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日本再生プログラム推進フォーラム 時局講演会
健康立国宣言
安心できる社会インフラづくり
~明治百五十年の反省を踏まえて~
平成29年9月23日
NPO茨城の暮らしと景観を考える会
株式会社 ミ カ ミ
三 上 靖 彦
営利活動と非営利活動の関係
・営利活動を続けると、非営利活動の必要性が見えてくる
私 公
人として、組織として、そのミッション(役立ち)を果たすには、非営利活動も大切
人として、組織としての役立ちを考えると、持ち得る専門性を出し惜しみなく提供すること
・非営利活動をやってこそ、営利活動に価値が生まれる
損得抜きで、地域社会に対する「役立ち」の確認が出来る
地域の資源の真の意味、地域の求める真のニーズが分かる
・営利活動を続けることが、非営利活動の充実につながる
非営利活動の基盤としての営利活動 (営利活動と非営利活動は、車の両輪)
営 利 非営利
非営利営 利
非営利営 利
1
三上靖彦 58歳
【略 歴】
・昭和34年1月 水戸藩士の末裔として水戸市南町に生まれる
・昭和40年3月 水戸市立三の丸幼稚園 卒園
・昭和46年3月 水戸市立三の丸小学校 卒業
・昭和49年3月 水戸市立第二中学校 卒業
・昭和52年3月 茨城県立水戸第一高等学校 卒業
・昭和56年3月 筑波大学第一学群自然学類 卒業(地球科学)
・昭和58年3月 筑波大学大学院修士課程環境科学研究科 修了(学術修士)
・昭和58年4月 株式会社 地域計画連合(東京) 入社
・平成 2年4月 株式会社 ミカミ(水戸) 入社
・平成 4年2月 技術士(建設部門・都市及び地方計画)
・平成10年6月 株式会社 ミカミ 代表取締役 現在に至る
・平成12年1月 ワシントン大学経営大学院リーダーシップベーシックコース修了
・平成13年9月 ワシントン大学経営大学院リーダーシップアドバンスコース修了
・平成26年7月 建設事業関係功労者として国土交通大臣より大臣表彰を受賞
・平成27年5月 全国測量設計業協会連合会会長表彰を受賞
・平成28年4月 認定都市プランナー(都市・地域経営)
・平成28年7月 リノベーションスクールプロフェッショナルコース全課程修了
【専門分野】
・自然地理:理学(なぜそうなのか、を問う基礎科学)
地形学(河川地形、海岸地形、平野の地形、台地の地形、丘陵地の地形、など)、土地条件
・まちづくり:工学(だからどうする、を問う応用科学)
都市・地域経営、プロジェクトマネジメント、エリアマネジメント、市街地整備計画、中心市街地活性化計画、
観光振興計画、拠点地区開発計画、NPOや市民主体によるまちづくり
【著 書】
・技術士活躍情報 (平成 6年・経営情報出版社/共著)
・夢を追う技術者・技術士 (平成10年・コロナ社/共著)
・中心街元気マニュアル (平成12年・商店建築社/共著)
・技術士第二次試験合格完全対策 (平成14年・経林書房/共著)
・水戸空間診断 dead or alive (平成16年・筑波大学貝島研究室/共著)
・朝日新聞茨城版「暮らし経済あれこれ」 (平成16年11月から平成20年3月まで連載)
・インフラ・まちづくりとシビルNPO (平成26年・土木学会/共著)
2
水戸で生まれ育つ。幼稚園
から高校卒業まで13年間、
水戸城の中で学ぶ。
【社会的活動】
・平成15年 5月 NPO法人 茨城の暮らしと景観を考える会 理事・事務局長
・平成17年 4月 水戸コミュニティ放送(FMぱるるん)番組審議委員会 委員
・平成17年 8月 茨城県県営公園指定管理者選定委員会 委員長(茨城県公園街路課)
・平成17年 9月 水戸オセロプロジェクトいばらき推進委員会 事務局長
・平成18年 2月 道路空間検討委員会 委員(国土交通省常陸河川国道事務所)
・平成18年 2月 水戸市景観審議会 委員(水戸市都市計画課)
・平成18年 9月 茨城県出資団体経営改善委員会 委員(茨城県出資団体指導監室)
・平成19年 3月 NPO法人 茨城の暮らしと景観を考える会 代表理事
・平成20年 8月 茨城県快適な社会づくり推進会議 委員(茨城県政策審議室)
・平成20年 8月 水戸藩開藩四百年記念『桜田門外ノ変』映画化支援の会 事務局長
・平成20年10月 水戸市中心市街地活性化協議会 副会長
・平成21年 2月 コミケでまちおこし・みと実行委員会 副会長
・平成21年 8月 いばらきデザインセレクション審査委員(茨城県デザインセンター)
・平成22年 2月 茨城県総合計画審議会 活力あるいばらきづくり部会 委員(茨城県企画部)
・平成22年 7月 茨城県民文化センター指定管理者選定委員会 委員(茨城県生活文化課)
・平成23年 4月 偕楽園・弘道館復興支援の会 副会長
・平成23年10月 NPO法人 日本再生プログラム推進フォーラム 理事(地域のひな型研究会担当)
・平成25年 5月 関東ICT推進NPO連絡協議会 幹事(総務省)
・平成25年11月 水戸商工会議所 常議員 観光振興委員会 委員長
・平成26年 3月 水戸市観光審議会 副会長(水戸市観光課)
・平成26年 4月 NPO法人 シビルNPO連携プラットフォーム(CNCP) 理事
・平成26年11月 水戸市都市交通戦略会議利用促進部会 副部会長(水戸市地域振興課)
・平成27年 2月 CNCPソーシャル・ビジネス提案コンテスト実行委員会 委員長
・平成27年 3月 旧水戸城大手門等復元整備促進実行委員会 委員(水戸市文化課)
・平成27年 4月 水戸市まち・ひと・しごと創生有識者会議 委員(水戸市政策企画課)
・平成27年12月 リノベーションまちづくり@水戸 実行委員会 アドバイザー
・平成28年 2月 水戸どまんなか再生プロジェクト会議 副座長(商業空間のマネジメント担当)
・平成28年11月 水戸商工会議所 常議員 コンパクトシティ・まちかな居住推進委員会 委員長
・平成28年11月 株式会社まちみとラボ 代表
3
日本再生プログラム(20111015)
はじめに このままでは私たちの社会は持続できない、破局を避けることは出来ない
未曽有の大震災から学ぶこと⇒今が変わるチャンス
・災害の危険性のない暮らしを ・未知なるものへの畏敬の念
・大量輸送に頼らず地産地消を ・元気で豊かなコミュニティを
・戦略的低エネルギーへの挑戦、そしてその実現を・・
震災は、時代の流れを加速させた
・衰退しつつあった地域が加速度的に衰退するか。
・新しい時代に向けての可能性を劇的に伸ばすことが出来るか。
・震災からの復興は「21世紀らしいまちづくり」を促進。
時代認識
新しい国づくりへ向けての基本的な認識
新しい国づくりに向けての時代認識
・政治経済が本格的に行き詰まった今、日本はどうすべきか?
・既存の組織は動けない。既存の組織には頼れない。
既存組織を脱却し、自分たちで国づくりを!
日本本来の国づくりを!
・日本は本来、『お国柄』で国づくりを進め、国を治めた。
・官治ではなく、日本古来の民政自治、第二の城下町づくりを!
自分たちで国づくりを!=村の自治!
物質文明は極限まで行きついた
・成長志向から選択の時代へ。
・物資文明と精神文明の融合と 相乗効果を。
行き過ぎから戻ってやり直すという発想で
・以前の状態には二度と戻れない、という覚悟で!
・新しい文明を創出しよう!
新しい社会の潮流
・世界最適生産・最適調達から、地域・民族ごとの個性化へ。
・金融と市場原理主義から、雇用が第一へ。
・生産と消費から、所得と雇用へ。
・量・即戦力から、質・熟練へ。
・安価で大量の世界調達から、地域自給と戦略的低エネルギーへ。
・官と民の対峙の時代から、新しい公共へ。
震災と時代認識を踏まえた内需中心の持続的成長を!
21世紀らしいまちづくり
・不安定なエネルギー供給や流通で不便を被るより、劇的な低エネルギー生活と、安心な地産地消の実現に取り組んだ方が、苦労の甲斐がある。
・しかも、環境に優しく自然災害とも無縁の国土利用の推進で、私たちは「健康で持続可能性の高い生活」を手に入れることが出来る。
・地域における究極の競争力である「個性」を、発展の原動力に。
過去を踏まえ、今という時代を再定義し、未来への方向性を地域全体で合意し、
新しい地域づくりに取り組むべき時は、まさに今!
