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医療に纏わる法律・制度 Q&A

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医療に纏わる法律・制度について,患者さんからよくある質問に対して,私なりの考え方をQ&A形式でまとめました.
2016年現在のものです.私は法律の専門家ではありません.

医療に纏わる法律・制度について,患者さんからよくある質問に対して,私なりの考え方をQ&A形式でまとめました.
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医療に纏わる法律・制度 Q&A

  1. 1. 知らなかったでは済まされない 医療に纏わる法律・制度 患者さんに説明できますか?
  2. 2. 医療制度は,誰もが使うものでありながら, その内容についてはあまり知られていない ことがあります. この資料は,医療制度や医療にまつわる法 律について,特に知りたいという患者さん 向けのものです. 本資料に示された見解は,所属団体の公式見解ではなく,配布者の見解です.
  3. 3. この資料において納得しかねる部分がある • 法律や医療制度に関する点については,国や 厚生労働省にご相談ください. • 病院内でのこと,医学的妥当性については, どの医療施設と診療契約を結ぶのかをご検討 ください. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  4. 4. 医療制度
  5. 5. 患者さんや医療者は何ができるか? • 法律,医療倫理指針などに反することはでき ません. • 医療保険制度での診療は,その保険のルール に従わなければなりません. • 診療は,医学的妥当性に基づいて行われます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  6. 6. 厚生労働省による医療制度の方針は? • 国民全員が,より医療費の負担が少なく,一定水準以 上の医療を受けられるようにするのが目標です. • 病気や怪我で弱者となった人の医療費を,他の人の税 金や保険料で賄っています. • 生活保護や,母子家庭,高齢者など社会的弱者の医療 費の負担は少なく設定されています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  7. 7. 病院を選ぶ権利 • 海外の医療制度では保険や収入によって受診できる病 院に制限があるのに対し,本邦の医療制度では自由に 受診できる病院を選べます. • ただし,軽症の方が安易に大病院を受診すると,重症 の方の専門的治療に支障が出てしまいます. • これを防止するために,紹介状なしに大病院を受診し た場合に追加料金がかかります(2016年診療報酬改定). • 病院によって受診するための手続きが異なります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  8. 8. 1つの病院で全ての治療ができるか? • 診療科全科,救急,24時間,検査・手術・抗癌剤・ リハビリ・ホスピス・訪問診療・療養・介護施設・検 診など,全ての診療を1つの病院で行うことは,財源 や人材などの理由から不可能です. • できるだけ多くの人が一定水準以上の医療を受けられ るように,国は各病院に役割を割り振ったり,各病院 が連携する制度を作っています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  9. 9. 医療水準とは? • 1つの医療施設で全ての医療はできません. • 「その医療施設でどこまでの水準の医療が行われる べきか」が医療水準です. • 医療水準はその時代,医療施設の状況などに応じて 変わります. • 医療事故が起きたときに,医療過誤なのかどうかの 判定に使われます 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  10. 10. 応招義務とは? • 医師には,診察治療の求めがあった場合には,正当 な事由がなければ,これを拒んではならない義務が あります(医師法).ただし,医師の不在又は病気等に より事実上診療が不可能な場合,通常の診療時間外 に休日・夜間診療所で診療を受けるよう指示した場 合などは例外となります.専門外の場合は応急処置 をして転医準備をします. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  11. 11. 転医義務とは? • 医師には,診断はできなくても,緊急処置を要する 疾患である疑いがあり,自分ではその処置ができな い場合には,転医・転送させる義務があります. 例)かかりつけ医を受診し,緊急手術を要する疾患であれば、手術が できる病院へ転送する • 転医義務があるかは,その方法が医療水準として確 立しているかどうかで決まります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  12. 12. 自由診療の病院へ転院したい • 「保険医は,患者の疾病又は負傷が自己の専門外に わたるものであるとき,又はその診療について疑義 があるときは,他の保険医療機関へ転医させ,又は 他の保険医の対診を求める等診療について適切な措 置を講じなければならない.」(保険医療機関及び 保険医療養担当規則)とあり,自由診療の場合は転 医義務はありません. • 可否については主治医と相談ください. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  13. 13. 患者さんの義務は? • 法的義務は,診療にかかる費用の自己負担額を支払 うこと(健康保険法,保険医療機関及び保険医療養担当規則). • 倫理的義務は,自身の健康についての状況について 医師に報告することと,療養指示に従うことです. • 療養指示に従わずに病状が悪化した場合は,御本人 自身の責任となります.悪質な場合には医療保険が 使えなくなることもあります. 例)術後安静を無視.絶食指示を無視. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  14. 14. 病気がある(と思われる)が,受診したくない • 診療を受けるかどうかは御本人の意思が尊重されま す.特殊な希望があるときには,あらかじめ文書で 意思表示をしておいた方が良いでしょう. • ただし保護者の場合は,刑法218条の保護責任者遺棄 罪にあたることがあります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  15. 