SlideShare a Scribd company logo
1 of 15
「エビデンスがない」場合の推奨作成に
ついて
診療ガイドラインの推奨とは?
臨床家や患者が特定の状況下で、
適切な診断や治療を決定する際に役立つことを目的として、
体系的に作成された声明である
↓
信頼できる推奨の条件:利用可能な最良のシステマティックレビュー
に基づくこと
↓
しかし、それらの「エビデンスがない」場合もある
↓
その場合の、推奨決定のための一案を解説する
Mustafa RA, Garcia CAC, Bhatt M, Riva JJ, Vesely S, Wiercioch W, Nieuwlaat R, Patel P, Hanson S, Newall F,
Wiernikowski J, Monagle P, Schünemann HJ. GRADE notes: How to use GRADE when there is "no" evidence?
A case study of the expert evidence approach. J Clin Epidemiol. 2021 Mar 3;137:231-235.
https://www.jclinepi.com/article/S0895-4356(21)00069-X/fulltext
戦略概要
• 戦略1:エビデンスとなる研究
を複数行なって、システマ
ティックレビューを行う
• 戦略2:推奨しない
• 戦略3:エビデンスを特定せず
に専門家の意見に基づいて推
奨する
戦略概要
• 戦略1:エビデンスとなる研究
を複数行なって、システマ
ティックレビューを行う
• 戦略2:推奨しない
• 戦略3:エビデンスを特定せず
に専門家の意見に基づいて推
奨する
⇒最も良い方法・時間的制約
⇒利用者が困る・患者に害が
⇒エビデンスに偏りが生じる
戦略概要
• 戦略1:エビデンスとなる研究
を複数行なって、システマ
ティックレビューを行う
• 戦略2:推奨しない
• 戦略3:エビデンスを特定せず
に専門家の意見に基づいて推
奨する
⇒最も良い方法・時間的制約
⇒利用者が困る
⇒エビデンスに偏りが生じる
望ましい方法とは言えないが、少しでも偏りを減らすため、
パネルメンバーに未発表の見解やケースシリーズについて尋ねる専門家
エビデンス調査を実施する←以下は、この事例を説明
注意事項
• 戦略1:エビデンスとなる研究
を複数行なって、システマ
ティックレビューを行う
• 戦略2:推奨しない
• 戦略3:エビデンスを特定せず
に専門家の意見に基づいて推
奨する
ちょっと混乱するかもしれないが、エビデンスが存在して、GRADEアプローチに普通に
従って作成する場合でも、ある程度コンセンサスも必要としているので、その意味で言え
ば、コンセンサスガイドラインとも言えるが、そのコンセプトが異なることに注意された
い。
修正デルファイ法を用いて、専門家の
意見のみに基づいてコンセンサスベー
スの手法を用いて作成されたコンセン
サスガイドラインを採用する委員会も
存在する。
しかし、今回の方法との重要な違いは、
エビデンスをどのように使用し、どの
ように提供するかである。
実例より:概要
前提:当初、エビデンスがあまりにも不確かな場合には推奨を出さないことにしていた。
しかし、推奨なしは、臨床家にとって有用ではなく、患者に害を及ぼす可能性があると
考えた。また、パネルは、より確実性の高い発表済みのエビデンスが近い将来に得られ
ないと認識していた。そのため、今回の調査を行うこととした。
パネルメンバー:異なる専門分野と国から集まった14名の委員
50%以上が、対象となる推奨事項に関して金銭的な利益相反がないことが条件
行なったこと:
パネルメンバーがこれまでに行なった症例数と、その治療と結果についての情報を委員
会の開催前に匿名でオンライン回収。(個人的な偏見を軽減するために、推奨事項を発
行する前にパネルメンバーの累積的な経験を収集する事が必要)
エビデンスとリンクしていないパネルの意見ではなく、症例とアウトカムに関するデー
タを収集することを重視。
パネルメンバーには、患者のカルテを確認することを求めず、記憶を頼りにアンケート
に回答(本来ならばカルテ確認が望ましい)。
調査結果は、エビデンスが全くない場合は単独で、エビデンスの確実性が非常に低い場
合(特に、対象となる集団や介入に対してエビデンスが極めて間接的である場合)は公
表されているデータと関連づけて提示。
American Society of Hematology pediatrics guideline expert panel survey
results (n=13)*
PI
C
O
#
Question Responses by panel member Total Averag
e
(SD)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
How many years have you been practicing in
your field? 17 18 20 11 20 NR 20 11 30 10 25 NR NR 182 18 (6)
1 1. How many pediatric patients with
symptomatic DVT or PE have you managed? 1500 180 100 100 1000 1000 1000 300 914 1100 500 800 800 9294 715 (440)
1 2. Out of these patients with symptomatic DVT
or PE how many have you treated without
anticoagulants? 200 170 95 10 20 100 0 270 30 825 100 NR NR 1820 165 (235)
1 3. Out of all the pediatric patients with DVT or
PE who did NOT get an ANTICOAGULANT,
how many had a recurrent DVT/PE? 50 0 4 NA 0 30 NA 3 0 14 NR NR NR 101 13 (18)
1 4. Out of all the pediatric patients with DVT or
PE who did NOT get ANTICOAGULATION,
how many died due to the DVT/PE? 1 0 4 NR 0 5 NA 0 30 8 NR NR NR 48 6 (10)
1 5. Out of all the pediatric patients with DVT or
PE who did get ANTICOAGULATION, how
many died (all causes)? 170 10 9 25 4 30 50 10 147 25 20 NR NR 500 45 (58)
6 6. Out of the patients with symptomatic DVT or
PE, how many have you treated with
MECHANICAL THROMBECTOMY (with or
without concomitant anticoagulation)? 100 0 4 2 10 30 1 1 1 55 5 NR 20 229 19 (30)
6 7. Out of all the pediatric patients with DVT or
PE who were treated with MECHANICAL
THROMBECTOMY as above, how many had a
recurrent DVT/PE? 10 NA 2 1 5 10 0 1 0 17 NR NR NR 46 5 (6)
