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Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
STM32F互換マイコン(自称を含む)を
軽く解析してみた
秋田純一
@akita11
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
STM32Fマイコンとは?
STmicro(意法半导体)のARMマイコン
Nucleoシリーズにも載っている
ピン互換でローエンドからハイエンドまで
幅広いラインアップ
最近はご多分にもれず品薄&ニセモノ流通
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
STM32F互換マイコンの世界
ARMマイコンで事実上の「業界標準」っぽく
なっている
「互換」マイコンが多数ある
単なるコピーではなく、性能向上版もある
Ref: 「互換チップが次々と生
まれる中国、半導体業界の
新たな潮流」
https://eetimes.itmedia.co.jp
/ee/articles/2001/28/news03
2_2.html
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「STM32F互換」といっても「正統」も
Keilコンパイラで選べる
機能は同等or上位
GigaDevice, Geehy, FMDなどなど
だいたい”○○32Fxxx”で、
xxxのところが共通=機能を表す
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
LCSC/SZLCSCにはいろいろある
型番のつけ方からして、「置き換え」を狙って
いる
堂々と「置き換えガイド」があるメーカもある
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
TaoBaoでも売っている
一応「置き換え用」と書いてある
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
こんなものある
メーカ名をあらわす冒頭の○○がない
「新品」と「テストOK品」がある(価格は1元違う)
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
チップをみてみましょうそうしましょう
あとはピンセット等で
パッケージを崩す
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
STM32F互換チップたち
STM32F030(2.4x2.3mm)
HK32F030(2.2x2.1mm)
CKS32F030(1.9x2.1mm)
AT32F421(1.7x1.7mm)
ST-LinkV2で書き込み時、
「純正じゃない」というエラー
→ただ、動作はOKそう
ST-LinkV2で書き込み時、
「純正じゃない」というエラー
→動作は?(PWMが出ない)
STM32F421互換?
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
無印(?)32F030(新品)
本物と同じダイっぽい
ただし新品かどうかは不明
STM32F030(2.4x2.3mm) 32F030(2.4x2.3mm) 32F030(2.4x2.3mm)
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
無印(?)32F030(テストOK品)
LCSCで買った
STM32F030
パッケージ刻印は
それっぽい
リユース品?
横流しダイのPKG品?
2022/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
まとめ
互換マイコンといってもいろいろ
「正規品」もある(Keil対応)
「ちゃんと使えそうな互換品」もある
流通経路があやしいものもある
リユース?全くのニセモノ?
さっきの無印(?)32F030は、買えなくなってた・・・

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