15. 退院したい 法律上は,任意入院であれば御本人の意志で退院は可能 です. 退院することで御本人に不利益を被る医学的な可能性に ついては,主治医とご相談ください. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  16. 16. 研修医に診てほしくない • 医療制度では患者さんには医療施設を選ぶ権利はあ りますが,法律上は医師を選ぶ権利まではありませ ん. • 教育施設では研修医も診療の一端を担っています. 診察・診療から研修医を外すことは困難です. • 研修医単独ではなく指導医がついています.医療の 質が下がるわけではありませんので,ご了承くださ い. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  17. 17. 補完代替医療をしたい • 補完代替医療は国に未認可の薬や治療のことです. • 補完代替医療は,四国地方では四国がんセンターや 徳島大学の相談窓口を紹介します. • 補完代替医療の効果については補完代替医療ガイド ブックなどを参照ください. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  18. 18. 補完代替医療はなぜ国に認可されていないのか • 薬や治療が認可されるためには,臨床試験で ① 効果 ② 安全性 ③ どんな病気に効くのか の科学的 根拠が示される必要があります. 例)認可されやすいのはどちらでしょう? ① 100人中80人で痛みがやや和らいで軽い副作用が5人にでる薬 ② 100万人中1人で癌が消退するがどんな人に効きやすいか分からない薬 • 昔からある薬では,臨床試験をしていなくても認可 されていることがあります. • 科学的根拠がないけれども認可されていた薬は,認 可が取り消されることがあります. 例:ダーゼン 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  19. 19. 補完代替医療の病状説明は • ガイドラインや学会の見解など,多くの医師が有効だと考えて いる標準的な治療について説明義務があります. 例)癌の手術・抗癌剤・免疫チェックポイント阻害剤・放射線・緩和 医療など • 保険適応はあるが,標準的な治療ではないものについては,患 者さんが特に興味がある場合に説明義務があります. 例)温熱療法 • 保険適応がなく,標準的な治療ではないものは補完代替医療で す.無数にあるため個々の事案についての説明ではなく,補完 代替医療そのものについての説明としています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  20. 20. 補完代替医療はなぜ国に認可されていないのか • 海外などで科学的に効果が検証されており将来認可 される予定だが,まだ本邦で認可されていないもの は,例外的に保険診療が認められているものがあり ます. • 認可されない理由で多いものは,科学的根拠がない ことです. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  21. 21. 科学的根拠とは何か • 実際に患者さんに薬や治療をして,どれくらい効くか,副作用 が出るかは,実際にやってみないとわかりません. • 臨床試験や色々な症例の報告から,どれくらい信頼性がある データなのか, 効果・安全性,どんな患者さんに効きやすいの か,などの科学的根拠を評価します. • これらの科学的根拠から,「もしこの患者さんに,この薬や治 療をするとどうなるか?」を予想するのが,科学的根拠に基づ いた医療です. • 保険診療をする上では,むやみやたらな薬や治療をされないた めに,科学的根拠に基づいた医療が求められています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  22. 22. 科学的根拠は100%の予想はできない • 科学的根拠の基本となっているのは統計学です. • ある状況であればこれくらい効くだろうという確率や,効果が あるとしたらこれくらいという目安を出すことができます. • 確率は,100%を保証しません.90%に効くと予測していても効 かないこともあるし,100人に1人の副作用がでることもありま す. • 統計学の性質上,「10万人に1人効く」ような薬は,その薬が効 くという特定の条件が見つからない限り,「効果なし」と判定 されます. • 未来を視ることができない以上,事前に集まったデータから最 善と思われる方法を予測せざるを得ない現実があります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  23. 23. (保険でできない) 検査 / 治療をしたい • 医療保険では,自己負担は0~3割で,残りの7~10割の医療費は 他の人の保険料や税金から支払われています. • むやみやたらな検査や治療が行われれば,医療費が膨大になり 医療保険制度が崩壊してしまうため,医療保険で検査や治療を するには,医療保険のルールに従うこと,国の認可を得た検査 や治療であることが必要です.(保険医療機関及び保険医療養担当規則 第18条) • 保険適応外であっても,一部の薬剤は保険診療で使えることが あります. • 保険でできない検査/治療をしたい場合には,自由診療という方 法があります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  24. 24. 自由診療は何か • 医療保険のルール外で医療をしたい場合(予防医 学・正常分娩・検診・補完代替医療・美容整形な ど)は,全額自己負担の自由診療があります. • 保険診療と自由診療を同時に行うことは混合診療と いい,一部の例外(先進医療やベッド代)を除いて 禁止されています. • 自由診療は医療費を病院が決めるルールです. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  25. 25. 治療に協力的でないとき • 保険が使える医療であっても,治療に協力的でない など正当な理由なしに療養に関する指示に従わない ときは,保険が使えず自由診療になることがありま す.(健康保険法). • 治療に協力的でない場合には信頼関係が難しく,診 療が困難な場合があります.診療契約自体が成り立 たない場合には,他の病院を紹介します. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  26. 26. 