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- 3. 目次
I. 現状整理
IV. ターゲット
II. 子育て家庭への調査
(マクロデータ分析結果)
1. ヒアリング結果分析
1. ターゲットとなる家庭
2. 調査の結論
2. ターゲットとなる学生
III. 学生への調査
V. 施策提案
1. ヒアリング結果分析
2. アンケート結果分析
3. 調査の結論
2
- 5. 調査課題の整理
スリール課題 本調査の検討課題
核家族化、少子化などを背景に、子育て世代は育児経験のないまま子どもを持ち、 社会課題の要因:
周囲からも十分なサポートを得られずに子育てを行わざるを得なくなっている。
• スリールが取り組む社会課題(少子化、ワーク
また、子育て前の若い世代も、育児機会やロールモデルとなる共働きの子育て家 ライフバランスなど)の要因は何か。
社会課題
庭との接点もなく、仕事と家庭の両立や将来の子育てに不安を抱いている。
• 専属サポーター制度によって、子育て家庭や若
の現状
い世代の課題要因を解消して、社会課題の解決
これらの要因によって、育児休暇などの子育て支援制度は整いつつあるにも関わ に寄与することができるか。
らず、ワークライフバランス改善や少子化の抜本的な解決にはつながっていない。
学生は子どもや子育て世代と接する機会が少なく、キャリアイメージや家庭生活の
重要ステーク イメージが持てず、将来に不安を抱いている。
ホルダーの
現状
子育て家庭は職場の理解や身近な子育て支援が不足しており、厳しい条件下での
子育てを強いられている。
ステークホルダーの現状とスリールの提供価値:
• 子育て家庭にとって、ベビーシッターを頼むこと
学生の子育てインターンと子育て家庭をマッチングして、学生には子育てや家庭、 自体が少数派であり、学生を派遣するという制度
仕事生活について学ぶ機会を、子育て家庭には育児サポートを提供する仕組み を理解しもらえるのか、どのようにすれば受け入
商品・
(「専属サポーター制度」)を拡大するためのアプローチの検証が必要である。
れてもらえるのか。
サービス*
• 保育対象年齢:2歳〜小学校3年生
• 「インターン」として育児経験をすることの意義を、
• 契約期間: 3ヶ月
学生にどう理解してもらえるのか、どのようにすれ
• 対象地域:都心に近い1都3県
ば参加してもらえるのか。
子育て家庭は、既存サービスより安価で自由度の高い育児サポートを受けること
提供価値 ができ、さらに学生のメンターとして機能することによって社会貢献もできる。
学生は、育児経験やロールモデルとなる子育て家庭と接する機会を得て、将来の
社会人としての生活や子育ての不安を軽減する。
事業の拡大アプローチ:
ホームページもあるが、今のところ口コミで拡張している。
• 学生や家庭に制度利用を広げていくためには、
事業の
どのような方法、ツールがあるのか。
成長戦略 今後は、大学、企業、地域との連携によって専属サポーター制度の実施数を増 • 外部団体・企業などとの連携を進めるにはどの
やしていくことを想定している。
ようなアプローチが適切か。
*本報告書内のスリール提供サービスに関する記述は、調査開始時点(2011年4月下旬)のスリール事業計画による。
4
- 6. プロジェクトの流れ
II.子育て家庭への調査
家庭への
文献調査
ヒアリング
子育て家庭に関す
る統計データ(ター
子育てに関する困
ゲットセグメントのボ
りごと・ニーズ
リューム)
専属サポーター制
IV.ターゲット V.施策提案
I.現状整理 度に対する理解、
選好度と
調査目標の確認
ターゲットの特定
施策提案
III.学生への調査
専属サポーター 専属サポーター
制度のメリットと 専属サポーター
制度のターゲット
成長戦略の整理
学生への
学生への
制度を広げるに
文献調査
はどのような
ヒアリング
アンケート
は何をすべきか
