小規模多機能自治への挑戦
     島根県・雲南市




 平成24年1月27日 プラチナ構想ネットワーク第3回シンポジウム発表資料
雲南市の概況 (1)

■ 人口 41,917人  (平成22年国勢調査) 5年で2,476人減少
■ 世帯 12,905世帯 (平成22年国勢調査) 
■ 面積 553.4k㎡  (東京23区の約9割) 8割が山林地域
                 




                    〈農山村の風景:棚田(日本の棚田百選)〉
                                           1
雲南市の概況 (2)
     高齢化率             32.9%(2010年)                           年齢別の人口比率
45                                                      生産人口/高齢者人口=1.6                                 高齢者
40                                                                  (2010年)                            1名
35                                                    100%
30                                                                                                     生産人口
                                                      80%
25                                             全国                                                      1 .2 名
20                                             雲南市    60%
15                   全国より20年
                     全国より20年                          40%
10                   以上早い
5                                                     20%
0
     1990年   2000年    2010年   2020年   2030年            0%
                                                             1990年   2000年    2010年    2020年   2030年

     2020年の雲南市                                                        0~14才   15~64才   65才以上


     ■ 全国より20年以上早い高齢化                                ■ 高齢者1人を生産人口1.2人が支える
     ■ 75歳以上が8,400人、人口の22%                           ■ 生産人口は10年間で19%減少

     2020年までに雲南市がすべきこと
     ■ 生涯現役の元気な高齢者、生きがいをもって働ける環境整備                                                      身の回りのものを
         ⇒林地残材の搬出、スパイスや山菜、野菜の出荷                                                         お金にする仕組み

     ■ 里山の豊かさによるUIターンの推進                                                                 UIターン者への
         ⇒田舎の豊かさを求める人々を受け入れられる環境づくり                                                        農地の斡旋           2
雲南市の目指すまちづくり

■ 日本のふるさとの原点 (出雲神話の舞台)
■ 過疎・中山間地域で生きる豊かさを体現し自立
■ 市民総参加 (市民が主役のまちづくり)




  〈まちづくりの合言葉〉   〈暮らしに根ざした農村文化:花田植え〉
                                      3
地域自主組織
地域自主組織   
            多様な主体の参画による新たな自治活動
        
■ 住民自らが地域課題を解決する自主的な住民活動組織
■ 市内全域で42組織(概ね小学校区単位)が活動を展開中
■ 合併後にまちづくりの単位が再編   参考;自治会数 510

 地域の話し合いの場、支え合いの場、活動の場 
                                             集           ま                           NPO
  ○           ○
    ○           ○              高     女         落           ち             地域  
                                 齢                           づ                  連
      ○           ○                    性         営             く         おこし    携   消防団
        自           自              者     の         農             り       協力隊
          治           治 ・・・ の会             会         組             グ ・・・
                                                                    ル    地域         郵便局
            会          会                               織              ー
                                                                         マネー
                                                    プ                                      等
                                                                ジャー
                                                                           等
                                    住

                                                民
                                         
                                             




                                                                                ・地域づくり交付金
                                                                                ・地区担当職員        行政
公民館から交流センターへ(社会教育・地域福祉・地域づくり)
公民館から交流センターへ(社会教育・地域福祉・地域づくり)                                                   ・人材育成               4
地域自主組織による小規模多機能自治の事例
   定住           商店再生       観光・交流             伝統文化




UIターン呼びかけ交流会    ・農産品等販売     観光ガイド育成         夜神楽大会、郷土館運営
     (大阪)                   田舎暮らし体験
                                             施設管理
 安全・安心

                       地域自主組織

                                            温浴施設、公共施設 など
 地域自主防災活動
   見守り活動                           解決しなければならない
               子育て支援      福祉          地域課題
 交通弱者対策
                                       森林・農地の荒廃対策

                                       除雪   買い物代行
                預かり保育     配食サービス       行政の窓口機能    等   5
 過疎地有償運送       放課後児童クラブ   高齢者サロン
地域活性化総合特区制度の活用


