経営分析論Ⅰ⑬
貸借対照表と損益計算書による資本運用効率の分析

ケーススタディ②:小売業の比較
• 小売業の営業循環は「仕入 → マークアップ → 販売」である。

→ 利益を最大化するには?
小売業における資本運用効率とは?
① いかにマークアップする利益を大きくするか
1. 高値をつけても売れるような営業力,高い付加価値の創出
2. 同水準の販売価格を維持しながらコストを削減する
② 営業循環の回数を増やす
利益の獲得回数が増える=回転数が高ければマークアップが

低くても利益を上げることができる。
☞ 薄利多売型の経営スタイルを選択する。
→ 棚卸資産へ投下した資金をいかに効率的に活用して売上を

  上げるか
☞ 売上高利益率が高くなる。
☞ 回転率が高くなる。
• 小売業の代表的な業態である百貨店,スーパー,コンビニを上記3つの

モデルに当てはめるとどのようになるだろうか?

その度合いに応じて⃝・△・✕ に区分してみよう。
小売業における資本運用効率とは?
百貨店
スーパー

(GMS)
コンビニ
付加価値
コスト削減
営業循環
⃝
△ ⃝
⃝
⃝
✕
△✕
△
小売業の3業態と他の産業の財務比較をしてみる
• レジュメp.2の財務諸表をもとに,空白の各指標の計算をしよう。

その結果をもとに,小売業3業態の特徴を比較してみよう。
ローソン イズミ 三越伊勢丹 サイゼリヤ トヨタ自動車 三井造船
流動比率 73.47% 59.31% 64.55% 190.94% 104.58% 110.79%
固定比率 172.97% 246.70% 156.61% 81.48% 115.01% 153.22%
自己資本比率 40.39% 33.85% 38.15% 77.36% 36.1% 31.96%
売上総利益率 67.38% 25.22% 2.81% 67.54% 15.00% 12.59%
売上高営業利益率 12.90% 4.70% 1.92% 11.57% 1.91% 5.49%
有形固定資産回転率 2.605 1.919 1.69 3.265 2.980 2.638
棚卸資産回転率 59.314 24.611 22.121 25.268 11.455 12.594
棚卸資産回転期間(日) 6.154 14.831 16.5 14.445 31.863 28.982
総資本回転率 0.901 1.393 1.01 1.323 0.606 0.872
ローソン :粗利益率,営業利益率とも高い。資産回転率も最も高い。
イズミ  :粗利益率,営業利益率とも中程度。資産回転率は百貨店に近い。
三越伊勢丹:粗利益率,営業利益率とも低い。資産回転率は最も低い。
小売業の3業態と他の産業の財務比較をしてみる
• レジュメp.2の財務諸表をもとに,空白の各指標の計算をしよう。

その結果をもとに,小売業3業態の特徴を比較してみよう。
特 徴
百貨店
スーパー

(GMS)
コンビニ
利益率が最低。有形固定資産回転率・棚卸資産回転率が最も低い。
→ 収益力が低く,在庫が滞留しやすい。資産効率も高くない。
粗利益率,営業利益率ともに中程度。有形固定資産回転率・

棚卸資産回転率は百貨店とほぼ変わらない。
→ 仕入価格へのマークアップで利益を確保。
利益率は非常に高い。有形固定資産回転率は高くないが,棚卸資産

回転率が最も高い。回転期間では6日間。
→ マークアップ,営業循環スピードが早い最も優れたモデル

2015経営分析論ⅰ⑬ppt