先進医療は何か • 先進医療の各技術の概要(信頼できる治療法なのか),先進医 療を実施している医療機関,混合診療ができるかは,厚生労働 省のホームページで確認できます. • 厚生労働省のホームページに載っていない治療や病院について は,それぞれの病院が「最先端・先進医療」などと広告してい ても,実際に有効性や安全性が確認されているのかどうか,特 に注意が必要です. • 先進医療は標準的な治療ではないため,特に患者さんが興味を 持っている場合のみ,説明義務があるとされています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  27. 27. ずっと急性期病院に通院したい • 地域連携拠点病院では,落ち着いた患者さん は,地域のかかりつけ医の先生へ御紹介して います. • 落ち着いた疾患は地域連携が勧められていま す.(医療法) 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  28. 28. ずっと急性期病院に入院したい • 急性期病院では平均入院期間は2週間程度で す. • 国の方針では,病状に合わせてリハビリ系の 病院,療養型病院,ホスピスなどへ医療連携 することが決められています.(医療法) 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  29. 29. 病院から転院を勧められたが断って良いか • 病院は,医療法により地域連携を勧めていかなけれ ばなりません. • 患者さんは,病院を転院しなければならない法律は ありません. • 厚生労働省の医療制度により,転院がお勧めされる 場合には転院をお勧めしています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  30. 30. 名医を紹介してほしい • 名医ってなんでしょう? 手術・手技が上手い? 手術件数が多い? 訪問診療がある病院? リハビリが得意な病院? 長期間入院できる病院? 集中治療の充実した病院? 全身を診れる総合医? • スーパードクターや何でもできる病院は存在 しないので,何を求めるかで答えが変わりま す. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  31. 31. (各専門外来で)全ての病気を診てほしい • 高齢になると持病が増えるので,一つの病気 だけ検査・治療すれば良いというものではあ りません. • 開業医と専門外来で地域連携を行っています. 全身を診てもらえるかかりつけ医(開業医) を持ち,専門治療が必要な病気だけ専門外来 を受診した方が良いでしょう. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  32. 32. かかりつけの先生に内緒で受診したい • かかりつけ医と専門外来は,地域連携で病気 についての情報を共有しています.経過が分 からないと検査や治療が決められないことが あるので,紹介状が必要です. • 一旦かかりつけの先生に逆紹介したのに,無 断で専門外来を受診してしまった場合,追加 料金が義務づけられています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  33. 33. 病院の違いが分かるように広告して欲しい • 病院の広告は医療法により厳しい制限があります • 治療の効果に関する表現は広告できません • 治療の前後のイラストや写真を掲載することもでき ません • ホームページは広告とは見なされません 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  34. 34. 診療に特別に時間をかけてほしい • 限られた時間で多くの患者さんの診療を行わなけれ ばならないため,1人の患者さんに使える時間は限ら れています. • 病状説明など診療において重要なことには多くの時 間を用意します.できるだけ時間を有効に使えるよ うに,御本人・御家族にも協力が必要です. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  35. 35. 他の人よりも早く診療してほしい • 重症度や緊急度が高いなど,医学的に優先して診療 が必要な患者さんを優先して診療を行います. • 遠方・離島など社会的に特殊な事情の方は,あらか じめ御相談ください. • 特段の理由がなく,自分だけ優先して欲しいという 方がごくごく稀におられますが,マナーやモラルの 問題です. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  36. 36. 差額ベッド代が必要か? • 御本人や御家族の希望で個室などを利用した場合,差 額ベッド代が必要です. • 例外は,治療上の必要のため,病棟管理の必要性など の場合など実質的に患者さんの選択によらない場合 (保医発第0328001号)です. • 医療上の理由があるかどうかは,医療スタッフとご相 談ください. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  37. 37. 病気が良くならないので支払いたくない • 病院との医療契約は,「医療者は最善の医療 を行う.患者さんは医療費を支払う」という 契約です. • 医療を行った結果について保証している契約 ではありません(治すという契約ではありま せん). 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  38. 38. 医療費を抑える制度は • 厚生労働省の定める特定疾患に該当する場合,重症 度などの基準を満たせば,国から医療費補助がおり ます. • 身体障害の場合,重症度の基準をたせば,国から医 療費補助がおります.身体障害の申請には,国から 定められた医師の診察と,これ以上改善が期待でき ないという条件が必要です. • 高額療養費制度は,年収によって医療費支払い額の 限度がある制度です. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  39. 39. 病状説明
