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2014LETシンポジウム コーパス構築計画

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石井雄隆・石井卓巳・草薙邦広・阿部大輔・福田純也・川口勇作(2014)「ライティング・プロダクトからライティング・プロセスへ―Writing MaetriX Corpus Project―」外国語教育メディア学会 第54回全国研究大会 公募シンポジウム. 福岡大学. にて使用されたWritingMaetriXコーパス構築計画についてのスライドです。

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2014LETシンポジウム コーパス構築計画

  1. 1. Writing MaetriX Corpus Project 石井雄隆(早稲田大学大学院) yutaka.i.0207@gmail.com 公募シンポジウム 外国語教育メディア学会第54回全国大会 2014/8/5 於:福岡大学
  2. 2. Writing MaetriX Corpus Project • WMXに基づくコーパス構築計画 – 既存の学習者コーパスは,主に学習者のライティング・プ ロダクトを対象としたものであり,ライティング・プロセ スに十分な焦点を当ててきたとはいえない。 – WMXで記録した学習者の産出過程のデータを大量に蓄積す ることで,母語別・習熟度別の学習者のライティング・プ ロセスを横断的・縦断的に分析することが可能になる。そ こで,既存の学習者コーパスの構築手順に則りながら, Writing MaetriX Corpus Projectの概略を説明する。 2
  3. 3. 内容 • 背景 • 学習者コーパス概観 • コーパスデザインについて 3
  4. 4. 背景 • これまでのライティングプロセ ス研究 • 刺激再生法 • 思考発話法 4
  5. 5. 思考発話法 (Bowles, 2010) • L1 writing • Comparing L1 and L2 writing strategies • The role of the L1 in L2 writing 5
  6. 6. 思考発話法の問題点 (内田, 1986) • 思考発話法は、タスクの遂行に 干渉。 • 作文課題のような言語産出に関 するタスクの場合は、思考発話 における言語産出と競合しがち であると指摘。 6
  7. 7. 背景 • タスクプロセス研究の近年の動向 • Révész (2013) • Révész et al. (2014, September) –Eye-tracking –Keystroke Logging 7
  8. 8. 学習者コーパス概観(書き言葉) • International Corpus of Learner English (ICLE) • Japanese EFL Learner (JEFLL) Corpus • International Corpus of Crosslinguistic Interlanguage (ICCI) 8
  9. 9. 学習者コーパス概観(書き言葉) • Nagoya Interlanguage Corpus of English (NICE) • International Corpus Network of Asian Learners of English (ICNALE) 9
  10. 10. ICLE • 収録語:約376 万語 • 協力者:EFL / 大学生 • タスク:論説文 / トピック制限 無し(推奨トピック有) / 制限 時間無し / 参考図書・辞書使用 の制限無し 10
  11. 11. JEFLL Corpus • 収録語:約67 万語 • 協力者:EFL / 中学生~高校生 • タスク:論説文・叙述文 / それ ぞれ3トピックずつ / 制限時間 20分 / 参考図書・辞書使用不可 11
  12. 12. ICCI • 収録語:約85万語 • 協力者:EFL / 小学生~高校生 • タスク:論説文・物語文 / 11ト ピック(主として2) / 制限時間 20分 / 参考図書・辞書使用不可 12
  13. 13. NICE • 収録語:約24万語(内12万語) • 協力者:EFL / 大学(院)生 + 母 語話者 • タスク:論説文 / 11トピック(主 として2) / 制限時間60分 / 参考 図書・辞書使用不可 13
  14. 14. ICNALE • 収録語:約130万語(内18万語) • 協力者:ESL & EFL / 大学生 + 母 語話者 • タスク:論説文 / 2トピック / 制限 時間20-30分 / 参考図書・辞書使 用不可 14
  15. 15. 学習者コーパス概観(話し言葉) • Louvain International Database of Spoken English Interlanguage (LINDSEI) • NICT-JLE Corpus 15
  16. 16. LINDSEI • 収録語:約100万語 • 協力者:EFL / 大学生 • タスク:規定トピック、自由討 論、イラスト描写 16
  17. 17. NICT-JLE Corpus • 収録語:約202万語(内134万語) • 協力者:EFL / 大学生 + 母語話者 • タスク:自己紹介、イラスト描写、 ロールプレイ、イラストに基づく ストーリー描写、質疑応答 17
  18. 18. 学習者コーパスの可能性 (石川, 2008, p. 201) • 「学習者コーパスは,コーパス 言語学の中では比較的新しい分 野であるが,今後,言語教育へ の貢献が最も大きく期待されて いる分野でもある。」 18
