More Related Content
More from Kazuhiro Suga (20)
【材料力学】応力 (I-03-1 2020)
- 2. 応力
定義:単位面積当りの内力
[ N/m2 ]=[ Pa ]単位:
役割:寸法によらず材料に作用する力の大きさを評価
50 [mm2] 100 [mm2]
30 [N] 50 [N]
荷重 25 [N] 50 [N] 寸法の影響あり
応力 0.6 [MPa] 0.5 [MPa] 寸法の影響なし
2/5
- 5. まとめ:応力
1. 応力の定義と役割
2. 応力の種類
3. 断面の選び方と応力
定義:単位面積当りの内力
[ Pa ]単位:
役割:寸法によらず材料に作用する力の大きさを評価
応力は断面の取り方で変わる
:断面に垂直な方向の応力垂直応力
せん断応力:断面に平行な方向の応力
σ = Nn A
シグマ
τ =
タウ
Ns A
5/5
Editor's Notes
- #page
応力
この項目では,次の3つの目標を設定しています.
一つ目は,応力の定義と役割を説明できるようになることです.
二つ目は,応力の種類を説明できるようになることです.
三つ目は,任意断面の応力を計算できるようになることです.
- #page
応力について説明します.
応力は,単位面積あたりの内力と定義されます.
応力は,力を面積で割った物理量ですので,単位は,[にゅーとん,ぱー,平方メートル] すなわち「ぱすかる」となります.
この講義では,「ぱすかる」を利用します.
#click
応力の役割を考えるために,天井からつるされた棒に作用する力の大きさを評価してみようと思います.
青い棒の材料は,断面積が50平方ミリメートルで,30ニュートンまでの力を支えられます.
赤い棒の材料は,断面積が100平方ミリメートルで,50ニュートンまでの力を支えられます.
どちらの材料が,より大きな力を支えられる材料でしょうか?
#click
荷重で考えると赤い棒の方が大きな荷重を支えていることは明らかです.
しかし,青い棒の材料も,断面積を大きくすれば支えられる荷重は増加します.
支えられる荷重の大きさは,断面積に応じて変化してしまうため,
材料に作用する力の大きさを評価する指標としては,不適切です.
#click
そこで,断面積の大きさによらず,材料に作用する力の大きさを評価するために,
応力を用います.
応力は,単位面積あたりの内力ですので,材料の寸法の影響を受けません.
青い棒と赤い棒の応力を計算してみます.
青い棒は,0.6メガパスカル,赤い棒は0.5メガパスカルの応力を支えられます.
したがって,青い棒の材料の方が力を支える能力が高いことがわかります.
#click
以上の例をからもわかるように,応力の役割は,「寸法によらず材料に作用する力の大きさを評価」することです.
- #page
垂直応力とせんだん応力について説明します.
図は,長方形の棒を仮想切断して,内力を図示した様子をあらわしています.
赤い線が,仮想切断した断面です.断面積をAであらわします.
#click
垂直応力とは,仮想切断した断面に垂直な方向に作用する応力です.
垂直応力は一般的に,「σ」であらわされます.
垂直応力は,断面に垂直な方向に作用する内力Nnを断面積Aで除した値で定義されます.
#click
せん断応力とは,仮想切断した断面に平行な方向に作用する応力です.
せん断応力は一般的に,「τ」であらわされます.
せん断応力は,断面に平行な方向に作用する内力Nsを断面積Aで除した値で定義されます.
- #page
断面の選び方と応力について説明します.
左上の示すような,円柱に作用する応力を考えます.
異なる断面で生じる応力がどうなるか検討するために,
円柱の2つの断面に生じる応力を計算してみましょう.
赤色で示した断面は,円柱の軸線に垂直な断面です.
赤色の断面の断面積をA,垂直方向の内力をNnとします.
この断面に生じる応力σは,Nn割るAで与えられます.
#click
次に,赤色の断面からθだけ傾いた青色の断面に生じる応力を計算してみます.
青色の断面で仮想切断した結果を,左下の図にしめします.
赤色の断面に垂直な内力Nnの成分を,青色の断面に垂直な力Pnと平行な力Psに分解します.
また,青色の断面の面積をAプライムとします.
Aプライムは,A割るcosθで与えられます.
#click
青色の断面に生じる垂直応力σプライムは,Pn割るAプライムで計算できます.
各値を代入した計算結果をみると,赤色の断面に生じる垂直応力σを,こさいん,二乗,θ倍したものになることがわかります.
また,
青色の断面に生じるせん断応力τプライムは,Ps割るAプライムで計算できます.
計算結果みると,赤色の断面に生じる垂直応力σを,さいん,θ,こさいん,θ倍したものになることがわかります.
赤色の断面と青色の断面の垂直応力の成分を比較するれば,明らかな通り,
応力は,断面の取り方で変わることが確認できました.
- #page
応力のまとめです.
応力の定義と役割
応力は,単位面積あたりのないりょく,と定義されます.
単位は,「ぱすかる,です.
応力の役割は,寸法によらず材料に作用する力の大きさを評価することです.
応力の種類
応力には,注目する断面に垂直な垂直応力と,平行なせん断応力があります.
断面の選び方と応力
応力は,断面の取り方で変わります