6 8. Out of all the pediatric patients with DVT or
PE who were treated with MECHANICAL
THROMBECTOMY as above, how many had a
MAJOR BLEEDING? 5 NA 1 0 2 10 0 0 0 9 0 NR 2 29 3 (4)
American Society of Hematology pediatrics guideline expert panel survey
results (n=13)*
PICO#
Question
この分野での活動歴は何年ですか?
1 1.症状のあるDVTやPEの小児患者をどれくらい管理したことがありますか?
1 2.症状のあるDVTやPEの患者さんのうち、抗凝固剤を使わずに治療した人は何人い
ますか?
1 3.抗凝固剤を投与されなかったDVTまたはPEの小児患者のうち、何人がDVT/PEを再
発しましたか?
1 4.抗凝固療法を受けなかったDVTまたはPEの小児患者のうち、DVT/PEが原因で死亡
したのは何人ですか?
1 5. DVTまたはPEの小児患者で、抗凝固療法を受けた人のうち、何人が死亡しました
か(全死因)?
6 6.症候性DVTまたはPEの患者のうち、何人に機械的再建術(抗凝固療法の併用また
は非併用)を行いましたか?
6 7.上記のように機械的再建術を受けたDVTまたはPEの小児患者のうち、DVT/PEが再
発したのは何人ですか?
6 8. DVTやPEの小児患者さんで、上記のような機械的再建術を受けた方のうち、大出
血をした方は何人いますか?
CQ1:◯◯病の患者に対するA薬VS非A薬の使用(n=13)*
CQ Question
この分野での活動歴は何年ですか?
1 1.症状のある◯◯病の患者をどれくらい治療したことがありますか?
1 2.症状のある◯◯病の患者のうち、A薬を使わずに治療した人は何人いますか?
1 3.A薬を投与されなかった◯◯病の患者のうち、何人が◯◯病を再発しましたか?
1 4. A薬を受けなかった◯◯病の患者のうち、◯◯病が原因で死亡したのは何人です
か?
1 5. ◯◯病の患者で、A薬を受けた人のうち、何人が死亡しましたか(全死因)?
C
Q
質問 各パネルの回答
合計
平均
(SD)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
この分野での活動
歴は何年ですか?
17 18 20 11 20 NR 20 11 30 10 25 NR NR 182
18
(6)
1
1.症状のある◯◯
病の患者をどれく
らい治療したこと
がありますか?
1500 180 100 100 1000 1000 1000 300 914 1100 500 800 800 9294
715
(440)
1 2.症状のある◯◯
病の患者のうち、
A薬を使わずに治
療した人は何人い
ますか?
200 170 95 10 20 100 0 270 30 825 100 NR NR 1820
165
(235)
1
3.A薬を投与され
なかった◯◯病の
患者のうち、何人
が◯◯病を再発し
ましたか?
50 0 4 NA 0 30 NA 3 0 14 NR NR NR 101
13
(18)
1
4. A薬を受けな
かった◯◯病の患
者のうち、◯◯病
が原因で死亡した
のは何人ですか?
1 0 4 NR 0 5 NA 0 30 8 NR NR NR 48
6
(10)
1 5. ◯◯病の患者
で、A薬を受けた
人のうち、何人が
死亡しましたか
(全死因)?
170 10 9 25 4 30 50 10 147 25 20 NR NR 500
45
(58)
NR = no response, NA = not applicable
検索されたケースレポートやケースシリーズから得られた患者数と、専門家パ
ネルが治療したケース数との比較(CQ別)
Guideline question Number of pediatric cases
from published studies
Number of pediatric cases
treated by expert panel
Q1 Symptomatic venous
thromboembolism
1637 9294
Q2 Asymptomatic venous
thromboembolism
298 3218
Q9, Q10, Q11, Q12 Central
venous line related thrombosis
17 5563
Q16 Superficial vein thrombosis 0 922
Q17 Right atrial thrombosis 99 455
Q21 Portal vein thrombosis 633 1609
Q24, Q25, Q26 Congenital
purpura fulminans
73 27
検索されたケースレポートやケースシリーズから得られた患者数と、専門家パ
ネルが治療したケース数との比較(CQ別)
Guideline question Number of pediatric cases
from published studies
Number of pediatric cases
treated by expert panel
Q1 Symptomatic venous
thromboembolism
1637 9294
Q2 Asymptomatic venous
thromboembolism
298 3218
Q9, Q10, Q11, Q12 Central
venous line related thrombosis
17 5563
Q16 Superficial vein thrombosis 0 922
Q17 Right atrial thrombosis 99 455
Q21 Portal vein thrombosis 633 1609
Q24, Q25, Q26 Congenital
purpura fulminans
73 27
検索されたケースシリーズ研究より沢山の症例が、パネリストの調査で集
まった。
パネル調査の結果は実際には、一般的な状況より過剰になる可能性がある。
逆に、この現象は、もともと過小報告だったり、このテーマに関する出版物
の不足を反映している可能性もある。
>
本方法の利点
このアプローチは、部屋の中で最も大きな声が推奨に過度に影響する
ことを避けるために有益である。
このプロセスは、パネルが自分たちの実践や観察された結果にどの程
度のばらつきがあるのかを理解する上でも有益であった。
このようなアプローチをとることで、考え方が「明確でないこと」か
ら「明確であること」に変わり、データをより構造的に検討する機会
が得られた。
この調査は、システマティックレビューチームが、エビデンスが不足
している分野のみに基づいて作成し、実施したものである。その目的
は、専門家によるエビデンスアプローチを用いて、公表された文献や
査読付き文献の重要性を置き換えるのではなく、公表された文献が不
足していたり、間接的すぎたり、存在しない場合に解決策を見出すこ
とであった。
本方法の限界
どのような調査であっても、記憶や認識に関する問題によって偏りが
生じる可能性があるため、本質的に限界がある。
しかし、この方法は、孤立した個人の経験に基づいて決定するよりも
優れている。
この例では、スケジュールの都合で、パネリストに患者のデータのレ
ビューを依頼できなかった。そのため、報告された症例数は、臨床医
の記憶に基づいている。
調査対象をパネリストに限定したため、調査が制限されている。その
ため、他のガイドライン委員会では、一般化可能性を高めるためにパ
ネル以外の専門家に調査を拡大したり、チャートレビューを行ったり
しているが、実現可能性、潜在的なバイアス、利益相反とのバランス
を考慮する必要がある。

