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熱傷
パート2:入院管理
森江祥平
入院管理が必要な症例
Artzの基準
中等症 一般病院で入院加療を要する
• II度熱傷 15〜30% TBSA、Ⅲ度熱傷≦10%TBSA
※小児:II度熱傷≧10%
重症熱傷 三次救急医療機関での治療を要する
• II度熱傷≧30%TBSA、Ⅲ度熱傷≧10% TBSA
• 気道熱傷が疑われるもの、顔面や手や足のⅢ度熱傷、電撃傷、軟部組織
の損傷や骨折の合併
Artz CP: The treatment of Burns, 2nd ed., WB Saunders,
Philadelphia,1969.
TBSA:total body surface area
重症熱傷で生じる反応
• 急性期:受傷より48時間以内
ー細胞外液が急速に失われ、脱水による循環血漿量減少性
ショックが生じる
• 亜急性期:受傷より48時間以降
ー皮膚バリア脆弱性による細菌感染、敗血症
ー多臓器不全
全身状態の安定化+感染のコントロールが重要
清水敬樹著:ICU実践ハンドブック 改訂版 2019年.羊土社
熱傷指数( BI:Burn Index)
熱傷予後指数(PBI:prognostic burn index)
• Burn Index=1/2×II度熱傷面積+Ⅲ度熱傷面積
10〜15以上を重症とする
• PBI=Burn Index+年齢
日本でよく使用される指標
≧120 致命的
100〜120 救命率20%程度
80〜100 救命率50%程度
≦80 重篤な合併症、基礎疾患なければ救命可能
気道の評価・管理
• 気管熱傷がないかを探る
• 身体所見
顔面熱傷
鼻毛や前髪のこげつき、嗄声、痰にすすが混じる
• 気管支鏡や喉頭ファイバーで声門の浮腫や発赤・すすの付着を
確認
• 気管内挿管を準備
呼吸の評価・管理
• CO中毒がないかな?
ーサチュレーションではわからない
ー血液ガスでCO Hbを確認
• 胸郭の動きは大丈夫かな?
ー胸郭に広範囲Ⅲ度熱傷ある場合、蛋白変性により伸展性を失
い換気ができなくなる 減張切開が必要
循環の管理
• 初期輸液を受傷後2時間以内に開始する
• 等張液が推奨される(乳酸リンゲル液など)
1歳以下or10kg以下では低血糖予防にブドウ糖追加
• 尿バルン留置し尿量を測定する
日本熱傷学会:熱傷診療ガイドライン 改訂第2版
循環の管理
• Baxterの公式=4ml×体重(kg)×熱傷面積(%TBSA)
ー受傷後24時間の輸液量とし
最初の8時間で半分、残りの16時間でもう半分を投与する
ー尿量>0.5ml/kg/hr(小児では1.0ml/kg/hr)が目標
ー過剰な輸液でARDSや肺水腫が起こるため注意
日本熱傷学会:熱傷診療ガイドライン 改訂第2版
日本救急医学会にて2ml vs 4mlのRCT施行中
• Refilling期(亜急性期)では輸液を抑える
ー負荷した輸液が血管内に戻ってくる。肺水腫を招く
感染予防
• 破傷風予防
• 壊死組織の除去、早期閉創
ー広範囲熱傷(30%TBSA以上)に対しては早期(2週間以内)に
行うことが推奨される
• 予防的抗菌薬全身投与は推奨されない
ー汚染創の周術期や併存疾患がある場合は考慮してもよい
日本熱傷学会:熱傷診療ガイドライン 改訂第2版
❶ 入院加療が必要な熱傷を判別する
❷ 全身状態の安定化と感染のコントロールが重要
パート2
まとめ
• 気道熱傷を見逃さない
• 初期輸液が行える

熱傷 パート2 入院管理