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Makeと半導体の境界

Junichi Akita
Junichi Akita
Junichi AkitaProfessor at 金沢大学

早稲田大学ビジネススクール ゲスト講義(2022/2/5)

Makeと半導体の境界

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Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Makeと半導体の境界
2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
すこし自己紹介(その1)
 名古屋生まれ、電子工学科→博士課程修了(‘98)
 金沢大(’98~’00・’04~)
 公立はこだて未来大(’00~’04)
 ’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員
 本業:半導体・集積回路、特にイメージセンサ
 +集積回路を使うデバイス・システム
 ユーザインタフェース・インタラクティブシステム(人間相手の機械)
 その「社会実装」の方策
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研究室(実験室)
2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
主な研究テーマ
「面白そう」「あると便利そう」なものを
作って、社会実装を目指しています
キーワード:AI, IoT, UI/UX
2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
はこだて未来大では・・・
‘00:開学時に教員として参加(’95〜策定委員)
いろんな教員から「こんなの作れる」という
相談を受ける
電子回路設計、はんだ付けができるのが私だけ
情報科学、ロボティクス、認知科学、デザイナー、社
会科学者、・・・
2年目には26個の学内プロジェクトを並行
研究の視点を広げ、立ち位置を明確化できた
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2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
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2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
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  • 2. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ すこし自己紹介(その1)  名古屋生まれ、電子工学科→博士課程修了(‘98)  金沢大(’98~’00・’04~)  公立はこだて未来大(’00~’04)  ’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員  本業:半導体・集積回路、特にイメージセンサ  +集積回路を使うデバイス・システム  ユーザインタフェース・インタラクティブシステム(人間相手の機械)  その「社会実装」の方策 集積回路(イメージセンサ)の チップ写真とそれを載せたカメラ 基板設計 研究室(実験室)
  • 3. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 主な研究テーマ 「面白そう」「あると便利そう」なものを 作って、社会実装を目指しています キーワード:AI, IoT, UI/UX
  • 4. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ はこだて未来大では・・・ ‘00:開学時に教員として参加(’95〜策定委員) いろんな教員から「こんなの作れる」という 相談を受ける 電子回路設計、はんだ付けができるのが私だけ 情報科学、ロボティクス、認知科学、デザイナー、社 会科学者、・・・ 2年目には26個の学内プロジェクトを並行 研究の視点を広げ、立ち位置を明確化できた “How to Make”→”What to Make”
  • 5. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 少し自己紹介(その2) 小4の頃から、半田の煙で育つ Maker(広い意味での「ものづくり」) Makerイベントの運営などのコミュニティ活動 展示会(NT金沢)の企画・運営(6月末頃@金沢駅地下広場) 電子工作関連ガジェット・グッズ
  • 6. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ いわゆるMakerとしての活動 http://akita11.jp/works/ 電子工作関連 「ちょっとした便利グッズ」 M5Stack(マイコンモジュール)関連 公式の入門書の日本語訳 ハンズオン教材の開発 書籍・Web記事 電子工作、分解ネタ、コンピュータのソフトとハー ドの境界 ローコストな電子部品の開拓・啓蒙
