄧艾の陰平越えの方は、陰平→摩天嶺に連なる雄大な自然、剣閣城の景観、バックにはオーケス
トラの演奏が流れたりして、とってもいい感じ...でも、これって文章では表現しにくいので、
画像を見て理解してもらおうと思う。で、話は劉諶一家の心中の方に移る。
蜀朝廷内部では、譙周の「魏に降伏しよう」との考え方が優勢になりつつあった。その中で、劉
諶だけが徹底抗戦を主張する。 「敵の捕虜となって生きながらえても、
              彼は                 所詮いつかは死ぬ身、
成都を明け渡して あの世に行けば、先帝(劉備)に合わす顔がない」と考える。その考えに賛同
したのが妻の崔夫人と長男(映像では 11 才位)の二人。妻は柱に頭をぶっつけ、長男は劉諶の持
っていた剣に身を投げかけて それぞれ自害する。この場面、見ていて本当にジ~ンとなってし
まう。


ところで、この「蜀漢の人間として生を全うする」つまり義(?)のために死ぬという発想は、後
に日本の武士道に入り、切腹という風習を作り出したのではないか?
もっとも、細かい点(死ぬ手段)は微妙に違う。日本の武家社会では「男は切腹、女は懐刀で喉を
突く」が、演義が描く当時の中国社会では「男は首に刀をあて、女は柱に頭をぶつける」という
方法をとっている。
切腹も恐ろしいが、この「柱に頭をぶつけて死ぬ」方法はもっと恐ろしいし、勇気とパワーが必
要だ。




                                      自殺した崔夫
                                      人のもとへ駆
                                      け 寄 る 劉 諶
                                      (左)
                                      と子供達(奥/
                                      頭しか見えな
                                      い)




柱にぶつかって亡くなった崔夫人、アッパレと言うべきか、悲惨と言うべきか、なんとも表現し
ようがない。
一つ言えるのは「この時代の女性に生まれなくてよかった~♪」ってことかな?

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83.Romance of the Three Kingdoms