  40. 40. 病状を聞きたい • 医師には病状説明義務があり,患者さんには説明を聞 く権利があります. • ただし,アポイントメントなしや,個別に病状説明を 希望されると,十分な時間の話ができなかったり,他 の患者さんの診療に支障が出てしまったり,御家族間 で話の受け取り方に誤解が生じることがあります.こ れを避けるために,「キーパーソンの方は必ず参加」 「できるだけまとまって」「必ずアポイントを取っ て」病状説明をしています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  41. 41. インフォームドコンセント • 治療について十分な説明を受けた上での同意という意 味です. • 原則必要です. • 例外は,幼小児や認知症など,生命の危機の場合,伝 染病などで法律を優先せざるを得ない場合,癌告知な ど説明することでかえって患者さんが不利益を受ける とき,クローン人間などの倫理的問題で社会的利益が 優先される場合です. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  42. 42. 説明する内容は以下の通りです • 現在の症状及び診断病名 • 予後 • 処置及び治療の方針 • 処方する薬剤について,薬剤名,服用方法,効能及び特に注意を要する副作用 • 代替的治療法がある場合には,その内容及び利害得失(患者が負担すべき費用 が大きく異なる場合には,それぞれの場合の費用を含む.) • 手術や侵襲的な検査を行う場合には,その概要(執刀者及び助手の氏名を含 む),危険性,実施しない場合の危険性及び合併症の有無 • 治療目的以外に,臨床試験や研究などの他の目的も有する場合には,その旨及 び目的の内容 インフォームドコンセント 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  43. 43. • 同意が得られない患者さんへの侵襲的行為は傷害罪に なりえます. • お勧めの治療について,治療の必要性について繰り返 し説明しても治療を希望されない場合,患者さんを説 得して同意させる法的義務はありません. • 「知りたくない場合」にはそれを尊重します (診療情報の提供等に関する指針) インフォームドコンセント(同意されない場合) 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  44. 44. 全部お任せしたい • 「決定権の放棄」という決定をしたと見なさ れます 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  45. 45. 未確立の治療の病状説明義務 • 未確立の治療法でも,当該療法 (術式) が少なからぬ 医療機関において実施されている,相当数の実施例が ある,実施した医師の間で積極的な評価もされている, 患者が当該療法(術式)の適応である可能性がある,患 者が当該療法(術式)の自己への適応の有無・実施可能 性について強い関心を有していることを医師が知って いる場合には,実施している医療機関などの説明義務 があります. • 評価が大きく分かれる治療については難しいところで す 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  46. 46. 重症疾患の診療倫理方針の原則 ① 意思決定能力について 御本人が病状について理解し治療方針を決める判断力があるのか確 認します ② 治療の選択肢について ガイドライン,成書,信頼度の高い論文などに基づいた「標準的な 治療」について説明し,次に「標準的な治療」を希望されない場合 などの「代替案」について説明します ③ 本人意思の最優先 御本人と御家族で相談し,「標準的な治療」か「代替案」か選んで 頂きます.医療倫理の基本として,「御本人が決めたことが正し い」というものがあり,基本的には御本人の意見が優先されます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  47. 47. 標準的な治療をすれば良くなるか? • 良くなって欲しいと思って治療をしますが, 治療が効くこともあれば効かないこともあり, 副作用も個人差が大きいです. • なぜなら,「標準的な治療」は大勢の患者さ んに使ったデータを基にしているので,御本 人にとってどうなのかは,やってみないと分 からないところがあります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  48. 48. 「標準的な治療」ではない治療をしたい • がんセンターの治験や,一部の病院で試験的に行っ ている先進医療や,補完代替医療など,当院ででき ないことを御希望であれば,紹介状を用意します. • 治験や先進医療は厚生労働省などのデータベースが ありますが,補完代替医療は信頼できる医療機関な のかどうかの情報がほとんどありません. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  49. 49. 御本人と御家族の人生観・生命観・価値観が違っ て困っている • 価値観の多様化している社会です. • 基本的には御本人の意思が尊重されます. • しかし,違法行為や通常の医療から大きく離れる場 合,社会一般に受け入れられないなど「公共性」が ない場合は,できないことがあります. • 倫理委員会にかけることがあります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  50. 50. 御本人が御家族に病状などを伏せておきたい,ま たは御家族が御本人に病状などを伏せておきたい • 御本人と御家族が話し合って意思決定するためには, できるだけ同じ情報を共有した方が良いです. • もし御本人が病状を知りたい場合,御家族が反対さ れても病状を伏せておくことはできません.御本人 が,病状説明を御家族や医師の判断に任せる場合に は,一部伏せておくこともできます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  51. 51. (御家族が)本人が病気への判断力がないと思う • 判断力を測定する決まった検査はありません.判断 力は対話の中から総合的に判断します. • 判断力がない場合でも,もし判断力があったときに, 治療希望や,誰かに任せるといったことを事前に意 思表明されていた場合,そちらを優先します. • 事前の意思表明がない場合,御家族などの代理判断 者に意思決定して頂きます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  52. 52. (御家族より)本人が高齢なので,治療方針を家 族だけで決めたい • 御本人に意思決定能力がある場合,御本人の意見を 優先し,医療者は御家族を説得する必要があります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  53. 53. (御家族より)本人が治療・入院を拒否している が,治療・入院させてほしい • 入院は御本人の同意の下の任意入院です. • 御本人が病状を理解されていて,意思決定能 力がある場合,御本人の意思に反して治療・ 入院は強制できません. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  54. 54. キーパーソンの役割は • 御家族の代表として重要な病状説明に立ち会います. • 御家族の意見をまとめます. • 御本人の意向が確認できないときには,意志決定権 が委譲されます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  55. 55. 輸血拒否 • 輸血拒否をされる方はごく一部ですが,輸血拒否の明 確な意思表示があれば,救命目的でも輸血することは できません. • もし信念や宗教上の理由などで輸血拒否をされる場合 は,病状の理解があることを示す書類(免責の書類), 明確な意思表示の書類を用意いただきます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  56. 56. 録音・録画は? • 病院には多くの患者さんのプライバシーがあるため, 病院内での録音・録画は,場所や時間など病院の許 可が必要です. • 病状説明内容などを録音したい場合は,前もって医 療者に御相談いただければ,原則可能です. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  57. 57. 医学的な理由以外で納得できない • 病状説明は医学的な見地に基づいたものになります. • 医学と関連のない内容につきましては,お答えしかね る場合があります. • もし,ご自身の価値観(特に宗教や補完代替医療など の考え方)と合わなければ,価値観の多様化でありや むを得ないことがあります. • また,御家族間の問題につきましても介入は致しかね ます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  58. 58. セカンドオピニオンを聞きたい • 医療には「絶対」というものがないために、どの医 師でもほぼ同じ治療をお勧めする場合と、医師に よって意見が分かれる場合があります. • セカンドオピニオンは、他の病院の医師に、病気に ついての意見を聞く方法です.御希望の場合は、主 治医にご相談ください. • セカンドオピニオンは自由診療です. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  59. 59. セカンドオピニオン • セカンドオピニオンは以下の流れです. セカンドオピニオンなのか,転医なのかで手続きが 変わります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性 (国立がん研究センター がん対策情報センターより引用)
  60. 60. 救急外来・時間外外来
  61. 61. 救急外来で,もっと薬の日数を増やして欲しい • 救急外来では処方は,応急処置という点か ら数日分に限られています. • 数日経つと病状が変わって,再度診察が必 要な状況なのに薬を飲み続けてしまい,病 状が悪化するのを防ぐためです. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  62. 62. 救急外来で,不安なので徹底的に検査して欲しい • 救急外来は予約や紹介状なしで受診できますが,命 に関わるかどうか,緊急で入院や手術が必要かを調 べる検査に限られています. • 「夜遅くまで開いている通常の外来」ではなく応急 処置をするところです.人手や資材が限られており、 通常の診療時間内と同じ対応はできません. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  63. 63. 二次救急で,風邪なのに待ち時間が長い • 救急は重症度別に一次,二次,三次救急と分かれており,限 られた設備と人材で,できるだけ多くの救急患者さんに適切 な処置をしなければなりません. • 御自身で,風邪などの軽症だと思われる方は,一次救急を受 診ください.もし医学的に必要であれば二次救急に搬送され ます. • 「軽症だと思うけれど大病院で診て欲しい」と,二次・三次 救急を受診する患者さんがおられ,本当に緊急処置をしなけ ればならない重症患者さんの診療に支障が出てしまうことが あります.現在のルールでは,患者さんのモラルでご協力い ただくしかありません. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  64. 64. (夜間)専門外でいいので診て欲しい • 当直医は専門外のこともあります. • 専門的治療が必要であれば,夜間診療体制 が整った病院(救急病院など)へ紹介しま す. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  65. 65. 外来 待ち時間が長い • 検査結果待ち,他の急患・急変などにより待ち時間 が長くなってしまうことがあります. • 国の方針で,落ち着いている患者さんは近くのかか りつけ医に逆紹介が勧められています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  66. 66. 外来 もっと薬の日数を増やして欲しい • 薬によって,処方できる日数が決まっています. • 2002年に麻薬・向精神病薬および薬価収載基準収載 後1年以内の医薬品を除き処方日数の制限が撤廃さ れましたが,それでも3ヶ月分までです. • 受診が大変な場合には,お近くの病院や,訪問診療 ができる病院へ紹介いたします. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  67. 67. 緊急の病気でないのに救急車を使ってよいか? • 救急車を使うには医学的に正当な理由が必要です. • 必要がないのに救急車を呼んでしまうと,他に救急 車が必要な患者さんの搬送ができなくなる可能性が あります.悪質な場合には,偽計業務妨害罪が成立 することがあります. • 救急車は本当に必要な時に使いましょう. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  68. 68. 休日や夜間の急病は? (特殊な病気の場合) • 専門家での治療が必要な病気を持っている場合は, 急病になった時にどう対応すればよいのか,日頃か ら主治医とよく相談しておきましょう. 例) 息がしんどい時はかかりつけ病院に連絡 それ以外の場合は救急病院へ 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  69. 69.