 9月:地域活性化総合特区制度に申請

   「たたらの里山総合特区」 によって
地域課題を解決する新たな法人制度創設を提案




        12月:指定
       (全国では26箇所)       6
たたらの里山再生特区の概要
現状 ・ 課題                                        目標 ・ 取組
 世 界                                           里山の未利用資源を          地域・市民が「たたら
       ○食料 (食料危機)                                                 の里山」に戻る
                                               地域・市民 
                                               地域・市民 が総がかりで
       ○環境 (温暖化、異常気象、災害)
       ○エネルギー ・ 水資源 (化石燃料依存、外国資本参入)            最大限活用する
                                               持続可能な地域づくり
                                               持続可能な地域づくり
雲南市    ~たたら製鉄で栄えてきた頃の面影はない~
                                               目標値
【現状】  ○森林 ・ 農地の荒廃     
      ○里山と暮らしの豊かな関係の消失                         ○新たな雇用者数 100人
【課題】  ○エネルギー供給機能の消失 ・ 食料供給機能の低下                ○まちづくり活動に参画する市民の割合 66.7%→75%
      ○里山集落の衰退
                                                         ○森林のバイオマスエネルギー等再生可
                                                里山の
                                                里山のエネ
                            我が国の中山間地                     能エネルギー事業の推進 (民間企業に
                                                ルギー利用
                                                ルギー利用
                            域の里山、農地は、                    よる合同会社設立、 市民参加による木
                                                の推進
                             このままでは                      材集積、 地域通貨による経済循環) 
                             壊滅的な状況
                                                                               3
                                     資源の         活動指標    木材生産量 5,273m3 →10,000m (年間)
                                  策      集
    機能が失われた森林(保安林)と農地            政        中
                                    市民による                 ○里山放牧の推進 
                                                里山の
                                                里山の食料      (輸入飼料に頼らない循環型畜産)
特例・支援措置
特例・                               日本のふるさと
                                                供給機能の
                                                供給機能の      
                                    再生の挑戦       復活
                                 政         破              ○スパイスプロジェクトの推進  
○保安林活用の手続き簡素化・指定施業要件等の緩和
                                   策     突                 (鳥獣被害対策も担う農商工連携
  ⇒ 保安林区域内の積極的な施業                    課題の         活動指標     による6次産業化)
                                                          里山放牧面積 138㌶→200㌶
○農地取得に係る下限(別段)面積の緩和
  ⇒ 小規模・遊休農地の有効活用
○「スーパーコミュニティ法人」制度の創設  ○財政上・税制上の支援                         ○コミュニティビジネスの推進
  ⇒ コミュニティビジネスの推進         ⇒安定的な地域経営              里山の
                                                 里山の小規     (市民サービスの提供、たたら製
                                                 模多機能自    鉄や農村文化を伝える体験観光)
  提 案                                             への挑戦
                                                 治への挑戦    ○サポート体制の充実
     ~持続可能な中山間地域の新たなモデル~                                  (里山や農地を守る担い手の育成)
映画「もののけ姫」のモデルとなり、「たたら製鉄」により隆盛を誇った                        コミュニティビジネス売上高 
雲南市から、 “たたら”に代わる新たな里山活用による地域力向上                   活動指標
                                                         110万円→200万円(42団体平均/年間)
                                                                                       7
モデルを提案する。 
取組の連携
                             我が国の共通課題の解決
         エネルギー
         エネルギー                                        食料供給機能
                                                      食料供給機能
                          (食料、環境、エネルギー、中山間地対策)          の復活
         利用の 推進
         利用の推進
         利用の
         利用の                                            の復活
                                                    ○里山放牧
○再生可能エネルギー事業
                                                    ○スパイスプロジェクト
 
              合同会                                       生産組
               社                                         織

     山林             森林                             JA            農商工 
     地主             組合                              商工会           協議会

                                 小規模多機能
                                 小規模多機能
                                 自治への 挑戦
                                 自治への挑戦
                                 自治への挑戦
                                 自治への
                                   への挑戦
                                   への
     市
          民




                                                             市
                                                                 民
                            ○コミュニティビジネス ○サポート体制
 総
     が
          か
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                                                         総
                                                             が
                                                                 か
                                                                     り
                              地域自主組織       
                                (スーパーコミュニティ法      ・循環型農畜産への支援
         ・エネルギー
                                    人)             (飼料米栽培 など)
          地産活動への参加
                                                  ・多様な担い手の供給
          (木材搬出 など)            支援     UI   ター      (UIターンの推進 など)
                                組織      ン者                               8
                   地域通貨
まとめ (小規模多機能自治)
               ・体制の充実                                     都市等からの優秀
                             コミュニティ          受入
      雲南市                                                 なUIターン者など
                             支援組織

・コミュニティ全体の支援
                        コミュニティビジネス支援者の派遣、インターンシップ、
・地域振興補助金
                        法人設立支援、IT化支援
・農地一元管理・利用調整