  • 7. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 研究?趣味? 電子工作 (ホビー) 業界 半導体 業界 (学会・産業界) Ref: 「私の研究者・Makerとしての半生」 https://note.com/akita11/n/n6f6857f54d17
  • 8. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 今日のAgenda Maker文化の背景、現状、今後を 「半導体」を軸に考える 半導体の基礎用語・基礎知識も 「手を動かすこと」の意義 理論から実践、そして研究
  • 9. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 今日の対象:「半導体」 チップ(半導体チップ)、シリコン =集積回路(Integrated Circuits; IC) LSI(大規模集積回路; Large Scale Integration) 物理的には、導体と絶縁体の 中間の電気抵抗をもち、 条件に応じて導体や絶縁体になる (電流をON/OFFできる)材料 それを使って電子回路をつくる 電子回路→論理回路→コンピュータにつながる
  • 10. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ (おまけ)炙って見られる どこのご家庭にもある BBQ用バーナー(カセットボンベ式) 3分くらい炙る ※火事・ヤケドに注意 ICチップ(パッケージ入) チップが見えてきた! 炭化したパッケージを、 ピンセットなどで、崩していく (チップを割らないように注意)
  • 11. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ (おまけ) ネタをTwitterで晒していたら、本になりました
  • 12. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ (おまけ)半導体不足と半導体 ニセモノ半導体ビジネスの横行(治安の悪化) 入手しやすい半導体 への設計移行 まだ中国製マイコン は入手性がよい 実は性能もOKで、 これを機会に移行 ニセモノ (全く別の部品の リマーク品) ホンモノ
  • 13. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体→トランジスタ→論理回路 ref: http://imasaracmosanalog.blog111.fc2.com/category33-1.html A X A X 論理回路 電子回路 コンピュータ (CPU・メモリなど)
  • 14. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 最近の世界の半導体産業 まさに成長産業(日本だと景気悪い印象?) AIがIoTが後押し (WSTS (World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)の資料より)
  • 15. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータの歴史と半導体 (1946) 真空管: 18,000本 消費電力: 140kW サイズ: 30m×3m×1m 演算性能: 5,000加算/s (ENIAC:世界最初のコンピュータ) (2007) 最小加工寸法: 0.065μm(65nm) 素子数: ~50,000,000 消費電力: 100W~数mW サイズ: 10mm×10mm程度 演算性能: 10,000,000,000演算/s (1960)集積回路(IC)の発明
  • 16. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体(集積回路)の発明 US Patent No. 2 981 877 (R. Noyce) (1961) US Patent No. 2 138 743 (J. Kilby) (1959) 電子回路を半導体(ケイ素=シリコン)に作り込んだもの インテルの創業者(の一人)
  • 17. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体の進化の歴史:Mooreの法則 ref: http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm 傾き:×約1.5/年 年を追って、複雑・高機能な集積回路がつくられるようになった ※G.Moore (インテルの創業者の一人) G.Mooreが1965年に論文[1]で述べる→C.Meadが「法則」と命名→「予測」→「指針(目標)」へ G.E.Moore, "Cramming more components onto integrated circuits," IEEE Solid-State Circuit Newsletter, Vol.11, No.5, pp.33-35, 1965.
  • 18. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則のカラクリ:比例縮小 コンピュータの電子回路の最小単位 =MOSトランジスタ 電流のON(“1”)/OFF(“0”)を制御するスイッチ 集積回路の部品(MOSトランジスタ)を、同じ 形状で、より小さく作ると・・・? 寸法: 1/α 不純物濃度: α 電源電圧: 1/α p-Si S D G n-Si n-Si p-Si S D G n-Si n-Si L R.H.Dennard et al., "Design of ion-implanted MOSFET's with very small physical dimensions," IEEE J.of SSC, Vol.9, No.5, pp.256-268, 1974. MOSトランジスタの断面構造