  70. 70. ジェネリック(後発品)薬品を 使いたい/使いたくない • 原則変更できます.薬局,または主治医にご相談く ださい. • 在庫があるかは,薬局にご相談ください. • 生活保護の受給者は,生活保護法により原則ジェネ リックと定められています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  71. 71. 処方箋の有効期限が過ぎてしまった • 処方箋の使用期間は交付の日を含めて4日以内と決 められています. • 発行後に日数が経つと,病状が変わる可能性がある ので使用期間が定められています. • 旅行など特段の理由がある場合には,処方箋に日付 を記載することで延長できます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  72. 72. 薬を紛失した • 薬を紛失した場合の再処方は,保険が使えず自費診 療になります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  73. 73. ビタミン剤を出して欲しい • 保険診療では,ビタミン剤を処方できるのはビタミ ン欠乏症が明らかな場合など特定の場合に限られて います. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  74. 74. 外来 診察なしで薬だけ出して欲しい • 診察が必要です. • 無診察処方は精神疾患など一部の例外を除いて医師 法で禁止されています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  75. 75. 副作用の出ない薬を出してほしい • 薬には副作用の出やすさの違いがありますが,実際 に出るかは使ってみないと分かりません.1/1000の 稀な副作用でも出る方はいらっしゃいます. • 不安なことがありましたら御相談ください. • 薬の副作用のリスクを上回るだけの,効果のメリッ トが期待されるかどうかが問題となります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  76. 76. 薬の副作用を全て説明して欲しい • 薬の副作用は,添付文書やインタビューフォームな どに書かれていますが、全ての内容を説明するのは, 時間の問題から不可能です. • 厚生労働省の指針では,「特に注意を要する副作 用」に説明義務があるため,要点を説明しています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  77. 77. 薬の添付文書は絶対か? • 適応外でも医学的根拠があれば使用に問題 はありません. • 添付文書では禁忌でも,特段の合理的理由 があれば使用できることがあります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  78. 78. どこの薬局が良い? • 特定の薬局に患者さんを誘導することは禁止されて います.(保険医療機関及び保険医療養担当規則第 19条の3) • 薬のアレルギーや,飲み合わせの間違いを防ぎやす くなるので,かかりつけ薬局を決めておくことをお 勧めします. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  79. 79. 健康食品・サプリメントとの飲み合わせは? • セントジョーンズワートなど薬と飲み合わせが悪い ことが明らかなものもありますが,飲み合わせの データがないことも多いです. • まずは飲んでいる健康食品・サプリメントを申告し て頂き,飲むかどうかを主治医と相談しましょう. • 厚生労働省の「健康食品の正しい利用法」というパ ンフレットをお渡しします. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  80. 80. 漢方薬は副作用ない? • 通常の薬と同じように副作用が出ます. • 薬として認可されていても,臨床試験を行っ ていないため副作用の頻度のデータがないも のもあります. 例)ツムラ半夏瀉心湯 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  81. 81. 漢方は • 臨床試験が少なく,科学的根拠があるものは一部で す. • 基本的な考え方は,効果があり副作用が出なければ 使っても良い,ただし効果が不明または副作用あり, では使わない方が良いでしょう. • up to date(世界で最も有名なオンライン医学書の1つ)では妊娠・ 授乳中は避けるよう勧められています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  82. 82. 薬で副作用が出たので補償してほしい • 命に関わる副作用や後遺症が残る場合,公費で補償 が下りることがあります.医薬品副作用救済制度を 紹介します. • ただし,入院が必要ない軽症や,抗癌剤,免疫抑制 剤など副作用を覚悟で使う薬は除外されています. • 医療者に過失がなければ,医療者からの補償はあり ません. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  83. 83. 0.1%の薬の副作用は,自分には出ない? • 0.1%の副作用は,決して珍しいものではありません. • 例えば,1日1,000人の患者さんが来院される病院で, それぞれの患者さんに,新たに1種類の薬が処方され たと仮定しましょう.その病院では毎日どこかで 0.1%の副作用は出ていると推測されます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  84. 84. 薬を他の人にあげて良いか? • 薬事法で,仕事として医薬品を授与することは禁止 されています.仕事以外でも,医療用麻薬など絶対 に授与してはいけない薬剤があります. • 医学的には,薬を適切な使用しなければ,効果がな かったり重篤な副作用が出ることがあり得るので, 勧められません. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  85. 85. 薬の副作用が出た場合に,返品できるか? • 薬そのものに問題がない場合には,返品に 応じる義務はありません. • ただし,未開封の場合など,可能な範囲で 相談にのります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  86. 86. 薬をなくしたので再処方して欲しい 薬をなくされた場合は,再処方はできますが,医療保険 を使うことができません. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  87. 87. 検査
