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炙ってわかる半導体とIT業界
秋田純一(金沢大)
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簡単に自己紹介
本業:金沢大の教員
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  • 5. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体チップの取り出し方 濃硫酸・発煙硝酸に入れて加熱し、 パッケージを溶かす どこのご家庭にもある道具 ・・・ねぇよ!
  • 6. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 炙る どこのご家庭にもある BBQ用バーナー(カセットボンベ式) 3分くらい炙る ※火事・ヤケドに注意 ICチップ(パッケージ入)
  • 7. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 崩す チップが見えてきた! 炭化したパッケージを、 ピンセットなどで、ちょんちょんしながら 崩していく (チップを割らないように注意)
  • 8. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 拝む
  • 9. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 分析する 詳しくはコチラ→http://ifDL.jp/blog/?p=1197 一番細い配線パターンが見えた! 倍率をあげならが、 特徴ある形状を基準に サイズを計測していく
  • 10. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ マイコンの不思議 「ATmega328P」と「ATmega328PB」 機能:ATmega328P < ATmega328PB 価格: ATmega328P > ATmega328PB 高機能なのに安価!?Arduinoに 載ってる
  • 11. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体の進化の歴史:Mooreの法則 ref: http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm 傾き:×約1.5/年 年を追って、複雑・高機能な集積回路がつくられるようになった ※G.Moore (インテルの創業者の一人) G.Mooreが1965年に論文[1]で述べる→C.Meadが「法則」と命名→「予測」→「指針(目標)」へ G.E.Moore, "Cramming more components onto integrated circuits," IEEE Solid-State Circuit Newsletter, Vol.11, No.5, pp.33-35, 1965.
  • 12. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則のカラクリ:比例縮小 集積回路の部品(MOSトランジスタ)を、 より小さく作ると・・・? 寸法: 1/α 不純物濃度: α 電源電圧: 1/α 結論:いいことばかり 速度↑ 消費電力↓ 集積度(機能)↑ 技術が進むべき方向性が極めて明確なまれなケース p-Si S DG n-Sin-Si p-Si S DG n-Sin-Si L
  • 13. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 微細化=高機能化 同じ用紙サイズでも 文字が小さいほど、 たくさん文字が入る
  • 14. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ さきほどのマイコンの比較 ATmega328P チップサイズ:3x3mm 最小線幅:1.8um > > ATmega328PB チップサイズ:2.5x3mm 最小線幅:0.8um ATmega328PBのほうが、 チップ面積は小さい(低価格) 加工技術が微細(高機能)
  • 15. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則の意味 半導体+微細化=高機能 高機能には2つの意味 コンピュータが速くなる ・高機能になる コンピュータが身近になり、 使い方が広がる Cray-1 (1978)100MIPS (世界最初のスーパーコンピュータ) 20000MIPS 10MIPS 100MIPS 20000MIPS 109MFLOPS 20MIPS
  • 16. 2019/3/16 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ まとめ Mooreの法則のもたらしたもの コンピュータが速く&普及→IT産業を生んだ AI/IoT時代で、さらに複雑・多様に ハードウエア(半導体)をよりよく知ることで、 IT業界も攻め方が変わる