  • 19. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体チップ上の回路は平面状 設計図 チップ写真
  • 20. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 比例縮小:同じ形状=機能のまま
  • 21. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 比例縮小の効果 効果:いいことばかり 速度↑(電子の移動=信号の伝搬距離が短くなる) 消費電力↓(電源電圧が下がる) 集積度(機能)↑(1つの素子が小さい=同一チップに多数) 技術が進むべき方向性が極めて明確なまれなケース p-Si S D G n-Si n-Si p-Si S D G n-Si n-Si L • 素子面積:1/α2 • 素子密度:α2 • 電流I:1/α (←電圧:1/α) • 容量C:1/α (←C=εS/d, S:1/α2, d:1/α) • 抵抗R:α (←R=ρL/S, S:1/α2, L:1/α) • 回路遅延:1/α (←E:一定, S-D間:1/α) • 消費電力:1/α2 (←V:1/α, I:1/α) • 配線遅延時間CR:1 (変わらない) ※MOSトランジスタを 上から見たところ (素子1個の専有面積) 物理的な詳細
  • 22. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 般若心経だと・・・ 1um 0.8um 0.5um 0.35um 18ヶ月 18ヶ月 18ヶ月 同じ用紙サイズなら文字数2倍 =機能2倍
  • 23. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 般若心経だと・・・(その2) 1um 18ヶ月 18ヶ月 0.5um 0.8um 同じ内容なら用紙サイズ1/2 =コスト1/2
  • 24. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ MOSトランジスタの微細化の歴史 微細化するほど メリットがある =がんばって微細化 そろそろ「原子」が 見えてきている 「お金がからむと 技術は進む」 L=20nm L=5nm 平本・日経新聞「経済教室」(2019/7/18) 日経BP Tech-On! 2009/03/30
  • 25. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータの歴史の2つの側面 DEC VAX(1976) 1MIPS Cray-1 (1978) 100MIPS MIPS:Million Instruction Per Second (1秒間に実行できる命令数) (世界最初のスーパーコンピュータ) 「世界トップの高速化」+「身近なものにも高速化の恩恵」の2つの側面がある 107MFLOPS 10MIPS 100MIPS 100MIPS 108MIPS 5×1011MFLOPS 106MFLOPS 100MIPS
  • 26. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータの「使い方」の変化 国に1台/会社に1台 個人で1台(PC) 一人で何台も 仕事・勉強の道具 国・会社のプロジェクト コミュニケーション ・遊びの道具 >1億円 10〜100万円 数万円 身の回りに無数 存在に 気づかない 〜100円 大昔のコンピュータ 一昔前のコンピュータ 今どきのコンピュータ コンピュータの利用場面(アプリケーション)が広がった
  • 27. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ イノベーションのトリクルダウン A. “bunnie” Huan, “Guerilla Production Tactics”より 30倍 3倍 45nmノード 14nmノード
  • 28. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則のもう一つの意義 機能単価の低下 = 製品価格の低下 機能単価=価格÷機能 (お買い得感とも言える) 微細化=機能↑ → 機能単価↓ 単なる「価格低下」だけではない 「スマホやPCが安く買えてサイフに優しい」 だけではない、質的な変化の可能性がある
  • 29. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ マイコン使用 部品点数=1 コスト:100円 発振回路(555) 部品点数=4 コスト:150円 「LED点滅(Lチカ)」のパラダイムシフト コスト面:マイコン○(「もったいなくない」) 機能面:マイコン○(多機能・仕様変更も容易) while(1){ a = 1; sleep(1); a = 0; sleep(1); } ※さすがにPCではちょっと・・・ Mooreの法則の結果、コンピュータが「部品」になった例 昔のLチカ 今どきのLチカ ※マイコン=Micro Controller(小さなコンピュータ)