4
日本再生の理念(100年ビジョン)
【大切なこと】健康と持続可能性が高いこと
健康や持続可能性を重視するライフスタイル=ロハス
(破局を避けることが可能な社会へ=進化)
「健康」:いつまでも「元気」でいること。生涯現役で
過ごせるように元気を保つこと。
「持続可能性」:今ここにいる自分だけではなく、子孫も
元気で暮らせるように環境を守ること。
偉大なる共生社会の創造
-共生とは進化なり-
21世紀は「持続可能性」が大切
持続可能性 = 共生 × 進化
時代を越えて存在し続ける本物
懐かしい未来(景観10年、風景100年、風土1000年)
過去との絆を持ち、過去から何かを吸収しているものは、未来
にわたって存在し続け、見る者に感動を与える美しさがある。
21世紀世界初『戦略的低エネルギー社会』の建設
21世紀の風景「懐かしい未来」は、風土と融け合うものであ
るが、その陰にはナノテクや発酵技術などの最先端のスーパー
テクノロジー、新素材が、快適な生活環境を提供する。低エネ
ルギーでも、今まで以上の豊かさを享受できる。
先祖の財産や知恵を生かしながら、家族や隣近所はもちろん、
ほかの国々、あらゆる動植物、地球、過去と未来とも共生でき
る「絆」を保ちながら、常に融合・進化する。
本物とは
本物は、
消耗品ではなく、蓄財。
直して使う。
本物を作る人は、
すなわち、熟達職業人。
持続可能性
人・モノ・地球・時代(過去
と未来)・物質世界と精神
世界との共生による進化は、
健康で持続可能性を高め
(ロハス的)、破局を避ける
ことを可能にする。
21世紀の教育
・恒心
(常に持つ正しい心)
(善悪の分かる心)
・個の花を咲かせる
・チームワーク
・ヨコ型リーダーシップ
・熟達職業人(一人一芸)
100億人を養う世界を
21世紀らしい資源活用、
新しいライフスタイルのひな
型を示す
和の国・日本(大和)
・足し算の文化。
・異文化を取り込む。
古代日本×東洋文化
×西洋文化×未来
・他のもの、異なるもの、
敵を味方に。
・そして、1+1が3に。
・完成形はなく常に進化
・変わらぬ縦糸と、変化
して組み直す横糸。
少子高齢化問題の克服を
安心して子供を増やすこと
が出来るライフスタイルのひ
な型を示す
新しい科学技術
スーパーテクノロジーと風
土のハイブリッド
・ナノテク、発酵技術
・素材革命 など
個性は究極の競争力
地域の独自性を活かす
風土特色を活かした自立
・地産地消
・再生可能エネルギー
5
提 言(20130415)
21世紀の文明開化を基軸とする日本再生戦略
<これから30年間の日本の国家目標>
21世紀らしい健康で持続可能な完全就業・完全参加社会をまず日本で実現し、世界に
提案すること。それを実現するために21世紀の文明開化として、日本の国土利用、衣食
住、生活スタイル、就労、企業活動、産業、エネルギー、資源、食料、教育、社会保障、安
全保障など、あらゆる面を健康と持続可能な形に変化させていくこと。
<基本理念>
日本の歴史を振り返るとき、日本人は古来から好奇心が強く、進取の気性に富み、変化
に柔軟に適応してきた。しかしその大きな変化のなかにも日本としての一体感、継続性を
失わなかったことは日本の最も強みとするところである。今の日本は、既にたくさんの行き
詰まりを見せている明治以降の近代化、西欧文明移入の歴史を超えることが必要である
。新しい日本、すなわち21世紀の文明開化として健康で持続可能な全く新しい文明の構
築を、主権の存する日本国民の力で世界に先駆けて推進し、それを世界に提案してくこ
とが今後の日本の使命であると確信する。
<タイトル>
民衆力再起動
-21世紀の文明開化で全員就業・全員参加の日本再生-
6
基本政策
21世紀の文明開化
<国家としての責任>
<地域社会>
•新しい地域社会の建設 ・教育・社会保障は地域分権を拡大
•経済と生活、就業と参加、民間と行政の役割分担の継ぎ目をなくして一体化
<地域経済>
•高品質な競争力の確立 ・経済と通商の基本方針
•ヨコのネットワークによるイノベーションの実現
<土地利用>
•国土利用の大幅な見直し
<個別手法>
•戦略的低エネルギー社会の実現と再生可能エネルギーの拡大
•健康で文化的な最低限度の生活の確立 ・義務教育の抜本的見直し
•新しいリーダーの登場支援 ・大学、研究機関の業務の大幅自由化
•不動産の権利放棄制度の導入 ・新地域活性化区域の設定
•国民の意思による国家的投資銀行の設立
•原発の即時廃止 ・日本政府の責務 ・戦争放棄の大方針に沿った安全保障
・新しい外交政策 ・日本政府の国民監査と新たな役割 の支援を本格拡充
7
次世代への継承 (20161015)
健康立国宣言
<健康イノベーションの3本柱>
・ストレスのない職場 ・病気にならない生活 ・安心できる社会インフラ
<目 標>
•健康イノベーションで国民の健康を大幅に増進させ、今後 10 年間に
租税負担率と社会保障負担率を合計した国民負担率を現在の 3 分
の 1 にする。 (平成 27 年の国民負担率は過去最高の 43.4%)
•さらに健康イノベーションを展開することで、健康で持続可能性の高い
新時代の日本の国際競争力を高める。
<背 景>
かつて私たちNSPは、観光立国・新しい農業・日本列島の大掃除を
政策として提案して、実際に日本政府・各地域・企業・民衆が動
いてここまで来たわけですが、今度は改めて『健康立国』という
テーマで日本再生のための国民運動を広げようと考えています。
8
健康立国宣言
健康イノベーションの3本柱
<安心できる社会インフラ>
本格的な健康の増進には安心・安全の衣食住空間が必要であり、それを
サポートする新しい社会インフラが必要である。
資源、エネルギー、交通、通信、土地利用、都市計画、産業、教育研究、
職場、住宅、生活など、あらゆる社会インフラを健康増進の目的に向け
て、斬新なイノベーションを駆使して再構築していく。
<病気にならない生活>
いかに健康を増進し、病気にならないかの実践的方法をあらゆる分野の
知恵やイノベーションを駆使して確立し、 国民全体でそれをシェア(共有)
し、実践していく。
<ストレスのない職場>
多くの疾病や不調は職場のストレスが生んでいる。
新時代にふさわしい経営革命と働き方革命を通じて、職場のスト
レスを抜本的に減らす。
9
シェアリング・エコノミー + コネクテッド・エコノミー
<分かち合いと繋がりにより新たな付加価値が創出される社会>
•シェアリング・エコノミー:分かち合いにより付加価値が創出される
•コネクテッド・エコノミー:様々な繋がりにより付加価値が創出される
(相互に価値を認め合い、持ち味を活かし、繋がり分かち合う)
<背景>
欲望と競争を推し進めていけば、世の中の進化生成発展に繋がる原動力となる、
と信じて疑わない40歳代以降の我々と、何事もシェアし、分かち合い、繋がるこ
とこそが自分も含めた社会のためになる、と考えている30歳代前半以下。
この考え方の違いは決定的で、会社組織の中でも、仕事に対する動機づけの違
いとして表れている。出世や成功に対する考え方も大きく違い、それは一見「近
頃の若者には欲がない」と勘違いもされる。
情報を独り占めすることを優位とは考えず、価値のある情報こそシェアしようと考
える若者たち。平成の不景気の中、「頑張れば昨日よりも今日、今日よりも良い
明日が来る」、といった経験が一度もない若者たち。また、情報を探したり手に
入れることについて、特別な技術や立場を必要としない若者たち。そして、自分
だけが突出することよりも、仲間との繋がりを気にする若者たち。
彼らによる「シェアする文化」「繋がる文化」は、どのような未来を拓くのか。
10
日本再生のイメージ
【手 本】昭和30年代の日本を一つの手本に(+進化)
(風景、エネルギー量として)
風 景:低層の建物が主体で空が広く、遠くの自然がラン
ドマーク※3丁目の夕日、トトロのイメージ
環 境:小川のザリガニ、カエル。雑木林のカブトムシ、
クワガタ、セミ、チョウ。路地裏での遊び。原っ
ぱでの野球や缶けり。鎮守の杜や夏祭り。
街の姿:空間的コンパクト:短い通勤時間、日常生活拘束
時間にゆとり。居住地選択の自由度の高さ。徒歩
圏内にある多様な施設。
機能:自動車交通の制御可能。市民が楽しめる施
設が多く、容易に建設し易い、機能が集積してい
る(市民会館、博物館、美術館、図書館)。自然
レクリエーションへの接近度が高い。独自の歴史
や文化、伝統を大切にした、風土性豊かな街。
進 化:土地条件を踏まえ、自然災害に縁のない国土利用。
新素材等により、低エネルギーでも今より豊かに。
【イメージ】(日本再生とは未来を具体的に創ること)
『光に満ちた日本』
『森に浮かぶ国、日本』
『自然と共にある国、日本』
健康と環境のことを大切にしながら、ずっとみんなで心豊かに過
ごせる。昔ながらの「暮らし」そのもの。
それは、究極の競争力である個性をベースにした、
「懐かしい未来」。
街にも村にも懐かしい光が満ち、人々はその土地の自然と衣食
住を満喫しながら光り輝き、家族と地域を大切に和気あいあい
と暮らしている。
そこでは、いいものを少しずつ食べるという品の良さや、
物を直しながら長く大切に使うという配慮の気持ちを取り戻して
いる。
その土地ごとの自然、歴史、人が輝き、その光を浴びようと、
人々が集まってくる。
・日本の首都は東北の山中に移転している。
・京都と東北の新首都に皇居が設けられ、皇室の伝統
的な儀式は京都で行い、現代的な外交儀式は新首都
で行う体制が整っている。
・京都は皇室が伝統的な儀式を行う場所として大々的
に再開発が行われ、伝統工芸の工房ができ、日本の
伝統的な芸事のプロが集まり、リアリティーあふれる歴
史と伝統の町として再出発している。
・東京の皇居跡地は公園となり、永田町、霞が関から
皇居まで、連続した巨大な公園となっていて、そこに
は、武蔵野の雑木林(自然の複雑性の見本)が大々
的に復元されている。
・その雑木林の中には芸術的な仕事をする人たちのた
めの独創的なアトリエがあちらこちらに設けられ、そこ
で仕事ができることが世界中の芸術家の憧れの的と
なっている。
・世界中に日本語を教える日本語学校があって、たい
へんはやっている。
・日本国内には英語を教える英語学校があって、たいへ
んはやっている。
・日本人の半数は常に海外で生活したり働いている。
・義務教育は10年間に短縮され、それ以降の教育は
年齢に関係なく、いつでも好きな教育を受けられるよ
うになっている。
社会人も学校へふつうに通う時代になっている。日本
にはあらゆる種類の学校があり、海外に留学する人も
飛躍的に増えている。
・日本の若物は国内の学校を卒業した後、一度は海外
の学校に留学し、35~40歳頃まで海外で働くことが
常識になっている。
・日本では車や電気器具をはじめとした耐久消費財、ま
た衣料品や事務機など、腐らないもののほとんどはリ
サイクルによって長期間使われる。
