5. Issues Socionic Data and Cube
ソシオンのデータ構造
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6. Issues Goal of today
考えたい行列とゴール
データは人家族につき,二相三元データ
一人一人のデータを見ても非対称行列
非対称性に加え,主体間あるいは個人と家族の間の「不整合」
も重要なポイント
→非対称三元データを「まるごと」つかって,できるだけ「わか
りやすい」アウトプットを得たい。
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7. Issues Our approaches...
これまでの方略
清水ほか (2009) では,マルチレベルモデルによって個人レベ
ルと集団(家族)レベルを分離したモデリングを行った。
小杉ほか (2011) では,項目得点の算出の際に,項目の相と主
体の相とで別個に潜在変数を仮定し,かつ等値制約をするな
どして得点化の際に構造的意味合いを持たせた。
統計モデルとしては INDSCAL や GSTATIS など (非対称)MDS
の三元方向への拡張がある。
→なかなか三元モデルを統一的に把握するのは難しい。
→三元モデルは個人間を(例えば原点で)FIX するが,その仮定が
妥当かどうか,という問いも。
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8. Method Cutting Cube
キューブをカットする
藤澤 (2008) の方法で,キューブをカットして切断面で取り上げる
ことによって元の情報を減らす,というのがある。実際分かりや
すいのは P カットと CA カット。
カットしてしまえば,各切断面は二相二元の非対称行列。
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9. Method Cutting Cube
非対称MDSの広がり
非対称 MDS の種類としては,
点に情報をまとわせる方法;OI モデル,vM モデル
ベクトルで表現するモデル;宿久モデル
場に埋め込むモデル;Abelson モデル
空間を数学的に広げてしまうモデル;Chino など
がある。上の3つは順に点,ベクトル,面に非対称情報をうめこ
むものであり,その順にパラメタの数が多く表現力が強くなると
も言える。
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10. Method Asymmetry and Discrepancy
非対称と不整合
本研究で示すのは次のような方法。
1 P カットの非対称行列を宿久のベクトルモデルで表現
2 P カット面と CA カット面のズレ (=不整合) を算出。
gapi =
4∑
j=1
(Pi,j − CAi,j )2
3 gapi を宿久モデルのベクトルがもつ第三次元の値とし,任意
の点 p(x, y)A は Abelson の場モデルで補完する。
高さが家族の表に出ている態度と自分の認知の差,と解釈できる。
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11. Method Data
サンプルデータ
調査対象者:Ipsos 日本統計調査社に依頼し,父・母・子供 2
人(うち 1 人は高校生・子供は中学生以上)の四人同居家族
を対象とした調査を行った。対象地域は関東・関西圏、郵送
法で 118 世帯からの回答を得た。
調査項目:先行研究から、家族関係に関する 6 項目 (思いやっ
ている、必要としている、大切にしている、嫌がっている、
不信感を持っている、無視している) それぞれを 5 件法で、父
→母、父→第一子、父→第二子、母→父、など 16 の関係性に
ついて各成員に尋ねた
他に,家族の精神的健康,幸福感,家族の凝集性尺度などに
ついても回答を求めた。
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12. Method features of samples extracted.
サンプル家族の特徴
118 家族野中から特徴的な家族をピックアップするために,精
神的健康と幸福感の家族内平均と家族内 SD をデータとし,
自己組織化マップによって分類,特徴的な 4 家族
(ID.86,68,61,91) を抽出した。
家族 ID とその特徴は次の通りである。
精神的健康:ID.61 > ID.91 > ID.86 > ID.68
幸福感:ID.61, ID.91 > ID.86 > ID.68
凝集性:ID.68, ID.81, ID.91 > ID.86
柔軟性:ID.86 > ID.61, ID.91 > ID.68
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13. Method mean scores of samples extracted.
サンプル家族の特徴
4 サンプルの家族内平均値。得点化は小杉ら (2011) の方法に従っ
て推定された標準化因子得点。
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18. Discussion Pros and Cons 1
本モデルの長所
非対称情報をベクトルで,不一致情報を場モデルで一体化さ
せて表現
認識主体を切り替えられること,四枚並べると視点の違いを
比較することも可能
ソシオンモデルや家族関係描画法 (FIT) 等との理論的妥当性,
整合性
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19. Discussion Pros and Cons 2
本モデルの短所
データ収集が非常にコスト高
場モデルによる表現はメタファーの域を出ない
メタファーをさらに展開するほどに,(社会心理学的な)理論
的基盤がしっかりしていない
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