  88. 88. 症状がないところも全部悪いとこ見つけて欲しい • 医療保険のルールでは,症状・異常がないのに調べ るのは,健診と同じ自費診療になります. • 健康診断を保険診療で行うのは禁止されています. • 必要以上の濃厚(過剰)診療は禁止されています. (保険医療機関及び保険医療養担当規則) 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  89. 89. 検査で異常があれば病気か? • 100%の精度で病気が分かる検査はありません. • 異常といっても,ピンからキリまであります. • その異常が生活の質や,予後を悪化させうる可能性 がどれくらいかを考えて,治療方針を決めましょう. • 「異常」とは何か?は医学判断学の話になります 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  90. 90. 健診のレントゲンを受けていれば,肺癌でも早期 に見つかるか? • 癌が2倍になる速度は1ヶ月~5年程度と幅があり,残 念ながら見つかったときには既に進行してしまってい ることもあります. • 健診のレントゲンの効果を示す報告は賛否あります. 医療裁判の結果からも,「検診を受けた方の癌を必ず 発見する」というものではありません.しかし,検診 を受けた方は「検診を受けたのだから癌があれば必ず 見つかる」と期待しているので,そこに行き違いが生 じます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  91. 91. 健診のレントゲンで異常なしだったので大丈夫? • レントゲンで写らない肺癌もあります. • 御心配な方は,比較的少ない被爆で,レントゲンで 写らない肺癌も写りやすい低線量CTをお勧めします. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  92. 92. 検査の被曝で癌にならないか? • 発がんのリスクは0ではないので,「発癌のリスク < 検査のメリット」のときに,検査をお勧めしてい ます. • 医療被曝には上限はありません. • 各学会からガイドラインや説明文書が出ています. 特に妊婦さんは胎児への影響を心配される方がい らっしゃるので,入念に説明をしています. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  93. 93. 院内感染の補償をして欲しい • 院内感染を100%防ぐ方法は,現在の医学では確立 されていません. • 院内感染が起きても,病院側に過失や不備がないと き,つまり適切な管理体制をとっていてもそれ以上 の感染力で院内感染が起こった場合には,対応困難 です. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  94. 94. 診療
  95. 95. 合併症の出ない処置をして欲しい • 合併症が全く出ない処置はありません • 皆さんが受けている血液検査ですら,ごく ごく稀に神経損傷などの合併症が出てしま うことがあります • リスクとメリットどちらが上回るかを考え た上で,処置をするか相談しましょう 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  96. 96. 合併症が出たのは何かミスがあったからでは? • 合併症は,医療者の落ち度によるものと,御本人の 個体差によるもの,医療の限界など,様々な要因で 起こります. • 合併症は,落ち度のない診療をしても起きることが ありえます. • 医療裁判では,医療水準を満たしていたかどうかや, インフォームドコンセントを受けていたかどうかが 問題になります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  97. 97. 手術前に禁煙は必須か? • 1ヶ月以内にタバコを吸っていた場合,肺炎 などの合併症が増えてしまいます.合併症を 減らすには,すぐに禁煙しましょう. • 手術前に禁煙できていない場合,手術延期に なり他の患者さんや医療者に迷惑がかかるこ とがあります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  98. 98. 敷地内での喫煙 • 施設内により喫煙可能な場所が定められて います.敷地内全面禁煙の病院もあります. • 禁煙場所での喫煙は,臭いが他の患者さん の迷惑になったり,火災事故の原因となり ます.他の患者さんを危険にさらす行為で あり,強制退院があり得ます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  99. 99. 結核だが入院したくない • 人にうつる結核の場合は,法律で入院が定め られています.罰則規定はありませんが,公 共の福祉の点から入院ください. • 人にうつさない結核の場合は,外来で治療で きます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  100. 100. 紹介状の中を見たい • 紹介状は封があり信書です.宛先以外の方が 開封すると信書開封罪(刑法133条)にあた る可能性があります. • もし何らかの事情で開封せざるを得ない状況 の時は,宛先に確認してから開けましょう. • 内容が知りたい場合は,主治医とご相談くだ さい. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  101. 101. 安楽死をしてほしい • 治療行為の中止(点滴など)には,死が回避不能な末期状態で, 患者の意思表示または患者の意思表示が推定可能な家族の意思 表示が必要です. • 間接的安楽死(鎮静など)は,耐えがたい肉体的苦痛があり, 死が回避不能で切迫しており,患者の意思表示または患者の意 思表示が推定可能な家族の意思表示が必要です. • 積極的安楽死は現実的には殺人罪となり得ます. • 人工呼吸器を外すかどうかは,ガイドラインがありますが適応 が難しく,倫理委員会で相談することがあります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  102. 102. 診断書・主治医意見書を書いてほしい • 医師は診断書を求められれば交付する義務が あります(医師法). • 診断書を作るには診察が必要です(医師法) • 虚偽私文書作成罪(刑法160条)になるので, 嘘を書いてはいけません.書ける内容は医学 的判断に基づいたものになります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  103. 103. 特定の先生の診療を受けたい • 御希望があれば担当医にご相談ください. • ただし,患者さんに主治医を選ぶ法的な権利はあり ません.診療科や医師の状況により,必ずしもご期 待に添えられない場合があります. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  104. 104. カルテを見たい(カルテ開示したい) • 申請書を記入して手続きをすればカルテ開示 をできます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  105. 105. 医療過誤か,医療事故か • 医療事故は医療の過程において発生する全ての人身 事故で,そのうち過失があるのが医療過誤です. • 過失がなくても,合併症や有害事象は起きます.通 常の注意義務を果たしていて,不可抗力である場合 は過失のない医療事故となります. • 医療過誤は医療者の責任が問われます. 