また日本にはあらゆるものを改造して使うための改造
ショップがたくさんある。
・日本の企業は、世界規模で活躍する大規模多国籍企
業が展開するフランチャイズと、独創的な商品に絞っ
たり、営業範囲を狭く限った小規模企業の二極分化
しており、消費者にとってはその両方を組み合わせる
ことでとても安価かつ個性的で質の高い生活を行うこ
とができるようになっている。
【「富貴のこころ」より】
藤原直哉(理事長)著 1997年
・日本は農業と観光の国になっている。
・地球の温暖化によって東北、北海道で農業生
産力が一段と高まり、新しい農業の中心地帯
になっている。
・日本の農業は労働集約型で、いいものを少し
食べるという日本人のライフスタイルに合った
個性的な農業が中心である、
農業の担い手は幅広い年齢層にわたってい
る。
・日本全国の観光地は、自然に親しむという観
点から完全にリストラが終わっている。
・成田空港と関西空港から日本中の観光地へ
外国人が迷うことなく移動できる体制が整っ
ている、
公共交通機関と道路の表示はすべて日本語
と英語の二カ国語である。
・日本は仮想現実の世界を作る種となるリアリ
ティーを提供する国となっている。
たとえば美しい自然とか、美味しい食べ物と
か、0と1のコンピュータの世界では難しい曖
昧性あふれる日本語とか……。
したがってクリエイティブな仕事をする芸術家
が世界中から日本に集まってくる。
・日本には世界各国からの外国人がたくさん住
んでいて、彼らの多くは芸術家と研究者と教
師である。
一方、日本を訪問する外国人の多くは観光客
である。
・ソフトウェアの開発は芸術家の仕事になってい
る。
・東京は世界中から芸術家が集まって世界に
向けて芸術を発信する芸術発信都市になって
いる。
・大阪はアジアのビジネスセンターのひとつに
なっている。
特にアジアで成功した人たちが住む憧れの場
所になっている。
・沖縄はアジアの超高級リゾートになっていて、
週末には東南アジアから多くの人たちが飛行
機で訪れる。沖縄の米軍航空地跡地は、海
外からやってくる観光客用の飛行機の発着場
やホテルなどの施設となっている。
11
時代の大転換を乗り越える本格的日本再生戦略
<今までの時代の考え方>
日本はグローバル競争に打ち勝つために経済優先、利益拡大の大方針のもと、情報技術による進歩と人工知能による知
能の発達を促進し、富の源泉は資本にあることをよく自覚して、短期的利益を求める投資家の声を重視して世界的な売買
ゲームに打ち勝ち、属人的な能力ではなくビジネスモデルに依拠した強さを伸ばし、思考や生活をシステムにより強く依存さ
せて購買力の集中を図り、日本の国際競争力向上のために生産者主権の立場から日本社会の構造改革に努め、政府にお
いても中央集権による一極集中と統制を強化し、等価交換の追及と志向の均一化による社会の効率化と市場の極大化を
図り、そういう体制に従わない世界の国々は原理主義、教条主義の国であると非難して敵と味方を峻別し、戦争も辞さず、
労働力も農林水産業も極限まで収益率を上げ、労働が付加価値の源泉であるから移民を導入して労働生産性を極限まで
高め、そのために収奪と言われることも恐れず、計測可能な外形的幸せの増進競争にどこまでも邁進してまいります。
20160514
12
<これからの時代の考え方>
世界各国地域民族がそれぞれ個性的な強みを生かしながら住み分け、故郷に定住し、自立し、互いに連携していく世界の
なかで、日本は命>生活>経済の優先順位を確立し、持続可能性の高い世の中をますます発展させるべく人間の頭と体の
バランスの取れた発達を促進し、特に技術の進歩で衰退が懸念される人間の知能や人間のコミュニケーション能力の欠落を
防止し、富の源泉は大自然にあることをよく自覚して、長期的発展を求める民衆の声を重視して個性を力に熟練の強化に
よる世界的な御用達とお役立ちに邁進して、消費者主権の立場から日本社会のボトムアップによる活性化と全員参加型社
会の実現に努め、政治においても経営においても民主主義、地方分権そして個性の尊重による多様性の拡大を強調して分
散を強化し、等価交換を超える贈与をよく活用して富の平準化を図り、継続的な社会の進化と統合を大事にして現実重視
の対話と共生によって世界の平和を守り、付加価値は人と大自然が協力して生むものであるという原則を忘れずに、より活
力の高い労働力の育成、自給力の高い育てる農林水産業の発展を図り、人間の内面の幸せを追求してまいります。
時代の大転換を乗り越える本格的日本再生戦略
言葉の変化にみる時代の変化
競争 ⇒ 住み分け
人工 ⇒ 人間の知能
経済優先 ⇒ 命>生活>経済の順に優先順位を確立
統制 ⇒ 民主主義
依存 ⇒ 自立と連携
投資家 ⇒ 民衆
効率性 ⇒ 持続可能性
購買力 ⇒ 自給力
一極集中 ⇒ 分散
外形的幸せ ⇒ 内面の幸せ
売買ゲーム ⇒ 御用達とお役立ち
戦争 ⇒ 対話と共生
収奪型農林水産業 ⇒ 育てる農林水産業
知能の発達 ⇒ 頭と体のバランスが取れた発達
富の源泉は資本 ⇒ 富の源泉は大自然
労働が付加価値 ⇒ 付加価値は人と大自然が協力して産むもの
等価交換の追及 ⇒ 等価交換と贈与
中央集権 ⇒ 地方分権
構造改革 ⇒ ボトムアップによる活性化
利益 ⇒ 継続
ビジネスモデル ⇒ 熟練
収奪 ⇒ 育成
情報技術 ⇒ 人のコミュニケーション能力
極大化 ⇒ 平準化
移民 ⇒ 故郷に定住
短期的利益 ⇒ 長期的発展
均一 ⇒ 多様性
教条主義・原理主義 ⇒ 現実重視
グローバル ⇒ 個性を力に
労働力 ⇒ 全員参加型社会
敵と味方 ⇒ 進化と統合
生産者主権 ⇒ 消費者主権
13
NSPの政策の流れ
20030115
観
光
立
国
ロ
ハ
ス
で
甦
る
産業再生
の方向
3だけ主義
の克服
土地条件
と災害
街を
使い倒す
ふるさと
原理主義
日本再生
チーム
新しいま
ちづくり
民政
自治論
リーダー
シップ論
NPOファ
イナンス
20111015
201005~
2016012320121111
20121013
20060601
20140310
20160514
20121221
(20150905)
20010304
20170304
20100822
20130216
20141110
20101019
20050924
201610152013111120100516
決
起
集
会
インターネット
放送局
偉大な
る共生
社会
健 康
立 国
宣 言
21世紀の
文 明
開 化
大転換を
乗り越える
新しい
日本の形
14
20160917
病気の
ない生活
ストレス
ない職場
安心社会
インフラ
20170819
公共まち
づくり
リーン
キャンバス
偉大
なる
共生
社会
偉大なる
共生社会
の創造
懐かしい
未来
民衆力
再起動
21世紀の
文明開化
1868年 2018年 2030年 2050年 2100年
日本再生プログラム
健康立国
宣 言
シェアする文化
繋がる文化
江
戸
の
文
化
文
明
開
化
明
治
維
新
欧
米
の
思
想
原動力として
の欲望と競争
日本の
近代化
150年
15
みなさん、幸せですか
身近に迫る自然災害の危機
今まで経験したことのない、こんな自然災害が発生するとは・・。
そして、こんなに被害が出るとは「想定外」!?
地域の個性がないまちづくり=国と大企業主導のまちづくり
建物や施設、空間の重視。立派だけど、画一的で、面白くない。
天皇陛下のお気持ち=民政自治≠お上頼み
「国内のどこにおいても、その地域を愛し、
その共同体を地道に支える市井の人々のあること」
今までのやり方を変えよう
①自然との関わり方を考え直そう。
②日本古来の伝統技術・習慣を大切にしよう。
③地域づくりの主体を「民衆」に取り戻そう。
④公私のバランスで共感まちづくりの実践を。
⑤そして、日本らしい、しなやかで、品格ある地域づくりを。
人も組織も地域も健康なまちを!どうやってつくるか!?
ところで・・ 16
よく見られる行政主体の課題
総花的
・全分野にわたる公平平等な計画づくりで重点が見えない
・一点突破、全面展開の手法を取ることが出来ない。
・モデル事業や特区制度が、一点突破的でその性格を有するが、
そもそもモデル事業的な考え方は成り立たない。
原因と結果のズレ
・暮らしと景観:その土地での人々の暮らしの結果としての景観
・暮らしと観光:その土地らしさを満喫してこその豊かさと観光
・中心性と中心商店街:中心性のある市街地あってこその商店街
⇩
アウトプット指標とアウトカム指標のズレ
・何をどれだけしたか(アウトプット)ではなく、
何がどれだけ得られたか(アウトカム)の観点を大切に。
・いくらお金をつぎ込んでも、アウトカムを意識しないと無駄。
17
何だか分からないけど・・うまくいかない・・
その理由は?何故?
・公平主義・前例主義
・批判回避バイアス・責任回避バイアス
・連帯責任
・正当性を担保できるか、という疑問
・状況変化しても方法を変えない
・運営し易さのためのルールが規範になっている
・方法の自己目的化
・成功体験の呪い・経験主義の落とし穴
・目的が不明確・目的がブレる
・明確な需要がないと動かない・でっち上げでも机上の需要があればOK
・需要創出型の事業は難しい
構造構成主義
・方法とは、特定の状況で特定の目的を達成するためのもの
この原理原則を見失うと、価値のないことに陥る
出来るかどうか、ではなく、どうすれば達成できるか、を考える
組織や団体を作ることが目的ではなく、プロジェクトを
(ピラミッド型の組織ではなく、ネットワーク型で=半グレ集団が良い例)
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古くて新しい発想(新しいが古くからの発想)
・LRT:昔の大切な公共交通機関は路面電車
・日本風景街道:通過型から昔ながらの沿道活用型へ
・中活法:市街地開発事業と産業活性化が一体に
・歴史まちづくり法:ハードとソフト一体の当たり前の姿に
・ロハス:昔ながらの日本人の暮らしぶりそのもの
・新しい公共:昔は官民一体で道普請などを行った
・コンパクトシティ:昔はどこも徒歩圏で完結していた
・地方創生:雇用の創出・新しい人の流れ・若者の希望
(地域内経済循環・地域主義・故郷ファースト)
19
新しい芽
一方で・・ とは言え・・
20
明治新政府の立場
明治新政府にとっては、旧政府(徳川幕府)、あるいは江戸時代そ
のものが悪ければ悪いほど、自分たちが正当であることになる。
明治維新・文明開化の狙い
過去の時代を暗黒時代のように教え、欧米を正しい手本とする。
新たに確立された先進的な明治政府の導きによって、旧き悪しき
江戸時代を克服、古き時代の考え方や技術、国として地域として
の誇りや美意識を捨て、西洋列強と同じ、「近代」という輝かしい
時代に突入した・・。
明治維新・文明開化とはさて・・
21
明治百五十年に学ぶ?
