テクノロジ−と創造性,図書館
河島茂生(青山学院女子短期大学,青山学院大学)
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自己紹介
名前: 河島茂生(Shigeo KAWASHIMA)
専門: 社会情報学,メディア論,情報倫理
現在: 青山学院女子短期大学現代教養学科 准教授
総務省情報通信政策研究所特別研究員
理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員
総務省情報通信政策研究所AIネットワーク社会推進会議 AIガバナンス
検討会構成員
青山学院大学シンギュラリティ研究所副所長
上廣倫理財団 AIロボット倫理研究会プロジェクト委員
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背景
デジタルデータ量の増大
総務省『情報通信白書』平成26年版より
Copyright: Domo, Inc.
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背景
データ量・通信速度の増大
科学技術・学術政策研究所「科学技術指標2019」より
総務省「2020年の5G実現に向けた取組」より
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背景
テクノロジーの高度化と遍在化: 技術的失業
我々は,ホスピタリティやマネジメントと並んで,創造性(クリエイティビ
ティ)を重視しなければならないといわれる。
・図書館員自身の立場として=コンピュータ化されない仕事
・社会教育施設の目的として=未来で活躍する人の育成
参照:Frey, C. B.; Osborne, M. A.(2013)
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コンピュータ(AI・含)の創造性
非常に大きな有限空間のなかの探索
きわめて探索する空間が広いとき,人間
が未だ試していないパターンがあり,そ
れをAIを含めたコンピュータ技術で見出
すことが増えてきた。
Copyright: 奥野恭史 Copyright: 奥野恭史
AIと創作
The Next Rembrandt(by ING Group)
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過去の作品の特徴量の抽出
猫などの画像の特徴量を抽出す
るのと同様,過去の作品から特
徴量を取り出す。AI等を使って
過去の作品に似た作品を新たに
生み出せている。
<ほかの有名な例>
・AI美空ひばり(by NHK)
・ぱいどん(by KIOXIA)
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AI単独の創造性?
AIは,それ単独では機能せず,人間が開発・維持してはじめて機能を果
たす。
「AI+人間」という枠組み
機械学習等の設定,維持管理
AIの導入目的の決定,
入力データの整理・
調達
解釈
(注)ニューラルネットワークのイラスト by Chrislb
テクノロジー+人間(1)
テクノロジーの力を使い,それまで見えなかったものをみる。
それまで創れなかったものを作る。CADや3Dプリンター,3D
スキャナー,レーザーカッターなどテクノロジーの力を使って
能力を拡大する。
かねてより技術は我々の認知領域を拡大してきた
望遠鏡は,天動説から地動説への転換をもたらした。望遠鏡が
なければ,我々はいまだに地球が世界の中心であると思ってい
るに違いない。事実,肉眼ではそのように見える。
顕微鏡は,微小な事象をあらわにしてきた。毛細血管や細菌の
観察を可能にした。また電子顕微鏡が開発され,野口英世が見
ることができなかったウイルスを観察することができるように
なった。CTやMRIも,目で体の外側をみても分からない内部
の様子を映し出す。
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テクノロジー+人間(2)
ドローンからの映像は,我々が見ることができなかった風景を見せてくれる。
宇宙望遠鏡が映し出す風景に神秘さを感じる。8台の電波望遠鏡を組み合わせ
て人間の視力の300万倍を実現し,遠く離れたブラックホールの観測にも成功
している。
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テクノロジー+人間(3)
視覚に難のあった哲学者フリードリヒ・ニーチェ(1844~1900)は,後年タイ
プライターを使った。
「自らが機械化されたことを公表するのに,他のどんな哲学者よりも誇りを覚
えていたニーチェは,論証からアフォリスムへ,思索から言葉遊びへ,修辞か
ら電報文体へと変容していった。そしてまさにこのことが,ニーチェが使った
といわれるタイプライター文具はわれわれが思考するさいにともに作業してい
るという,あの一文の意味しているところなのだ」(キットラー)
ゆっくり手で書くのに比べて,タイプライターを使えば数倍のスピードで書け
る。ジャック・ケルアックは,自分の中に渦巻いているものが消えてしまわな
いうちに高速でタイピングした。だからこそ,紙の差し替えを嫌い,『オン・
ザ・ロード』を巻き紙にタイプしたのだ。そして,いまはコンピュータを使っ
た表現が気軽に行えるようになった。
ニーチェが使ったといわれるタイプライター
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テクノロジー+人間(4)
プロットがよく似た小説や代わり映えしないイラストやロゴ,スポーツ
の結果や決算報告などの定型的な文章,そうした創作物であれば,AIが
短時間で大量に生み出せる。簡単なBGMやロゴは無料もしくは安価で,
機械的にすぐに作られる。線画を自動着色するAIもあるし,人間の描い
た絵をキレイに整えてくれるAIもある。
12自動着色するAI (Paint Chainer)
自動中割生成機能 (CACANi)
テクノロジー+人間(5)
以前は職人的な判断が伴っていたが,現在は,いかにA/Bテストの回数を上げ,アプ
リ,広告,ウェブサイトのデザインに活かすかが重視されている。
最近では,ユーザに提示する選択肢をより動的に調整し, A/Bテスト期間中の機会
損失を減らすバンディット・アルゴリズムが試みられている。
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図 A/Bテストの例
Aという画面とBという画面を提示し,より効果の高かった画面を残す。
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人間の唯一性・不確実性
オートポイエティック・システム
環境
オートポイエティック・システム
環境
SMAPの歌を待つまでもなく,わざわざ言わなくても私たちはオンリー
ワンである。
それぞれのオートポイエティック・システムは,相互作用する領域が
違う。種によっても固有であり,個体によってもバラバラである。
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人間の表現
生きることは認知することであり,人間はそれに表現を付随させる。
何気ない会話,試験中の落書き,友だちと遊びでつけたダンスの振り
付け。それらは,みんな表現だ。
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議論のレベル
作動のネットワーク
構成素
観察者
入力 出力
観察者
生物(オートポイエティック・システム) 機械(アロポイエティック・システム)
 生物/機械を単体で捉えるレベル
 創造性の時空間を捉えるレベル
社会レベル
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図書館の未来は?
 日本の図書館の概史
コンピュータ技術の高度化と導入
図書館法第一条 「国民の教育と文化の発展に寄与」
より創造性を育む場へ
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参考文献
• 河島茂生・久保田裕(2019)『AI × クリエイティビティ』高陵社書店
• Frey, C. B.; Osborne, M. A.(2013) “the Future of Employment”
http://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf,
accessed 2020-08-05
• Arntz,M.; Gregory,T.; Zierahn,U.(2016) The Risk of Automation for Jobs in OECD Countries
http://pinguet.free.fr/arntz16.pdf accessed 2020-08-05
• 理化学研究所計算科学研究センター「創薬とスパコン」
https://www.r-ccs.riken.jp/jp/fugaku/pi/drugdiscovery accessed 2020-08-05
 参考文献

20201104 library fair

Editor's Notes

  • #4 https://www.domo.com/learn/data-never-sleeps-8 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc131110.html
  • #5 https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2019/RM283_41.html https://www.soumu.go.jp/main_content/000593247.pdf
  • #6 å
  • #7 https://www.r-ccs.riken.jp/jp/fugaku/pi/drugdiscovery
  • #10 https://pxhere.com/ja/photo/1608796 CC0 パブリックドメイン