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ゲーム業界から見たアジャイル開発
- 1. 長久 勝 as @mnagaku
国立情報学研究所 GRACEセンタ 特任技術専門員
早稲田大学 メディアネットワークセンタ 非常勤講師
日科技連SQuBOK開発領域チームメンバ
技術者として働くかたわら、非常勤講師やライターとして、ソフトウェア開
発技術の普及にもあたってきた。現職では、学術クラウドの構築・運用・
普及促進と、社会人向けソフトウェア工学教育プログラム「トップエス
イー」に携わっている
「生物の生きるしくみを応用する免疫アルゴリズム」、Cマガジン、2004年
「『金枝篇』にみるパターンランゲージ」、AsianPLoP2011
(予稿集はワシが作った)
SQiPシンポジウム2012 SQuBOK関連セッション
「種まく人」、XP祭り2012
Copyright 2012 GRACE Center All Rights Reserved.
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- 3. 長久 勝 as @mnagaku
国立情報学研究所 GRACEセンタ 特任技術専門員
早稲田大学 メディアネットワークセンタ 非常勤講師
日科技連SQuBOK開発領域チームメンバ
技術者として働くかたわら、非常勤講師やライターとして、ソフトウェア開
発技術の普及にもあたってきた。現職では、学術クラウドの構築・運用・
普及促進と、社会人向けソフトウェア工学教育プログラム「トップエス
イー」に携わっている
「生物の生きるしくみを応用する免疫アルゴリズム」、Cマガジン、2004年
「『金枝篇』にみるパターンランゲージ」、AsianPLoP2011
(予稿集はワシが作った)
SQiPシンポジウム2012 SQuBOK関連セッション
「種まく人」、XP祭り2012
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- 5. 長久 勝 as @mnagaku
国立情報学研究所 GRACEセンタ 特任技術専門員
早稲田大学 メディアネットワークセンタ 非常勤講師
日科技連SQuBOK開発領域チームメンバ
技術者として働くかたわら、非常勤講師やライターとして、ソフトウェア開
発技術の普及にもあたってきた。現職では、学術クラウドの構築・運用・
普及促進と、社会人向けソフトウェア工学教育プログラム「トップエス
イー」に携わっている
「生物の生きるしくみを応用する免疫アルゴリズム」、Cマガジン、2004年
「『金枝篇』にみるパターンランゲージ」、AsianPLoP2011
(予稿集はワシが作った)
SQiPシンポジウム2012 SQuBOK関連セッション
「種まく人」、XP祭り2012
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- 6. 長久 勝 as @mnagaku
NADEC 主宰
GlobalGameJam2012 NII会場責任者
ゲームコミュニティサミット2012実行委員
福島ゲームジャム2012事務局(子供向けワークショップ担当)
前職までは、コンピュータゲームや映像配信などエンターテインメント分
野を中心に、ソフトウェア開発、システム構築・運用に従事。CEDEC、
IGDA日本を中心にゲーム開発者向けセッションの企画、運営、講演多数
「Javaゲームプログラミング第2版アルゴリズムとフレームワーク」、
ソフトバンククリエイティブ、2007年
「FDRによるRPGシナリオの検証」、TopSE修了制作、2008年
「僕より賢いSATソルバー」、CEDEC2009
「ゲームクリエイターが知るべき97のこと」、
オライリージャパン、2012/11/3 (予定) ←買って!
