未経験者中⼼のチームとベテラン中⼼チーム Management 3.0 のプラクティスはどう作⽤したのか
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SCRUM FEST SAPPORO 2020
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未経験者中⼼のチームとベテラン中⼼チーム Management 3.0 のプラクティスはどう作⽤したのか
- 1. 未経験者中⼼のチームとベテラン中⼼チーム Management 3.0 のプラクティスはどう作⽤したのか SCRUM FEST SAPPORO 2020 Yasushi Hagai, Stefan Nüsperling Nov 7 2020
- 5. Management 3.0とは Management 1.0 Management 2.0 Management 3.0 トップダウン式で、少数の⼈が権 限を持っているタイプの組織の運 営⽅法です。つまりマイクロマネ ジメントでして、ヒエラルキーの 下にいる⼈たちは責任がほとんど なく、いい仕事をしようというモ チベーションがありません。 Management 1.0という古いシステム に、作業効率と従業員のモチベーション を上げるための、⼤量の活動を追加した 状態のことです。こちらもトップダウ ン・アプローチに変わりはありません。 そして残念ながら度々間違ったアプロー チを適⽤している「正しいことを間違っ た⽅法でやっている」状態とされます。 リーダーシップの定義をあらため、 マネジメントをグループの責任とし ます。⾃⼰組織化により⾼い内発的 動機付けが可能になり、従業員の満 ⾜度が向上します。従業員の満⾜と 組織⽬標を同時に達成するもっとも 効率の良い⽅法とされています。 5
- 6. 現場でやっ てみました という話 • いくつかの Management 3.0 のプラク ティスを使ってみた • 主に • 初顔合わせの時のPersonal Map • Celebration Gridを使った振り返り • Delegation Poker を使った意思決定のレベル 決め • Moving Motivators • KUDO Wall • Management 3.0じゃないけど • 心理的安全性ゲームやりました
- 7. どんな現場？ • とある大手流通業（卸）の基幹システム開発 • の、テストチーム • よくあるアレなファンクショナルチーム • テスト設計者（チーム）と • 実施者（チーム） • が分かれている • 五月雨式に出来てくる機能をどんどんテストしてゆく • 期間は1年 • システム間連携が主テスト対象 • すいません、Scrum Fest なのにアジャイル な現場の 話じゃないです
- 8. テスト実施 チーム • なんと実施のほとんどのメンバー が未経験者 • 最初は大変だったけど、ある意味や りやすさも • 「習慣」がない • 「先入観」がない • 「知識/スキル」もない（これは大変なこ ともあった）
- 9. テスト設計 チーム • 大ベテラン、大先輩 • 業務のことも、システムのことも よく知っている • だからテスト設計してもらうと 早い（はず）という目論見 • 通常業務（システム運用保守）と 兼任
- 10. ということ まで決まっ ていた状態 で • このテストの進行をマネジメントしてくださ いというのが私のお仕事 • おっさんの私と優秀な若手社員がチーム をサポートして遂行する • 機能開発・バグ改修の遅延の影響受けまくり • 最初は未経験者中心チームのテスト実施をど うにか進めるということに100%に近いの力 を注ぐことになると思っていた
- 11. 若い未経験者中心の 実施チーム • わからないことだらけ • システムのこと、業務のこと • やったことないことしかない • これはある意味やりやすかった • アレルギーがない（こういうのが好 きとか嫌いとか食わず嫌いとか） • そもそも全てが初めてに近いから、 すべてがTry • 進化しかないチーム • 逆に急速に進化しないとヤバい チーム
- 12. • お互いのことを知る • 初顔合わせの日に、大きなホワイトボードに皆 でパーソナルマップを書いて自己紹介 • 馴染んだ頃に Moving Motivators を使って お互いの仕事に対するもチベーター、価値観を 知る • 心理的安全性ということを知ってもらう • やっとむさんの心理的安全性ゲーム 絶対に空気 の悪いチー ムにしたく なかった
- 13. Moving Motivators • 仕事におけるモチベーションって何？をお互い表明す るというもの • ある程度チームが馴染んだ状態で実施 • お互いのことがなんとなくわかってきた頃 • それでも意外なカードが出てくる • 意外って思ったらやはり「なんで？」って聞くよ ね • その理由がまた意外だったり納得だったり • あとで皆さんでやってみましょう！
