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ハッカソンを考える
オープンデータ活用に関するハッカソン等の実践経験を踏まえてまとめた参考資料です。
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ハッカソンを考える
1.
ハッカソンを考える 庄司昌彦 Masahiko SHOJI 1
2.
アイデアソン・ハッカソン • アイデアソン – 人々が集まりアプリ・サービス開発のアイデアを出し合い、 対話を通じてそれを具体的な形にまとめ上げるイベント –
マラソンを走りきるように「アイデアを出しきる」 – ハッカソンの中で行われることもあるが、ハッカソン前に 開催することや、オンラインで開催すること、あるいはア イデアソンのみを行うこともある – 多様な市民向けの導入的位置づけで行われることも多い • ハッカソン – プログラミング(ハック)を行い、1日あるいは2日間等の 限られた時間の中で試作品を「作りきる」イベント 2
3.
位置づけ 3
4.
参加民主主義的な観点 • 参加型デザイン Participatory
Design – 北欧 1960-70年代 – ユーザーがデザインのプロセスに参加 – 商品等が自分のニーズに合うかどうかを確認し、専 門家を手助けする 4
5.
参加民主主義的な観点 • デンマーク政府の 「参加型デザイン」 – 年金申請を完全オンライン・ セルフサービス化したい –
行政、エンジニア、専門家、 ユーザ(高齢者)が話合い、 その場でデザインを改善 – 2チーム(別テーマでさら に2チーム)が競い、会場 とオンライン参加者が投票 – 結果は後日サイト改善に反映 5 イノベーションキャンプ (デンマーク政府) 筆者撮影
6.
参加民主主義の拡大 • コ・デザイン Co-Design –
専門家の助けを借りながら、ユーザー自身が解決策 を見つけ、実装する – 「ともに考え、ともにつくる」(CodeforJapan) 6
7.
データや知識を社会で活かすサイクル 7 提供する 一元化・権利処理 読む・吟味する 対話と協働 リテラシー向上 使う 開発 解決、価値創出 仕組みにする 企業・市民活動育成 データを作る 活用を前提とした形式・内容 データ循環 社会 筆者作成
8.
ハッカソンで出来ていないこと • 時間 – 週末だけでできることは限られる –
マラソンというよりむしろスプリント(短距離走) • 社会に対して – 現実の社会課題を解決できていないのでは? – 市民・消費者向けの分かり易いものになりがち • 経済・ビジネスについて – 市場性のあるアプリを作れていないのでは? – アドホックなチームでは本気のビジネスを作りにくい 8
9.
ハッカソンの意義 • 啓発・学習 – 社会課題やデータ、ツール –
異なる立場の人との対話からの気付き – 仕事から離れて自由な発想で課題に向き合う機会 – イノベーションのヒントを見つける • 人間関係 – 後につながるネットワーキング 9 プロダクトよりもプロセスが重要 長期で捉える
10.
ハッカソンを成功させる 10
11.
多様な参加者 • エンジニア • 社会課題に詳しい人・課題意識のある人 •
デザイナー • アナリスト・ジャーナリスト • 事業モデルを考える人 11
12.
多様な役割 • アイディアを出す • コードを書く •
進行を管理する • 調べものをする • データを整形する • デザイン • 使う • 利用モデル・ビジネ スモデルを考える • 発表資料を作る • 記録を残す 12
13.
場・雰囲気 • 場を作る – 空間 •
備品、配置、色、音… – 茶菓 • 栄養ドリンク、おやつ 他 – 開発環境 • ネット環境、電源 • PC – サポート体制 • 検索チーム • 対話の重視 – 事前アイディアソン – 参加意識・満足度に影響 13
14.
「データお助けデスク」の設置 • 内容 – データ提供、検索・整 形・分析・可視化の相談 –
紙資料の閲覧・コピー – 相談結果の貼り出し • 体制 – 若手研究者3-4名+ 川崎市1-2名が常駐 – 3名はエンジニア参加へ 14 筆者撮影
15.
ハッカソンの流れ ハッカソンの流れ 1. チームづくり 2. ゴールの設定 3.
役割分担、段取り 4. 開発・アウトプット 5. 発表 出来上がるもの 1. アプリ、サービス、作品 2. プレゼン資料 3. データ 15
16.