  19. 19. 学習者コーパス研究の必要性 (投野, 2013, pp. 13-14) • 「学習者コーパスの研究成果がSLA研究の分野 に大きなインパクトを与えているとはまだ言い がたい。」 • 「SLA研究者が使ってみたいと思うようなデー タ収集の方法を採用するなど,コーパス設計に 一段と工夫が必要。」 • 「学習者コーパス研究はまだ分野的にそこまで 成熟していない」 19
  20. 20. 石井 (2014) • 『英語コーパス研究』1号 (1994)- 20号 (2013)掲載の計184本を多角 的に調査。 • 日本人英語学習者コーパスの利 用は10%に満たない。 20
  21. 21. これまでの学習者コーパス研究 • 既存の学習コーパスはプロダクト に焦点を当てており、プロセスは 調査することができない。 –コーパスの内的多様性に留意すべき (McEnery & Hardie, 2012) –データ収集上の制限 (投野, 2013) • 測定している言語能力の構成概念 が明確ではない。 21
  22. 22. コーパスデザインについて 目標言語 タスク 学習者 モード データ採取 内的/認知的 [書き言葉 / 話し言葉] [横断的 / 縦断的] [年齢 / 学習スタイル] ジャンル 誘出 内的・情意的 [物語 / エッセイ / など] [自発的 / 準備あり] [動機付け / 態度] 文体 参考図書 母語背景 [叙事体 / 論説体] [辞書 / 原文 / など] [日本語 / 中国語 / など] トピック 時間制限 L2学習環境 [一般 / 娯楽 / など] [あり / なし / 宿題] [ESL/EFL] [学校レベル] L2習熟度 [標準テスト得点] (投野, 2013, p. 6) 22
  23. 23. 目標言語 • モード:書き言葉 • ジャンル:argumentative 23
  24. 24. 目標言語 • トピック: 1. “It is important for college students to have a part time job.” 2. “Smoking should be completely banned at all the restaurants in the country.” 3. Money 4. School Education 24
  25. 25. Accuracy Task (杉田, 2013) • 評価対象となる言語能力特性としてAccuracy (grammar, organization, vocabulary, rhetoric など、言語の形式的側面 における運用能力の正確さ)を措定 • 文章構成力 (Organizational skills):読み手に内容を正確に 把握させるために論理的に文章を組み立てる力 • 言語的正確さ (Linguistic accuracy):語彙や文法、スペル、 句読法などにおける誤り cf. Can-do Task-based Learner Corpus (Tono, 2014) 日本語教育のためのタスク別書き言葉コーパス (金澤, 2014) 25
  26. 26. Accuracy Taskの例 (1) タスクの説明 (rubric) この課題では、指定された内容を伝える英語の手紙をどのく らい正しい英文で書くことができるかをテストします。最初 に、与えられたトピックについて自分自身のことをよく考え なさい。次に、英語の手紙の形式に合わせて、できるだけ正 しい英文でトピックの内容を含む自己紹介の手紙を書きなさ い。解答のための時間は20分間で、語数は100~120語程度 としなさい。なお、採点は次の3つの観点から行います。 ①与えられたトピックの内容を含む、自己紹介を目的とした 手紙文としての適切さ ②言語的側面(文法・語彙・スペル等)の正確さ ③文章の形式的側面(構成・展開法)の適切さ 26
  27. 27. Accuracy Taskの例 (2) タスクの指示 You are going to stay with Parker Family in Britain this summer. Write a 100-120 word letter introducing yourself to your host family. Before writing, think of the following topics. Your name and age Your job, profession, or major in school Your family and pets Your interests and hobbies Your favorite places, foods, activities Your experience in traveling abroad Some things you want to do while you are in England 27
