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自動運転車の「トロッコ問題」
などに関する意識
:日本に居住する人に対する質問紙調査を通じて
河島茂生(青山学院女子短期大学,東京経済大学,理化学研究所)
北村 智(東京経済大学)
柴内康文(東京経済大学)
1
2017年 社会情報学会 (SSI) 学会大会(2017年9月17日)
はじめに(1)
 本報告の目的
 自動車運転車のトロッコ問題などに関する意識を検討する。
 本報告の背景
 自動運転車は,交通事故の減少などさまざまな効用が期待されており,自動車メー
カーやICT企業のなかで開発競争が生じている。2035年あたりには自動車の約25%が
自動運転車で,そのうちおよそ10%が完全自動運転車になると予想されている。
 ただし,自動運転車でも交通事故は完全に防げるわけではない。突発的な人々の動
きや環境変化によって,事故が避けられない事態が想定されるからである。
 アメリカの非営利組織FLI (Future of Life Institute)は人工知能に関する公開書簡を発
表しているが,その文書には次のような皮肉めいたコメントが載せられている。
 「自動運転車の導入によっておよそ4万件の交通事故死が半減したとしても,自動車メー
カーに寄せられるのは2万通の感謝の手紙ではなく,2万件の訴訟かもしれない」1)
2
はじめに(2)
 本報告の背景
 自動運転車が引き起こす倫理的問題として,頻繁に言及されるのがいわゆる「ト
ロッコ問題(trolley problems)」である。
 トロッコ問題は,いかなる倫理的思考プロセスをとるかにより回答が分かれ,論理
的には決着がつかない。それゆえ,本報告では,こうした倫理的問題に対して社会
調査を実施し,一般の人々の意識を調べることにした。
 人工知能はさまざまな倫理的問題を喚起するが,我々人間が責任を持って対応すべ
きである3) 4)。2017年現在,人工知能全般に関わる倫理の重要性が説かれている5) 6)。
今後は,自動運転車などの個別の領域についての倫理基準が集中的に議論されてい
くと予想される。本報告において多様なファクターのうちの1ファクターを検討する
ことで政策論議への素材提供に資する。
3
トロッコ問題は,P.Footによって1967年に提起された倫理学の思考実験でありさま
ざまなバージョンがあるが,およそ次のようなものである2)。
トロッコが突進している先に5人の人がいる。直進すると5人の命が奪われる。
しかし曲がると,トロッコは別の線路に入り,そこにいる1人の命が奪われる。
直進することが正しいか,それとも曲がることが正しいのか。
関連研究と仮説,リサーチクエッション(1)
 自動運転車に関する意識調査は数多い 7) 8) 9)。しかし,それらの大半は,自動運転車の購
買意欲や値段,運転の楽しみ,市場占有率予想などに関する調査であり,倫理的側面に
ついては取り上げられていない。
 先行研究としては,J-F. Bonnefonらによる調査が挙げられる10) 11)。本報告は, J-F.
Bonnefonらによる調査を参照にしながら仮説やリサーチクエッションを設けた。
4
(仮説1)事故が避けられない状況に直面したとき自動運転車は功利主義的に動くこと
が肯定的に受け止められる
 Bonnefonらのオンライン調査によると,人々は功利主義的な意思決定を支持して
いる。たとえば,自動運転車が直進すると10人が死亡する。進路を変えると1人
が死亡する。そうしたときには,進路方向を変え,より多数の人々を救うように
プログラミングしておくことが肯定的に受け止められている。本研究でも,こう
した功利主義的な思考が日本に居住している人にも受け入れられるのか否かを調
査した。
※本報告では単純化して功利主義を「より多くの人命を救い犠牲者数を最小化する」立場とみなし議論を進める。
すなわち犠牲者が1人増えるごとに生じる社会の不幸の量は同じであると想定する。
関連研究と仮説,リサーチクエッション(2)
5
(仮説2)犠牲者(利用者)が自分である場合でもそうでない場合でも自動運転車は功利主
義的に動くことが肯定的に受け止められる
 Bonnefonらの研究では,自動運転車のなかにまったく知らない第三者がいるケー
スと自分自身がいるケースとの間で意思決定に統計的優位な差が見出されなかっ
た。つまり功利主義的な意思決定は,自分が犠牲になる場合でも同じように支持
された。本研究では,こうした点についても調査している。
(仮説3)功利主義的な自動運転車を購入する意図は低い
 たとえ功利主義的な自動車が支持されたとしても,そういった進路をとる自動車