  • 30. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータが「頭脳」から「部品」に 出典:ARM 機器の頭脳 関節ごとに小さい脳(神経節) コンピュータが、システムの「主役」から「構成要素(部品)」になった
  • 31. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータが部品になると 機器の制御がソフトウエアになる 柔軟性、可変性が高い ←→物理制御(サーモスタット、・・・) 物理制約を受けにくい(ボタン数等) ディスプレイ・タッチパネルが顕著 IoT化との親和性(スマホ連携、・・・) あとからアップデートしやすい
  • 32. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則のわかりやすい例 マイコン(ATmega328P/PB)の例 機能:ATmega328P < ATmega328PB(上位互換) 価格:ATmega328P > ATmega328PB(30%安価) 0.6umくらいだと、製造コストはほぼチップ面積 ATmega328P(1.2umルール?) ATmega328PB(0.6umルール?) 詳細:http://ifdl.jp/blog/?p=1197
  • 33. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 価格が起こしたパラダイムシフト シリアル制御フルカラーLED“NeoPixel” 電源+1本のシリアル制御線で複数制御 超安価 (~3円/pcs) 普通のLEDより安い LEDディスプレイなど大量に使われるようになった 制御チップは1umルール程度(かなり安い) Ref:https://news.nicovideo.jp/watch/nw4240213
  • 34. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「部品」としての半導体 「旧型の大量生産」 同じ製品を大量につくる 汎用Tr・汎用ロジック・汎用アナログ・メモリ・・・ 「新型の大量生産」 「均一な部品=汎用半導体」の 組み合わせで多品種 半導体の位置づけ それ自体が「旧型の大量生産」の対象 「新型の大量生産」による 「電子情報機器」生産のための部品・素材 ムーアの法則による性能の底上げ (P.ドラッカーによる定義) (P.ドラッカーによる定義)
  • 35. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「ムーアの法則による性能の底上げ」とは? ファミリーコンピューター(1983) CPU:専用IC(リコー製)・2MHz (3000Tr程度) 画面制御:専用IC(リコー製) クラシックミニ・ファミリーコンピューター(2016) CPU:汎用IC(Allwinner製)・1GHz程度 (2億Tr程度) 画面制御:なし Ref: https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/1612/20/news019.html 専用ICを使わなくても、十分に ファミコン機能を実現できる
  • 36. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 専用半導体のつくりかた 「○○専用チップ」 SoC (System on Chip) 要素回路を統合してワンチップとして製造 SiP (System in Package) 要素回路のチップを組み合わせて 1つのパッケージ(部品)に入れる ※SoCよりやや性能面で不利だが、 チップごとに最適化できる&汎用チップ化 B C A 最近の アツい D E A
  • 37. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 専用半導体の事情 半導体固有の事情:イニシャルコスト↑↑↑ 設計費、製造マスク費 SoCはイニシャルコスト↑↑↑ イニシャルコストの回収 大量生産 別製品への展開 (スマホ用→Android入り○○、など) (カーナビ、翻訳機、ロボット、・・・)
  • 38. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則の今後 微細化が進みすぎて、素子として動作しない+ 安定に製造できない 不安要因 製造ばらつき(設計通りの形状にならない) 不純物ばらつき(電気特性が設計通りにならない) トンネル効果(OFFにしたつもりが電子が通り抜ける) ref: https://slideplayer.com/slide/7843454/ Si原子(直径0.2nm) ×50
  • 39. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 最近のCPU(※イメージ) Intel Core i7 (2008) トランジスタ(素子)数~10億個 (設計では、これらを1つも間違いなく組み合わせる) cf: 地球の人口~70億人、中国の人口~13億人
  • 40. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータの中身が見えなくなる https://hardware.srad.jp/story/18/05/25/0450230/ https://security.srad.jp/story/18/05/08/0919252/ http://www.itmedia.co.jp/news/articles/ 1806/15/news079.html 設計が正しいか検証しきれない