                                       農業、林業、森林バイオマ
                               農林業     ス、太陽光発電、飼料用水            持続可能な地域づくり
                                       稲栽培などによる里山活用
                 スーパーコミュニティ      観光
  地域自主組織          法人制度創設                                      ・地域に必要なサービス
                                  交流    農家レストラン、都市間交流
                                                              を地域の力で提供
   (地域計画・経営)       コミュニティ
                                  福祉                          (市民が主役)
                    ビジネス               預かり保育、配食・買い物
コミュニティ      安全    行政         商店        サービス、過疎地有償輸送、          ・雇用の創出
 活動 文化      安心    事務
                        施設
                        管理
                             再生        除雪
                                                              (コミュニティに若者を定着)
       伝承         受託
                                            コミュニティ
スーパーコミュニティ法人とは
スーパーコミュニティ法人とは
          法人
●コミュニティビジネスなどの営利事業と非営利事業とを一体的に実施でき、現行のNPO法人制度や農事組合法
人などのメリット(補助金、融資制度、みなし寄附金制度や寄附に対する優遇税制等)を一元的に享受できる新た
な法人制度。
●中山間地域での共同活動を核とし、「自分たちの地域は自分たちで治める」という地域自治の推進するとともに、
地域資源の活用による地域の経済的な自立度を高めることによってコミュニティの持続を目指すもの。                                 9
●コミュニティ支援組織が、法人設立、維持、IT化、人材育成など総合的に支援。
みんなで力を合わせ!!




