日本教育経営学会での妹尾昌俊プレゼン資料です。日本型学校教育について考えるセッションです。大風呂敷なテーマで論じ切れていない点も多々あろうかと思います。プレゼン資料だけではわかりづらいかもしれませんが、ご意見、ご感想、お待ちします。

1. 日本教育経営学会（第59回） 自由研究発表
「日本型学校教育」の功罪
欲ばりな学校像を見直すことは可能か
2019年6月9日
妹尾 昌俊
教育研究家、学校マネジメントコンサルタント
文部科学省 学校業務改善アドバイザー
中教審「学校における働き方改革特別部会」委員
NPO法人まちと学校のみらい 理事
senoom879@gmail.com
http://senoom.hateblo.jp

2. 自己紹介に代えて・・・本を書くのはかなり好きです！
1
ぼくの原点。
元気な学校は何が
ちがうのか。
ビジョンは思った以上に
浸透していない。
学校の戦略づくりとコミュ
ニケーションを考える。
多忙の実態を豊富なデ
ータで解説。
働き方改革の基本方針
と具体策を提案。
ケースメソッド方式で
モチベーションや業務改
善について、とても具体
的に考えられる一冊。
共著。数多くの事例を
研究者や実務家が解説

3. 今月２冊でます！ Coming soon!
2
中教審働き方改革答申とその前後の最新動向に
ついて、かみ砕いて紹介。
典型的なマズイ事例に陥らないために、どうするか、
５大原則を演習問題付きで解説。
6月12日発売予定
学校をおもしろくする
思考法
～卓越した企業の
失敗と成功に学ぶ～
企業や行政、イノベーター
たちの失敗と成功から、学
校や教育行政は何を学べ
るか。
プリンシパル連載記事
「企業で学ぶ学校マネジメ
ント」を大幅加筆。
6月発売予定

4. 金の卵を産むガチョウ
ある日、農夫は飼っているガチョウが黄金の卵を産んでいる
のを見つけました。はじめは信じられないことでしたが、それ
からもガチョウは毎日黄金の卵を産みました。この農夫は大
金持ちになりました。まるで夢のようでした。
しかし、そのうち欲が出て、農夫は1日1個しか卵を産まない
ガチョウに物足りなさを感じ、きっとガチョウの腹の中には金
塊が詰まっているに違いないと考えるようになりました。そこ
で腹をさいてみたのですが、空っぽ。しかもガチョウまで死な
せてしまったのだから、もう二度と卵を手に入れることはでき
なくなってしまいました。
3
似たことが日本の学校で起きていないか？

5. 【金の卵？】 ペーパーテストでの学力は世界でもトップクラスを続けてきた。
OECDレポートなどでも日本の教育は高い評価を受けている。
OECD生徒の学習到達度調査（PISA2015） 日本の高校１年生の平均点
 科学的リテラシーでOECD１位（調査参加の72か国でも2位）、数学的リテラシーでOECD1位（72か国
中5位）、読解力でOECD６位（72か国中8位）。
 日本より上位の国は、科学的リテラシーではシンガポール、
数学的リテラシーではシンガポール、香港、マカオ、台湾、
読解力ではシンガポール、香港、カナダ、フィンランド等で、いずれも人口規模は小さいところばかり。
国際数学・理科教育動向調査（TIMSS）、数学（算数）と理科の学力（小4、中2）も高得点を維持
4
TIMSSにおける日本の平均得点の推移 ※文部科学省「国際数学・理科教育動向調査（TIMSS2015）のポイント
」

6. 【金の卵？】 問題行動も激減。
1980年代と比べ刑法犯少年や触法少年は約1/5以下に。
5
出所）平成30年度子供・若者白書
刑法犯少年等の検挙・補導人員の推移

7. 暴走族は今や、レアキャラ？
6
出所）平成30年度子供・若者白書
警察が把握した暴走族の人員数の推移

8. ただし、校内暴力は、近年、小学校で増えている。
7
出所）文部科学省「平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」