More Related Content

What's hot

介入研究と観察研究の必要事項
介入研究と観察研究の必要事項介入研究と観察研究の必要事項
介入研究と観察研究の必要事項Yasuyuki Okumura
 
JMDC Claimsデータベースとレセプト情報・特定健診等情報データベースを活用した臨床疫学研究の事例と留意点
JMDC Claimsデータベースとレセプト情報・特定健診等情報データベースを活用した臨床疫学研究の事例と留意点JMDC Claimsデータベースとレセプト情報・特定健診等情報データベースを活用した臨床疫学研究の事例と留意点
JMDC Claimsデータベースとレセプト情報・特定健診等情報データベースを活用した臨床疫学研究の事例と留意点Yasuyuki Okumura
 
エビデンスの統合から推奨の作成
エビデンスの統合から推奨の作成エビデンスの統合から推奨の作成
エビデンスの統合から推奨の作成Yasuyuki Okumura
 
うつ病への集団認知行動療法の有効性と認容性: 系統的展望とメタ・アナリシス
うつ病への集団認知行動療法の有効性と認容性: 系統的展望とメタ・アナリシスうつ病への集団認知行動療法の有効性と認容性: 系統的展望とメタ・アナリシス
うつ病への集団認知行動療法の有効性と認容性: 系統的展望とメタ・アナリシスYasuyuki Okumura
 
