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Preacherによる
          Moderatorの検討方法
                                   Rep: 徳岡       大
                         広島大学大学院教育学研究D1



2要因の交互作用 http://quantpsy.org/interact/mlr2.htm
3要因の交互作用 http://quantpsy.org/interact/mlr3.htm


                                                     1
重回帰分析による交互作用の検討

• Rで交互作用項を含めた重回帰分析を行う
 – Carパッケージのインストールと変数のcenteringを忘れずに!




• 回帰係数と切片の分散共分散行列を算出




                                        2
Preacherのマクロに値を代入
                                 回帰係数と
                                 切片の分散




                                  ±1SD



                                 説明変数の
                                 最小,最大



重回帰分析の自由度
             調整変数の回帰係数と切片の共分散,
      回帰係数   説明変数と交互作用項の回帰係数の
             共分散
                                         3
Preacherの出力結果①
• 1番上の枠内に結果が,2番目の枠内に±1SDと平均値
  におけるグラフが,3番目の枠内に信頼帯が出力される
• 1番上の枠内で必要なデータ
 – 3つ目のボックスに有意区間が出力される




 – 4つ目のボックスに±1SD,平均値時の単純傾斜の検定結果




                                  4
Preacherの出力結果②

• 1番上の枠内の最も下にあるデータ
 – グラフをエクセルで書くときに役立つ




• 2番目の枠内は単純傾斜のグラフを記述してくれる



 – おもしろい交互作用はなさそう




                            5
Preacherの出力結果③
• 3番目の枠内は信頼帯を記述してくれる



 – 枠内の1行目と2行目に調整変数の最小値,最大値に書き換え
   る(デフォルトはz1=-10,z2=10になっている)




                                  6
Moderationを扱うときの共変量
   重回帰分析で交互作用項を扱う時に,共変量も投入する
   ケースには注意が必要
   • 説明変数と調整変数の他に共変量を投入する時
        – Time2におけるテスト成績をTime1の学習方略,対処的悲観
          主義を予測したい。
        – 個人の認知特性によって,効果的な学習方略は異なるかもしれ
          ない!
        – Time1のテスト成績を共変量として統制したい
        – 対処的悲観主義者のテスト成績は高いことが知られている。
        – このとき,共変量と調整変数の相関が0でない限り,説明変数
          と調整変数の交互作用項の回帰係数にはバイアスがかかる1)


Yzerbyt, V. Y., Muller, D., & Judd, C. M. (2004). Adjusting researcher’s approach to adjustment:
          On the use of covariates when testing interactions. Journal of Experimental Social
          Psychology, 40, 424-431.                                                               7
共変量との相関によるバイアスの大きさ1)
 𝑋1𝑖 : 個人差(ランダム)変数,𝑁 0,1
 𝑋2𝑖 : 操作された独立(固定)変数(調整変数),contrast coded

 𝐶 𝑖 : 共変量,𝑁 0,1 ,𝜎 𝑋𝑋,𝐶 ≠ 0
  (+1, -1)

• このような仮定の場合,真のモデルはこのように仮定される。



• 共変量と調整変数の相関を仮定しない場合のモデル



• 真のモデルにおける分散共分散行列に基づくと
                                 目的の交互作用




 目的交互作用項のβは,𝑋1𝑖 と𝐶1𝑖 の相関とβ分だけ過小評価される
                                             8
真のモデルを用いない場合の
            検定力の低下1)