を人々が購入するかどうかは定かではない。最終的に購入にまで至らないのであ
れば,自動車メーカーは利益につながらないため開発を躊躇すると予想される。
 Bonnefonらの調査結果では,ほかの人が功利主義的な自動運転車に乗ることは強
く望んでいる一方,自分自身はそれほど功利主義的な自動運転車を購買したいと
考えていない。Bonnefonらは,自己保身の感情が表れており,社会的ジレンマの
一端が垣間見えると指摘している。また,そのことから,功利主義的な自動運転
車だけを購入できるようにルールをもうけた場合,自動運転車市場の形成が遅れ
てしまう可能性があることを指摘している。
関連研究と仮説,リサーチクエッション(3)
6
(仮説4)自動運転車が功利主義的に走行するように共通ルールをもうけることが肯定
的に受け止められる
 Bonnefonらは,自動運転車が功利主義的な走行をするように法的拘束力をかける
ことについても聞いている。人間が運転する場合よりも,自動運転車の走路に法
的拘束をかけることに賛同があるが,それでも50%を下回っている。自動運転車
に自分自身が乗っているケースと知らない第3者が乗っているケースとに分けて
も聞いており,いずれも支持の度合いの中央値が50%を下回っている10)。本研究
でも,こういったルールに関する人々の意識を聞いている。
(RQ1)どのようなレベルのルール作りが一般に望まれているか
 Bonnefonらは,法的拘束力に関する賛同/反対の度合いしか聞いていないが,本
調査では一歩進めて一般の人たちがどのようなかたちでの規制を望ましいと考え
ているかを尋ねている。一口にルールといっても,国際的な条約によるルールな
のか,それとも各国政府によるルールなのか,あるいは業界全体が自主的に定め
たルールなのか,各社がもうけたルールなのか,これらの複合なのかといった,
さまざまなかたちでのルール設定がありうるからである。
関連研究と仮説,リサーチクエッション(4)
7
(仮説5)自動運転車が功利主義的な走行をするように標準設定することが肯定的に受
け止められる
 行動経済学や倫理学の分野で人々の選択をゆるやかなかたちで誘導するナッジ
(nudge)が注目を集めている12)。デフォルトの設定を変えることで,たとえば臓器
提供や年金制度への加入が促進されるという簡単にデフォルトとは異なるものを
選べるようにしておくので,個人の意思も尊重される方法である。本調査では,
仮説4で人々に聞くような強制的規制とまではいかないが,後で変更可能な標準
設定としておくことに関する人々の意識も調べた。
(仮説6)自動運転車の内部メカニズムの透明性を図ることは肯定的に受け止められる
 Bonnefonらの研究にはいないが,さまざまな倫理基準で言及されている透明性
(transparency)について人々の意識を調べている。透明性を高めることは,その
ためのソフトウェアを開発して機器に埋め込まなければならず開発者の負担とな
ることは間違いない。一方で,さまざまな倫理基準・原則が透明性の重要性を説
いている5) 6) 13)。そのため,本調査では,事故が避けられない状況に直面したと
きに進路を決める自動運転車の内部メカニズムについて,一般の人々が公表を求
めているか否かを聞いた。
方法(1)
 中央調査社のマスターサンプルに対する郵送調査(督促はがき1回)。
 中央調査社のマスターサンプル: 電子住宅地図を利用した層化三段無作為抽出法に基づい
て依頼を受けた個人が登録されている。
(特徴)調査会社が保有する調査パネルの中でも偏りが小さく,代表性が高い。
 Bonnefonらの研究は,Amazon社が運営するクラウドソーシングサービスAmazon
Mechanical Turkを利用してオンライン上で調査を実施。
(オンライン調査の欠点)
・Satisfice―回答する際に選択の適切さを十分検討しないで短時間で回答を済ますこと―が
生じやすい14)。
・自動運転車の利用および影響はインターネットユーザーだけに限られない。
 調査対象者は,マスターサンプルのうち日本全国に居住する者で,20歳以上69歳以
下の男女である。調査対象者は性別と年齢層(10歳刻み)で母集団比例の割付を行っ
た上で,予測回収率を元に重み付けを行い,地域(10地域)と都市規模(3段階)で層化
無作為抽出された1000人で,回答者は468人であった。
 発送期間〜返送期間: 2017年1月28日〜2月24日
8
方法(2)
 回答者の内訳
 性別: 男性223人(47.6%), 女性245人(52.4%)