  • 2. 第 83 集 偸渡陰平(鄧艾、陰平を越えて成都に入城)2009.11.30 更新 ―「3 時間で~」第 86 話参照 チャプター① 鍾会の陣の前。鍾会と鄧艾、お互いに殺気を漂わせながら陣に入る~ チャプター② 鄧忠(鄧艾の息子)と魏兵たち、断崖絶壁の摩天嶺をよじ登る~ チャプター③ 鄧艾が涪城を落としたと聞き、 「成都も危ない」と慌てだす蜀主・劉禅~ チャプター④ 綿竹。鄧艾軍を迎えうつ諸葛瞻と尚(孔明の子と孫)~ チャプター⑤ 劉諶(劉禅の五男)、成都開城を反対するも聞き届けられず、怒り狂って一人剣を 振るっていると、夫人と子供らがやってきて... ~解説「AD263 年、劉禅は魏に降伏、建国 43 年で蜀漢は滅亡した」 本第 83 集のあらすじは以下の通り(1→4): 1部下の諸葛緒を勝手に処罰されたため、文句を言おうと鍾会の陣に乗り込んできた鄧艾だが、 鍾会は武装した大勢の兵士に守られているため、言いたいことも言えない。話題はいきおい今 後の蜀攻略の話に移る。 鍾会が鄧艾に姜維が守る剣閣を落とす方法を尋ねると、鄧艾は「魏の一軍が陰平を越えて成都 に奇襲をかければ、姜維が慌てて成都救援に向うでしょう。鍾会殿はその隙に剣閣が取られて は如何ですか?」と言う。それを聞いた鍾会、断崖絶壁の続く陰平を越えるなど不可能だと思 ったが、口では「素晴しい策ですね。どうか存分にやって下さい。私はここで朗報をお待ちし ています」と答える。 心の中では鄧艾 を「無謀な奴」と 馬鹿にしておき ながら、表面的に はおべんちゃら を言う鐘会(中央 /緑のマント) 鐘会の心中を察 してムッとする 鄧艾(左/茶色の マント)
  • 3. 鍾会の胸中を悟った鄧艾、ムッとして陣をでると、「何が何でも陰平を抜け、成都を攻略する ぞ!」と決意する。 2決意を固めた鄧艾、兵士たちを激励しながら険しい陰平の山道を行く。 苦労しながら進軍 する魏兵たち 途中、谷底墜落など幾多の犠牲者を出しながらもやっと摩天嶺という場所に到着。しかし、そ こから先は断崖で道はない。 「ここまで来たのが無駄足だった」と嘆く兵士らを尻目に鄧艾は、分厚いフェルト布を身にま とい、その断崖から転がり落ちる。 フェルトにくるまり、 先頭をきって断崖絶 壁を飛び降りようと する鄧艾(中央・右) 父の体を気遣いなが らフェルトを着せて あげる息子の鄧忠 (中央・左)
  • 4. それを見た兵士たちは勇気百倍、同じように転がって下におりる。 鄧艾に続いて急坂を転 がり降りる魏兵たち こうして鄧艾軍は、その先にある江油、涪城の二城を攻略。 これを聞いた成都の劉禅、「この勢いでは今に成都も危なくなる」と慌てだす。そして孔明の 息子・諸葛瞻に兵を与え、鄧艾軍を迎え撃たせる。が、諸葛瞻もしょせん鄧艾の敵ではなく、 結局、諸葛瞻・尚父子は討死してしまう。こうして鄧艾は綿竹城も落とし、いよいよ成都に迫 る。 3劉禅はこれを聞くと慌てふためき、文武百官を集めて対策を協議する。役人たちは、「南方へ 逃げよう」と言う者、「呉に身を寄せよう」と言う者と様々だが、なかなか意見がまとまらな い。すると文官である譙周が進み出て「将来、魏が呉を併合する可能性が高く、今ここで呉に 降伏した場合、呉と魏の両方に降伏することになる。そのような恥辱を受けるくらいなら、さ っさと魏に屈した方がましである」と言い出した。 魏に降伏することを勧める譙周
  • 5. 劉禅をはじめ他の役人たちもその意見に驚くが、それ以上の意見も出ず、その方向に話が進み そうになった。 その時、譙周を声高に非難する声が上がった。劉禅の五男・劉諶である。彼は先帝・劉備が築 いた蜀の誇りを守るため、徹底抗戦を主張。 父・蜀帝・劉禅に対し、自分の決意を 叫ぶ劉諶 (コメカミに怒りマークが浮かんでい る...) しかし、保身策で頭がいっぱいの劉禅にことごとく否定され、結局、譙周の言う通り魏に降伏 することに決まる。 4この「余りにもあっけない帰順の決定」に業を煮やした劉諶、一人自室で剣を振るっていると、 妻の崔夫人が 3 人の息子たちを連れて入ってきた。劉諶から「魏に帰順するくらいなら死んだ 方がまし」と聞かされた崔夫人、その義に感じ入り、自分も先に死ぬ。 劉諶の妻・ 崔夫人と子 供たち
  • 6. それを見た劉諶、嘆き悲しむが、これを契機に、子供も道連れに一家全員で死のうと決意。3 人の息子を殺し、劉備の祭られている廟に赴き、自分も首をかき切って死ぬ。 祖父・劉備の廟の中で自害して果て る劉諶 (劉備の位牌の前に並べられた白い 物は、妻や子供たちの首) ちょうどその頃、劉諶の父である劉禅は、成都の城を出て鄧艾・鄧忠父子の前に行き、地面に 跪いて帰順の受理を請うていた。 向こう側、横一直 線に並んでいる のは魏の鄧艾軍。 こちらで、棺おけ の載った車と共 にひれ伏してい るのは、劉禅はじ め蜀の群臣。 本第 83 集には見どころが二つある。一つは鄧艾の陰平越え(あらすじ2)。もう一つは劉諶一家 の心中(同4)である。 鄧艾の陰平越えの方は、陰平→摩天嶺に連なる雄大な自然、剣閣城の景観、バックにはオーケス
  • 7. トラの演奏が流れたりして、とってもいい感じ...でも、これって文章では表現しにくいので、 画像を見て理解してもらおうと思う。で、話は劉諶一家の心中の方に移る。 蜀朝廷内部では、譙周の「魏に降伏しよう」との考え方が優勢になりつつあった。その中で、劉 諶だけが徹底抗戦を主張する。 「敵の捕虜となって生きながらえても、 彼は 所詮いつかは死ぬ身、 成都を明け渡して あの世に行けば、先帝(劉備)に合わす顔がない」と考える。その考えに賛同 したのが妻の崔夫人と長男(映像では 11 才位)の二人。妻は柱に頭をぶっつけ、長男は劉諶の持 っていた剣に身を投げかけて それぞれ自害する。この場面、見ていて本当にジ~ンとなってし まう。 ところで、この「蜀漢の人間として生を全うする」つまり義(?)のために死ぬという発想は、後 に日本の武士道に入り、切腹という風習を作り出したのではないか? もっとも、細かい点(死ぬ手段)は微妙に違う。日本の武家社会では「男は切腹、女は懐刀で喉を 突く」が、演義が描く当時の中国社会では「男は首に刀をあて、女は柱に頭をぶつける」という 方法をとっている。 切腹も恐ろしいが、この「柱に頭をぶつけて死ぬ」方法はもっと恐ろしいし、勇気とパワーが必 要だ。 自殺した崔夫 人のもとへ駆 け 寄 る 劉 諶 (左) と子供達(奥/ 頭しか見えな い) 柱にぶつかって亡くなった崔夫人、アッパレと言うべきか、悲惨と言うべきか、なんとも表現し ようがない。 一つ言えるのは「この時代の女性に生まれなくてよかった~♪」ってことかな?