9. 「日本型学校教育」を中教審・文科省は肯定的に評価しているが、
今後の持続可能性については疑問視している。
我が国の教師は，学習指導のみならず，生徒指導等の面でも主要な役
割を担い，様々な場面を通じて，児童生徒の状況を総合的に把握して指
導を行っている。このような児童生徒の「全人格的」な完成を目指す教育
を実施する「日本型学校教育」の取組は，国際的に見ても高く評価されて
いる。
「日本型学校教育」を展開する中で，我が国の学校教育の高い成果が，
教員勤務実態調査に示されている教師の長時間にわたる献身的な取組
の結果によるものであるならば，持続可能であるとは言えない。
中教審「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改
革に関する総合的な方策について」答申
8

10. 産業別1週間の労働時間の分布
他業界と比べても、学校の過労死ライン超えの多さは異常。
しかも、休憩が取れないノンストップ過密労働（→労基法違反）。
9
小中学校以外は「労働力調査（2016年度）」、小中学校は「教員勤務実態調査（2016年実施）」をもとに作成。
※小中学校については、平均的な自宅残業も含んだ推計値。
※労働力調査のデータのうち、週35時間以上勤務の人のみを集計対象とした。
週６０時間（≒過労死ライン）
以上働いている割合
週８０時間（≒月残業160時間）
以上働いている割合
建設業
製造業
情報通信業
飲食店
医療業
国家公務
小学校教諭
中学校教諭
１３．１％
８．３％
１０．２％
２８．４％
７．５％
８．７％
５７．８％
７４．１％
１．５％
０．７％
１．２％
５．２％
１．２％
２．２％
２．７％
１５．８％

11. 「日本型学校教育」を守るのが本当によいのか、めざす学校像から
中教審は議論するべきだった、との批判、疑問もある（※１）。
また、原則として「同じ学齢期の子どもが、同じ内容を、同じ進度で、同
じ空間で」学ぶという前提について、最近では疑問視する見解や代替案
となる実践を試みる動きも見られる（※２）。
※１ 氏岡真弓氏（朝日新聞）の指摘。『教職研修』2019年4月号。
※２ 苫野一徳（2019）『「学校」をつくり直す』や軽井沢風越学園の設立準備、福山市の公立学校
でのイエナプラン導入の動きなど。
10

12. どこのレイヤー（レベル）でも、
ビルド＆ビルドだったのでは？
11
① 国や教育員会の政策方針
② 各学校単位でのビジョン、あるいは
学校が果たす役割・機能についての共通認識
③ 各教師の意識・価値観や働き方
 学習指導要領
 教育振興基本計画
 ○○県教育大綱、
教育振興計画 等
 学校経営計画
 教育課程、年間指導計画
 教職員や保護者等で合意されて
いる学校の役割、業務 等
 教育観、指導観、使命感
 やりがいに感じていること
 仕事の仕方、時間感覚 等
子どもたちの
ために！
あれもこれも！

13. ① 国や教委の政策方針
平成の学習指導要領の変遷
⇒ 小学校では、平成の終わりに、平成のはじめと同じ時数に戻る。
12
1989（H元）年改訂
小：92実施
中：93実施
高：94年実施
1998（H10）改訂（高99年）
小・中：02年実施
高：03年実施
2008（H20）改訂（高09年）
小：11年実施
中：12年実施
高：13年実施
2017（H29）改訂（高18年）
小：20年実施
中：21年実施
高：22年実施
新しい学力観
 小：生活科の新設
 中：選択履修の拡大
 高：家庭科の男女共
修
小１：850
小２：910
小３：980
小４～６：1,015
中１～３：1,050
改訂年
実施年
キー
ワード
主な内容
年間標準
授業時数
ゆとりと生きる力 確かな学力
主体的・対話的で
深い学び
 完全学校週５日制
 教育内容の厳選
（約３割減）
 総合的な学習の時間
の創設
 高：情報科の新設
 授業時数の増加
 小：高学年で外国語
活動
 総合的な学習の時間
の縮減
 道徳教育の重視
 アクティブ・ラーニング
 カリキュラム・マネジメ
ント
 小：外国語科の新設
 高：科目の新設・再編
 道徳の教科化
小１：782
小２：840
小３：910
小４～６：945
中１～３：980
小１：850
小２：910
小３：945
小４～６：980
中１～３：1,015
小１：850
小２：910
小３：980
小４～６：1,015
中１～３：1,015
出所）各学習指導要領、小針誠（2018）『アクティブラーニング』をもとに筆者作成
妹尾昌俊「『欲ばり』な学校教育を続けるのか 平成の教育史を振り返る」Yahoo!記事