 𝑋1𝑖 × 𝑋2𝑖 のβに関して, 𝐶 𝑖 × 𝑋2𝑖 のβ, 𝑋1𝑖 と𝐶1𝑖 間の相関が高くな

 𝐶 𝑖 × 𝑋2𝑖 のβに関して,𝐶 𝑖 × 𝑋2𝑖 のβ,𝑋1𝑖 と𝐶1𝑖 間の相関が高くなると,
  ると,真のモデルを使わない場合,タイプⅠエラーが増加

  真のモデルを使わない場合,検定力が低下する
                                                       9
共変量を含む3要因の交互作用の検討
• Yzerbyt et al. (2004)では,説明変数と調整変数間は
  無相関を仮定している。
• 説明変数𝑋1𝑖 と調整変数𝑋2𝑖 間も有意な相関なら?
• 𝑋1𝑖 𝑋2𝑖 のβは,𝑋1𝑖 𝐶 𝑖 𝑋2𝑖 の共分散などのバイアスがかか
  ることが予測される(シュミレーション等はしてません)
• 相関行列などで必要に応じて共変量を含めた3要因の交
  互作用項も重回帰モデルに含む必要が生じる




                                           10
重回帰分析による3要因の交互作用

• 2要因の交互作用ときと基本的には同じだが,出力され
  る数値が多いので,Preacherのマクロへ入力するとき
  にミスがないように気を付ける




                                 11
重回帰分析による3要因の交互作用




• どの共分散の組み合わせをマクロに代入するかで,統制
  する順番が変わるので注意。
※2要因の交互作用が目的の場合は,この分散共分散行列の中から,必要
 な値をマクロに代入
                                    12
𝒄𝒄 𝒘𝒘 , 𝒄𝒄 𝒘𝟐 から先に統制されるため,この場合 高Y1
条件におけるX1*Z1の交互作用,低Y1条件における
X1*Z1の交互作用に関する単純傾斜の検定が出力さ
れる                                   13
• 有意区間の推定

                       高Y1条件

                       低Y1条件

• 単純傾斜の検定




• グラフはこの条件の中の1つしか出力されないので,使
  い勝手がよいとは言い難いかも。
                               14
注
• 仮想データを作成した際に,Yzerbyt et al. (2004)の
  論文を読み違えていたため,3要因の交互作用を組み込
  むことで交互作用の推定結果が誤ってしまうという現象
  が起きないデータセットになってしまっています。
• 修正版を作る余裕があれば,修正して連絡します。