 年齢: 20歳代70人(15.0%),30歳代107人(22.9%),40歳代97人(20.7%),50歳代82人
(17.5%),60歳代112人(23.9%)
 自動車運転: 「普段,自動車を運転する」人341人(72.9%),「自動車運転免許を
持っているが,普段,自動車運転はしない」人96人(20.5%),「自動車運転免許を
持っていない」人25人(5.3%),無回答6人(1.3%)
 インターネットを使わない人: 平日51人(10.9%),休日52人(11.1)%
9
※本調査は,学歴や職業,仕事などのデモグラフィック属性,テレビ視聴や利用情報機器,利用アプリ,知人
ネットワーク,社会心理属性(第三者効果,正当世界信念など)についても聞いているが,このうち本報告は自
動運転車のトロッコ問題に関する質問項目の回答に絞って簡単な分析結果を示す。
結果(1)
 (問A)事故が避けられない状況に直面したとき、自動運転車は、1人の歩道を歩く人(歩
行者)が犠牲になる進路(Aの図)と10人の路上を横断する人(横断者)が犠牲になる
進路(Bの図)のどちらを選ぶべきでしょうか。1〜4のうち、あなたのお考えに近い
もの1つに◯をつけてください。
10
A B
1 2 3 4
1人の歩行者が犠牲に
なる進路(A)を
必ず選ぶべき
1人の歩行者が犠牲に
なる進路(A)を
選ぶべき
10人の横断者が犠牲に
なる進路(B)を
選ぶべき
10人の横断者が犠牲に
なる進路(B)を
必ず選ぶべき
13.5% 66.5% 15.2% 2.6%
統計的有意差(χ2=185.298, df=1, p=.000)
犠牲者が少ない選択肢
犠牲者が少な
い進路を選ん
だ人の比率は
約80%
 (問B)自動運転車をあなたがまったく知らない人が1人で利用して移動しているとします。
事故が避けられないある状況に直面したとき、その自動運転車がそのまま直進すれば10
人の横断者が犠牲になります。一方、自動運転車が曲がれば、その利用者1人が犠牲にな
ります。このような状況で、この自動運転車は直進すべきでしょうか。それとも曲がる
べきでしょうか。1〜4のうち、あなたのお考えに近いもの1つに◯をつけてください。
 (問C)自動運転車をあなた1人で利用して移動しているとします。事故が避けられないあ
る状況に直面したとき、その自動運転車がそのまま直進すれば10人の横断者が犠牲にな
ります。一方、自動運転車が曲がれば、利用者であるあなた1人が犠牲になります。この
ような状況で、この自動運転車は直進すべきでしょうか。それとも曲がるべきでしょう
か。1〜4のうち、あなたのお考えに近いもの1つに◯をつけてください。
結果(2)
11
統計的有意差(χ2=295.360, df=1, p=.000)
1 2 3 4
必ず直進するべき 直進するべき 曲がるべき 必ず曲がるべき
2.4% 7.5% 66.7% 22.0%
1 2 3 4
必ず直進するべき 直進するべき 曲がるべき 必ず曲がるべき
1.3% 7.3% 49.1% 41.0%
統計的有意差 (χ2=315.853, df=1, p=.000)
犠牲者が少な
い進路を選ん
だ人の比率は
約89%
犠牲者が少な
い進路を選ん
だ人の比率は
約90%
犠牲者が少ない選択肢
犠牲者が少ない選択肢
13.5 66.5 15.2 2.6
1 1人の歩行者が犠牲に なる進路(A)を 必ず選ぶべき 2 1人の歩行者が犠牲に なる進路(A)を 選ぶべき
3 10人の横断者が犠牲に なる進路(B)を 選ぶべき 4 10人の横断者が犠牲に なる進路(B)を 必ず選ぶべき
1.3 7.3 49.1 41
1 必ず直進するべき 2 直進するべき 3 曲がるべき 4 必ず曲がるべき
2.4 7.5 66.7 2.6
1 必ず直進するべき 2 直進するべき 3 曲がるべき 4 必ず曲がるべき
結果(3)
 問A
 問B
 問C
犠牲者が少ない選択肢
犠牲者が少ない選択肢
犠牲者が少ない選択肢
12
問A/問B/問Cのすべてで犠牲
者が少ない選択肢がもっとも選
ばれているが,回答分布が完全
に一致するわけではない。
特に問Cで,自分自身が自動運
転車のなかにいて犠牲者となる
場合のほうが必ずその選択肢を
選ぶという人が多かった。
※問Bと問Cで「曲がるべき」と回
答した人数と「必ず曲がるべき」
と回答した人数に差があるか否か
を検討するためMcNemar検定にか
けたところ統計的優位差があるこ
とが認められた(p=.000)。
※棒グラフ内の数値は%
 (問D)事故が避けられない状況に直面したとき、犠牲となる人数を最小限にするように進
路を取る自動運転車があるとします。利用者でも特別に守られるわけではありません。