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小規模多機能自治への挑戦

  • 1.
    小規模多機能自治への挑戦 島根県・雲南市 平成24年1月27日 プラチナ構想ネットワーク第3回シンポジウム発表資料
  • 2.
  • 3.
    雲南市の概況 (2) 高齢化率 32.9%(2010年) 年齢別の人口比率 45 生産人口/高齢者人口=1.6 高齢者 40             (2010年) 1名 35 100% 30 生産人口 80% 25 全国 1 .2 名 20 雲南市 60% 15 全国より20年 全国より20年 40% 10 以上早い 5 20% 0 1990年 2000年 2010年 2020年 2030年 0% 1990年 2000年 2010年 2020年 2030年 2020年の雲南市 0~14才 15~64才 65才以上 ■ 全国より20年以上早い高齢化 ■ 高齢者1人を生産人口1.2人が支える ■ 75歳以上が8,400人、人口の22% ■ 生産人口は10年間で19%減少 2020年までに雲南市がすべきこと ■ 生涯現役の元気な高齢者、生きがいをもって働ける環境整備 身の回りのものを   ⇒林地残材の搬出、スパイスや山菜、野菜の出荷 お金にする仕組み ■ 里山の豊かさによるUIターンの推進 UIターン者への   ⇒田舎の豊かさを求める人々を受け入れられる環境づくり 農地の斡旋 2
  • 4.
  • 5.
    地域自主組織 地域自主組織    多様な主体の参画による新たな自治活動       ■ 住民自らが地域課題を解決する自主的な住民活動組織 ■ 市内全域で42組織(概ね小学校区単位)が活動を展開中 ■ 合併後にまちづくりの単位が再編   参考;自治会数 510 地域の話し合いの場、支え合いの場、活動の場  集 ま NPO ○ ○ ○ ○ 高 女 落 ち 地域   齢 づ 連 ○ ○ 性 営 く おこし  携 消防団 自 自 者 の 農 り 協力隊 治 治 ・・・ の会 会 組 グ ・・・ ル 地域   郵便局 会 会 織 ー マネー プ 等 ジャー 等 住 民     ・地域づくり交付金 ・地区担当職員 行政 公民館から交流センターへ(社会教育・地域福祉・地域づくり) 公民館から交流センターへ(社会教育・地域福祉・地域づくり) ・人材育成 4
  • 6.
    地域自主組織による小規模多機能自治の事例 定住 商店再生 観光・交流 伝統文化 UIターン呼びかけ交流会 ・農産品等販売 観光ガイド育成  夜神楽大会、郷土館運営 (大阪) 田舎暮らし体験 施設管理 安全・安心 地域自主組織 温浴施設、公共施設 など 地域自主防災活動 見守り活動 解決しなければならない 子育て支援 福祉 地域課題 交通弱者対策 森林・農地の荒廃対策 除雪 買い物代行 預かり保育  配食サービス 行政の窓口機能 等 5 過疎地有償運送 放課後児童クラブ 高齢者サロン
  • 7.
    地域活性化総合特区制度の活用 9月:地域活性化総合特区制度に申請 「たたらの里山総合特区」 によって 地域課題を解決する新たな法人制度創設を提案 12月:指定 (全国では26箇所) 6
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    たたらの里山再生特区の概要 現状 ・ 課題 目標 ・ 取組 世 界 里山の未利用資源を  地域・市民が「たたら ○食料 (食料危機)  の里山」に戻る 地域・市民  地域・市民 が総がかりで ○環境 (温暖化、異常気象、災害) ○エネルギー ・ 水資源 (化石燃料依存、外国資本参入) 最大限活用する 持続可能な地域づくり 持続可能な地域づくり 雲南市 ~たたら製鉄で栄えてきた頃の面影はない~ 目標値 【現状】  ○森林 ・ 農地の荒廃      ○里山と暮らしの豊かな関係の消失 ○新たな雇用者数 100人 【課題】  ○エネルギー供給機能の消失 ・ 食料供給機能の低下 ○まちづくり活動に参画する市民の割合 66.7%→75% ○里山集落の衰退 ○森林のバイオマスエネルギー等再生可 里山の 里山のエネ 我が国の中山間地 能エネルギー事業の推進 (民間企業に ルギー利用 ルギー利用 域の里山、農地は、 よる合同会社設立、 市民参加による木 の推進 このままでは 材集積、 地域通貨による経済循環)  壊滅的な状況 3 資源の 活動指標 木材生産量 5,273m3 →10,000m (年間) 策 集 機能が失われた森林(保安林)と農地 政 中 市民による ○里山放牧の推進  里山の 里山の食料  (輸入飼料に頼らない循環型畜産) 特例・支援措置 特例・ 日本のふるさと 供給機能の 供給機能の   再生の挑戦 復活 政 破 ○スパイスプロジェクトの推進   ○保安林活用の手続き簡素化・指定施業要件等の緩和 策 突  (鳥獣被害対策も担う農商工連携   ⇒ 保安林区域内の積極的な施業 課題の 活動指標 による6次産業化)  里山放牧面積 138㌶→200㌶ ○農地取得に係る下限(別段)面積の緩和   ⇒ 小規模・遊休農地の有効活用 ○「スーパーコミュニティ法人」制度の創設  ○財政上・税制上の支援 ○コミュニティビジネスの推進   ⇒ コミュニティビジネスの推進         ⇒安定的な地域経営 里山の 里山の小規 (市民サービスの提供、たたら製 模多機能自 鉄や農村文化を伝える体験観光) 提 案 への挑戦 治への挑戦 ○サポート体制の充実 ~持続可能な中山間地域の新たなモデル~ (里山や農地を守る担い手の育成) 映画「もののけ姫」のモデルとなり、「たたら製鉄」により隆盛を誇った コミュニティビジネス売上高  雲南市から、 “たたら”に代わる新たな里山活用による地域力向上 活動指標 110万円→200万円(42団体平均/年間) 7 モデルを提案する。 
  • 9.
    取組の連携 我が国の共通課題の解決 エネルギー エネルギー 食料供給機能 食料供給機能 (食料、環境、エネルギー、中山間地対策) の復活 利用の 推進 利用の推進 利用の 利用の の復活 ○里山放牧 ○再生可能エネルギー事業 ○スパイスプロジェクト   合同会 生産組 社 織 山林 森林 JA     農商工  地主 組合 商工会  協議会 小規模多機能 小規模多機能 自治への 挑戦 自治への挑戦 自治への挑戦 自治への への挑戦 への 市 民 市 民 ○コミュニティビジネス ○サポート体制 総 が か り 総 が か り 地域自主組織          (スーパーコミュニティ法 ・循環型農畜産への支援 ・エネルギー 人) (飼料米栽培 など) 地産活動への参加 ・多様な担い手の供給 (木材搬出 など) 支援   UI   ター (UIターンの推進 など) 組織 ン者 8  地域通貨
  • 10.
    まとめ (小規模多機能自治) ・体制の充実   都市等からの優秀 コミュニティ 受入 雲南市 なUIターン者など 支援組織 ・コミュニティ全体の支援 コミュニティビジネス支援者の派遣、インターンシップ、 ・地域振興補助金 法人設立支援、IT化支援 ・農地一元管理・利用調整 農業、林業、森林バイオマ 農林業 ス、太陽光発電、飼料用水 持続可能な地域づくり 稲栽培などによる里山活用 スーパーコミュニティ 観光 地域自主組織 法人制度創設 ・地域に必要なサービス 交流 農家レストラン、都市間交流 を地域の力で提供 (地域計画・経営) コミュニティ 福祉 (市民が主役) ビジネス 預かり保育、配食・買い物 コミュニティ 安全 行政 商店 サービス、過疎地有償輸送、 ・雇用の創出 活動 文化 安心 事務 施設 管理 再生 除雪 (コミュニティに若者を定着) 伝承 受託 コミュニティ スーパーコミュニティ法人とは スーパーコミュニティ法人とは 法人 ●コミュニティビジネスなどの営利事業と非営利事業とを一体的に実施でき、現行のNPO法人制度や農事組合法 人などのメリット(補助金、融資制度、みなし寄附金制度や寄附に対する優遇税制等)を一元的に享受できる新た な法人制度。 ●中山間地域での共同活動を核とし、「自分たちの地域は自分たちで治める」という地域自治の推進するとともに、 地域資源の活用による地域の経済的な自立度を高めることによってコミュニティの持続を目指すもの。 9 ●コミュニティ支援組織が、法人設立、維持、IT化、人材育成など総合的に支援。
  • 11.