日本政府は・・
22
百五十年前の文化大革命
欧米の価値観で進められた政治・社会・思想・文化の改革運動
文明開化
明治になって、新政府は、西洋の国々に追いつこうと様々な
西洋文明を取り入れた。人々の暮らしは大きく変化した。
暮らしの変化
「ザンギリ頭を叩いてみれば文明開化の音がする」。身なりや
暮らし方など様々な分野で西洋の文明を取り入れた。食べも
のも、江戸時代には口にしなかった牛肉を食べるように。
太陽暦の導入
太陰暦をやめて太陽暦に。明治5年12月3日をもって明治6
年1月1日に。一日を24時間で表わす。0時から昼の12時
台までを午前、昼の1時から深夜12時までを午後に。
新聞雑誌の創刊
1874(明治7)年、福沢諭吉をはじめとする、時代をリードし
た知識人たちが雑誌を創刊。「明六雑誌」。明治の初めには、
こうした雑誌や新聞が次々と創刊された。
23
教育制度の整備
1879年、国民すべてが学ぶことをめざし「教育令」を公布。
特に小学校が重視され、4年間で最低でも16か月は学校で
学ぶことが義務。一方で、高等教育にも力を入れ始めた。
鉄道の開通
1872(明治5)年9月、新橋・横浜間に日本最初の鉄道が。
資金や技術、機関車、客車、線路やまくら木、燃料の石炭な
ど、すべてイギリスから輸入。2年後に神戸-大阪間も。
街の変化
1880(明治13)年の東京銀座の様子。レンガ造りの建物が
並ぶ通りには「人力車」と「乗合馬車」が。歩道には「ガス灯」。
明治15年には「鉄道馬車」に。洋服を着る男性も多い。
福沢諭吉の『西洋事情』
西洋の様子をいち早く日本に紹介した一人が、福沢諭吉。
諭吉は江戸時代の終わりから明治にかけて、『西洋事情』と
いう本を出版。アメリカやヨーロッパに行った経験を生かす。
今に遺る「文明開化」
幕末に開港した横浜に、鉄製の欄干がついた明治時代の橋
が再現されている。横浜港近くにのこるレンガ造りの建物も、
それまでの日本には見られないもの。
24
2011年、東日本大震災(倒壊・液状化・火災・津波)
2016年、熊本地震(倒壊・土砂災害)1995年、阪神淡路大震災(倒壊・火災)
多発する自然災害と被害 被害は人災
そして、
どうなったか
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1990年、雲仙普賢岳(土石流・火砕流)
2014年、広島豪雨災害(土砂崩れ・土石流)
2000年、有珠山噴火(熱泥流)
2015年、関東・東北豪雨(堤防決壊・浸水・水没)
自然との付き合い方の失敗の結果
26
衰退する地方都市 自然現象ではない
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まちづくり・地域づくりの失敗の結果
モノは有り余っている。ニーズは変化している。使い方を考える時代に。
存在するだけでは意味がない。データ的には高くても豊かではない。
今あるものを活かし、新しい使い方を考え、満喫し、まちの再生を。
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日本の近代化
明治政府による天皇親政体制の転換とそれに伴う一連の改革。
富国強兵・殖産興業。中央官制・法制・宮廷・身分制・地方行政・金融・
流通・産業・経済・文化・教育・外交・宗教・思想政策など多岐に及ぶ。
社会インフラの大きな危機
多発する自然災害。地方都市の見事なまでの衰退。
何故か?想定外の事態が発生したからか?何かを失ったからか?
持続可能性
想定通りに行かないのは、「健康的」ではないから。しかも「品」がない。
ロハス(健康で持続可能な生活様式)の考えは人や組織、地域、製品、
サービス、何にでも当てはまる。「健全なものは長持ちする」。多発する自
然災害や地方都市の衰退は 「不健全だから長持ちしない」。
薩長政治の限界
明治維新を正当化し、日本の夜明けであるとする薩長史観をベースにし
た明治期以降の日本が、欧米化・近代化の名のもとに、「持続可能性」
と「美意識」を忘れてしまった結果が、今日の日本の姿では?
明治維新・文明開化の招いたもの
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河合隼雄「ナバホへの旅 たましいの風景」
土木の分野について考えてみると、自然との向き合い方
に大きな変化があった。お手本となった欧米の考え方の
基本は「人間が感じるつながりとして、もっとも自然と思
われる、母子、血のつながりよりも唯一の神とのつながり
を重視するキリスト教は、『自然』と人間の切断を前提と
している」「アフリカの砂漠地帯で遊牧を主として生きて
ゆくには、いかに自然と共存するかなどということではな
く、いかに自然を支配し操作してゆくかを考えることが必
須のことだ」。
梅原猛「森の思想が人類を救う」
「近代文明を指導したデカルトやベーコンの考え方は、人
間と自然を峻別し、自然を客観的に研究する自然科学
の知識によって、自然を征服する技術をもとうとする思
想です」。
明治政府のお手本の考え方 自然を克服する
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お手本のもう一つの考え方 官主導・中央主権
富国強兵と中央集権
江戸幕府が行わなくて良かった国の責務である「外交」と「防衛」が明治
政府が担わなければならなくなった。明治維新とは世界から見たら開国
であり、国際社会へのデビュー。その「外交」と「防衛」に明治政府は「富
国強兵」手法で対応。
明治政府は幕末の頃から西欧への留学により政治制度を学んだメンバ
ーによって運営され、その政治制度を真似すると同時に世界に吹き荒
れていた覇権外交も持ち込んでいた。
その西欧から学んだ覇権主義実現のためには富国強兵であり、国の富
の一極集中であった。廃藩置県の後に来たものは中央主権国家の樹
立であり、富国強兵の富国の部分は地方からの富の集中、強兵は全国
からの徴兵の実施。西欧の列強国を手本にした必然が中央集権国家
の樹立であり、それは地方に国家のための負担を強いる結果に。
それが、実は70年前の大東亜戦争敗戦まで国家の国是として受け継
がれてきた。富国強兵が無くなった敗戦国としての再出発でも、中央集
権国家の見直しは行われず、正しい政治制度と受け継がれ続けた。
31
中央集権(フォーラム福岡)
廃藩置県が実施されると、それまでの「地方分権」を捨て、強固な中央
集権体制を作り上げた。「富国強兵」「殖産興業」をスローガンに猛烈な
勢いで西欧文明を吸収。強力な官僚組織を確立するために1000年
前の律令体制を巧みに利用。明治政府の3改革は、学制と地租改正と
徴兵令。統一国家の教育・軍事・財政の基盤。地租改正は、中央集権
政府の役人、近代的な常備軍および警察制度の整備をするための財政
に不可欠。税は中央政府がプール。地方の県知事も政府から派遣され
た官僚。義務教育は文部省の管轄に置かれ、国が画一的な教科書を
作成。すべてを中央官僚が管理、政府がプールして地方に流した。
下級武士による「脱亜入欧」
下級武士による政権運営
維新政府の方針に従い従来の生活文化や民俗風習の排除が行われ、
縮小や途絶した民俗風習も多い。脱亜入欧、日本の伝統・文化・精神
など先祖が大切に育み守ってきたものを「古臭いもの」として、この国の
誇りや美意識を含め、捨て去る。極端なまでの欧化政策が出来たのは
政権運営の中心が薩長、しかも元下級武士であったことが原因か。
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
経営における「アート」と「サイエンス」(山口周)も参考に
日本遺産 近世日本の教育遺産群
-学ぶ心・礼節の本源- 2015年4月
水戸・足利・備前・日田
我が国では、近代教育制度の導入前から、支配者層である武士のみならず、多くの庶
民も読み書き・算術ができ、礼儀正しさを身に付けるなど、高い教育水準を示してきた。
これは、藩校や郷学、私塾など、様々な階層を対象とした学校の普及による影響が大
きく、明治維新以降のいち早い近代化の原動力となり、現代においても、学問・教育
に力を入れ、礼節を重んじる日本人の国民性として受け継がれている。
構成文化財
水戸市:弘道館、常磐公園(偕楽園)、水戸彰考館跡、日新塾跡、大日本史
足利市:足利学校跡、国宝漢籍『礼記正義』『尚書正義』『文選』『周易注疏』、釋奠
備前市:閑谷学校、釈菜、備前国和気郡井田村延原家文書、熊沢蕃山宅跡、井田跡
日田市:咸宜園跡、日田市豆田町、廣瀬淡窓旧宅及び墓、長福寺本堂、桂林園跡、咸宜園関係歴史資料
足利学校 閑谷学校 咸宜園 弘道館
室町時代中期 江戸時代前期 江戸時代後期 幕 末
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世界を驚かせた日本の力
世界を驚かせた急速な近代化と復興 学ぶ心
一方、幕末から明治初期にかけて日本が欧米の植民地にならず、むしろ列強の仲間
入りを果たしたことや、戦後の焼野原からの復興、そして先進国入りを果たしたことは、
世界の大きな驚き。
世界を驚かせた秩序と礼節 礼節の本源
終戦直後や阪神淡路大震災、東日本大震災・福島原発事故後の日本では、パニック
にならず略奪や便乗値上げもなく、人々が「秩序と礼節」「自己犠牲と静かな勇敢さ」
をもって行動したことを、世界は「日本人の国民性に織り込まれた特性」として絶賛、
世界中の人々を感動させた。
日本人の軸線と大きな事件、そしてその度に世界を驚かす
学ぶ心・礼節の流れが、日本人の大きな軸を構成。そこに維新回天、昭和の敗戦、平
成の震災などの大きな事件がクロス。その時々の日本人の振る舞いが世界を驚かせる。