人々か
ターゲット学生 学生に関する統
将来のために取り (仮説)の属性
計データ(ター
組んでいること
ゲットセグメント
のボリューム)
学生が求めてい
専属サポーター制 る体験、能力こと
課外活動、将来
度への理解、参 像などに関する
加・継続意欲
専属サポーター 学生意識調査
制度の魅力こと
5
- 9. を補うという 、
子育て家庭のヒアリング結果
ヒアリング対象
訴求ポイント(○:ニーズあり) 受入れのハードル(○:ハードルになる)
対 お 保 理理 社 教 母 若若 料料 預 家 週 三 学 学 体 引 ⼦子 チ 学 無
象 ⼦子 育 由 い ⾦金金 け 三 時 ⽣生 ⽣生 験 き ど ⽣生 償
ー
会 育 親
ー
者 さ ニ を 貢 希 ⼈人 て 他 回 間 の の を 継 も ム の へ
ん 問 話 が は 人 シ 交 話 ぎ の 制 メ の
ー
献 望
利 の ズ わ く い 代 す 会 年年 リ 抵
意
用 年年 な 相 る け 入 タ 齢 抗
識
区 齢 い 手 な れ 性 ト
ー
分 い ⼒力力 格
A
6
○
-
○
○
○
○
△
-
○
×
×
×
×
○
×
○
△
×
×
利利
⽤用 B
5,1
○
-
-
-
-
○
×
-
○
○
-
×
×
-
○
-
×
△
△
中
C
3
○
○
×
-
-
○
△
○
○
△
-
△
×
×
△
○
△
○
×
D
8
○
-
○
-
○
△
-
×
-
○
×
-
△
△
○
△
-
△
既
認 E
1
○
-
○
-
○
-
-
-
△
○
-
-
×
×
-
○
-
×
-
知
F
3
-
-
○
-
-
○
-
-
-
○
-
△
-
-
-
-
-
-
-
G
7,3
○
-
-
-
○
○
-
○
×
○
-
-
-
-
△
-
-
○
-
H
7,3
-
-
-
○
-
○
×
○
-
△
-
-
-
-
-
○
-
○
-
未
認 I
11,2
○
-
○
○
-
-
○
○
○
○
-
-
○
△
○
○
○
-
○
知
J
4,1
○
○
○
○
-
○
△
○
○
△
○
○
-
○
○
○
△
-
-
K
3
○
-
×
○
○
○
×
-
△
△
-
△
-
-
×
-
○
-
8
○
- 10. Findings
対象
訴求ポイント ハー
ドル
対 保 理理 社 教 母 若若 ⼦子
ü 訴求ポイント
象 育 由 会 育 親 い ど
ー
者 ニ を 貢 希 ⼈人 も
• 主婦層を含めて保育ニーズはあり。
問 献 望 話 が の
ー
利 ズ わ 意 く 年年
• 特に、「(預かりの)理由を問わない」点は 用 な 識 相 る 齢
未認知家庭からも評価あり。
区
分
い 手 性
格
• スリール利用が社会貢献になるという考
え方に対しては賛否両論あり。
利利 A
○ -
○ ○ ○ ○ ○
⽤用
• とはいえ、スリールとしての最初のターゲット 中 B
○ -
-
-
-
○ -
を熱心な家庭に絞ろうと考えると、社会貢献 C
○ ○ × -
-
○ ○
を全面的に押し出して協力してくれるというこ
とはむしろ必要条件なのではないか。
既 D
○ -
○ -
○ ○
認
• 家庭の参加へのインセンティブは、子ど 知 E
○ -
○ -
○ -
○
もの年齢・性格に大きく依存している。
F
-
-
○ -
-
○ -
• 乳幼児の家庭では、母親の話相手としての学 未 G
○ -
-
-
○ ○ -
生派遣の意義も多く指摘されている。
認
知 H
-
-
-
○ -
○ ○
• 特に小学生以上の家庭で、学生ならではの I
○ -
○ ○ -
-
○
運動・勉強を教えるといったサービスはニー
ズが高い。
J
○ ○ ○ ○ -
○ ○
K
○ -
× ○ ○ ○ -
○:ニーズあり ×:なし
9
- 11. 対象 ハードル
Findings
対 料料 週 三 体 引 チ
ü 環境依存的な項目
象 ⾦金金 三 時 験 き
ー
ー
者 回 間 を 継 ム