14. ① 国や教委の政策方針
新学習指導要領は「学びの地図」とかって、中教審・文科省は言うけれど、
地図にしては、分厚すぎるよ。。。
ちなみに、小学校の学習指導要領（平成29年告示）が何ページあるか、ご存じですか。
335ページです！誰がこれほどの分量を読みこなせると言うのでしょうか。
文科省の担当と教科書会社くらいではないですか（苦笑）。
しかも、指導要領だけでは抽象的な言い回しだったり、具体例が少なかったりするので、
指導要領の解説を読まないといけません。解説も含めるともっと膨大な量になります。
（えーと、算数だけで400ページの大著！）
もちろん、担当学年のところを中心に読めばいい話ではあるのですが、それでも働き方
改革に逆行した話です。
一事が万事この調子で、文科省は小学校教師に何をどこまで期待しているのか、
甚だギモンです。
妹尾昌俊（2019） 『こうすれば、学校は変わる! 「忙しいのは当たり前」への挑戦』
13

15. ① 国や教委の政策方針
英語が増える前の現指導要領下でも、小学校教諭はパンパンに授業が
入っており、空きコマがほとんどない。
14
注）いずれも0コマ、無回答を除いた割合
出所）文部科学省「教員勤務実態調査」（2016年実施）
小中学校教諭の1週間の持ち授業数
※なお、高校については恵まれています。国の学校教員統計調査（2016年度）によると、公立高
校の場合、週20コマ未満の教師は86.1％を占めますし、授業をもつ教師の平均コマ数は週に
15.4です。

16. ① 国や教委の政策方針 ＆ ② 各学校単位でのビジョン
あふれる“○○教育”、“なんとか力”のなか、肥大化する学校の役割
ある校長が「○○教育」と呼ばれるものを数えたところ200近くもあったという話を聞いた
こともあります。教育ジャーナリストの渡辺敦司さんは「100を超えているのは確実」と述
べています（※１）。
また、牧野篤東京大学大学院教授は、学校は教育機関というよりは「福祉機関」になり
つつあると述べています（※２）。家庭の貧困などを受けて、学校では、教育や授業以前
の問題が大きくなっているというのです。
広島県では小学校１校をモデル校にして、希望するすべての児童に朝食を無償で提供
する事業を始めました（NHKニュース2018年11月14日）。
※１ 渡辺敦司「『○○教育』も大丈夫!? 次期指導要領、教科のつながり重視」ベネッセ教育情報
サイト（2016年7月15日）https://benesse.jp/kyouiku/201607/20160715-2.html
※２ まちと学校のみらいフォーラム2016（2016年10月29日）での講演
15

17. ① 国や教委の政策方針 ＆ ② 各学校単位でのビジョン
あふれる“○○教育”、“なんとか力”のなか、肥大化する学校の役割
資質・能力の３つの柱のひとつである、
学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養
主体的に学習に取り組む態度も含めた学びに向かう力や、自己の感情や行動を統制
する能力、自らの思考の過程等を客観的に捉える力など、いわゆる「メタ認知」に関す
るもの。
多様性を尊重する態度と互いのよさを生かして協働する力、持続可能な社会づくりに
向けた態度、リーダーシップやチームワーク、感性、優しさや思いやりなど、人間性等
に関するもの。
出所）中教審「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善
及び必要な方策等について」答申
16
なんでも入ってくる？

18. ② 各学校単位でのビジョン ＆ ③ 各教師の働き方
昔に比べて、忙しくなったのは、
事務作業や保護者対応のせいではない。
 1950～60年代ならびに2000年代後半以降（2006年～2012年）に国や都道府県、
教職員組合が公立小中学校教諭を対象に実施した14の労働時間調査を分析した
神林寿幸氏の研究。
 そこでは週の労働時間を４つに分類している。
①教育活動時間
②授業準備・成績処理時間、
③庶務時間（事務処理、会議、研修、校務分掌等）、
④外部対応時間（保護者や地域、業者との対応等）。
 主な知見
・1950～60年代と比べて2000年代後半以降のほうが、小中学校教諭の労働時間（①～④の合計）は長い。
・①教育活動時間については、小・中学校ともに、2000年代後半以降のほうが長い。①には正規の教育課程
上の時間（特別活動や道徳を含む）と課外活動があるが、前者に大きな差はないので、後者の増加が影響
していると推測される。ここでいう課外活動には、放課後の補習や部活動指導、給食、清掃指導、教育相談、
進路相談などが含まれる。
・②授業準備・成績処理時間について、小学校教諭では1950～60年代と2000年代後半以降に有意な差はな
い。中学校教諭については2000年代後半以降のほうが短い。
・③庶務時間について、小学校教諭では有意な差はない。中学校教諭では2000年代後半のほうが短い。
・④外部対応時間について、小・中学校ともに有意な差はない。
17