ベイジアン・アダプティブ・デザイン報告事例
ベイジアン・アダプティブ・デザイン報告事例ベイジアン・アダプティブ・デザイン報告事例
ベイジアン・アダプティブ・デザイン報告事例Sayuri Shimizu
 
ロジスティック回帰分析を扱った予測モデル作成研究事例の要約
ロジスティック回帰分析を扱った予測モデル作成研究事例の要約ロジスティック回帰分析を扱った予測モデル作成研究事例の要約
ロジスティック回帰分析を扱った予測モデル作成研究事例の要約Michimasa Haga
 
「生存時間分析」の報告事例
「生存時間分析」の報告事例「生存時間分析」の報告事例
「生存時間分析」の報告事例yokomitsuken5
 
臨床疫学研究におけるNDBの利活用
臨床疫学研究におけるNDBの利活用臨床疫学研究におけるNDBの利活用
臨床疫学研究におけるNDBの利活用Yasuyuki Okumura
 
患者報告式アウトカム尺度における 臨床的意味のある変化の定め方
患者報告式アウトカム尺度における臨床的意味のある変化の定め方患者報告式アウトカム尺度における臨床的意味のある変化の定め方
患者報告式アウトカム尺度における 臨床的意味のある変化の定め方Yasuyuki Okumura
 
201705 srws第二回文献の選択基準
201705 srws第二回文献の選択基準201705 srws第二回文献の選択基準
201705 srws第二回文献の選択基準SR WS
 
研究の質を評価する重要性
研究の質を評価する重要性研究の質を評価する重要性
研究の質を評価する重要性Yasuyuki Okumura
 
万延する研究報告の質の低さの問題への 総合的対策
万延する研究報告の質の低さの問題への総合的対策万延する研究報告の質の低さの問題への総合的対策
万延する研究報告の質の低さの問題への 総合的対策Yasuyuki Okumura
 
20170629 srws第五回robの評価
20170629 srws第五回robの評価20170629 srws第五回robの評価
20170629 srws第五回robの評価SR WS
 
20161201 srws第四回文献の選択基準
20161201 srws第四回文献の選択基準20161201 srws第四回文献の選択基準
20161201 srws第四回文献の選択基準SR WS
 
EBMCovid19Ivermectin
EBMCovid19IvermectinEBMCovid19Ivermectin
EBMCovid19IvermectinNaoki Nago
 
臨床的有意性の書き方
臨床的有意性の書き方臨床的有意性の書き方
臨床的有意性の書き方Yasuyuki Okumura
 

What's hot (20)

介入研究と観察研究の必要事項
介入研究と観察研究の必要事項介入研究と観察研究の必要事項
介入研究と観察研究の必要事項
 
JMDC Claimsデータベースとレセプト情報・特定健診等情報データベースを活用した臨床疫学研究の事例と留意点
JMDC Claimsデータベースとレセプト情報・特定健診等情報データベースを活用した臨床疫学研究の事例と留意点JMDC Claimsデータベースとレセプト情報・特定健診等情報データベースを活用した臨床疫学研究の事例と留意点
JMDC Claimsデータベースとレセプト情報・特定健診等情報データベースを活用した臨床疫学研究の事例と留意点
 
エビデンスの統合から推奨の作成
エビデンスの統合から推奨の作成エビデンスの統合から推奨の作成
エビデンスの統合から推奨の作成
 
うつ病への集団認知行動療法の有効性と認容性: 系統的展望とメタ・アナリシス
うつ病への集団認知行動療法の有効性と認容性: 系統的展望とメタ・アナリシスうつ病への集団認知行動療法の有効性と認容性: 系統的展望とメタ・アナリシス
うつ病への集団認知行動療法の有効性と認容性: 系統的展望とメタ・アナリシス
 
ベイジアン・アダプティブ・デザイン報告事例
ベイジアン・アダプティブ・デザイン報告事例ベイジアン・アダプティブ・デザイン報告事例
ベイジアン・アダプティブ・デザイン報告事例
 
ロジスティック回帰分析を扱った予測モデル作成研究事例の要約
ロジスティック回帰分析を扱った予測モデル作成研究事例の要約ロジスティック回帰分析を扱った予測モデル作成研究事例の要約
ロジスティック回帰分析を扱った予測モデル作成研究事例の要約
 