ハッカソンの流れ • チェックイン – アイスブレイク –
非日常な雰囲気 • インプット – 課題設定 – 使えるデータ・ツール等 • アイディア出し – 自分で考える – 対話し考える(ワールドカフェ等) – 仲間を見つける • グループ形成 – この指とまれ形式 – オープンスペーステクノロジー • ワーク – 時間を区切る – 中間発表 – 偵察タイム • アウトプットとシェア – 発表フォーマット • 次のステップ – コンテスト応募などの目標設定 – 次のアクションの宣言 – 連絡グループの作成 • ML、Facebookグループ • 記録 – 成果物の可視化と把握 • ブログ、Googleドキュメント 等 • 参加者・登録データ等の数 – 記念 • 写真撮影など 16 時間割
17.
参加者としての楽しみ方 • 非日常の場を楽しむ – 自由な空間 –
対話を楽しむ/言ってみる – 没頭する • 学ぶ – 検索する – メモする – 表現する 17
18.
前後のプロセスを考える 18
19.
ハッカソン以外の方法 • ニュース作成 – データジャーナリズムキャンプ •
データ発掘・登録 – データ発掘キャンプ • エディットソン – Wikipediaタウン • アーカイブづくり – Historypin 写真を用いた世代間対話 • ユーザ参加による既存サービスの改善 – イノベーションキャンプ(デンマーク政府) 19
20.
前後のプロセスを考える • 社会課題設定 +インキュベーション – 英ODIはNESTA(科学・技術・芸術 基金)と2年で7課題に挑戦 –
予算:約1.9億円(含:運営費) – 課題設定、公開データ選定・ 評価、コンテスト、インキュ ベーション等の全体を設計 – 各段階が参加型 • ポスト・ハッカソン – 何度も改善 • 長期滞在型 – Code for America / XX • OGDチューリッヒの教訓 1. OGDには政治的支援が必要 2. OGD作成と活用は違う 3. OGDは放置してても回るプロ ジェクトではない 4. OGDはコミュニケーション、コ ミュニケーション、コミュニケー ション、コミュニケーション • Twitter、ニューズレター、ラ ウンドテーブル、リーフレッ ト 5. OGDの効果は数字に現れるも のだけではない 20
21.
G空間未来デザイン 21 6ヶ月間 大小7回のイベント のべ500人以上の参加者 9つのチーム・作品 G空間未来デザイン
22.
G空間未来デザイン 22 G-OURFUTURES(グループウェア) プレ・アイデアソン ハッカソン入門セミナー プレ・マーケソン G空間未来デザイン
23.
行政と連携して 地域で広げる 産官学で連携し、 地域で実証実験 するなど マーケソンの先にある3つの道 ビジネス化する ベンチャーキャピタ ル等の事業化支援や 自社事業化など 自主的活動により 展開する クラウドファン ディングで継続 するなど マーケソン • 想定利用者の意見を聞く • 実際の利用場面でテストを行う
24.
事例 24
25.
JCEJ×GLOCOM データジャーナリズム実践 データから社会問題を発見する(アイディアソン) • 概要 –
2012年7月28日@GLOCOM – 参加者:約40名 • プログラム – オープンデータについて • 庄司昌彦/国際大学GLOCOM – データジャーナリズムの最 先端 • 赤倉優蔵/ JCEJ • 成果 – Data Journalism Award への応 募を目指す8つのアイディア を提案 25 テーマ データから見るクラブとクラブ風営法 問題 原発補助金漬けの自治体は脱原発につ いていけるのか? 浪速の無灯火自転車をなくそう 東京都幸せ向上プロジェクト 電動アシスト自転車のデータ公開を! 復興予算は必要なところで 使われてい るか~復興予算の流れを見せる~ 知られざる保育所格差-貧困と子育て環 境の負のスパイラル- いじめをなくそう!Hack Against Ijime
26.
26筆者撮影
27.
