2019.11.02 情報ネットワーク法学会　第1分科会 「AI・ロボットの進化に伴う法と倫理の交錯」のスライド資料

1. AIに関わる社会調査報告
(概要)
青山学院女子短期大学，理化学研究所，青山学院大学
河島茂生
2019.11.02 情報ネットワーク法学会 第1分科会
「AI・ロボットの進化に伴う法と倫理の交錯」

2. 調査概要(1)
2
• 中央調査社のマスターサンプルに対する郵送調査(督促はがき1回)
• 中央調査社のマスターサンプル
電子住宅地図を利用した層化三段無作為抽出法に基づいて依頼を受けた
個人が登録されている。
(特徴)
調査会社が保有する調査パネルの中でも偏りが小さく，代表性が高い。
(オンライン調査の欠点)
Satisfice(回答する際に選択の適切さを十分検討しないで短時間で回答
を済ますこと)が生じやすい。
・一般的にきわめて回答率が低い。
• 調査対象者
• 調査対象者は，マスターサンプルのうち日本全国に居住する者で，20歳
以上59歳以下の男女である。調査対象者は性別と年齢層(10歳刻み)で母
集団比例の割付を行った上で，予測回収率を元に重み付けを行い，地域
(10地域)と都市規模(3段階)で層化無作為抽出された1300人。回答者は，
623人であった。
• 発送期間〜返送期間: 2019年2月
• 調査企画は，河井大介(東京大学大学院情報学環)とともに行った。

3. 調査概要(2)
3
• 回答者の内訳
• 性別
男性311人(49.9%)， 女性312人(50.1%)
• 年齢
20歳代132人(21.2%)，30歳代138人(22.2%)，40歳代210人(33.7%)，
50歳代138人(22.2%)，60歳代5人(0.8%)(注)
• 職業
自営業47人(7.5％)，フルタイムで勤務354人(56.8％)，パート・アルバイト
126人(20.2％)，専業主婦・主夫52人(8.3％)，学生13人(2.1％)，無職・家
事手伝い17人(2.7％)，その他13人(2.1％)，無回答1人(0.2％)
• 最終学歴
中学校7人(1.1％)，高等学校166人(26.6％)，専門学校97人(15.6％)，短期
大学・高等専門学校86人(13.8％)，大学・大学院263人(42.2％)，無回答4人
(0.6％)
• 子どもの有無
いる387人(62.1％)，いない233人(37.4％)，無回答2人(0.5％)

4. AI・ロボットの利用(1)
4
利用経験
あり なし
1) 人型ロボット(Pepper(ペッパー)など) 44.8％ 55.1％
2) 掃除ロボット(ルンバなど) 23.3％ 76.6％
3) ペット型ロボット(aibo(アイボ)など) 10.0％ 89.9％
4) 会話型AI(Siri(シリ)，りんな，Alexa(アレクサ)など) 50.6％ 49.3％
• 利用経験
以下にいくつかのAI(AIを備えたロボットを含む)のリストがあげられています。
この中で，あなたが利用したものはありますか。
無回答0.2％

5. AI・ロボットの利用(2)
5
将来の利用希望
あり なし
1) 人型ロボット(Pepper(ペッパー)など) 36.6％ 62.1％
2) 掃除ロボット(ルンバなど) 75.0％ 24.6％
3) ペット型ロボット(aibo(アイボ)など) 30.2％ 68.4％
4) 会話型AI(Siri(シリ)，りんな，Alexa(アレクサ)など) 67.7％ 31.6％
• 将来の利用希望
以下にいくつかのAI(AIを備えたロボットを含む)のリストがあげられています。
この中で，あなたが将来利用したいものはありますか。
無回答0.5〜1.4％

6. AI・ロボットの利用(3)
6
愛着
あり なし
1) 人型ロボット(Pepper(ペッパー)など) 29.1％ 70.3％
2) 掃除ロボット(ルンバなど) 27.3％ 71.9％
3) ペット型ロボット(aibo(アイボ)など) 30.8％ 68.5％
4) 会話型AI(Siri(シリ)，りんな，Alexa(アレクサ)など) 26.6％ 72.7％
• 愛着
以下にいくつかのAI(AIを備えたロボットを含む)のリストがあげられています。
この中で，あなたが愛着を感じたものはありますか。
無回答0.6〜0.8％

