1. クリティカルチェーン・
プロジェクト・マネジメント
Critical Chain Project Management
2013/3/31 青山 卓

2. 今回のテーマ
• エリヤフ・ゴールドラット博士が提唱する、プ
ロジェクトマネジメント手法 “クリティカル
チェーン・プロジェクト・マネジメント” の要
約を紹介。
Critical Chain
クリティカルチェーン
なぜ、プロジェクトは
予定どおりに進まないのか?

3. エリヤフ・ゴールドラット博士
• “ザ・ゴール” を筆頭に、名著多し。
• TOC理論で有名。
※Goldratt ConsultingのWebサイトより引用

4. INDEX
1. なぜ期日が守られないか？
2. では、どうすればいいのか？
3. リソースバッファとは？
4. まとめ

5. 1. なぜ期日が守られないか？
• ３つの経験則
「学生症候群」
「マーフィーの法則」
「パーキンソンの法則」
• 一般的なスケジュール設計に
経験則を当てはめると……

6. 学生症候群
• 締切間際になってはじめて課題に着手する。
スケジュール
締切
▲
着手
開始

7. マーフィーの法則
• 締切が近づくにつれ、労働力は無限に増大する。
（エドワードの「時間／労働力」の法則）
時間
締切
労働力

8. パーキンソンの法則（抄訳）
• 仕事は、与えられた時間を全て埋めるように拡
大する。
• タスクAを３日でやってください ⇒３日で完了
• タスクAを５日でやってください ⇒５日で完了
• タスクAをｘ日でやってください ⇒ｘ日で完了

9. 一般的なスケジュール作成
• 各タスクについて、90%の確率で終わる期間を
見積もる。
• 各タスクにバッファがあるので、余裕があるは
ず。
task1 6 days
task2 10 days
task3 8 days
90%
90%
90%
着手 完了
着手 完了
着手 完了
【作業計画と思惑】

10. 一般的なバッファ設定
• 順調にタスクをこなした場合のスケジュールに
バッファを足して、90%の確率で終わるスケ
ジュールとする。
順調にいったとき バッファ
確率
90%
確率
50%

11. しかし、経験則を当てはめると
• 締切間際にならないと着手しない。
• 与えられた時間は全て使い切る。
task1 6 days
task2 10 days
task3 8 days
着手 完了
着手 完了
着手 完了
【作業計画と現実】

12. 2. では、どうすればいいのか？
• 90%ではなく50%で見積もる
• プロジェクトバッファと合流バッファ
• 組織面での対策

13. 90%ではなく50%で見積もる
• 各タスクについて、50％の確率で終わる期間を
見積もる。
（＝各タスクにバッファを設けない）
• その代わり、クリティカルパスの最後に全体の
バッファを置く。
※次ページの「プロジェクトバッファ」を参照

14. プロジェクトバッファ
• クリティカルパスの最後に、バッファを設ける。
• クリティカルパス上のタスクが遅延すると、プ
ロジェクトバッファが削られる。
締切
クリティカルパス
プロジェクトバッファ

15. 合流バッファ
• クリティカルパスに合流するタスクに設定する
バッファ。
クリティカルパス
合流バッファ

16. PMの仕事
• PMは３つのバッファに注目すれば良い。
– プロジェクトバッファ
– 合流バッファ
– リソースバッファ（後述）
• バッファの減るペースが速い場合、または
バッファの残りが少ない場合は注意信号。

17. 組織面
• 各タスクの期日に遅れてもペナルティを課さな
い。
– そもそも、確率が50％
– ペナルティを課すと、期間見積りを水増しするよう
になる
• 前工程が終わったら、すぐ次の工程に着手する
文化（リレーランナー・カルチャー）。

18. 3. リソースバッファとは？
• TOC理論を応用
• プロジェクトにおけるボトルネック
• ボトルネックを最大活用する
• リソースバッファを管理する

19. TOC理論のおさらい
• ボトルネックを特定。
• ボトルネックの最大活用。
• ボトルネックに全てを従属させる。
• ボトルネックを強化する。
• この基本原則をプロジェクトに適用。

20. ボトルネックは ”特定のリソース”
• プロジェクトにおけるボトルネックは
「特定のリソース」にある。
• たとえば・・・
特殊スキルを持ち、引っ張りだこ状態のAさん。

21. ボトルネックを最大活用する
• 特殊スキルを持つAさんがボトルネックだとし
たら・・・
• Aさんに「掛け持ちをさせない」ように、プロ
ジェクトのスケジュールを組む。

22. 掛け持ちをさせない
• ボトルネックリソースを一つのタスクに集中さ
せて、パフォーマンスを最大限に引き出す。
プロジェクトA
プロジェクトA
プロジェク
トB
プロジェクトC
プロジェクトB
プロジェクトC
GOOD
NG 時間

23. リソースバッファを管理する
• リソースバッファとは、ボトルネックリソース
のバッファのこと。
• バッファが無い
＝全体のパフォーマンスの上限に達した。
活動 活動 活動
時間
バッファ バッファ バッファ

24. 4. まとめ

25. まとめ
• ぎりぎり達成可能な期限を設定する。
• 期限は超過する前提。ペナルティはNG。
• バッファはまとめて最後に置く。
• ボトルネックとなるリソースの最大活用。
• PMは３つのバッファを監視する。