JCEJ×GLOCOM データ発掘キャンプ テーマ:防災 • 概要 –
2012年9月1日13-17時@GLOCOM – 参加者:26名 • プログラム – クロストーク:防災とメディア -防災のために何を伝えるか – ワーク:防災に役立つデータを 発見する • 成果 – 20人が2時間集中的に発掘 – 39種類のデータを発掘しデータ ポータルCKANに登録 27 テーマ 発掘件 数 一家に一枚!枚避難経路マップ 6件 人の気持ちは冷める 10件 災害による帰宅困難者支援の ために 5件 台風をやり過ごすための防災 情報 6件 災害弱者を助けよう 12件 合計 39件 筆者撮影
28.
G空間未来デザイン データ観点からの振り返り 国際大学GLOCOM 28 筆者撮影
29.
オープンデータ利用に関する方針 • プロジェクト全体のねらい・方針 – 政府・国土交通省や川崎市、宮前区等のオープンデータを 住民参加型イベントで活用し地域課題を解決する –
(非エンジニアも含む多様な市民による、地域課題や住民ニー ズに基づいた議論を尊重) 29
30.
アイデアソンを受けた オープンデータへのニーズの整理 • 多様性と共通性 – 関心は広く、実現したいアイデアは多種多様 –
公園、坂、自転車、農業、高齢者、生涯学習・人材 等への関心はいくつかのグループに共通 • 参加者のニーズ 1. 行政が保有するデータ 2. 民間が保有するデータ 3. 存在しないデータ・作成する必要があるデータ 30
31.
ハッカソンでのデータ準備の考え方 1. 「データがあるから使い道を考えてください」という 「データ中心アプローチ」はとらない 2. 多様なテーマの実現を支援するために、 「使えそうなデータ」のカタログを整備する 3.
目的実現に向けオープン・デジタルにこだわらず用意 – オープン/非オープン、ファイル形式や提供者情報等を整理し提供 – ODの社会的位置づけや有用性を知り、考える機会を提供 31 • 非オープンのデータを利用する際に著作権等のルールを意識すること • デジタルデータ、オープンライセンスのデータの利便性 • 機械が扱いやすいshp形式ファイル提供が開発者には有意義であること • 民間企業保有データに地域の社会課題解決に資するものがあること • 社会課題解決に必要なデータには、行政には十分な形では存在せず、官民協力し て作成していく必要があるデータも存在すること
32.
ハッカソンでのデータ準備の振返り • G空間未来デザイン データカタログ –
1)川崎市オープンデータ、 – 2)「オープンデータリスト日本版141021」 – 3)東急電鉄データダッシュボード – 川崎市によるオープンデータ一元提供が役に立った – 町丁別の世帯数や人口、年齢別人口データが役に立った(他の データも町丁別の粒度で提供されるとさらに有益) – 「オープンデータリスト日本版141021」は、東大CSISと社会 基盤情報流通推進協議会がCC BYで提供。データ収集作業量が 大幅に削減 – 東急電鉄データダッシュボードは2014年3月作成のデータを更 新したところ、川崎市サイトの一部統計データのリンク切れが 判明(原因はデータが更新されるとURLが変わるため。URLは 固定が望ましい) 32
33.
ハッカソンでのデータ準備の振返り • みやまえ子育てガイドとことこ&おでかけマップ 位置データ –
活用する際に測地系を変換する必要が生じ、技術サポートを要 した(今後の地方自治体からのデータ提供のあり方についての 示唆) • 全体的な振返り – 地域の魅力向上や地域課題の解決に向けて、自由に使えるオー プンデータが十分に提供されているとはいえない – 利用者の技術力やリテラシーが十分とは限らない – 提供する形式や方法にも課題があることも判明 – しかし、オープンデータの活用で新しい知見を得られること、 社会課題解決に向けたアプリ開発等に役立てられることを、非 エンジニアの参加者も含めて広く理解することができたのは大 きな成果 33
34.
その他の成果と今後の課題 • データデスク – 参加者に有効活用され、データを意識してもらう仕掛けになった –
市職員の人と合同デスクにしたことで幅広く質問に答えられた – さらなる進化には、各グループへのメンター的参加、地理空間情報等 に関する技術的専門性、活用事例に関する知識が必要ではないか • データ使用状況の詳細把握は難しい – アンケートで把握したが、発表の中で明示してもらってもよかった – マーケソンへのデータニーズを把握し支援することができたのでは • 「データソン(検討、検索、作成の時間) 」の可能性 – 参加者がさらに「データ」を意識し、より高度な利用をする機会に 34
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