7. スコア社会(1)
7
正しく下せると思う
ある程度正しく
下せると思う
あまり正しく
下せるとは思わない
正しく下せるとは
思わない
2.1％ 46.1％ 38.0％ 12.5％
• AIによる人物評価への信頼度
AIは，人間よりも正しく人物評価を下せると思いますか。
• 自分の点数が見られてよい人・組織
AIの計算により，自分の点数が出るとします。どのような人・組織であれば，そ
の点数を見られてもよいでしょうか。
親子 夫婦
親子・夫婦
以外の家族
友人
恋愛対象の
相手
勤務先の人
事担当
採用担当 賃貸関係者 国
51.5％ 49.3％ 11.1％ 7.2％ 6.4％ 13.0％ 14.9％ 8.0％ 24.9％
自治体 警察 その他
11.2％ 19.6％ 12.7％
同程度 無回答1.3％
無回答4.7％

8. • AIによる人物評価への納得感: 点数が高い場合
AIの計算により，自分の点数が出るとします。その点数は，少なからず自分の人
生に影響します。しかし，その計算手順や読み込んだデータは公開されません。
ほかの人よりも点数が高い場合，そのことに納得しますか。
とても納得する
ある程度
納得する
どちらとも
いえない
あまり
納得しない
まったく
納得しない
2.4％ 29.9％ 36.3％ 21.8％ 8.3％
スコア社会(2)
8
• AIによる人物評価への納得感: 点数が低い場合
AIの計算により，自分の点数が出るとします。その点数は，少なからず自分の人
生に影響します。しかし，その計算手順や読み込んだデータは公開されません。
ほかの人よりも点数が低い場合，そのことに納得しますか。
とても納得する
ある程度
納得する
どちらとも
いえない
あまり
納得しない
まったく
納得しない
1.1％ 17.8％ 31.9％ 36.6％ 11.2％
無回答1.3％
無回答1.3％

9. スコア社会(3)
9
• 人物評価の点数化に必要なデータ: 自分の点数
AIの計算により，自分の点数が出るとします。その点数は，少なからず自分の人生
に影響します。AIによる計算の際，どのようなデータが読み込まれることに抵抗が
ありますか。(複数回答可)
なお，「あてはまるものがない」の回答は24.7％あった。
性別 人種
自分の病
歴・家族の
病歴
身長 顔
姿勢，振る
舞い
年齢
婚姻関係の
有無
生活保護を
受けた経験
の有無
16.9％ 22.2％ 33.7％ 17.8％ 28.9％ 16.2％ 14.1％ 23.3％ 19.9％
年収 宗教 学歴 職歴 犯罪の有無 趣味
SNSの利用
内容(友達，
投稿内容)
友人関係 その他
30.7％ 21.8％ 27.1％ 22.3％ 16.7％ 25.2％ 35.5％ 34.2％ 5.1％
無回答1.1％

10. スコア社会(4)
10
• 人物評価の点数化に必要なデータ: 他の人の点数
AIの計算により，他の人の点数が出るとします。その点数は，少なからず他の人の
人生に影響します。AIによる計算の際，どのようなデータが読み込まれると正しい
点数が出ると思いますか。(複数回答可)
なお，「あてはまるものがない」の回答は16.5％あった。
性別 人種
自分の病
歴・家族の
病歴
身長 顔
姿勢，振る
舞い
年齢
婚姻関係の
有無
生活保護を
受けた経験
の有無
41.4％ 24.4％ 36.3％ 22.3％ 21.0％ 46.1％ 49.8％ 27.1％ 28.3％
年収 宗教 学歴 職歴 犯罪の有無 趣味
SNSの利用
内容(友達，
投稿内容)
友人関係 その他
38.5％ 20.4％ 48.6％ 51.5％ 65.5％ 27.8％ 22.5％ 25.2％ 8.8％
無回答0.3％

11. 謝辞・注
11
・謝辞
本報告は，科学研究費補助金若手研究(B)「人工知能・ロボット・サイボーグの
倫理的問題に関する理論的かつ実証的研究」(平成29年度−平成31年度，代表:
河島茂生，研究課題番号: 17K12800)による研究成果の一部である。また，AO
YAMA VISIONより補助を得た。
・注
調査対象者は59歳までであったが，調査期間中に60歳代になった人が5名いた。