産業革命 列強 復興 礼節 復興 先進国 礼節 礼節
維新回天 関東大震災 敗戦 阪神淡路大震災 東関東大震災
室町 江戸 幕末 明治 大正 昭和 平成 21世紀
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学ぶ心・礼節の本源
学ぶ心と礼節が日本の近代化を導く
近代化と水戸
そもそも、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成施設である「橋野高炉」は、徳川斉昭公
の命により、「那珂湊反射炉」への銑鉄の供給のために作られた高炉。
そして、「松下村塾」の思想の源流は、「水戸学」発展の舞台である「弘道館」。
近代化と攘夷論
ふりかえって、「明治日本の産業革命」の原動力は、幕末期から明治初期にかけての殖産興業、
富国強兵策、官民一体の軍需産業。このきっかけは1824年の大津浜事件であって、それを契
機に制定されたその翌年の外国船打ち払う令と、会沢正志斎の「新論」で示された攘夷論。そし
て、1853年のペリー来航に際しての斉昭公の海防参与就任と1855年の軍制改革参与就任。
明治日本の産業革命は、この攘夷論・攘夷運動、国防の必要性から始まったことは自明の理。
近代化と「学ぶ心」「礼節」
さらに、急速に西洋文明を吸収できたのは、日本人の有する「好奇心」「学ぶ心」「礼節」が基礎
にあり、これは「近世日本の教育」がもたらした「学ぶ心・礼節の本源」によるところが大きい。
大板山たたら製鉄 韮山反射炉
足利学校 閑谷学校 咸宜園 弘道館 ペリー来航 集成館 萩反射炉 橋野高炉 三重津
関吉疎水溝 那珂湊反射炉 グラバー邸
恵美須ヶ鼻造船所 松下村塾
室町時代中期 江戸時代前期 江戸時代後期 幕末 明治
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近世日本の教育遺産ー学ぶ心・礼節の本源ー 明治日本の産業革命遺産
学ぶ心と礼節の水戸・新時代を創る
35
光圀公頼房公
新論
彰考館
会沢
正志斎
大津浜
事件
明治政府
維新回天
近代化
の限界
産業革命
世界遺産
明治体制
の限界
学ぶ心
海防
国防
大日本
史
弘道館
偕楽園
咸宜園
閑谷
学校
足利
学校 礼節の本源
攘夷論の流れ
尊王思想の流れ
水戸での学び、水戸の尊王思想で天下を盗る
水戸学
水戸から
始まる
新しい
「学び」
2018
Millennium
Wave
1868
近世日本の教育遺産
2015
水戸での学び、水戸の攘夷論で世界遺産を盗る
水戸学:長い江戸時代に、国民・為政者が忘れ掛けていた
尊王思想・国体を改めてこの国に定着させる。
攘夷論:大津浜事件を踏まえた会沢正志斎による『新論』
により、この国に国防意識を呼び起こす。
御三家で、学ぶ心と礼節の街・水戸は、時代の変革期において常に先駆け、新しい時代の方向性を示
すも、最終的な果実は、礼節と美意識のない、また変節を厭わぬ外様の薩長に譲る。
しかし、薩長の手にした果実(明治体制・近代化)も限界を迎えつつある。明治維新という軍事クー
デターは緊急避難的で、近代化の終焉を迎え平常に戻れば、価値観も体制も変わるべきである。
明治維新百五十年(2018年)を機に、水戸から新しい時代づくりに向けた「学び」が始まる。
今こそ、百五十年の冬ごもりから目を覚ます時
水戸詣で
学ぶ心と礼節の流れ
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役に立たない確率論:統計データを裏切る異常気象
河川堤防の高さ等、自然災害に対する備えの基本は、明治30年代頃
からの気象の雨量観測データを基にした確率論で構成される。最近の
異常気象は統計データを裏切るものばかり。想定外の、今までに経験し
たことのない自然現象には、100年の知見ではなく1000年あるいは
10000年のオーダーでの対応が必要。人間のスケールではなく、生きて
いる地球のスケールで考えるべきだ。それを踏まえずには、地震、津波、
火山、土砂崩れ、土石流、浸水等に対し、効果的な対策、持続可能な
安心安全が手に入るはずはない。
自然との向き合い方:気象
明治百五十年
の反省①
20170825「東海地震について確度の高い予測できない」
37
活かされない土地条件:10000年のオーダー
地形には、それぞれに長い歴史があって現在の形になっている。地球は
生きているから、現在もその発達の途中であり、今後も変化し続ける。
どんな発達過程を経て現在の形になったのかを示すものが「土地条件
図」。地形は日常的な自然環境では殆ど変化もしないが、非日常的な
天変地異が発生した時に、大きく変化。
土地条件図を見れば、地域の成り立ちと
今後の災害危険性も把握できるはず。
しかし、災害に関する報道を聞いていて
も、それが活かされている様子はない。
自然との向き合い方:地形
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活かされない歴史的教訓(歴史・地名):1000年のオーダー
震災で津波の被害を受けた仙台平野では、浸水域の先端が江戸時代
の街道と宿場町の手前で止まっている。街道は過去の浸水域を避けて
整備された。宿場町の整備後に仙台平野を襲った慶長津波を受け、宿
場町を今の位置に移動。今回の浸水域と比べると見事に被害を免れる
場所を選んでいる。しかし明治以降の開発で、津波の経験は失われた。
現行の土地利用の問題点
地形や歴史的教訓にしっかり対
応しないのは、想定され得るこ
とを、あえて想定しないことを意
味し、それはまた被害を大きくし
ている。東日本における津波も、
広島の土石流も、鬼怒川の洪
水も、歴史的地形学的知見を
活かせば、災害は想定すること
は十分可能であった。
自然との向き合い方:歴史
「古文書から始まる防災計画」も参考に(20170901NHKラジオ)
39
お上頼み
行政が許可しているのだから問題はない、といった認識が蔓延。
行政に対し、堤防をもっと強固にしろ、とか、避難誘導ももっと円滑にし
ろ、と言ったところで、根本的な解決は生まれない。
住民自身が住んでいる土地の災害の危険性について、しっかり学ぶ必
要がある。
そして、そこに住む覚悟、そこから移転する覚悟が必要である。
災害は天災、被害は人災
このように考えると、自然災害は天災だが、歴史的知見を活かした予見
をせず、「想定外」で済ませている現状は大きな怠慢で、その結果として
の被害は人災と言える。
かつての街道にしても、土地利用にしても、自然の猛威に対し日本人
は、もっと謙虚であった。
自然災害による被害が多発する大きな原因は、その謙虚さが失われた
ことであろう。
住民の意識
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官主導のまちづくり・地域づくり
自然との付き合い方や度量衡・風俗・歴史・文化・価値観の
変化。官主導。中央統制。
対症療法=アウトプット指向(事業・ソリューション先行型)。
主体・当事者なき政策・事業
「皆のため」=「誰のためでも無い」。
民に公の概念を放棄させ、パブリックとプライベート、公と私、
官と民の関係が分断され、主体性なき官主導のまちづくり、
地域づくりになってしまった。
アウトプット型事業
主体性、当事者意識の欠如は、事業の効果(アウトカム)より
も、どれだけの事業をやったか(アウトプット)を重視する事業
展開となる。これでは、いくらお金をつぎ込んでも、一向に豊
かさに繋がらない。
官主導のまちづくりと「公共」
明治百五十年
の反省②
(ソリューションではないソリューション=アイデア募集的)
ピラミッド型・官主導の地方自治
中央(国)が主導権を持ち地方の「官」が動く
・上意下達式。
・お上の指示に従っていればうまくいく。
・地域のための事業ではなく、補助金メニューに合う事業を。
・失敗しても、誰も責任を負わなくても良い。
・地域の活性化に繋がるかは分からないが、事業実施が大切。
(アウトプット型・共感できない)
国(財源・権限を握る)
都道府県(国の指示で市町村を指導)
市町村(補助金メニューで事業を決める)
市民(大衆)・民間・・当事者の主体性なし
地域社会・一般市民
41
⇩
⇩
⇩
主体・当事者の不在
新「公・私」と「官・民」・公助の中の「共助」
・「私」の領域は、基本的には「民」のやること。(「民」は「私」のみ)
・「公」の領域は、基本的には「官」のやること。(「官」は「公」のみ)
・もし「民」が「公」の領域をやるとしたら、それは「ボランティア」。
・もし「官」が「私」の領域をやるとしたら、それは「補助金」。
・大切な「公」に主体・当事者が存在しない。(「官」の志にのみ期待)
42
43
アウトカム指標の欠如
よく見られる傾向として「対症療法的で本質的な対策が出来ていない」
「関係性や因果関係が見えていない」。いずれも、アウトプットにばかり夢
中で、アウトカムに対する認識が低いことが原因であろう。
つまりは、物語性に乏しい。共感できない。
本当のニーズと期待される効果が分からないままに施策を展開する。一
方で、明確な需要がないと動かないわりに、でっち上げでも机上の需要
があれば善し。結果、需要創出型の事業は難しい。
セオリー・オブ・チェンジの考え方の欠如
アウトプットではなく、さらにアウトカムでとどまらず、インパクト、
すなわち社会的変革を伴うところまでを期待したいが・・。
誇りと美意識の欠如
全体を直覚的にとらえる感性と、「真・善・美」が感じられる打ち手を、内
省的に創出する構想力や創造力が欠如している。クオリティの高い意思
決定を下すために必要とされる、自分なりの「真・善・美」を判断できる、