あなたは、そのような自動運転車を購入したいですか。1〜4のうち、あなたのお考え
に近いもの1つに◯をつけてください。
 問Aで「1人の歩行者が犠牲になる進路(A)」を選んだ人/「10人の横断者が犠牲になる進
路(B)」を選んだ人と問Dとのクロス集計
1 2 3 4
購入したい まあ購入したい あまり購入したく
ない
購入したくない
8.1% 27.8% 29.7% 33.3%
結果(4)
13
統計的有意差(χ2=34.836, df=1, p=.000)
購入の希望 購入の非希望
Aの進路 131人 176人
Bの進路 25人 97人
購入に否定
的な回答を
した人は
63%
功利主義的
なAの進路
を支持した
にもかかわ
らず購入を
希望しない
人が176人
 (問E)事故が避けられない状況に直面したとき、自動運転車がとる進路を決める共通の
ルールを作るべきだと思いますか。そのルールは利用者個人が変更できないものとしま
す。1〜4のうち、あなたのお考えに近いもの1つに◯をつけてください。
 問Aで「1人の歩行者が犠牲になる進路(A)」を選んだ人/「10人の横断者が犠牲になる進
路(B)」を選んだ人と問Eとのクロス集計
結果(5)
14
統計的有意差(χ2=48.580, df=1, p=.000)
1 2 3 4
必ず作るべき 作るべき 作るべきではない 決して
作るべきではない
17.7% 47.0% 27.4% 5.6%
共通ルール支持 共通ルール不支持
Aの進路 197人 110人
Bの進路 61人 59人
共通ルール支持の選択肢
共通ルールを
作るべきと考
えている人は
64.7%
功利主義的な
進路を選んだ
人が共通ルー
ルをより望ん
でいる
【問Eで「1 必ず作るべきである」「2 作るべきである」とお答えの方にうかがいます】
 問F どのようなかたちでのルールづくりが望ましいと思いますか。次の1〜5の中から
あてはまるものにいくつでも○をつけてください。(あてはまるものすべてに○)
N=314
結果(6)
15
1 国際的な条約による世界共通のルール 43.3%
2 各国政府による法的な国内共通ルール 53.8%
3 自動車業界全体が自主的に設定する共通ルール 27.7%
4 各自動車メーカーが自主的に設定するメーカー内共通ルール 7.6%
5 1〜4に望ましいと思うものはない 1.6%
国家レベル
以上の統一
されたルー
ルを望んで
いる
 (問G)事故が避けられない状況に直面したとき、自動運転車がとる進路をあらかじめ標準
設定として決めておいたほうがよいと思いますか。その標準設定は各利用者が後から変
更できるとします。1〜4のうち、あなたのお考えに近いもの1つに◯をつけてくださ
い。
【問Gで「1 必ず決めておいたほうがよい」「2 決めておいたほうがよい」とお答えの方にうかがい
ます】
 (問H)自分が自動運転車に利用するときに標準設定を自分の判断で変更すると思いますか。
1〜4のうち、あなたのお考えに近いもの1つに◯をつけてください。
結果(7)
16
統計的有意差(χ2=60.366, df=1, p=.000)
1 2 3 4
必ず決めておいたほうがよい 決めておいたほうがよい 決めないほうがよい 決して決めないほうがよい
16.5% 49.4% 26.3% 4.3%
1 2 3 4
必ず変更する 変更する 変更しない 決して変更しない
2.8% 35.7% 47.7% 8.9%
統計的有意差(χ2=11.265, df=1, p=.001)
標準設定を望む
人は65.8%
N=325
標準設定を変更
しない人が56.6
%。ただし,変
更する人も一定
数
標準設定支持の選択肢
標準設定を変更しない選択肢
 (問G)事故が避けられない状況に直面したときに進路を決める自動運転車内部のメカニズ
ムは公表されるべきだと思いますか。1〜4のうち、あなたのお考えに近いもの1つに
◯をつけてください。
結果(8)
17
統計的有意差(χ2=333.074, df=1, p=.000)
1 2 3 4
必ず公表されるべき 公表されるべき 公表されるべきではない 決して公表されるべきではない
39.7% 51.1% 6.4% 0.9%
公表支持の選択肢
公表支持の選択をした人
は90.4%に上る
考察(1)
 検証の結果,肯定的な回答をする人が多いことが見て取れた。Bonnefonらの研究
と同じく,より多くの人が救われる進路をとることが支持を受けている。功利主
義的な判断は,現行の刑法37条「緊急避難」の措置にも適合しており,社会的な
同意が得られやすいと想定される。
 本調査においても功利主義的な進路に支持が集まったといえる。特に,自分が犠
