オープンデータ・オープンガバナンス
庄司昌彦 shoji@glocom.ac.jp
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授・主任研究員
(一社)オープン・ナレッジ・ジャパン 代表理事 1
歌川広重「東海道五十三次・掛川」を加工
どうすれば地域はうまく運営できるのか?
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- 情報社会学
- 電子行政
- オープンガバメント
- 社会イノベーション
- 地域情報化
地域資源を十分に活用し、
地域の課題を自分たちで
解決していく社会
• 国際大学GLOCOM 准教授・主任研究員
• 研究活動
• 東京大学 公共政策大学院 客員研究員
• 情報社会学会 運営委員
• 情報通信学会 研究企画委員 等
• 社会的活動:
• Open Knowledge Japan 代表理事
• インターネットユーザー協会 理事
• 公的活動:
• 内閣官房 オープンデータ伝道師
• 総務省 地域情報化アドバイザー/
ICT地域マネージャー(静岡県掛川市)
• 東京都
ICT先進都市・東京のあり方懇談会 構成員
公共データ活用分科会 座長
地域資源を十分に活用し、
自分たちで社会を作っていくには?
ヒト モノ・場所 カネ 情報
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人口減少・縮小社会でも枯渇しない!
閉じる・隠すことが権力や経済価値に
なるとは限らない。(→オープン化)
ヒト:地域SNS研究
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ウェブサイト(Blog)
http://www.local-
socio.net
「ニュース(2006年2月
開始)」や、「研究成
果」などを掲載
Facebookグループ
http://sns.local-
socio.net
運営者・開発者・研究者
等563名が参加
『地域SNS最前線-Web2.0
時代のまちおこし実践ガ
イド』
庄司昌彦・三浦伸也・
須子善彦・和崎宏 著
アスキー(2007年)
実社会とネット社会は
かなり重なりあってきている
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社会
ネット社会
• ネット特有/ネットが助長する現象もある(フィルターバブル・集団極性化等)
• もちろん、ネットでは得られないものもある。新たな検索語を手に入れよう。
「人のつながり」としてイメージされるもの
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3D Social Networking/StockMonkeys.com/CC BY 2.0
実際の姿の
「人のつながり」
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アルカイダのネットワーク
http://www.fmsasg.com/SocialNetworkAnalysis/So
cialNetworkAnalysis_Graph.gif
• 携帯電話で連絡する関係、
恋愛関係…
• 一部の人はたくさんの人
とつながり、大多数の人
はそうでもない。
• ネットワークには
「ハブ」がいて、
「かたまり」がある。
• インターネットで人間関
係を豊かにする人と、そ
うでない人との間で格差
が広がる可能性もある
情報:オープンデータ研究
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オープンナレッジ
http://okfn.jp/
政策提言・支援、
コミュニティ形成、
情報提供・創発、
国際交流
オープンデータ活用!
Facebookグループ
技術者、研究者、自治体
関係者等、約3000名が
参加
「特集:オープンデータ」
国際大学GLOCOM『智場』
(責任編集 庄司昌彦)
社会科学的な観点から
11人の論者が議論
モノ・場所
• シェアリングエコノミー
– シェアリングシティ研究
• 場所
– フューチャーセンター
– 掛川市市民総代会地区集会
• 各地区から役員などが集ま
り、地域が抱える課題など
について、市長・幹部職員
等と意見交換
• 意見や要望は、重要度・緊
急度に応じ翌年の施策や予
算編成に反映
• 市の考え方を『市長・区長
交流控帖(市民総代会の記
録)』としてまとめ配布
カネ
• 民間資本
– 地方豪族の研究
• 地域金融
– 掛川信用金庫:
• 日本最古の信用金庫。尊徳
の弟子、岡田良一郎が地域
振興のため1879年に設立し
た勧業資金積立組合が前身
– 寄付文化:
• 総額12億円中、個人が5億円、
市民が5億円を寄付し掛川城
の天守閣を再建
• 新幹線駅建築費総額110億円
中、市民寄付30億円。38000
世帯=1軒10万円
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報徳思想:経済と道徳の調和。至誠・勤労・分度・推譲。
エリノア・オストロム
共有資源のガバナンスに関する研究
• 「コモンズの悲劇」の解決には「国家による解決(管理)」か「市
場による解決(分配)」しかないとの議論に対し、豊富な事例分析
に基づき、第三の方法として共有資源に利害関係をもつ当事者が自
主的に適切なルールを取り決めて保全管理をするという自主統治の
可能性を提示
• 共有地の自治管理がうまく機能する条件
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平成24年版 図で見る環境・循環型社会・生物多様性白書 を参照
1. コモンズの境界が明らかであること
2. 利用と維持管理のルールが地域的条件と調和していること
3. 集団の決定に構成員が参加できること
4. ルール遵守についての監視がなされていること
5. 違反へのペナルティは段階を持ってなされること
6. 紛争解決のメカニズムが備わっていること
7. コモンズを組織する主体に権利が承認されていること
8. コモンズの組織が入れ子状になっていること
「茶草場のいくつかは、かつては草資源を得るための入会地であった」
農林水産省「世界農業遺産(GIAHS)の解説-認定申請の手引き-」
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行政: 地域が抱えている課題とデータを提示
市民: 課題を解決するためのアイデアを提示 連携して課題解決
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市民も変わる、行政も変わる!! オープンガバナンス
市民も変わる:地域の課題の解決に自分の問題として取り組む市民が増えていきます
学生も変わる:市民参加型社会を担う未来の市民に自らを磨く学生が増えていきます
行政も変わる:知識と経験を活かして市民参加型社会のプラットフォームとなります
オープンガバメント3原則
米国オバマ大統領:透明性とオープンデータに関する覚書(2009年)
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透明性 参加 協働
(情報通信技術/インターネット)
オープンガバメント・「大きな社会」へ
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行政
企業
社会
組織
企業
社会
組織
行政
透明性・参加・協働 米国 オバマ大統領 2009年 OpenGov覚書
プラットフォームとしての政府
Do It Ourselves
米国 ティム・オライリー 2009年
大きな社会 英国 キャメロン首相2009年 演説
行政
筆者作成
チャレンジ・オープンガバナンス!

インターナショナル・オープンデータ・デイin掛川 プレイベント