18. Guyattらの説明
信頼区間は、ランダムな誤差がエビデンスの確実性に与える影響を示すものであることが多い。ベイズ派とは
異なり頻出派(frequentist)の枠組みでは信頼区間は、実験を何度も繰り返し、実験ごとに信頼区間を再計算
した場合に、信頼区間の特定の割合(通常95%)が真の基礎値を含む結果の範囲を表します。
この定義よりも概念的に簡単なのは、信頼区間を「真実がもっともらしく存在する範囲」と考えること。
95%信頼区間は、真の効果があることを95%確信できる範囲を示していると解釈されることが多い(A 95%
confidence interval is often interpreted as indicating a range within which we can be 95% certain that
the true effect lies.*)。この表現は緩い解釈ですが、大まかな目安としては有効である。
メタアナリシスの信頼区間の幅は、個々の研究の推定値の精度と、組み合わせた研究の数に依存する。
また、ランダム効果モデルでは、異質性の増加に伴い精度が低下し、それに応じて信頼区間も広がる。
なお、固定効果モデルとランダム効果モデルでは、信頼区間と点推定値の解釈が異なる。固定効果の推定値と
その信頼区間は「効果の最良の(単一の)推定値は何か」という問いに対応しているが、ランダム効果の推定
値は効果の分布があることを仮定しており、「平均効果の最良の推定値は何か」という問いに対応している。
18
https://libraryguides.neomed.edu/c.php?g=324183&p=2172309
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC516199/
https://www.jclinepi.com/article/S0895-4356(11)00206-X/fulltext
https://libraryguides.neomed.edu/c.php?g=324183&p=2172309
https://www.researchgate.net/publication/15378007_Basic_statistics_for_clinicians_2_Interpreting_study_results_Confidence_intervals
*https://training.cochrane.org/handbook/archive/v6.1/chapter-15
#https://ultrabem-branch3.com/statistics/basics/confidence_interval・ https://www.healthknowledge.org.uk/e-learning/statistical-
methods/practitioners/standard-error-confidence-intervals・https://www.youtube.com/watch?v=s4SRdaTycaw
さすがにGRADE guidelines 6の*の文章は、誤解を増やす(#の議論もあるが)。ともかく定義ではなく、概念として、
信頼区間を「真実がもっともらしく存在する範囲」と考えることで議論している。そのため、不精確さの評価では、サン
プルサイズ・イベント数・閾値で評価しており、単純に95%信頼区間の幅が大きいとか小さいとかでは評価していない
事に注意されたい(このような評価は、散見されるが、JCEの解説論文のGRADE guidelines 6には記載されていない)。
注意:これらのスライドの解説文は、論旨展開に都合良く論文を選んでおり、系統的に選択しておりません。
信頼区間とは
26. 信頼区間と確実性の範囲の概念をさらに図示化すると
先の概念を、よりわかりや
すく図示したものが、
「Schünemann JH.
Interpreting GRADE‘s
levels of certainty or
quality of the evidence:
GRADE for statisticians,
considering review
information size or less
emphasis on imprecision?
Journal of Clinical
Epidemiology 2016;75:6-
15.」の図である。
実際は、上図のような釣り
鐘でなく、下図のような、
いびつに変形している可能
性が高い。
26
相原守夫.診療ガイドラインのためのGRADEシステム第3版
信頼区間とエビデンスの確実性の関係