日本人としての「美意識」が欠如している。
近代化で日本が捨てたもの
(全体を見ず、ビジョンを描かず、方法論・制度論に留まる)
専門家の視点と一般市民の目線
公共事業(自治体の政策)にとって大切なこと
理由の明確化:背景・根拠・基準・正当性(税金を使う政策であるから、
説明責任がある)。適切なサイズ:大き過ぎても小さ過ぎても駄目。多過
ぎても少な過ぎても駄目。
行政や専門家の視点と、ユーザーとしての一般市民の目線
自分事として
一般市民は自分事として「自分の暮らしを豊かにするもの」として事業を
考える。これに対し、行政は「みんなのために」と考えるが、それは「誰の
ためでもない」ものになる。現代の行政の限界はここにある。
専門的・分析的・技術的+市民目線・自分事・アウトカム指標が大切
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行政や専門家(分析的・技術的・客観的)
・基準を満たしているか
・代替案を検討したか
・需要と供給の関係をチェックしたか
→いいか悪いかは別として、理屈が通
ればそれで善し(アウトプット)
一般市民(感覚的・主観的)
・だって、これがいいんだもん
・それって、何となく、いい感じ
・それなら使ってもいい、行ってもいい
→理屈はともかく、「いいね!」が押せれ
ばそれで善し(アウトカム)=自分事
45
理学と工学
「原因・プロセス究明」 と 「問題解決」 の分離
①「川がなぜ曲がるか」 と 「曲がった川をどうするか」
②「どうしてこの土地はできたのか」 と 「この土地をどう使うか」
言い伝えと科学
科学的に説明の付かないものは「科学」で処理
①地名の謂れや旧街道の意味を単なる言い伝えとして深く考えない
②古くからの伝承・祭・行事等の意味を悪しき因習として処理
③データが少なくても確率論で論理的・科学的に処理
東洋医学と西洋医学
理屈の分からない民間療法(調和型)より理屈の通った科学(攻撃型)
①体質そのものの根っこのところか治す「アウトカム的な東洋医学」
②目に見える症状を対症療法的に治す「アウトプット的な西洋医学」
使う・分かち合うことと作る・所有すること
①直して長く使うか、作って壊れたり古くなったら使い捨てるか。
②みんなで分かち合うか、一人ひとりが個人的に所有するか。
考え方の偏り
幻想まちづくり
地方都市ではこの30年、多くの幻想を抱いて様々な施策が講じられ、多くの
時間とお金を投入。その殆どが無意味で、都市の衰退に拍車をかけるばかり。
結果的に消滅可能性都市などと言われている。 トリクルダウン理論は幻想。
失敗の本質
①大企業主義:大企業が潤えば、そのうち中小企業も潤う、という幻想。
中小企業からの再生・創生を。中小企業から全国へ、そして世界へ。
②東京主義:東京が潤えば、そのうち地方も潤う、という幻想。
地方からの再生・創生を。地方から全国へ、そして世界へ。
③モデル主義:他の成功モデルを模倣すれば自分の地域も成功する、という幻想。
地域独自の個性、地域独自の人材で勝負を。
④近代化主義:清潔さや利便性などを求めた近代化が幸福をもたらす、という幻想。
ロハス的な地域づくりで真剣勝負を。
⑤都市間競争主義:他の地域との比較優位性が幸福をもたらす、という幻想。
自分たちが自分たちの地域を満喫することで、健康で持続可能な豊かさを。
他の地域はともかく、衣食住のあらゆる面で自画自讃を。そして共生・協創・共働へ。
5つの勘違い
46と言う訳で
47
①自然との関わり方を考え直そう。
自然に対し、畏怖の心を持ち、謙虚な気持ちで対応しよう。
②日本古来の伝統技術・習慣を大切にしよう。
自然と共生する技術、日本人としての伝統文化を大切にしよう。
③地域づくりの主体を「民衆」に取り戻そう。
当事者たる市民が「民衆」として主体的に行動しよう。
④公民のバランスで共感まちづくりの実践を。
人の有り様としての公の立場で考え、民の立場で稼ごう。
⑤そして、しなやかで品格ある地域づくりを。
戦わず、しなやかに、日本人らしい礼節・美意識をもって。
明治百五十年の反省
48
パラダイス社会の根幹
自然と一体化し、身分に関係ない共生の「パラダイス社会」。
象徴として、江戸市民が身につけていた「江戸仕(思)草」。
(傘かしげ、肩引き、お心肥やし、こぶし腰浮かせ、時泥棒など)
それは「形」としてかろうじて伝え残っているもの。
大切なことは「自然も含む一切のものとの共生の生き方」。
つまり日本人本来の「こころ」「生き様」=「ヤマトごころ」。
江戸時代の市民社会 池田整治
「ガイアのつぶやき」
江戸時代の市民社会・システム
・教育 ・暮らし
・街道 ・まち
・リサイクル
・地方自治
・欧化政策の意味
失われた価値観
を呼び戻す①
49
人づくりシステム
江戸時代は、社会を構成する「人づくり」がシステム的に。
講や寺子屋あるいは寄り合い等
江戸仕(思)草では・・
「3才心、6才躾、9才言葉、12で文、15理で末決まる」。
言葉は、あいさつだけではない・・人間関係を築く
「おはようございます」に加え、「本日はお暑うございます」。
「やまとことばの語彙力」が、人間力養成の基盤に。
江戸時代の市民社会:教育
パラダイス・江戸
心豊かに何世代も積み重ねられて育まれた市民が暮らすまち
人間性豊かで、心温まるパラダイス社会。
市民文化
残っている文書は武士の公的書物。市民文化は浮世絵で。
50
美しい国土・・日本を褒め讃える欧米人
船からみる国土が美しい。緑豊かな野山に段々
畑や棚田が溶け込む。自然と人工物がシンクロ
した絵画そのものの立体風景。
江戸時代の市民社会:農家の暮らし
農家の暮らし
色鮮やかな着物の健康な子供たち。綺麗に生け垣で仕切られる農家。
日本庭園と色鮮やかな鯉が泳ぐ池。土間があり、床の間に綺麗な掛軸。
個人宅にも風呂。食事に陶磁器が(他国では、貴族以上のみ使用)。
山海の幸に溢れ、自然の風味を活かす世界最高の美味しい健康食。
醤油や味噌など健康に素晴らしい発酵食品。
当時の欧州の農奴は、文字も書けず何世代も藁葺きで雑魚寝生活。
おもてなし
農民が書いた掛け軸をプレゼントされる。芸術的な書道が出来る。
お礼を渡そうとすると、頑なに受け取らない。これが日本の「おもてなし」。
日常から旅人たちに振る舞われる日本人の慣習そのもの。
世界でもっとも裕福な農民が暮らす国、それが日本。
51
公園都市
江戸は史上初の公園都市。中央に江戸城を中心とした大公園。それを
核に300武家屋敷の公園、まわりに1500寺院の公園。市民の家にも
庭。唯一の地上の楽園自然都市。大通りの門を閉めると外部侵入困難
で、治安上も安心。人々は江戸仕草の体現者。会話も明るく心温まる。
江戸時代の市民社会:街道とまち
美しい街道
街道が綺麗に整備。きちんと歩ける道路は当時は日本のみ。旅人のた
めの日陰、松などの樹木が。一定間隔で宿場町。飛脚や駕籠、宿や飲
食店なども利用可。街道をわざと曲げ、遠景に富士山、近景に城。ビュ
ーポイントを設ける。
情緒溢れる道造り、町造り。
ジャポニズム
日本人が欧米人のことを南「蛮」人という意味がよく分かる。UCLAで「
19世紀のパリは江戸を見習う」と。ゴッホが浮世絵から江戸を学び、ヤ
パン・インプレッション(印象派:日本浮世絵派あるいは日本主義)が生
まれ、世界の市民が解放された。日本は世界の「雛形」(ジャポニズム)。
52
江戸の市民生活の素晴らしさ・・完全リサイクル有機農法
江戸の「長屋」。大家が50両払って代官から営業権を購入。
家賃なし。老人や病人が歓迎された。住人の仕事は「用をたす」こと。
当時、上下水道完備は、世界で江戸だけ。
下水道に排泄物を流すことは厳禁。衛生管理観念も進んでいた。
下水道にトイレの排泄物を流すようになったのは、明治維新以降。
欧米化が日本文明を劣化させた一つの例証。
長屋で溜められた排泄物は、郊外の農家が買い取り。
売り上げが、現代価格で年1000万円ほど。農民も豊かだった。
農家では、それを肥だめで微生物利用に
よる完全有機肥料として活用。
世界で初の完全有機リサイクル農法。
老人や病人は、消化力が落ちているので、
排泄物の中に「有効成分」が多く、
貴重な存在として大事に。
江戸時代の市民社会:リサイクル
53
パラダイス国家の運営
このような市民のパラダイス国家を運営していたのが、侍たち。
彼らは、武道に励みながら、市民のために誠実にこの国を切り盛り。
300諸藩も市民も、一切江戸幕府に税金を納める必要はなし。
完璧な地方自治で、経済的にも独立、幕府も各藩も自己責任で運営。
組織・制度上からも為政者たちが、利権に走ることなど出来なかった。
彼らは、元服するまで「武士としてのこころ、躾、言葉、文、理」を、
藩校などで、専門の講師たちに徹底して訓育された。
優秀なものは、他の藩校や幕府の昌平校などに藩費で留学も。
商人や農民の優秀な子どもも選抜、武士になれた。
生まれたときから高度の人間教育を受け、
いざというときは命さえ惜しまない世界最高の利他を体現
する為政者、それが江戸時代の侍=武士。
彼らが存在する限り、植民地化した国々のように、武力で
制圧することはできない。武士の誠の中では身動きできない。
江戸時代の市民社会:地方自治
54
日本をいかに植民地化、金融支配するか
無私の「武士道精神」「ヤマトごころ」を排除、個人の「利権」を基礎にす
る国造りに。そのために、武士階級、その象徴の「江戸」を完全否定。
明治政府は、江戸を否定して成り立っている。江戸仕草も禁止。
地方の下級武士(薩長)でもって中央の高級武士(江戸)を排除する。
世界が称賛してモデルとした江戸のパラダイス社会を徹底して否定。
これが明治政府が極端な欧米化政策をとった本当の理由。
江戸から明治への転換
江戸城無血開城?