  • 41. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ AI/IoT時代の半導体 半導体は重要部品なのは事実 Mooreの法則の(そのままの)延長は望めない 十分すぎる、使いこなしきれない機能がある 言い換えると、「スケール」できる機能は 伸びる余地がいくらでもある 回路2倍=性能2倍&それがほしい分野は? どう使うか?(これを探すのが重要) 「半導体を使う」という発想の転換 ソフトウエア→ハードウエア→半導体チップ
  • 42. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 最近の半導体業界の動向 「テカナリエ・レポート」を読むと、よくわかる スマホSoCのシェア・戦略 微細加工技術の採用・使い分け Fab(製造工場)の使い分け・戦略 プロセッサ・アーキテクチャの動向 (ARM←→RISC-V) ARM=ARM社のライセンス製品 (組み込みの業界標準、ソフトバンクが買収) RISC-V=オープンソース、ソフトウエアの「縛り」がない 分野で採用事例が急拡大中
  • 43. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術が「道具」になる意義と イノベーション
  • 44. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の進歩と独裁化 科学技術の進歩=社会水準の向上 科学技術の進歩=技術の高度化・複雑化 「製造者」と「利用者」の分離 製造者の「特権」: 原材料の入手(原油、電子部品、・・・) 工場・製造装置 販売チャンネル 利用者の「意識」 「ものは買う物」 大量生産・大量消費の時代が長く続いた
  • 45. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の民主化へ 技術を、市民の手に「取り戻す」流れ 大量生産→ロングテールへ 「技術の民主化」を可能にする技術革新 実はルネッサンス時代への回帰でもある
  • 46. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の「民主化」がもたらすもの (以前)プロのみ 音楽、映画、・・・ 我々は「消費者」 (現在)アマチュアでもコンテンツを 作ることができる DTM, Vocaloid, … YouTube, … 我々は「制作者」にもなれる (可能性・裾野が広がった) 宮下芳明「コンテンツは民主化をめざす ―表現のためのメディア技術」 (明治大学出版会, 2015)
  • 47. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の「民主化」がもたらすもの プログラミング (以前)PCもプログラミングツールも高価 「遊び」から始められない (現在)PCもプログラミングツールも安価orタダ 「遊び」などから始められる =敷居の低下=裾野の広がり
  • 48. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の「民主化」がもたらすもの 裾野が広がる=イノベータの多様化 「アツい思い」を具現化する 道具がある 多様性=イノベーションの土壌 小川進「ユーザーイノベーション: 消費者から始まるものづくりの未来」 (東洋経済新報社, 2013) (L.Fleming, Harvard Business Review, 8(9), pp.22-24 (2004))
  • 49. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術が「道具」になるとは 技術が「道具」になるステップ 開発/発明される お店で買えるようになる 使い方が知られるようになる みんなが使うようになる それが「道具」となって、次のステップへ プロのみ マニア(ハイレベルアマチュア)向け だれでも プロ(詳しい人)しか使えない アマ(詳しくない人)でも使える
  • 50. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 道具としてのマイコンボード 文具のように、いつのまにかなくなるので 常時ストック、という感覚
  • 51. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術が生まれて「道具」になるまで エリンギの例 1993年に日本へ 2003年ごろから一般化 ↑10年かかって「道具」に 料理番組、調理例・・・ 農林水産省「平成20年度 農林水産物貿易円滑化推進事業 台湾・香港・シンガポール・タイにおける品目別市場実態調査 (生鮮きのこ)報告書」(林野庁経営課特用林産対策室 )より
  • 52. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の道具化と社会課題解決 「おばあちゃんセンシング」 おばあちゃんが、自分の畑の状態を知りたい でもマイコン・クラウドを使えない おばあちゃんがマイコンを買って、サーバをたて て、自分でシステムつくれ・・・ねえよ →そういう世界になればいいのでは? 裾野が広がる=レベルが下がる? 結果として、専門家の「価値」も高まる(はず) CivicTechという形で、社会的に現れつつある?