  28. 28. Accuracy Taskの評価基準 A(6) ・文章の構成および展開がうまくできている ・論理展開の方法が適切で説得力がある ・部分的に誤りはあるが、語彙使用が適切である ・主語と動詞の一致、時制、単数・複数、語順および語法、冠詞、代名詞、前置詞の使用にほとんど誤りがない ・スペル、句読法、大文字使用、段落分けの仕方にほとんど誤りがない ========================================================== B+(5) A と B の中間的なレベルである ========================================================== B(4) ・文章の構成および展開ができている ・論理展開の方法が概ね適切で全体的に理解できる ・語彙使用が不適切で部分的に意味がわかりにくくなっているところがある ・主語と動詞の一致、時制、単数・複数、語順および語法、冠詞、代名詞、前置詞の使用にやや誤りがある ・スペル、句読法、大文字使用、段落分けの仕方にやや誤りがある ========================================================== B-(3) B と C の中間的なレベルである ========================================================== C(2) ・文章の構成および展開が不十分である ・論理展開の方法が不適切で理解しにくい ・語彙使用が明らかに不適切で、意味を取り違えたり、意味がわかりにくいところがある ・主語と動詞の一致、時制、単数・複数、語順および語法、冠詞、代名詞、前置詞の使用に誤りが多い ・スペル、句読法、大文字使用、段落分けの仕方に誤りが多い ========================================================== D(1) C のレベルに達していない 28
  29. 29. タスク • データ採取:横断的・縦断的 • 参考図書:なし • 時間制限:あり(20-60分) 29
  30. 30. 学習者 1. 性別 2. 年齢 3. 大学名・専攻・学年 4. 資格(英語テストのスコア)の取得状況 5. 英語学習歴 6. 海外滞在歴 7. 英語の使用頻度(5段階評価) 8. 作文を書くことに対する自信度(5段階評価) →NICE準拠 (杉浦, 2011) 30
  31. 31. タスク遂行に関する主観的困難度 Ishikawa (2011) • concentration • this task required concentration. / this task did not require concentration • time pressure • I did not feel time pressure during task performance. / I felt time pressure during task performance • anxiety • this task made me anxious. / this task did not make me anxious • stress • I felt frustrated during task performance. / I did not feel frustrated during task performance • difficulty • this task was easy. / this task was difficult • interest • this task was interesting. / this task was difficult • ability • I did not do this task well. / I did this task very well • motivation • I want to do tasks like this. / I don’t want to do tasks like this 31
  32. 32. 学習者 • ライティングストラテジーに関する質問紙 以下の4つの観点から構成。 -Global Planning (Passage Level) -Local Planning (Word/Phrase/Sentence Level) -Review/Revision -Avoidance (Yamanishi, 2009) 32
  33. 33. Global Planning (Passage Level) • はじめに大まかに書いて,後で細かな修正をしなが ら書いた。 • 内容がまとまるように文の順番を考えながら書いた。 • 内容をまとめるための表現を考えながら書いた。 • 表現に一貫性があるようにして書いた。 • 物語調で書こうとした。 • 日本語で考えを整理してから,英語で書いた。 • 課題で何が要求されているかを考えながら書いた。 • 課題の趣旨を読者に伝えるように書いた。 • 課題内容をよく理解してから書いた。 • 結び(文章のオチ)の表現に気を遣って書いた。 33
  34. 34. Local Planning (Word/Phrase/Sentence Level) • 冠詞や単数形や複数形に注意しながら書いた。 • 語と語の組み合わせ(イディオムなど)を考えなが ら書いた。 • 思いついた英語の表現が日本語の意味にあっている か考えながら書いた。 • 思いついた複数の表現から,最もふさわしい表現を 選びながら書いた。 • 次にどのような内容を書こうか考えながら書いた。 • 書きやすい表現を使えるように,書く内容を調整し た。 • 定型的な表現(決まった言い回し)を気にしながら 書いた。 34
  35. 35. Review/Revision • 課題を見直して,書いた内容を修正した。 • 課題を見直して,足りない情報を書き足した。 • 書いた内容を見直して,表現が簡潔になるように修 正した。 • 書いた内容を見直して,全体的な表現(文章の構成 など)を修正した。 • 書いた内容を見直して,足りない情報を付加した。 • 書いた内容を見直して,内容のまとまりが良くなる ように修正した。 • 書いた内容を見直して,不要な情報を削除した。 • 書いた内容を見直して,部分的な表現(文法,つづ りなど)を修正した。 35