19. ② 各学校単位でのビジョン ＆ ③ 各教師の働き方
多忙の内訳を見よ：何に時間を使っているのか？
18
小学校教諭の平日１日
従事時間
（分）
比重
従事時間
（分）
比重
時間差
（分）
授業 268 36.5% 264 42.3% 4
授業準備 99 13.5% 66 10.6% 33
学習指導（補習・個別指導等） 16 2.2% 14 2.2% 2
朝の業務 37 5.0% 35 5.6% 2
成績処理、試験の作成・採点、提出物確認等 41 5.6% 29 4.6% 12
学校行事、生徒会・児童会 38 5.2% 24 3.8% 14
給食、掃除、登下校、休み時間等の指導 65 8.8% 58 9.3% 7
個別の生徒指導、進路指導、カウンセリング 5 0.7% 5 0.8% 0
部活動・クラブ活動 9 1.2% 5 0.8% 4
学年・学級経営（学活、連絡帳、学級通信等） 29 3.9% 21 3.4% 8
学校経営、校務分掌業務等 26 3.5% 20 3.2% 6
会議、打ち合わせ 34 4.6% 26 4.2% 8
事務 20 2.7% 15 2.4% 5
研修 27 3.7% 26 4.2% 1
保護者・地域対応 9 1.2% 6 1.0% 3
その他 12 1.6% 10 1.6% 2
合計 735 100.0% 624 100.0% 111
出所）中央教育審議会の事務局資料（2017年10月20日）を加工・編集のうえ作成
週60時間以上 週60時間未満

20. 19
中学校教諭の平日１日
従事時間
（分）
比重
従事時間
（分）
比重
時間差
（分）
授業 207 28.4% 205 33.4% 2
授業準備 93 12.8% 78 12.7% 15
学習指導（補習・個別指導等） 10 1.4% 9 1.5% 1
朝の業務 37 5.1% 36 5.9% 1
成績処理、試験の作成・採点、提出物確認等 43 5.9% 32 5.2% 11
学校行事、生徒会・児童会 40 5.5% 24 3.9% 16
給食、掃除、登下校、休み時間等の指導 65 8.9% 58 9.4% 7
個別の生徒指導、進路指導、ｶｳﾝｾﾘﾝｸﾞ 20 2.7% 15 2.4% 5
部活動・クラブ活動 51 7.0% 27 4.4% 24
学年・学級経営（学活、連絡帳、学級通信等） 43 5.9% 30 4.9% 13
学校経営、校務分掌業務等 23 3.2% 19 3.1% 4
会議、打ち合わせ 35 4.8% 30 4.9% 5
事務 21 2.9% 16 2.6% 5
研修 17 2.3% 17 2.8% 0
保護者・地域対応 12 1.6% 7 1.1% 5
その他 11 1.5% 11 1.8% 0
合計 728 100.0% 614 100.0% 114
出所）中央教育審議会の事務局資料（2017年10月20日）を加工・編集のうえ作成
週60時間以上 週60時間未満
多忙の内訳を見よ：何に時間を使っているのか？

21. 「教育の質の改善のために労力を惜しみなくかけ
る」という問いに「あてはまる」、「ややあてはまる」
と回答した人（N=207）の１日の平均在校時間は
11時間54分、
「どちらともいえない」、「ややあてはまらない」、「あ
てはまらない」と回答した人（N=302）のそれは
11時間25分で、29分の差があった。
20

