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78.Romance of the Three Kingdoms
- 2. 第 78 集 詐病賺曹爽(仲達、仮病を使い曹爽を失脚させる)2009.11.8 更新
―「3 時間で~」第 80 話参照
チャプター① 魏主・曹叡危篤の知らせを聞き、急ぎ駆けつける仲達~
チャプター② 病気と偽って隠遁している仲達のもと、息子・司馬昭が「李勝が挨拶に来ました」
と告げる~
チャプター③ 仲達、曹爽牽制の手始めとして「武器保管庫の掌握」を命じる~
チャプター④ 仲達らが見守る中、洛陽に帰京する魏主・曹芳と曹爽ら~
チャプター⑤ 二人の息子に見守られて亡くなる仲達~
~解説「司馬師(兄)は大将軍、司馬昭(弟)は驃騎大将軍に任ぜられ、魏の朝廷は
司馬兄弟に牛耳られることとなった」。
本第 78 集のあらすじは以下の通り(1→7):
1魏主・曹叡は重病に陥り、曹爽(曹真の子)と仲達に太子・曹芳を頼み、亡くなる。
2曹爽は巧妙な方法で仲達から兵権を奪い、新皇帝・曹芳の巻き狩りのお相手をすることにより、
権力を拡大。曹羲、曹訓といった弟たちをそれぞれ中領軍、武衛将軍に任命し、多くの食客と
「知恵袋」の異名を持つ策士・恒範にかしずかれ、栄華を極める。
3一方、仲達は病気と称して政務から遠ざかり、好機が来るのをじっと待っていた。そこへ曹爽
に派遣された李勝が、赴任前の別れの挨拶と称して偵察にやって来る。仲達は曹爽を油断させ
るため、わざと耳が遠く、トンチンカンな事を言う老人に扮し、
よだれを垂らして寝入
ってしまうボケ老人を
演じる仲達
李勝を呆れさせ、伝え聞いた曹爽をすっかり安心させる。
- 3. 4安心した曹爽、弟たち全員を連れて天子と共に洛陽城外に巻き狩りに出かける。
知恵袋・
恒範(右
端)が曹
爽(左端)
に、都を
留守にし
て巻狩り
に出かけ
る危険性
を説き、
出発を諌
めるのだ
が...
すると仲達は、旧臣や息子たちを集め、曹爽兄弟の武器保管庫を次々と襲わせる。
ボケ老人を演じて
いた時とは、うって
変わり、シャキッと
なって指令を出す
仲達
また後宮に入って皇太后からお墨付きをもらった上で「曹爽らが天子に対して謀反を起こそう
としている」との上奏文を書く。そして、その上奏文を曹爽らと共に城外にいる天子に送る。
- 5. 7その後、仲達は病に倒れ、息子たちの見守るなか亡くなる。魏主・曹芳は仲達の長男・司馬師
を大将軍に、次男・司馬昭を驃騎大将軍に任じる。
武官の服
装をした
司 馬 師
(右)と文
官の服装
をした司
馬昭(左)
じっと我慢の仲達、ついに好機到来!
仲達は曹操に始まり、本集の曹芳まで曹家四代に仕え、孔明を倒すなど数々の功績を挙げたが、
その割にはあまり評価されていない。その例を挙げてみると:
曹操→仲達のことを「目つきが鋭く、油断ならん奴(鷹視狼顧)」と評す。
曹丕 (特に問題なし)
曹叡→蜀の馬謖の流言に乗せられ、仲達が謀反を企てたと思い込み、田舎での謹慎を命じる。
曹芳→曹爽の口車に乗せられ、仲達を太傅(実権のない名誉職)の地位につける。
仲達はこれら四人の君主のもと「頭角をあらわしたかと思うとたたかれる」というパターンを繰
り返した。言うなれば「モグラたたきのモグラ」の様な人生だったのだろう。
本第 78 集は、そのモグラ・仲達が、不死鳥の様によみがえる。そして二人の息子たちに花道を
ゆずって、静かに去って逝く。
忍耐と努力の人、仲達。
「私たち気の短い日本人には真似できない生き方だな」と思った。