牲者となる場合のほうが「必ず曲がる」比率が高く,自分に関わることであれ
ば,さらに自己を犠牲にすることで被害者を最小にするべきと考えている人が目
立ったことは特徴的である。
18
(仮説1)事故が避けられない状況に直面したとき自動運転車は功利主義的に動くこと
が肯定的に受け止められる
(仮説2)犠牲者(利用者)が自分である場合でもそうでない場合でも自動運転車は功利主
義的に動くことが肯定的に受け止められる
ただし,必ずしも人数の多寡だけでとるべき走路が判断されているわけではないこと
も見出された。自分が犠牲になることを選ぶ理由は,もしかしたら多数の人が犠牲に
なる罪悪感に耐えられないと判断したかもしれないし,事故後の処理の大変さを危惧
したからかもしれない。
考察(2)
 Bonnefonらの調査と同様の結果が得られている。つまり,功利主義的な進路をと
る自動運転車が支持を得ているが,自分自身が購入するかといえばそうではない
という結果が示された。功利主義的な進路を支持した人の57%が購入の意思がな
かった。他者が功利主義的な走路をとる自動運転車に乗ることを望んではいるが,
それに比べると自分の購買意思は低いと推察される。
 ただし,自動運転車の購入意図は,おのずと比率が下がると考えられる。という
のも,そもそも自動運転車を必要としない人や自分自身でハンドルを握り運転す
ることが楽しい人もいると想定されるからである。
 Bonnefonらの調査では50%を下回っていたのに対して,本調査では65%近くまで
支持があり統計的優位差が得られている。Bonnefonらの調査における回答者より
も,日本に居住する人がルール作成をより期待していることが見て取れる。
19
(仮説3)功利主義的な自動運転車を購入する意図は低い
(仮説4)自動運転車が功利主義的に走行するように共通ルールをもうけることが肯定
的に受け止められる
考察(3)
 大きな社会的規模での共通ルールを望んでいる様子が窺われる。すなわち,日本
に居住する人は,共通ルールを望み,国家的規模以上の大規模なレベルで統一的
なものを求めていると推察される。
 仮説4およびRQ1の結果を考慮すると,リバタリアニズム的な発想ではなく,政府
の関与の必要性が窺われる。
 標準設定を望む意見が多かった。けれども,あらかじめ用意された標準設定を変
える意向の人が一定数いたことは見逃せない。
 公表を求める回答が9割を超えている。一般の人たちの信頼を獲得し社会的受容
性を高めるためには内部メカニズムの公開が必要されることが見て取れる。
20
(RQ1)どのようなレベルのルール作りが一般に望まれているか
(仮説5)自動運転車が功利主義的な走行をするように標準設定することが肯定的に受
け止められる
(仮説6)自動運転車の内部メカニズムの透明性を図ることは肯定的に受け止められる
本報告に残された課題
 本報告は,自動運転車のトロッコ問題を中心とした人々の意識を簡単に検討し
たにすぎず,今後はほかの属性との関連性の分析をしていく予定である。また,
具体的な政策論議に入るには,多様なファクターへの考慮が必要である。
 (ほかの属性との関連の分析)
 本調査では,前述した通りほかにデモグラフィック属性や社会心理学的属性につい
ての設問をもうけ回答を得ているため,今後はこうした属性との関連性について分
析していく予定である。
 (責任問題などの多様なファクターへの考慮)
 事故が避けられない状況になったときの進路以外にも,自動運転車が事故を起こし
たときの責任問題について議論しなければならない。
 自動車運転技術が高度化するにつれて,人間の運転がかえって未熟さが増す側面も
捨てきれない。
21
注
 スライド10の図はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY 3.0)のもとで
公表されているアイコンを使用している。人のアイコンはIvan Boyko,車のア
イコンはBenjamin STAWARZによるものである。
22
謝辞
 本研究は,2016年度東京経済大学共同研究助成費(研究課題番号: D16-02)の資
金援助を得た。また科学研究費補助金若手研究(B)「人工知能・ロボット・サイ
ボーグの倫理的問題に関する理論的かつ実証的研究」(平成29年度−平成31年度,
代表: 河島茂生,研究課題番号: 17K12800)による研究成果の一部である。
参考文献(1)
1)Future of Life Institute Research. “Priorities for Robust and Beneficial AI”.
