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間質性肺炎(急性期)について
島根大学 病院医学教育センター
センター長/准教授
長尾大志
この症例、間質性肺炎かな?
急性期
• 急速に進行する呼吸困難、低酸素血症があって、
• 胸部X線写真、CTで両側びまん性に濃度上昇を認めて、
• 利尿薬、抗菌薬などの治療に反応しない。
鑑別すべき疾患たち
• ARDS
• 肺水腫
• 感染症
• 肺胞出血
• 好酸球性肺炎
• 間質性肺炎
除外の方法
• ARDS ーー 原因があるか
• 肺水腫 ーー 心機能評価
• 感染症 ーー コロナ、G染、患者背景(PcP)
• 肺胞出血 原因は?
• 好酸球性肺炎 BALがほしいが…
• 間質性肺炎 血性洗浄液
好酸球増多
リンパ球増多
ARDSの原因
• 感染症・敗血症
• 有毒ガス・薬剤
• 溺水
• 誤嚥
• 熱傷・多発外傷
• 脂肪塞栓症候群
• 肺挫傷
心不全の評価
• 既往歴(メタボ・心疾患・AF…)
• 心音でⅢ音やⅣ音、心雑音などを聴取
• 呼吸音でcracklesやwheezesを聴取
• 頸静脈圧上昇
• 下腿浮腫
• 心拡大所見
• BNP・エコー
肺胞出血
血痰、喀血+びまん性陰影があれば…
原因(疾患)探し
• 血管炎
病歴を詰める、ANCA
• 薬剤(抗凝固薬系)
とにかく病歴
血管炎を疑う病歴
• 間質性肺炎ないし肺胞出血、腎障害はじめ全身臓器に炎症、
MPO-ANCA陽性
⇒ 顕微鏡的多発血管炎
(microscopic polyangiitis:MPA)
• 頑固な上気道(耳、眼、鼻、咽喉頭)の炎症に引き続いての
発熱、喀血や肺の結節の後腎障害、PR3-ANCA陽性
⇒ 多発血管炎性肉芽腫症
(granulomatosis with polyangiitis:GPA)
薬剤性の診断手順
• 原因となる薬剤の摂取歴がある
• 薬剤に起因する臨床病型の報告がある
• 他の原因疾患が否定される
• 薬剤の中止により病態が改善する
• 再投与により増悪する
日本呼吸器学会 薬剤性肺障害の診断・治療の手引き 第2版 作成委員会 薬剤性肺障害の診断・治療の手引き 第2版 2018.メディカルレビュー社.2018.
薬剤性の診断手順・実際
• とにもかくにも病歴から、薬剤による間質性肺炎(肺障害)
ではないかと疑う。
• 被疑薬を中止。
• 症状があればステロイド投与。低酸素が強い場合や、重症化
することが予想される被疑薬であれば大量投与、症状が強く
なければ中等量の投与を。
• 可能であればDLST施行し診断を確定する努力をする。
• 経過を確認する。
治療法
• ARDS ーー 原因治療+ステロイド
• 肺水腫 ーー 心臓の治療
• 感染症 ーー 感染治療
• 肺胞出血 原因は?
• 好酸球性肺炎 ステロイド…
• 間質性肺炎
急性のびまん性陰影症例
• ARDS、心不全、肺胞出血、薬剤性を病歴より鑑別する。
• 出来れば気管支鏡、肺胞洗浄を行う。
施行出来ない場合、喀痰グラム染色や血液、尿の培養、尿中抗原、
PCT、β-D-グルカンなど感染症マーカーを出来るだけ採る。
• ステロイド投与。

間質性肺炎(急性期)について【ADVANCED】