  36. 36. Avoidance • どのように書こうか考えたが,あきらめて作文を終了した。 • 書いている途中に違和感を覚えたが,そのまま書き進めた。 • 書きたい内容はあったが,表現が思い浮かばなかったので 書かなかった。 • 書きにくそうな箇所は書かなかった。 • 日本語では書けても英語で表現するのが難しい内容は書か なかった。 • 書き足りない内容があったが,書くと大変そうだったから 書かなかった。 • 書こうとした内容はあったが,ぼろを出さないように書か なかった。 • 文のつながりがおかしいと感じた箇所があったが,気にし ないようにした。 36
  37. 37. 本コーパスにより可能になること • 母語別・習熟度別の学習者のライ ティングの時系列分析・誤りの質 的分析など (cf. 杉浦・江口・阿部, 2014, August) • 追行研究のプラットフォーム (cf. Porte, 2012; 浦野・亘理, 2013) 37
  38. 38. 参考文献 • 石井卓巳(2014)「日本の英語コーパス言語学の研究課題・手法の変遷: 『英語コーパス研究』掲載論文を用いた基礎的検討」LET関西支部メソドロジー研 究部会2014年度第1回研究会. 関西大学. • 石川慎一郎(2008)『英語コーパスと言語教育:データとしてのテクスト』大修館 書店. • 内田伸子(1986)「作文の心理学 : 作文の教授理論への示唆 : 展望」『教育心理学 年報』, 25, 162-177. • 浦野研・亘理陽一(2013)「英語教育研究における追試(replication)の必要 性」LET関西支部メソドロジー研究部会2013年度第2回研究会. 大学コンソーシア ムあきた. • 金澤裕之(2014)『日本語教育のためのタスク別書き言葉コーパス』ひつじ書房. • 杉浦正利・江口朗子・阿部大輔(2014, August)「キーストローク記録プログラ ムを使ったライティングプロセスの観察データに基づく三単現-sの産出プロセスに 影響を与える要因と自動化に関する考察」全国英語教育学会第40回徳島研究大会. • 杉浦正利(2011)「言語習得研究のための学習者コーパス」藤村逸子・滝沢直宏 (編)『言語研究の技法』ひつじ書房. pp.123-140. • 杉田由仁(2013)『日本人英語学習者のためのタスクによるライティング評価法― 構成概念に基づく言語処理的テスト法』大学教育出版. • 投野由紀夫(2013)「学習者コーパス研究のこれまでとこれから」投野由紀夫・杉 浦正利・和泉絵美・金子朝子 (編著)『英語学習者コーパス活用ハンドブック』大修 館書店. pp.4-18. 38
  39. 39. 参考文献 • Bowles , M. A. (2010). The think-aloud controversy in second language research. London: Routledge. • Ishikawa, T. (2011). Examining the influence of intentional reasoning demands on learner perceptions of task difficulty and L2 monologic speech. P. Robinson (Ed.), Second Language Task Complexity: Researching the Cognition Hypothesis of Language Learning and Performance (pp. 307-330). The Netherlands: John Benjamins. • McEnery, T., & Hardie, A. (2012). Corpus linguistics: Method, theory and practice. Cambridge University Press. • Porte, G. (2012). Replication Research in Applied Linguistics. Cambridge University Press. • Révész, A. (2013, November). Exploring processes and outcomes in task-based research: The use of mixed methods approaches. Mixed-Methods in SLA: Benefits and Challenges. Lecture conducted from University of Barcelona, Spain. • Révész, A. (2014, September). The effects of task type and task complexity on L2 writing behaviour and text quality. The 24th annual conference of the European Second Language Association (EUROSLA). The University of York, United Kingdom. • Tono, Y. (2014). TALC in action: 10 years on. 11th Teaching and Language Corpora Conference. Lecture conducted from Lancaster University, United Kingdom. • Yamanishi, H. (2009). Japanese EFL Learners’ Use of Writing Strategies: A Questionnaire Survey. The Bulletin of the Writing Research Group, JACET Kansai Chapter, 8, 53-64. 39

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