勝海舟は江戸の東側の裏戸をあけて江戸市民を避難させる。
何故なら「江戸仕草」の体現者たちは、新政府軍に斬り殺されていた。
維新以降もこの殺戮は続く。
「征服者」薩長主体の明治政府の徹底した江戸否定
日本のまごころ、ヤマトごころの否定し、極端な欧米主義に立脚。
欧米人が認めた「世界のパラダイス・江戸日本社会」を「自己否定」。
55
日本再生の可能性
反省から始まる再生
明治維新の暗黒面を反省し、世界の雛型としての使命を。
日本再生の可能性
日本人は、支配者の思惑に反し、その都度、予想外の行動に出る。
幕末期。九州の下層武士に近代兵器の使い方を教え、永久に武器の
輸入者で過ごさせ、経済的にも軍事的にも永久支配を目論むが、次に
来た時には、自前の武器を作って待っている。英米以上の性能のもの。
種子島の鉄炮伝来。当時最先端の科学技術である鉄砲で脅かし南蛮
貿易の利益などを訴え、キリスト教普及を目論むが、しかし、すぐに鉄砲
を自前で作れるようになり、一方でバテレン追放令・禁教令を。
戦後日本。欧米から学んだ技術で戦後を復興を果たしたが、次に来た
時には、もう自前の工業製品を作って待っている。英米以上の性能のも
ので、世界一の貿易黒字国となった。
美意識に基づいた再生
「美意識」に基づいたモノサシが求められるこれからの世界において、日
本には大きな可能性がある。
それでも
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか(山口周)
民政自治
権藤成卿著『自治民政理』
・消された歴史を復活。
縄文時代から奈良時代までの、日本列島の歴史的大激
動の時代の消された歴史を復元し、とてつもない世界の
変化の中に、いかに当時の日本が適応し、今日の日本
になっていったか。
日本という国のお国柄、政治の要諦が本当によく分かる。
※特に天智・天武、奈良時代の歴史。朝鮮半島と中国の
歴史をベースに(江戸時代にはかなり研究されていた)。
・南渕の書を訓訳。
南渕は、遣隋使で行って戻ってきた人。
大化の改新(利権談合を切り、外征を断つ)の思想的
バックボーン。
※226事件のメンバーも南渕書で大化の改新を研究。
56失われた価値観
を呼び戻す②
変化を進化する力に
日本を安定的に統治するには
・統治の中心にいる人が常に日本の進化生成発展を考え、
変化を押しとどめず、変化を日本が進化する力に転嫁させること。
・すなわち外から来る敵をいかに味方として取り入れるか、
それが統治の要。
今までの日本も
・古代はかつての漢が明治以降の欧米のような先進文明の中心。
・これと対峙しつつも、その良き文物を当時の文明開化で取り入れ、
古い日本と融合させて新しい日本を創ってきた。
・そうして入ってきたものが漢字であり、律令であり、陶磁器や織物。
世界の変化と戦うのではなく
・そうした文物を担う職人や学者は日本が招聘して帰化させ、
圧倒的な世界の変化に対して戦うのではなく、
良いところをよく取り入れて新しく、より強い日本を創ってきた。
57
自然自治の基本
守るべき日本人の精神や習俗
・しかし同時にそうやってまさに和魂洋才ができるためには、
文明の形は変わっても日本人の精神や習俗は必ず守っていく。
・そうでなければ新しい文物の流入は国の流亡をもたらし、
まさに敗国政策となってしまう。(≒ 現在に日本)
自然自治が基本
・古来から日本では民族や地域ごと、あるいは職能集団ごとに、
住む場所を自然条件を加味して決めて境界を設け、
それぞれの人達が安心して暮らせる土台を創った。
・それが自然自治の基本で、
日本はひと山越えれば衣食住が異なり、産業が異なる。
・まさに自然にその地形風土に調和して、
人々の生活が定まるという姿を古来大事にしてきた。
58
自然自治=自然に治まる国・日本
日本は「自然に治まる国」
・日本は、巨大な権力がなくても治まる国。
・縄文時代の1万2千年くらいは、
自然に治まっていた。
戦争の痕跡なし。共生していた。
・強権を持って「無理やり」、ではない。
王はいても、奴隷にはしない。
・その時は、役割分担と共生、
そして進化(地方の時代やヨコ型リーダーシップそのもの)。
日本のお国柄
・役割分担と共生。
ヨコに声を掛けて・・・これがお国柄。
59
60
江戸時代の地方分権≒地方主権
江戸時代の地方分権
1192年に源頼朝が鎌倉幕府を開設。その後、室町幕府や戦国時代
を経て江戸幕府に至る。
幕府は一応、中央政府だが地方の主権はあくまで各藩にある。徳川氏
は各藩主を束ねる「棟梁」に過ぎない。
農民は税(年貢)を藩に収める。藩の大名には江戸への参勤交代や幕
府の公共事業の負担などの義務があったが、藩内の行政や殖産興業、
さらに文化や学問などすべてが藩の裁量で行われた。
この日本独特の封建制度は「地方分権」というより「地方主権」といった
方が良い。この「地方主権」のあり方が日本人の体質に合っていたのか
江戸幕府の「主権」は19世紀半ばの「黒船来航」まで続く。
「地方主権」であった証左のひとつが軍事力。薩摩は幕府の手を借りず
にイギリス艦隊と戦い、長州は4カ国連合艦隊と下関戦争を起こし、や
がては軍事力で江戸幕府を倒す。
失われた価値観
を呼び戻す③
61
失われた大切なお国柄・民政自治(自ら治める)
江戸時代は「自らを治めるシステム」。つまり民政自治が発達。
田中優子「江戸時代の官と民」:住民自治
「奉行や与力などの官職は人数が限られ、町の行政すべてを網羅
していない。町の実質的な行政
にあたったのが『町年寄』『町名
主』『家主』といった町人。道路
の保守管理、防犯防火、紛争調
停など」「官による決め事や御触
れは、町人や農民が納得しない
と機能しない。中間管理職の存
在は、住民自治に大きな効用を
もたらす。官にとっても有用な存在であった。また当時は、現代に
おける「首長」は存在しなかった」。
明治期以降、お国柄としての民政自治は崩壊した。
江戸時代の民政自治
62
田中優子「江戸時代の官と民」:公と私
「自治組織における役職は、集団内ですでに経済的基盤を持つ者が就
く、つまり“職業としての『官』”ではないとなれば、『官と民』という区別
は非常に曖昧になり、むしろ人々は『公と私』 という思考様式を持つよ
うになる。ベーシックインカムが仮に導入され、職業上の報酬を得なく
とも生計が成り立つならば"職業"ならぬ"人間の有り様"としての『官』が
出現し、『官と民』のあり方が変化することになるだろう」。
公 公
民 官 民 官
私 私
明治期以降から現在まで、職業としての官のみで、人間の有り様とし
ての官が失われ、公と私と言う思考様式を持つ者がいなくなった。
人間の有り様としての「官」
「公と私」の
思考様式
「官と民」の
思考様式
63
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)
日本の品格・美意識
西洋では失われた自然への畏敬、八百万の神々への信仰が生きている
ことに驚き、心から共感し、日本の民話や伝説、怪談などを聞き集める。
日本家屋に住み、着物を着て、日本食を食べ、日本の習慣に親しむ。
彼が描こうとしたものは「日本の品格」であり、日本人として生活する中
で、西洋社会が失ってしまった古き良きものを日本のなかに発見した。
藤原正彦「国家の品格」
二つの異なる主張の中間で収める文化。これが「国の品格」になってい
る。弱いものを憐れむ、田園の環境が美しい、卑怯を憎む心。どれも、他
の国にいけば尊敬される事柄。「宗教なしで道徳教育ができるか?」、新
渡戸稲造はそれに代わる価値が「武士道精神」であったと述べる。民主
主義が衆愚政治を招かないために「真のエリート」が必要。条件の一つ
は、何の役にも立たないような教養をたっぷりとつけていること。その教
養を背景に、圧倒的な大局観や総合判断力を持っていること。もう一つ
は「いざ」となれば国家国民のために喜んで命を捨てる気概があること。
近代化を進めた日本が置き忘れてきた大切な「日本の品格」「美意識」。
・景観十年、風景百年、風土千年。
良い景観は、十年を経て定着し、やがて風景に移り変わる。
そしてついには、その土地の風土となる。
逆に、駄目な景観は十年も持たない。
・景観は文化度(品格・美意識)。
地域の景観は、暮らし、産業、教育、思
想、風土の結果として表れる文化度。
・景観の良し悪しは?
人の感性には個人差がある(その差はかなり大きい)
それでも、
「違和感」については共通するところが多い。
良い景観:違和感がないこと(デザイン、素材、色彩)。
当たり前のところに当たり前のモノがある。
悪い景観:「それって、ないよね」。「ちょっと変だね」
※国産風景にはこだわらない(輸入文化:寺・和服・稲穂・漢字)
日本の景観
1失われた価値観
を呼び戻す④
東海道五十三次から とても美しい。
絵だから?
2
名所江戸百景から
3
とても美しい。
絵だから?
幕末から明治初期の写真 実際にとても
美しかった。
4
イザベラ・バード 日本奥地紀行
5
日光「社殿の美しさは、西洋美術のあらゆる規則を度外視したもので、人を美のとりこにする」
新潟「町は美しいほどに清潔……よく掃き清められた街路を泥靴で歩くのは気がひけるほど」
米沢「美しさ、勤勉、安楽さに満ちた魅惑的な地域……どこを見渡しても豊かで美しい農村」
江戸の町並み
6
墨絵の世界。
モノトーン。
日本の農村集落
7
その土地の風土に
マッチした風景。
実は今でも残っている
そば屋ではなくて
8
例えば・・
・広告看板のない街
看板を取り払っただけで観光客は集まる。
(欧州・黒川温泉、など)
→基本的に素晴らしい資源があるが、
公告看板がそれを邪魔している。
→欧州では、案内看板(サイン)だけ。
公告看板は店の真正面のみ。
(ホテルと病院の看板はある)
→日本でも、広告看板のない世界がある。
駅や空港の中には、サインはあるが、
広告看板は店の真正面にしかない。
(でも、欧州の街角の風景と違って、個性がない、無味乾燥)
公告看板のない風景
9
景観を
損なわないために
欧州の街角から
広告看板がなく
個性が光っている。
10
黒川温泉
看板を取り払っただけで
価値が高まった。
11
公告看板のないところ
必要十分。
誰も困らない。
12
個性はないが
公共性について
・個性を主張すると個性が失われる
一人ひとり、一つひとつの建物が個性を主張すると、
全体としての個性は失われる。
→皆の我慢(ルールがきちんとあり、それを守る)で、
地域の個性が光る(看板、色、デザイン、素材)
→これは、公共性の基本である。
・公共:ルールや規制を作り、守り、育て、我慢すること
→皆が我慢する、ルールを守ることで、
皆が得をする仕組みが公共。これが地域づくりの基本。
→地域を愛する多くの市民がパブリックマインドをもって!
→これは当たり前のこと。個性を出すことはむしろ罪かも。
→「公共」は官の仕事ではなく、官民協働だ。
13
・・と言う訳で
・中心市街地や歴史など市民が価値を共有する場所
公 公
ボランティア 今までの「公共」 新しい(本来の)公共・共働
民 官 民 官
補助金
私 私
・公共の意味合いを持つものとして
土地利用
景観・風景
建物のデザイン、素材、色彩、など
公=官の領域
私=民の領域
公=官民の領域
私=民の領域
14
公共の概念
日本の街角風景
それぞれが
個性を主張し過ぎ。
15
にもかかわらず・・
欧州シエナの街の風景
ルールは厳しいが
美しく価値が高い。
16
自由でもいいでしょう?
・それでも自由にやりたい!
自分勝手にやりたい、自由にやりたい。
→しかしそれは、エリア(地域)としての価値を低下させる。
個性的な建物が街並みを壊し、街の個性を奪う。
・我慢すると・・。
→エリアの価値が高まり、自分自身の価値も高まる。
欧州のルールは厳しいが、美しい。
・自由は、公共の福祉(皆が得をする)に反しない限り・・。
※交通ルールがないと大渋滞、大事故。
暗闇の体育館を歩くのは怖い。ガードレールがあると安心。
※独り勝ちの弊害(駅ビルや道の駅が、その最たる例)。
駅ビル栄えて街は衰退、乗降客も衰退。
道の駅栄えて街は衰退。
17
という意見に対し
困った問題として
建築士?建築家?
・建築士は職人か、芸術家(建築家)か。
建築士が芸術家になり切ると・・
→特徴的な、目立つ作品を街の中に。
その結果、日本の景観を壊し続ける(いまだに量産中)。
→芸術家なら、その作品を自宅か倉庫か博物館の中へ!
※建築士の見識にもっと期待したい。
18
困った問題として
ルールづくりを
・都市計画行政としての責任(70年間放置した結果)
現場対応は建築行政であるが、基礎となる方向性を決める
のは都市計画であり、その中の景観行政である。
・過去のことはともかく、これからのことを考えよう
①まずは広告看板をやめることから始めよう。
上品な街に化ける一番簡単な方法。
②そして、デザインルールを決め、景観づくりを。
70年かけて悪化した景観を、これからの70年、
あるいは今世紀中を目標に改善を。
19
だから大切なことは
景観教育
・景観教育(パブリックマインド=美意識の教育)
→計画づくりの前に、まずは「公共性に対する教育」を。
そして、「パブリックマインド」「美意識・真善美」の醸成を。
→パブリックマインドがあれば「禁止」とか「違反」ではなく、
皆が、自分なりの「真・善・美」で主体的にコントロールできる。
→禁止?違反?いやいや、そんなことやらないよ!