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- 8. ゲーム業界はアジャイルを受け入れた
皆さんも、
薄々、気付いているかも知れませんが、
ゲーム業界ではAgileが流行ってます
特に、プログラマのチームにおいて、
Scrumを取り入れている現場が
増えています
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- 11. コラム:プレゼン手法にみるゲーム業界とIT業界の差異
ゲーム業界もIT業界に包含されると見做されますが、働いて
いる人のマインドはかなり違います。IT業界の底辺の中小で
ブラックなところで働いている人と、ゲーム業界で働いている
人は、割と似ています
IT業界では、TEDやAgile系カンファレンスの影響
で、キーワードと写真からイメージを想起させるプ
レゼン手法が主流です
ゲーム業界では、旬なアニメネタを好みます。マ
ンガはIT系の人が良く使うので、やるとしても定
番テンプレは、あまり使われません
XP祭りLTでは、この差異を認識せずにアニメネタで自爆する
トーカーを毎年見ることが出来ます
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- 12. ゲーム業界はアジャイルを受け入れた
皆さんも、
薄々、気付いているかも知れませんが、
ゲーム業界ではAgileが流行ってます
特に、プログラマのチームにおいて、Scrumを
取り入れている現場が
増えています
どうしてでしょう?
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- 14. Agilerが知っておくべき新3大「ゲーム開発の歴史」
日本におけるゲーム開発とは
産業として30年の歴史がある
世界的に見て、産業の成立時期が最初期であった
一貫して輸出産業だった
プログラマだけでは作れない
ネットワークやSNSと結び付き、
今や全てのソフトウェア技術が注ぎ込まれている
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- 15. ① 1980年代「計画駆動で作れない」
コンピュータゲーム黎明期
体系化されたジャンル分けが成立していない
開発のベストプラクティスが共有されていない
新しいものを作りたい
萌芽となるアイデアはある
面白く遊べる最終形は分からない
ソフトウェアとしての最終形も分からない
スケジュールだけ計画駆動
何本か作ると作り方が分かってくる
環境の変化を測るツール、見える化するツールがない
マイルストンでスケジュールのケツだけ管理する
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- 16. ② 1990年代「全部違う」
ゲームバブル
カンブリア爆発
新規参入そして撤退
製品が全部違う
設計レベルから、タイトルへの過剰な最適化で、進化の袋小路へ
開発体制が全部違う
方針、人員構成、規模、文化といった軸で差異
カウボーイ達の活躍
一部の伝説的な超人が頑張る
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- 17. ③ 2000年代「規律がない」
高精細な灰色の時代
据え置き機の開発規模が大型化、携帯電話などの小型案件の増大
ハードコアユーザとライトユーザの断絶
市場の成熟、多様化
高効率開発への圧力
現場での試行錯誤による学習は認められない
カウボーイ達のやり方ではスケールしない
開発環境の進化
コンテンツパイプライン
ゲームエンジン
ドメイン知識の共有、体系化
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- 18. ゲーム開発でAgileが選ばれる理由
「計画駆動で作れない」
->変化を抱擁
「全部違う」
->テーラリング
「規律がない」
->Scrum、バーンダウンチャート、かんばん
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- 19. ゲーム開発でAgileを選んだ場合の注意点
「計画駆動で作れない」->変化を抱擁
適切なプラクティスを適用して変化を制御下に置く努力が足
りないと、ただの朝令暮改
「全部違う」->テーラリング
効果に対する影響を十分に考えないで、実施可能なプラク
ティスの寄せ集めをやってしまう
「規律がない」->Scrum、バーンダウンチャート、かんばん
強すぎる管理を緩めて、自主的な規律で代替しようとするも
ので、弱すぎる管理の引き締めに使うのは本来の文脈外
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- 20. コラム:開発を探索問題と捉えると
アジャイル的反復は収束点が事前計画でない
探索空間が狭かったり、解曲面が比較的複雑でない場合、解曲面に対
する学習の収束は早くなる
更に、時間に対して解曲面の変化が殆どない場合、得られた解曲面の
理解は長期に有用となる
こうなると探索的である必要はなくなるので、計画駆動が可能となる
探索空間が広い、解曲面が複雑、解曲面の変化が激しい、といった場合、
探索的である必要があるので、アジャイルな手法が適する
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- 21. まとめ
ゲーム開発の特徴
アジャイルとの親和性
XP祭りLTでの注意点
おわり
今日、名刺忘れたので、名刺だけ下さいw
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