  • 53. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ プロトタイピングの道具としてのマイコン・AI 近年の技術の進化で、こういうのを作るのが、だいぶ簡単になっている (ここ数年の小中学校でのプログラミング必修化も関係する) 高専生やエンジニアだけに作らせるのは、もったいない 物理現象(現実世界)を扱うコンピュータ(フィジカル・コンピューティング)
  • 54. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ デザイン思考の道具として 「M5Stackなどのマイコンは文系の学生さんで も使えるか」を実践してみた 「デザイン思考入門」(金沢大・教養科目60人) 「プロトタイピング論」(金沢大・教養科目) 「デザイン思考」(金沢大・融合学域:必修) 「SDGsハッカソン」 「デザイン工学」(金沢美大) プロトタイプで重要な 「言葉よりまずは形にする」を 自分たちでできる 資料はこちらから
  • 55. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 道具になる半導体
  • 56. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体は「道具」になっているか? 「ハード」=電子回路、プリント基板あたり 「集積回路(半導体チップ)」までは、なかなか どうしても「今あるもの・使えるもの」を使う カメラ、Kinect、マイコン、FPGA・・・ 新技術で、一気にパラダイムが変わることがある 「集積回路をつくれる」という道具 =「いまできること」という発想の縛りから開放 Depth画像 ※昔は「可能だが高価」 →Kinect後は「誰でも使える」 →ユーザインタフェース界の革命
  • 57. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体チップは「道具」か?:調査 https://www.youtube.com/watch?v=A188CYfuKQ0 http://www.nicovideo.jp/watch/sm23660093 CMOS 0.18um 5Al 2.5mm x 2.5mm RingOSC x 1001 T-FF (Div) (※LSI=集積回路のこと)
  • 58. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Lチカ動画:ニコ動でのコメント  こっから?  ニコ技界のTOKIO  ゲートの無駄遣い  ここから!!?  ひでえ、勿体ない使い方wwwww  マジかよ。レジストレベルの設計とか ガチすぎる。  無駄遣い過ぎるだろw  贅沢というかなんというか  え?まじでここからかよ」wwww」」  IC版FusionPCB的なところが現れれば・・・  (FPGAでは)いかんのか?  俺はFPGAで我慢することにする  いや、そこまでは必要ないです  量産品すらFPGA使う時代に専用LSI・・・  アマチュアはFPGAで良いんだよなぁ・・・w 「集積回路=すごいことをやるためのもの」という意識
  • 59. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則がもたらしたもの(2) LSI設計・製造コストの高騰 シャトル製造サービス〜$1k 製造初期コスト(マスク)〜$1M 設計ツール 〜$1M 秘密保持契約(NDA; Non Disclosure Agreement) : Priceless 製造工場 〜$1G cf:プリント基板製造($10~)、Arduino($10~) cf: 設計CAD&コンパイラ(IDE)(Free~) 「専用LSIつくってLチカ」ってもったいない&無駄遣いすぎる
  • 60. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ オレLSI:AI向けも AI/深層学習向けのプロセッサ 従来型の「ノイマン型コンピュータ」では苦手 いわゆるASIC(特定用途向けIC)だが、 少量多品種向け GoogleのTPU (Tensorflow Processing Unit)の例 ref: https://news.mynavi.jp/article/20170411-tpu/2
  • 61. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ オレLSI:IoT向けも IoTは、本質的に「少量多品種」 使う場面ごとに、必要な機能・性能が異なる 情報処理のやり方も多様(端末側?サーバ?) 環境発電(太陽電池、振動発電など)など、 超低消費電力が必要な場面も多い センサ プロセッサ 通信 記録 電源
  • 62. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体を「つくる」ためのハードル 設計CAD 市販の業務用CAD: 高すぎ、高機能すぎ 製造方法 高すぎ、時間かかりすぎ(1000万円・半年) NDA(設計ルールなどのアクセス制限)が厳しすぎ ユーザ・コミュニティ 参入障壁:現状は専門家ばかり “How”の専門家は多いが、”Why/What”は皆無 いずれも、なんとかなりそう?
  • 63. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ オレLSIをつくってみたい:実践 情報収集・整理 探せば、ないことはない 仲間さがし http://j.mp/make_lsi
  • 64. 2022/4/5 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Googleも似たことを最近はじめた 130nm(Pentium4世代) NDA不要、オープンソース 無料で試作できる(現在は) 「NDAで隠すこともない。 それよりユーザの裾野を 広げるべき」 RISC-V(オープンソースCPU)が ばんばん使われている