「生存時間分析」の報告事例
「生存時間分析」の報告事例「生存時間分析」の報告事例
「生存時間分析」の報告事例
 
臨床疫学研究におけるNDBの利活用
臨床疫学研究におけるNDBの利活用臨床疫学研究におけるNDBの利活用
臨床疫学研究におけるNDBの利活用
 
患者報告式アウトカム尺度における 臨床的意味のある変化の定め方
患者報告式アウトカム尺度における臨床的意味のある変化の定め方患者報告式アウトカム尺度における臨床的意味のある変化の定め方
患者報告式アウトカム尺度における 臨床的意味のある変化の定め方
 
うつ病の医療経済
うつ病の医療経済うつ病の医療経済
うつ病の医療経済
 
狩人研究の紹介
狩人研究の紹介狩人研究の紹介
狩人研究の紹介
 
201705 srws第二回文献の選択基準
201705 srws第二回文献の選択基準201705 srws第二回文献の選択基準
201705 srws第二回文献の選択基準
 
非劣性試験の入門
非劣性試験の入門非劣性試験の入門
非劣性試験の入門
 
研究の質を評価する重要性
研究の質を評価する重要性研究の質を評価する重要性
研究の質を評価する重要性
 
万延する研究報告の質の低さの問題への 総合的対策
万延する研究報告の質の低さの問題への総合的対策万延する研究報告の質の低さの問題への総合的対策
万延する研究報告の質の低さの問題への 総合的対策
 
観察研究の必須事項
観察研究の必須事項観察研究の必須事項
観察研究の必須事項
 
20170629 srws第五回robの評価
20170629 srws第五回robの評価20170629 srws第五回robの評価
20170629 srws第五回robの評価
 
20161201 srws第四回文献の選択基準
20161201 srws第四回文献の選択基準20161201 srws第四回文献の選択基準
20161201 srws第四回文献の選択基準
 
EBMCovid19Ivermectin
EBMCovid19IvermectinEBMCovid19Ivermectin
EBMCovid19Ivermectin
 
臨床的有意性の書き方
臨床的有意性の書き方臨床的有意性の書き方
臨床的有意性の書き方
 

Similar to EBM診療ガイドライン作成編1:エビデンスがない場合の推奨

もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと
もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこともっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと
もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のことcancerchannel
 
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する 6枚
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する 6枚診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する 6枚
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する 6枚Hidemichi Yuasa
 
もっと知ってほしいがん免疫療法のこと
もっと知ってほしいがん免疫療法のこともっと知ってほしいがん免疫療法のこと
もっと知ってほしいがん免疫療法のことcancerchannel
 
臨床に生かすために知っておきたい医学統計
臨床に生かすために知っておきたい医学統計臨床に生かすために知っておきたい医学統計
臨床に生かすために知っておきたい医学統計Noriyuki Katsumata
 
EBM (EVIDENCE-BASED MEDICINE) 総論
EBM (EVIDENCE-BASED MEDICINE) 総論EBM (EVIDENCE-BASED MEDICINE) 総論
EBM (EVIDENCE-BASED MEDICINE) 総論musako-oncology
 
【医療従事者向け】診断時からの緩和ケアをどう実践していくか?
【医療従事者向け】診断時からの緩和ケアをどう実践していくか?【医療従事者向け】診断時からの緩和ケアをどう実践していくか?
【医療従事者向け】診断時からの緩和ケアをどう実践していくか?musako-oncology
 
学生高齢者高血圧Hyvet
学生高齢者高血圧Hyvet学生高齢者高血圧Hyvet
学生高齢者高血圧Hyvetkakaritsukedr
 
抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪Noriyuki Katsumata
 
もっと知ってほしいすい臓がんのこと
もっと知ってほしいすい臓がんのこともっと知ってほしいすい臓がんのこと
もっと知ってほしいすい臓がんのことcancerchannel
 
抗がん剤中止をどうやって患者さんに伝えればよいか?Web版
抗がん剤中止をどうやって患者さんに伝えればよいか?Web版抗がん剤中止をどうやって患者さんに伝えればよいか?Web版
抗がん剤中止をどうやって患者さんに伝えればよいか?Web版Noriyuki Katsumata
 
もっと知ってほしいすい臓がんのこと
もっと知ってほしいすい臓がんのこともっと知ってほしいすい臓がんのこと
もっと知ってほしいすい臓がんのことcancerchannel
 
抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪musako-oncology
 
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解するHidemichi Yuasa
 
「治験・臨床試験」について考える
「治験・臨床試験」について考える「治験・臨床試験」について考える
「治験・臨床試験」について考えるNoriyuki Katsumata
 

