魏宮驚夢①(魏・文侯、国内改革に着手する)
- 1. 戦国篇 第4集
魏宮驚夢①(魏・文侯、国内改革に着手する)
李悝の才能に惚れ込んだ魏文侯、李悝を国師にすえようと
自ら手綱を取って彼の元へひた走る(「三顧の礼」よりスゴイかも?!)
- 2. 第4集 魏宮驚夢①(魏・文侯、国内改革に着手する) -戦国篇-
―あらすじ―
晋の国はすでに趙、魏、韓の三国に分かれ、そのなかで魏は、文侯という君主が国
を治めていた。そして文侯は、魏の北にある中山という小国を攻め滅ぼそうと考えた。
ところが、意外にも中山の抵抗は激しく、魏軍は苦戦を強いられる。自ら軍を指揮
していた文侯に、家臣の翟璜(てきこう)は「早く御退却ください!」と言う:
しかし、文侯は「中山のような小国に負けたとあってはワシの面目が立たぬ。魏に
は戻らぬ」と意地を張る。
そこへ文侯の夫人・子夷(しい)が馬車でやって来て「文侯様がお逃げにならなけ
れば護衛の者が傷つきます。早くお逃げ下さい」と言うが、文侯はテコでも動こうと
しない。
その様子を見ていた翟璜、今度はいきなり剣を抜き、文侯の首にその剣を突きつけ
て叫ぶ
「お逃げ
にならな
いのなら、
ここで殉
死なさっ
て下さい。
魏の君主
ともあろ
うお方が、
生きて敵
国の辱め
を受ける
訳にはい
きません。
私も直ぐ
に後を追
い、黄泉の国までお供いたす所存です」 ↑文侯の首に刀を突きつける翟璜
その気迫に押されたか、文侯は、いきなり自分の剣を振り上げて翟璜の剣を真っ二
- 6. その後、魏は李悝によって国策が定められ、翟璜によって軍備が整えられ、着実に
富国強兵の道を歩みだす。
魏の国内改革を推し進めるため李悝(座っている右から 3 人目)を先生にして、
勉強会を開く(中央が文侯、左端が翟璜)
ところで、当時、魏の朝廷では宰相の職に欠員が出たため、文侯は李悝に誰を宰相に
したら良いか相談する。すると李悝は、「翟璜殿は、忠臣であり、公平無私で、知能
と勇気を兼ね備え、軍を治める能力があります。宰相の仕事は彼以外には務まりませ
ん」と言う。その話に納得した文公は、その日から翟璜に宰相の仕事を行うよう命じ
る。
ところが、その後、翟璜が一人になると、子夷がやって来てこっそり囁く:
「宰相の職を引き受けてはなりません」驚く翟璜に子夷は言う:「周王朝が始まって
以来、宰相の職について無事生涯を終えたものは多くありません。李悝があなたを宰
相に推したのも、何か良からぬたくらみが有るに違いありません」