- 14. Celebration Gridを使ったふりかえり • 自分たちが「やったこと」を分類する • 実験（Try、 チャレンジ）して成功した • 実験（Try、 チャレンジ）して失敗した • 成功するべくして成功した • うまくいくはずなのに失敗した！ • 失敗するべくして失敗した（しょうもな いやつ） • ダメなはずなのにたまたまうまくいっ た！ • そこにあった学びを祝おう！という もの
- 15. Celebration Gridを使った ふりかえり • 実施チームが週１で実施 • 経験不足から『失敗から学ぶ』はやはり 多い、そこに学びがあることを意識した かった • 小さな工夫、実験をしてチームが進化す ることを楽しんでもらいたかった • Celebration Gridには『明日からどうし よう』を表明する場所がないので 『Next Action』という枠を隣に作って、 KPTでいうTryにあたる物も出してみる ようにした
- 16. Celebration Grid 使ってみて • 自分たちがやったことを整理して 評価するにはとてもいい • これはよかった／しょうもなかった • 行動（成功/失敗）から『学ぶ』こ とが習慣に
- 17. そんな感じで 軌道にのった 実施チーム • 正直手はかかるけどそれなりに 進化 • 手が掛かることがわかっていた ので、サポートもしっかり • メンバーも最初はビビっていた が、前向きに取り組んでくれる チームになっていった • 最終的には予想以上のパフォー マンスを出してくれた
- 18. 一方、テスト 設計チームは • 大ベテラン、大先輩 • 業務のことも、システムのこと もよく知っている • だからテスト設計してもらう と早い（はず）という目論見 • 通常業務（システム運用保守） と兼任 • テスト設計というお仕事を『お 願いされた』という感じ
- 19. 正直「おまかせ」すれば問題なく進行 すると思っていた • お願いした「作業」はやってくれ る • 「相談」すれば応えてくれる • 逆にいうとそれしかやらない • チーム内のタスクの割り当てすら やらない • 割り当てられたタスクしかしない • ポテンヒットは拾わない • 楽しそうじゃない
- 20. 決めてくれ ないチーム 本当にこれ でいいと 思っている のか？ • 作業はするが、なにも『決めない』 • 相談すれば「これでいいんじゃない？」とは 言ってくれるが、「これでいきましょう」と は言わない • ↑『判断』はするが『決定』はしない • どうするべきかわかっているが、実行しない • 責任から逃げているようにも見えた • 余計な仕事増やしたくないのかな？とか • 逆に『みなさんどうしたいんですか？』 と尋ねたこともほとんどなかったかも
- 21. Delegation Poker やってみた • ある「意思決定領域」に対して、権限移譲（意思決定）のレベルを合意す るためのツール • オレが決める（やる） or お前ら決めろ（まかせた） ではなく、7つのレ ベルで決める これもあとでやってみましょう！
- 23. Sell is the mirror of Inquire. 「2.説得する」と「6.尋ねる」は対称になっています。 The 7 Levels of Delegation is a symmetrical model. ７つのレベルのデリゲーションは４を中⼼にして対称的なモデルであり、 それぞれに対応するレベルが存在することで成り⽴ちます。
- 24. A delegation board enables management to clarify delegation and foster empowerment for both management and workers. デリゲーションボードは、マネジメントの権限委譲レベルを明確化するとともに、 マネジャーとメンバーの両者のエンパワーメントを促進します。 休暇 就業時間 ツール選択 チームメンバーシップ ゴール設定 チームボーナス
- 27. どういうこ と？ • 単純に「積極的」ではない • 言っていいかどうか…、決めていいかど うか…という迷い • ベテランの皆さんだし放置で大丈夫とい う勝手な判断
- 30. しくじり先生 • 未経験者中心に『集められた』実施チームは • チームとして進化していくことが必要だったので、 いろいろ頑張った • ベテラン中心の設計チームは • 「みなさん付き合いも長いし力もあるし、よしな によろしくね」ってしてしまった
- 31. 紹介した Management 3.0 の プラクティス • Moving Motivators • Celebration Grid • Delegation Poker • 目的は違うが、いずれも自分の思いを表明する場面 があるもの • 「ただ作業をこなすチーム」を脱却することに役 立ってくれた すごく助けられました！
- 33. ありがとうございました！ 今から Moving Motivators と Delegation Poker のワークショップです！