Similar to EBM診療ガイドライン作成編1:エビデンスがない場合の推奨 (20)

もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと
もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこともっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと
もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと
 
W shinyaku16 l
W shinyaku16 lW shinyaku16 l
W shinyaku16 l
 
W shinyakunol
W shinyakunolW shinyakunol
W shinyakunol
 
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する 6枚
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する 6枚診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する 6枚
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する 6枚
 
もっと知ってほしいがん免疫療法のこと
もっと知ってほしいがん免疫療法のこともっと知ってほしいがん免疫療法のこと
もっと知ってほしいがん免疫療法のこと
 
臨床に生かすために知っておきたい医学統計
臨床に生かすために知っておきたい医学統計臨床に生かすために知っておきたい医学統計
臨床に生かすために知っておきたい医学統計
 
EBM (EVIDENCE-BASED MEDICINE) 総論
EBM (EVIDENCE-BASED MEDICINE) 総論EBM (EVIDENCE-BASED MEDICINE) 総論
EBM (EVIDENCE-BASED MEDICINE) 総論
 
【医療従事者向け】診断時からの緩和ケアをどう実践していくか?
【医療従事者向け】診断時からの緩和ケアをどう実践していくか?【医療従事者向け】診断時からの緩和ケアをどう実践していくか?
【医療従事者向け】診断時からの緩和ケアをどう実践していくか?
 
25jsphcs S42-3
25jsphcs S42-325jsphcs S42-3
25jsphcs S42-3
 
25jsphcs S42-3
25jsphcs S42-325jsphcs S42-3
25jsphcs S42-3
 
学生高齢者高血圧Hyvet
学生高齢者高血圧Hyvet学生高齢者高血圧Hyvet
学生高齢者高血圧Hyvet
 
抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪
 
W suizo171014 nol
W suizo171014 nolW suizo171014 nol
W suizo171014 nol
 
もっと知ってほしいすい臓がんのこと
もっと知ってほしいすい臓がんのこともっと知ってほしいすい臓がんのこと
もっと知ってほしいすい臓がんのこと
 
抗がん剤中止をどうやって患者さんに伝えればよいか?Web版
抗がん剤中止をどうやって患者さんに伝えればよいか?Web版抗がん剤中止をどうやって患者さんに伝えればよいか?Web版
抗がん剤中止をどうやって患者さんに伝えればよいか?Web版
 
もっと知ってほしいすい臓がんのこと
もっと知ってほしいすい臓がんのこともっと知ってほしいすい臓がんのこと
もっと知ってほしいすい臓がんのこと
 
抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪
 
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する
診療ガイドラインとは:EBMの3原則より概念を理解する
 
「治験・臨床試験」について考える
「治験・臨床試験」について考える「治験・臨床試験」について考える
「治験・臨床試験」について考える
 
W kanzougan noli
W kanzougan noliW kanzougan noli
W kanzougan noli
 

More from Hidemichi Yuasa

GRADEガイドライン32:GRADEはエビデンスの確実性の評価対象を選ぶためのガイダンスを提供する
GRADEガイドライン32:GRADEはエビデンスの確実性の評価対象を選ぶためのガイダンスを提供するGRADEガイドライン32:GRADEはエビデンスの確実性の評価対象を選ぶためのガイダンスを提供する
GRADEガイドライン32:GRADEはエビデンスの確実性の評価対象を選ぶためのガイダンスを提供するHidemichi Yuasa
 
診療ガイドライン:患者パネルからの意見を取り入れる
診療ガイドライン:患者パネルからの意見を取り入れる診療ガイドライン:患者パネルからの意見を取り入れる
診療ガイドライン:患者パネルからの意見を取り入れるHidemichi Yuasa
 
GRADE ガイダンス 34・35:不精確さにの評価の最新情報
GRADE ガイダンス 34・35:不精確さにの評価の最新情報GRADE ガイダンス 34・35:不精確さにの評価の最新情報
GRADE ガイダンス 34・35:不精確さにの評価の最新情報Hidemichi Yuasa
 
ネットワークメタ分析の結果より、介入の順位を考える
ネットワークメタ分析の結果より、介入の順位を考えるネットワークメタ分析の結果より、介入の順位を考える
ネットワークメタ分析の結果より、介入の順位を考えるHidemichi Yuasa
 
診療ガイドライン委員会の委員に選ばれた場合の心得
診療ガイドライン委員会の委員に選ばれた場合の心得診療ガイドライン委員会の委員に選ばれた場合の心得
診療ガイドライン委員会の委員に選ばれた場合の心得Hidemichi Yuasa
 