ルールは邪魔者ではない。社会を円滑にするための、必要不可欠なも
の。暮らし易く、住み易く、誇りの持てる価値のある地域にするために。
・パブリックマインド(公共性)をもって
美しい風景を作りだそう。その美しい風景を活用しよう。使い倒そう。
暮らしの中に溶け込ませよう。暮らしそのものを美しい風景に。
その土地で豊かに幸せに暮らすために。
歴史的、文化的資源を、美しい景観の中で大切にし、自分たちの生き
方が輝くことによって、他の人の手本となるようにしよう。
20
さらに
(日本人の国民性に織り込まれた特性)
1
材料と強度(木材、石、砂、土)
木材と石と土と砂を組み合わせ、如何に水を管理するか、水とど
のように付き合うか、試行錯誤を重ねる。
堤防や護岸
竹あるいは藤ツルをソーセージ状に組み、中に石を入れ、堤防に
置いたり、縦籠や横籠として使う。護岸の表面に芝付けや杭出し
をし、出っ張りをつけて流路を変え、洪水が来ないようにする。
忘れられた江戸の技術
失われた価値観
を呼び戻す⑤
2
萱羽口という工法
関東地方の泥川、緩流河川でよく発達したもので、萱葺きの屋根
を葺くように、段々にして竹で端を編み、それを重ねていき置く。手
前には杭を打っておいて、洪水時になるとそこに泥などが乗り、さ
らに中身が細かくコーティングされて非常に良い護岸になる。
護岸の種類としては、その他に芝付けや粗朶などがある。
忘れられた江戸の技術
3
沈床
根固め・水制に活用され、莚、粗朶を利用し荷重を分散させる(軟
弱地盤対策にも活用されたのではないか)。
忘れられた江戸の技術
4
水制
水制→牛類、枠類(透水的水制工法)、蛇籠、土俵
杭 →河床の安定や分水に活用
止水→ 莚と粘土のサンドイッチ工法
暗渠→樋(現在の樋門・樋函に相当する)
忘れられた江戸の技術
5
架橋
猿橋(肘木桁式橋:中間に橋脚が構築できない場合の架設)。
測量
大規模な治水事業や地図作成を大きな誤差もなく行う。水面を
利用した水準測量や三角測量の原理を活用。図形の面積、体
積等も和算により算出。
忘れられた江戸の技術
6
治水施設の強度上の限界への対応
自然の材料に頼っただけで制御できない事態になったとき、地形
を上手く使う。
武田信玄の治水では、釜無川と御勅使
川が合流するところで洪水になる。これ
を防ぐため、堤防ではなく、御勅使川の
流れを将棋頭によって手前で二手に分
け、一つの流れを少し北側に振り、釜無
川と合流させて高岩にぶつけた。
堤防はその流れを横で導くようにコント
ロール。
石や木を組み合わせても無理な
ら、地形を上手く利用し、人が作る河川
施設は補助的に設置した。
忘れられた江戸の技術
7
超過洪水への対応
遊水(霞堤,水害防備林)
分水(分水堰技術))
それでもなお水が多かった場合には、水
を分ける分水事業を行った。
江戸時代の形式としては3種類。
・本川に並行して分水路をつくるタイプ
・本川から途中、放水路をつくるタイプ
(信濃川の大河津分水路など)
・2つ河川の1本に洪水を分担してもら
うタイプ(木曽三川)。
忘れられた江戸の技術
8
江戸時代の治水の基本
堤防と護岸、水制を組み合わせて強度を保つ。それでもダメなら、
地形を上手く利用し、分水や遊水等を行う。大規模なダムや水門
という概念はなく、農業用に水をためる程度。堤防には桜などを植
え人が集まるようにし、堤が締め固まるように工夫。
江戸時代の治水の本質は、流域を見て物を選び、壊れやすい物に
対して如何にカバーして努力するか。
明治以降
明治になり、オランダから技術者を呼ぶ。護岸や水制を見て、川の
中の変なものが川の流れを阻害していると考えた。粗朶沈床や木
曽川のケレップ水制のようなものを組み、川を直線化、低水路の
強制を行った。しかし、日本の治水には合わず、明治の中期から
は分水などによる治水が行われた。
地域の特性、河川の性格に応じて、伝統技術と現代技術を融合
させて計画や管理を行う必要がある。
忘れられた江戸の技術
9
築城技術:石垣
熊本地震でも倒壊しなかった「宇土櫓」。
地面付近は勾配が緩く、上にいくにしたがって勾配がきつい。石
垣の崩壊を防ぐ為に、石垣のすわりを良くした。「穴太積み」は“石
の声を聞く”。「石の一つ一つが収まるべき所に収まる」。形状を考
えながら積む。柔軟構造で地震にも強い。「穴太積み」と、石垣の
角の部分には同じような大きさの石を積む。地震でずり落ちないよ
う積み石を奥行き方向に長く寝かせる「ごぼう積み」、石垣の裏に
「栗石」(こぶし大ほどの大量の石)を詰める。穴太積みは、水はけ
もよく、栗石がクッションとなり石垣本体の崩壊を防ぐ。
忘れられた江戸の技術
つくばセンター広場の例
10
築城技術:瓦
砂煙を上げながら崩落する様子が報じられた熊本城の瓦。瓦を固
定せず地震が来た際には屋根の瓦を落とすことによって建物を軽
くし、建物全体の倒壊を防ぐ設計。
忘れられた江戸の技術
11
京都の平安京
碁盤の目状に設計された平安京は西暦794年、桓武天皇によっ
て建都。風水的に最高の吉相といわれる地相「四神相応の地」で
ある山背国という場所を選び、さらに中国の古典に詳しい高僧や
陰陽師を集め、風水のあらゆる知識を総動員して都造りをした。
「四神相応の地」とは地理的景観が四神の存在にふさわしいすぐ
れた場所のことで、東に流水(青竜)、西に大道(白虎)、南にくぼ
地(朱雀)、北に丘陵(玄武)が備わる土地。
忘れられた江戸の技術
12
忘れられた江戸の技術
江戸の街
平安京から江戸へ遷都する際にも、その都市計画から江戸城の
建築にも風水が用いられた。徳川家康公が江戸にはいったのが
西暦1590年。天下統一を目指す家康は、風水的に最高の場所
であった江戸を自ら選んだ。関東平野にある江戸は必ずしも理想
的な土地ではなかったが、徳川家康や天海僧正が「言霊法」を使
ってあちこちに霊力のある山
の名前を与えた。また、もとも
と江戸の街に流れてくる氣の
ルート「龍脈」から吹き上げて
くるよい「氣」を集め、循環さ
せるために甲州街道、東海道
をつくり、それらと富士山や秩
父山系から神田明神を通る3
本の「龍脈」が江戸を支えた。
NHK『ブラタモリ』#61 水戸
13
水戸藩の精神『あるものを活かす』
14
ブラタモリに学ぶ
15
・長崎:坂の町、地形の高低差を巧みに利用した住居。
・金沢:河岸段丘を利用した惣構、高い土木技術を駆使した辰巳用水。
・鎌倉:谷津を利用し立体的に土地を確保、自然地形に最小限の手を加えて使う。
・上田:段丘を利用して高く築かれた石垣、地形・地質ともに城造りには最適な場所。
・沼田:地形の長所と短所を熟知した町造り・河岸段丘上に造られた天空の城下町。
・札幌:扇状地のキワに築かれた開拓の拠点、低湿地を農地に変えた排水技術。
・小樽:海食崖の上にある高級住宅地、丘陵地の尾根を削り新しく造られた町。
・日光:門前町にして宿場町の鉢石宿の段差、戦場ヶ原の上に火山最大の恩恵が。
・熱海:すり鉢地形の急斜面に発展した温泉町、絶妙な高低差を利用してお湯を引く。
・小田原:三本の尾根に守られた強固な城下町、湿地帯を利用した海側の総構。
・松山:水害対策で川底の岩盤を掘る、扇状地の洪水対策としての巨大な土手。
・道後温泉:断層によって出来た割れ目から温泉が湧き出る。
・首里:サンゴ礁が泥岩層をガードし残丘となる、高台でありながら湧き水に恵まれる。
・熊本:湧水の秘密は台地の地質と地下水層、用水に渦を巻かせ火山灰沈澱防止。
・嵐山:借景と断層を取り入れた美意識、美しさは断層による嵐山の急斜面にあり。
・伏見:傾斜地に造られた城下町、高低差活かし居住区分、池の上に街道を通す。
・志摩:海岸段丘でもあるリアス海岸の絶景が生む島の宝。
・伊勢:神聖なる正殿は河岸段丘の上。
「高低差のないところには何の興味もないですからね」
ブラタモリの伝えるもの
ブラタモリが日本地質学会から表彰
「地学的な概念や地形・地質発達過程に関する専門的な内容を扱い、
その科学的意義、社会や産業との関わりを、専門家の解説を交えて紹
介。地質学の普及に貢献」。
ブラタモリの教え
「主に明治期以前の日本の土木技術が、見事
なまで自然環境との折り合いをつけ、自然と共
生する社会基盤づくりを実現していたと言う事
実を、解り易く紹介している」。
近代的な土木技術の弊害
それに引き替え、明治期以降の近代土木は、「自然は克服するもの」と
言う欧米の考え方をベースに、かなり無茶なことをしてきた。異常気象と
は言え、日本を含む世界中でこれだけ大きな自然災害が連続的に発生
しているのも、ある意味、やむを得ない。
大自然との向き合い方
大自然に謙虚に畏敬の念を持って向き合う日本らしい土木技術を!
16
1
忘れられた『和』の文化
一対以上の価値観を並列させる日本の哲学
お米の文化の中に潜む二つの希い。
「ミノリ」「イノリ」
公家の感傷と武家の覚悟が結び付く。
「あっぱれ」「あはれ」
外面の装飾の奥に蠢く日本の本来。
「本歌取り」「見立て」
失われた価値観
を呼び戻す⑥
2
日本の組織感覚はとても柔らかい。
「結」「講」「座」「連」「組」
リニューアルしたくない文物の価値。
「わび」「さび」「すさび」
派手に見せるし静かにも微笑む。
「荒事」「和事」
どんな出来事からも残響を感じたい。
「余情」「無常」
3
忘れられた『和』の文化
一品ずつ器を変える日本料理
本格と破格、あいだの風格。
格式の「真」。日常の「行」、芸術の「早」。
型が動いて、技が弾む。
守って「型」に着き、「破」って型を出て、
「離」れて型を生む。
取り合わせの妙に、心が躍る。
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