       Thank you for your attention !
資料に関するご質問は mtokuoka37@hiroshima-u.ac.jp まで下さい




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  • 1. Preacherによる Moderatorの検討方法 Rep: 徳岡 大 広島大学大学院教育学研究D1 2要因の交互作用 http://quantpsy.org/interact/mlr2.htm 3要因の交互作用 http://quantpsy.org/interact/mlr3.htm 1
  • 2. 重回帰分析による交互作用の検討 • Rで交互作用項を含めた重回帰分析を行う – Carパッケージのインストールと変数のcenteringを忘れずに! • 回帰係数と切片の分散共分散行列を算出 2
  • 3. Preacherのマクロに値を代入 回帰係数と 切片の分散 ±1SD 説明変数の 最小,最大 重回帰分析の自由度 調整変数の回帰係数と切片の共分散, 回帰係数 説明変数と交互作用項の回帰係数の 共分散 3
  • 4. Preacherの出力結果① • 1番上の枠内に結果が,2番目の枠内に±1SDと平均値 におけるグラフが,3番目の枠内に信頼帯が出力される • 1番上の枠内で必要なデータ – 3つ目のボックスに有意区間が出力される – 4つ目のボックスに±1SD,平均値時の単純傾斜の検定結果 4
  • 5. Preacherの出力結果② • 1番上の枠内の最も下にあるデータ – グラフをエクセルで書くときに役立つ • 2番目の枠内は単純傾斜のグラフを記述してくれる – おもしろい交互作用はなさそう 5
  • 6. Preacherの出力結果③ • 3番目の枠内は信頼帯を記述してくれる – 枠内の1行目と2行目に調整変数の最小値,最大値に書き換え る(デフォルトはz1=-10,z2=10になっている) 6
  • 7. Moderationを扱うときの共変量 重回帰分析で交互作用項を扱う時に,共変量も投入する ケースには注意が必要 • 説明変数と調整変数の他に共変量を投入する時 – Time2におけるテスト成績をTime1の学習方略,対処的悲観 主義を予測したい。 – 個人の認知特性によって,効果的な学習方略は異なるかもしれ ない! – Time1のテスト成績を共変量として統制したい – 対処的悲観主義者のテスト成績は高いことが知られている。 – このとき,共変量と調整変数の相関が0でない限り,説明変数 と調整変数の交互作用項の回帰係数にはバイアスがかかる1) Yzerbyt, V. Y., Muller, D., & Judd, C. M. (2004). Adjusting researcher’s approach to adjustment: On the use of covariates when testing interactions. Journal of Experimental Social Psychology, 40, 424-431. 7
  • 8. 共変量との相関によるバイアスの大きさ1)  𝑋1𝑖 : 個人差(ランダム)変数,𝑁 0,1  𝑋2𝑖 : 操作された独立(固定)変数(調整変数),contrast coded  𝐶 𝑖 : 共変量,𝑁 0,1 ,𝜎 𝑋𝑋,𝐶 ≠ 0 (+1, -1) • このような仮定の場合,真のモデルはこのように仮定される。 • 共変量と調整変数の相関を仮定しない場合のモデル • 真のモデルにおける分散共分散行列に基づくと 目的の交互作用  目的交互作用項のβは,𝑋1𝑖 と𝐶1𝑖 の相関とβ分だけ過小評価される 8
  • 9. 真のモデルを用いない場合の 検定力の低下1)  𝑋1𝑖 × 𝑋2𝑖 のβに関して, 𝐶 𝑖 × 𝑋2𝑖 のβ, 𝑋1𝑖 と𝐶1𝑖 間の相関が高くな  𝐶 𝑖 × 𝑋2𝑖 のβに関して,𝐶 𝑖 × 𝑋2𝑖 のβ,𝑋1𝑖 と𝐶1𝑖 間の相関が高くなると, ると,真のモデルを使わない場合,タイプⅠエラーが増加 真のモデルを使わない場合,検定力が低下する 9
  • 10. 共変量を含む3要因の交互作用の検討 • Yzerbyt et al. (2004)では,説明変数と調整変数間は 無相関を仮定している。 • 説明変数𝑋1𝑖 と調整変数𝑋2𝑖 間も有意な相関なら? • 𝑋1𝑖 𝑋2𝑖 のβは,𝑋1𝑖 𝐶 𝑖 𝑋2𝑖 の共分散などのバイアスがかか ることが予測される(シュミレーション等はしてません) • 相関行列などで必要に応じて共変量を含めた3要因の交 互作用項も重回帰モデルに含む必要が生じる 10
  • 11. 重回帰分析による3要因の交互作用 • 2要因の交互作用ときと基本的には同じだが,出力され る数値が多いので,Preacherのマクロへ入力するとき にミスがないように気を付ける 11
  • 12. 重回帰分析による3要因の交互作用 • どの共分散の組み合わせをマクロに代入するかで,統制 する順番が変わるので注意。 ※2要因の交互作用が目的の場合は,この分散共分散行列の中から,必要 な値をマクロに代入 12
  • 13. 𝒄𝒄 𝒘𝒘 , 𝒄𝒄 𝒘𝟐 から先に統制されるため,この場合 高Y1 条件におけるX1*Z1の交互作用,低Y1条件における X1*Z1の交互作用に関する単純傾斜の検定が出力さ れる 13
  • 14. • 有意区間の推定 高Y1条件 低Y1条件 • 単純傾斜の検定 • グラフはこの条件の中の1つしか出力されないので,使 い勝手がよいとは言い難いかも。 14
  • 15. 注 • 仮想データを作成した際に,Yzerbyt et al. (2004)の 論文を読み違えていたため,3要因の交互作用を組み込 むことで交互作用の推定結果が誤ってしまうという現象 が起きないデータセットになってしまっています。 • 修正版を作る余裕があれば,修正して連絡します。 Thank you for your attention ! 資料に関するご質問は mtokuoka37@hiroshima-u.ac.jp まで下さい 15