22. 文科省や教育委員会は、学校の多忙を改善して、
教師が「子どもと向き合う時間」を確保しようと、
これまで呼びかけてきました。
しかし、現実には、生徒指導や部活指導などで
「子どもと向き合ってきた」結果、多忙になり、
かつ長時間労働が解消されてにくくなっているのです。
ぼくは、「子どもと向き合う時間の確保のために、働き方改革をする」という理念は、半分
合っていますが、半分まちがっていると思います、という話をします。「子どもと向き合う
時間の確保」と言っているかぎり、多忙は解消されません。
むしろ、「自分と向き合う時間」（自分の好きなことをする時間や自己研鑽などで幅を広
げる時間等）をもっとつくるため に、働き方改革を進める必要があります。
妹尾昌俊（2019） 『こうすれば、学校は変わる! 「忙しいのは当たり前」への挑戦』
21

23. これまで教育学者はなにをしてきたか？ビルド＆ビルドに加担？
一部に動きはあるが、給特法の見直しを訴えるにとどまる？
22

24. ① 国や教委の政策方針 ＆ ② 各学校単位でのビジョン ＆ ③ 各教師の働き方
中教審・働き方改革答申でやっと、“引き算”の発想。
だが、登下校の見守りでさえ、すぐには減らしづらい現実がある。
23

25. ① 国や教委の政策方針 ＆ ② 各学校単位でのビジョン ＆各教師の働き方
＜具体例＞ 掃除の時間、清掃“指導”はなんのため？ 諸説あり。
24
写真素材：AC
マナーである？
しつけである？
掃除の技術を習得する学習であ
る？
心を磨く時間である？
修行である？
防災訓練の一環である？
雇用を奪っている？
児童労働である？
ボランティアである？

26. ① 国や教委の政策方針 ＆ ② 各学校単位でのビジョン
多機能、曖昧型の欲ばりな学校のままでいいのだろうか？
25
出所）国立教育政策研究所「学校組織全体の総合力を高める教職員配置とマネジメントに関する調査研究報告書」

27. （参考）フランスの中高の教師は、生徒指導や進路指導は担当しない。
⇒ チーム学校や働き方改革と言うなら、こうした施策も検討するべきでは？
 生徒指導専門員
 教員と同等の学歴要件（修士号取得）で採用される国家公務員として中学校・高校に配置。
そのため、フランスの中・高の教員には生徒指導に係る職務はない。
 生徒指導専門員の具体的な仕事は、欠席生徒への連絡、体験活動の運営・準備、給食・昼食時間の
指導、休み時間の指導、避難訓練、学校安全指導、健康・保健指導、問題行動を起こした生徒への指
導、生徒会の指導、校内巡視、安全点検、保護者対応、家庭訪問、地域行事への協力。
 採用倍率は高く、希望者は少なくない。
 教育補助員
 公立中学校・高校に１校当たり10人程度配置されている。
 生徒指導専門員の監督のもと、課題のある児童生徒への個別指導、補習指導、体験活動の運営・準
備、給食・昼食時間の指導、休み時間の指導、避難訓練、学校安全指導、健康・保健指導、問題行動を
起こした生徒への指導、学校広報（ウェブサイト等）を担当。
 進路指導心理専門員
 学校から独立した情報・進路指導センターに所属し、中学校や高校を訪問し、生徒の受け入れ、進路情
報の提供、キャリア・カウンセリングなどに従事する。
 ただし、平均１人で3～４校を担当するため、支援が充分に行き届いてないとの声もある。
参考）藤原文雄ほか『世界の学校と教職員の働き方―米・英・仏・独・中・韓との比較から考える日本の教職員の働き方改革』 26

28. おそらく、③だけにアプローチしても、十分なシェイプアップにならない。
①と②も併せて見直していく必要がある。さらには背後の④も。
27
① 国や教育員会の政策方針
② 各学校単位でのビジョン、あるいは
学校が果たす役割・機能についての共通認識
③ 各教師の意識・価値観や働き方
④社会の見方、
価値観
（欲ばりな学
校像）

29. おわりに
28
わたしたちは
（学校は、保護者は、学界は、
社会は etc）
“金の卵を産むガチョウ”を
もっと大切にしていくことが
必要ではないだろうか。

30. 気軽にコンタクトください
ご意見、講演・研修依頼、読書会なども歓迎です～
妹尾 昌俊
学校マネジメントコンサルタント
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