例)見落としや間違いなど 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  106. 106. 医師の裁量権とは • 医師は診療にあたり,いかなる療法を用い るかを選択する裁量権があります. • 裁量権は医療水準に達している範囲内で, 患者の自己決定権を基礎とするものでなけ ればなりません. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  107. 107. 入院中の療養管理 • 病院は入院患者さんを適切に管理する義務 を負うため,転倒やベッドからの転落事故 などが起きないよう管理します(民法) 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  108. 108. 周りに危険な患者さんがいる • 脅迫している,暴力をふるっているなど診 療契約を逸脱した方がいれば,躊躇なく警 察を呼び,他の患者さんに迷惑がかからな いよう対応します 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  109. 109. 入院中の他の患者さんとのトラブル • 会話,テレビの音量,臭い,夜の明かり,いびきな ど,入院は共同生活を強いられ,病気の心理的スト レスもあり,色々なトラブルが起きやすくなってい ます. • 他の患者さんのことに限らず,困ったことについて はご相談ください. • 宗教勧誘・政治活動・商売・民間療法の勧めなどは 他の患者さんとのトラブルとなりやすく,禁止して います. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  110. 110. 入院中に外出・外泊したい 外出届・外泊届けを出して,医師が許可すれば外出・外 泊できます. 無断外出・外泊は,所在不明となり多くのスタッフが創 作に関わり他の患者さんの業務に支障が出うる迷惑行為 です. 医学的な理由により外出・外泊が望ましくないことがあ ります.その際は主治医と相談しましょう. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  111. 111. 無断外泊・外出 • 外出や外泊は届出と,安全性について医師 の確認が必要です. • 無断外出・外泊すると,飛び降り自殺やト イレで倒れていないかなど,急変の可能性 を考えて病院中を探します.その間の他の 患者さんの医療に支障が出ます. • 無断外出・外泊は迷惑行為として強制退院 があり得ます. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  112. 112. 現代の医療に限界を感じる • 現在の医療では,治る病気もあれば治らない病気も あります. • 医療に限らず,何事にもできることとできないこと がありますが,突き詰めていくと宗教や哲学の話に なるのではないでしょうか. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  113. 113. ネットの相談サイトは信用できるか • 匿名で,回答者が医療者か分からず,回答に責任があり ません. 薬反対論や,免疫療法至上主義,癌放置療法など様々な思想の方ほど熱心に書かれ ているようです. • 相談者は非医療者による主観的な情報で,客観的な情報 が足りません. • 相談により得られた情報が,医学的妥当性があるのか判 別できません. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  114. 114. 雑誌のランキングは信用できるか • 雑誌が,中立な内容で書いてあるかを見極めることは 難しいです. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  115. 115. この治療法はどうか? 以下の点を考えることになります ① 医学的根拠 ガイドライン,成書,信頼度の高い論文などに基づいた 「標準的な治療」なのかどうか ② その病気に保険が通っているものか ③ 治験や先進医療にあたるか ④ 当院で扱っているものか 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  116. 116. 海外では補完代替医療は本邦より進んでいるか up to date(世界で最も有名なオンライン医学書の1つ)では,以下 のように書かれています • 補完代替医療は癌患者さんに効くという根拠はない.しかし,「クラシックホメ オパシーでは症状緩和だけでなく治癒が期待できる」と無責任で異様な主張が続 いている. • 臨床試験で効果がないという結果が出ると,その研究の不備を訴え,効果がない と示されても癌患者さんは期待し続けている. • 癌に伴う症状への相補的治療は選択肢.(癌を縮小させるわけではない) お灸,催眠療法,行動介入,リラクゼーション,薬用ニンジンやガラナなど. • 信頼できる根拠がないために,しばしば賛成と反対で感情的な対立を生む.信頼 できる根拠を作るようにすべきだ. 法的拘束力 厚生労働省などの指針 国の方針・保険のルール 地域や病院のルール 医学的妥当性
  117. 117. 参考文献 • 盛岡 恭彦.医の倫理と法ーその基礎知識ー .南江堂; 2010. • 厚生労働省. 平成27年度版死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル. http://www.mhlw.go.jp/toukei/manual/dl/manual_h27.pdf • 桑原 博通. Q&A「医療トラブル」対策ハンドブック, 三省堂, 2006. • 平沼 直人. 医療訴訟Q&A, 労災保険情報センター, 2012. • 日経メディカル. 医療訴訟の「そこが知りたい」, 日経BP社, 2010. • 井上 清成. よくわかる病院のトラブル 法的対応のコツ, 毎日コミュニケーションズ, 2008. • 福山 正紀. 医師の視点で読み解く医療事故ケースファイル, 南山堂, 2011. • 日山 亨, 日山 恵美, 吉原 正治. 内科医のための訴訟事例から学ぶ日常診療のクリティカルポイント 外来・ 刑事責任編. 新興医学, 2010. • 日山 亨, 日山 恵美, 吉原 正治. 内科医のための訴訟事例から学ぶ日常診療のクリティカルポイント入院・ 医療従事者の健康管理編. 新興医学, 2011. • 田邊 昇. 弁護医師による医療訴訟とリスクマネジメント Q&Aで学ぶ. 医療文化社, 2008. • 日経メディカル. 医療訴訟のここがポイント 注目判例に学ぶ医療トラブル回避術②, 日経BP社, 2015. • 福永 篤志. トラブルに巻き込まれないための医事法の知識, 医学書院, 2014. • 白崎 修一, 澤村 豊,田端 綾子,中村 誠也. 臨床医のための医療訴訟を回避するケーススタディ40. 中山書 店, 2013. • メディカル クオリティ・アシュアランス 判例にみる医療水準 第2版. 医学書院, 2005.

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