EBM診療ガイドライン作成編2:実際に利益と害の閾値を利用した海外の例を解説
EBM診療ガイドライン作成編2:実際に利益と害の閾値を利用した海外の例を解説EBM診療ガイドライン作成編2:実際に利益と害の閾値を利用した海外の例を解説
EBM診療ガイドライン作成編2:実際に利益と害の閾値を利用した海外の例を解説Hidemichi Yuasa
 
本音で語る顎関節症の基本知識
本音で語る顎関節症の基本知識本音で語る顎関節症の基本知識
本音で語る顎関節症の基本知識Hidemichi Yuasa
 
EBM中級編:Precisionのいろいろな考え方を学んで、信頼区間を見直すことで、imprecisionを理解しよう
EBM中級編:Precisionのいろいろな考え方を学んで、信頼区間を見直すことで、imprecisionを理解しようEBM中級編:Precisionのいろいろな考え方を学んで、信頼区間を見直すことで、imprecisionを理解しよう
EBM中級編:Precisionのいろいろな考え方を学んで、信頼区間を見直すことで、imprecisionを理解しようHidemichi Yuasa
 
CDC青年へのワクチン推奨の勧告
CDC青年へのワクチン推奨の勧告CDC青年へのワクチン推奨の勧告
CDC青年へのワクチン推奨の勧告Hidemichi Yuasa
 
歯科の予防論文で使われる Prevented Fractionとは?
歯科の予防論文で使われる Prevented Fractionとは?歯科の予防論文で使われる Prevented Fractionとは?
歯科の予防論文で使われる Prevented Fractionとは?Hidemichi Yuasa
 
EBM歯周病の論文を読んでみよう3(有名なO'Leary先生の歯みがきの論文)
EBM歯周病の論文を読んでみよう3(有名なO'Leary先生の歯みがきの論文)EBM歯周病の論文を読んでみよう3(有名なO'Leary先生の歯みがきの論文)
EBM歯周病の論文を読んでみよう3(有名なO'Leary先生の歯みがきの論文)Hidemichi Yuasa
 
EBM歯周病の論文を読んでみよう2(有名なNyman先生の歯肉炎の論文)
EBM歯周病の論文を読んでみよう2(有名なNyman先生の歯肉炎の論文)EBM歯周病の論文を読んでみよう2(有名なNyman先生の歯肉炎の論文)
EBM歯周病の論文を読んでみよう2(有名なNyman先生の歯肉炎の論文)Hidemichi Yuasa
 
Löe先生の論文を読んでみよう
Löe先生の論文を読んでみようLöe先生の論文を読んでみよう
Löe先生の論文を読んでみようHidemichi Yuasa
 
MCID(最小臨床重要差)20200906
MCID(最小臨床重要差)20200906MCID(最小臨床重要差)20200906
MCID(最小臨床重要差)20200906Hidemichi Yuasa
 
同じアウトカムが、研究間で違う指標で評価されている場合のメタ分析について(連続指標・標準化平均差/SMD)
同じアウトカムが、研究間で違う指標で評価されている場合のメタ分析について(連続指標・標準化平均差/SMD)同じアウトカムが、研究間で違う指標で評価されている場合のメタ分析について(連続指標・標準化平均差/SMD)
同じアウトカムが、研究間で違う指標で評価されている場合のメタ分析について(連続指標・標準化平均差/SMD)Hidemichi Yuasa
 
布マスク・自作マスクについて
布マスク・自作マスクについて布マスク・自作マスクについて
布マスク・自作マスクについてHidemichi Yuasa
 
布マスク自作マスクについて
布マスク自作マスクについて布マスク自作マスクについて
布マスク自作マスクについてHidemichi Yuasa
 
布マスク・自作マスクについて
布マスク・自作マスクについて布マスク・自作マスクについて
布マスク・自作マスクについてHidemichi Yuasa
 

More from Hidemichi Yuasa (20)

GRADEガイドライン32:GRADEはエビデンスの確実性の評価対象を選ぶためのガイダンスを提供する
GRADEガイドライン32:GRADEはエビデンスの確実性の評価対象を選ぶためのガイダンスを提供するGRADEガイドライン32:GRADEはエビデンスの確実性の評価対象を選ぶためのガイダンスを提供する
GRADEガイドライン32:GRADEはエビデンスの確実性の評価対象を選ぶためのガイダンスを提供する
 
診療ガイドライン:患者パネルからの意見を取り入れる
診療ガイドライン:患者パネルからの意見を取り入れる診療ガイドライン:患者パネルからの意見を取り入れる
診療ガイドライン:患者パネルからの意見を取り入れる
 