2015.http://futureoflife.org/static/data/documents/research_priorities.pdf ,
(accessed 2017-04-10).
2)Foot, Philippa. “The problem of abortion and the doctrine of double effect”.
Oxford Review. vol.5 p.5-15. 1967.
3)Johnson, Deborah G.; Noorman, Mere. “Recommendations for Future
Development of Artificial Agents”. 2015.
4)河島茂生. “ネオ・サイバネティクスの理論に依拠した人工知能の倫理的問題の
基礎づけ”. 社会情報学. vol.5 no.2 p.53-69. 2016.
5)The White House. “Preparing for the Future of Artificial Intelligence”.
2016.https://obamawhitehouse.archives.gov/sites/default/files/whitehouse_
files/microsites/ostp/NSTC/preparing_for_the_future_of_ai.pdf, (accessed
2017-04-10).
23
参考文献(2)
6) House of Commons Science and Technology Committee. “Robotics and
artificial intelligence”. 2016.
http://www.publications.parliament.uk/pa/cm201617/cmselect/cmsctech/14
5/145.pdf , (accessed 2017-04-10).
7) Kyriakidis, Miltos.; Happee, Riender.; De Winter, Joost. “Public opinion on
automated driving”. Transportation Research Part F , no.32, p.127-140. 2015.
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2506579, (accessed
2017-04-10).
8) 日本リサーチセンター. “「自動運転」調査”. 2016.
http://www.nrc.co.jp/report/160201.html, (accessed 2017-04-10).
9) The Boston Consulting Group. “自動運転車,ロボタクシー,および都市モビリ
ティの革命”. 2017. https://media-publications.bcg.com/Self-Driving-
Vehicles.pdf, (accessed 2017-04-10).
10) Bonnefon, Jean-François.; Shariff, Azim.; Rahwan, Iyad. “Autonomous
Vehicles Need Experimental Ethics”. 2015.
http://arxiv.org/pdf/1510.03346v1.pdf, (accessed 2017-04-10).
24
参考文献(3)
11) Bonnefon, Jean-François.; Shariff, Azim.; Rahwan, Iyad. "The social dilemma
of autonomous vehicles". Science. vol.352, p.1573-1576. 2016.
12) Thaler, Richard H.; Sunstein, Cass R. 実践行動経済学.遠藤真美訳,日経 BP社,
2009. 416p.
13) 総務省情報通信政策研究所 “AIネットワーク社会推進会議 報告書2017”.
2017. http://www.soumu.go.jp/main_content/000499624.pdf, (accessed
2017-08-01).
14)三浦麻子, 小林哲郎. “オンライン調査モニタのSatisficeに関する実験的研究”.
社会心理学研究. vol. 31 no. 1 p. 1-12. 2015.
25

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