GRADE ガイダンス 34・35:不精確さにの評価の最新情報
GRADE ガイダンス 34・35:不精確さにの評価の最新情報GRADE ガイダンス 34・35:不精確さにの評価の最新情報
GRADE ガイダンス 34・35:不精確さにの評価の最新情報
 
ネットワークメタ分析の結果より、介入の順位を考える
ネットワークメタ分析の結果より、介入の順位を考えるネットワークメタ分析の結果より、介入の順位を考える
ネットワークメタ分析の結果より、介入の順位を考える
 
診療ガイドライン委員会の委員に選ばれた場合の心得
診療ガイドライン委員会の委員に選ばれた場合の心得診療ガイドライン委員会の委員に選ばれた場合の心得
診療ガイドライン委員会の委員に選ばれた場合の心得
 
EBM診療ガイドライン作成編2:実際に利益と害の閾値を利用した海外の例を解説
EBM診療ガイドライン作成編2:実際に利益と害の閾値を利用した海外の例を解説EBM診療ガイドライン作成編2:実際に利益と害の閾値を利用した海外の例を解説
EBM診療ガイドライン作成編2:実際に利益と害の閾値を利用した海外の例を解説
 
本音で語る顎関節症の基本知識
本音で語る顎関節症の基本知識本音で語る顎関節症の基本知識
本音で語る顎関節症の基本知識
 
EBM中級編:Precisionのいろいろな考え方を学んで、信頼区間を見直すことで、imprecisionを理解しよう
EBM中級編:Precisionのいろいろな考え方を学んで、信頼区間を見直すことで、imprecisionを理解しようEBM中級編:Precisionのいろいろな考え方を学んで、信頼区間を見直すことで、imprecisionを理解しよう
EBM中級編:Precisionのいろいろな考え方を学んで、信頼区間を見直すことで、imprecisionを理解しよう
 
CDC青年へのワクチン推奨の勧告
CDC青年へのワクチン推奨の勧告CDC青年へのワクチン推奨の勧告
CDC青年へのワクチン推奨の勧告
 
Keynote 048 summary
Keynote 048 summaryKeynote 048 summary
Keynote 048 summary
 
歯科の予防論文で使われる Prevented Fractionとは?
歯科の予防論文で使われる Prevented Fractionとは?歯科の予防論文で使われる Prevented Fractionとは?
歯科の予防論文で使われる Prevented Fractionとは?
 
EBM歯周病の論文を読んでみよう3(有名なO'Leary先生の歯みがきの論文)
EBM歯周病の論文を読んでみよう3(有名なO'Leary先生の歯みがきの論文)EBM歯周病の論文を読んでみよう3(有名なO'Leary先生の歯みがきの論文)
EBM歯周病の論文を読んでみよう3(有名なO'Leary先生の歯みがきの論文)
 
EBM歯周病の論文を読んでみよう2(有名なNyman先生の歯肉炎の論文)
EBM歯周病の論文を読んでみよう2(有名なNyman先生の歯肉炎の論文)EBM歯周病の論文を読んでみよう2(有名なNyman先生の歯肉炎の論文)
EBM歯周病の論文を読んでみよう2(有名なNyman先生の歯肉炎の論文)
 
Löe先生の論文を読んでみよう
Löe先生の論文を読んでみようLöe先生の論文を読んでみよう
Löe先生の論文を読んでみよう
 
MCID(最小臨床重要差)20200906
MCID(最小臨床重要差)20200906MCID(最小臨床重要差)20200906
MCID(最小臨床重要差)20200906
 
同じアウトカムが、研究間で違う指標で評価されている場合のメタ分析について(連続指標・標準化平均差/SMD)
同じアウトカムが、研究間で違う指標で評価されている場合のメタ分析について(連続指標・標準化平均差/SMD)同じアウトカムが、研究間で違う指標で評価されている場合のメタ分析について(連続指標・標準化平均差/SMD)
同じアウトカムが、研究間で違う指標で評価されている場合のメタ分析について(連続指標・標準化平均差/SMD)
 
布マスク・自作マスクについて
布マスク・自作マスクについて布マスク・自作マスクについて
布マスク・自作マスクについて
 
布マスク自作マスクについて
布マスク自作マスクについて布マスク自作マスクについて
布マスク自作マスクについて
 
Mask3cloth
Mask3clothMask3cloth
Mask3cloth
 
布マスク・自作マスクについて
布マスク・自作マスクについて布マスク・自作マスクについて
布マスク・自作マスクについて
 

EBM診療ガイドライン作成編1:エビデンスがない場合の推奨