• 料金に対するハードルは各家庭によって多様 話 ぎ 制
利 す 会
であることからもわかるように、スリールとの 用
区
比較対象となっている各自治体の育児支援 分
サービスがどの程度の水準にあるかに依存
A
△ × × ○ × △
する。
利利
⽤用 B
× ○ -
-
○ ×
ü サービス内容の検討を要する家庭の負担に 中
C
△ △ -
× △ △
関する項目
D
△ -
○ △ △ △
• チーム制・引き継ぎ会*は多くの家庭にとって 既
認 E
-
○ -
× -
-
メリットとなっていない。
知
F
-
○ -
-
-
-
• 毎回の利用で学生にワークライフやキャリア G
-
○ -
-
△ -
プランに関する話をすることが負担になること
H
× △ -
-
-
-
もあり、話せる内容が必ずしも学生の聞きた 未
認 I
○ ○ -
△ ○ ○
いことであるとは限らない。就職活動等と結び 知
付けるのであれば、別の形で交流会を開く等 J
△ △ ○ ○ ○ △
の方策の方が好ましいと考えられる。
K
× △ -
-
× ○
*チーム制: 3家庭・4学生を1チームとして同じチーム内で派遣シフトを組んでいく制度。家庭・学生と ○:ハードルあり
もに、密接な関係を築きやすい一方で、柔軟な利用・参加が可能になるメリットがある。
引き継ぎ会:3ヶ月のサポート期間終了時に、次期に参加する学生を含めて顔合わせをする機会。
10
- 12. Findings
対象
ハードル
対 学 学 無
ü 改善できそうなハードル群
象 ⽣生 ⽣生 償
ー
者 の の へ
シ メ の
利 リ 抵
用
• 学生のシッター力に関しても当初の段階で不安 区
タ
ト
抗
ー
分
を持つ家庭が多い。充実した研修内容であるに ⼒力力
もかかわらずその内容が十分に家庭に伝わっ 利利 A
×
×
×
ていない節があるので、さらなる説明が不可欠。
⽤用
中 B
×
△
△
• 導入後は払拭されるものの、導入前の段階で学 C
△
○
×
生側のメリットが十分伝わっていない*。家庭は、 既認
D
×
-
△
「あまりメリットもないのに、なぜ学生はこの制度 知 E
-
×
-
F
△
-
-
に参加するのか。メリットがないのに学生に手伝 未 G
-
○
-
いをさせていいのか。」といった不安を感じてい 認 知 H
-
○
-
る。この点も十分な説明が不可欠。
I
-
-
○
J
○
-
-
*学生側のメリット: 専属サポーター制度では、学生は「ワークライフインターン」として無償での参加 K
△
-
○
になるが、社会人としてのさまざまなスキルを習得しながら、先輩社会人ロールモデルとの関係から
の学びとして、家庭と仕事の両立イメージやライフプランを具体化していく過程がプログラム化されて ○:ハードルあり
いる。
11
- 13. Findings
対象
ハードル
対 預 家 学
ü 利用開始後に越えてもらうハードル群
象 け ⽣生
ー
者 て 他 の
は 人 交
利 い 代
用 け 入
• (3ヶ月という派遣期間について)未認知家庭にとって
区 な れ
分
は「よい学生に継続してほしい」という意識があるよ い
うだが、導入家庭は、導入後学生の交代に対する 利利 A
-
○ ×
ハードルが低くなる。
⽤用
中 B
-
○ ×
• 未認知家庭において「子どもを他人に預けてはいけ C
○ ○ ×
ない」固定観念のハードルが高い。(とはいえ、ス 既 D
-
× -
認
リールの理念自体、こうした固定観念をなくすこと)
知 E
-
△ ×
→「利用することが社会貢献になる」を推すことで、こ F
-
-
-
の点に理解を得ることができ、実際に導入した後でそ 未 G
○ × -
認
のメリットも実感できるだろう。
知 H
○ -
-
• 「家に他人を入れる」ことについては、利用中の家庭 I
○ ○ ○
ですら当初はそう考えていたが、利用して慣れていく J
○ ○ -
もの。
K
-
△ -
○:ハードルあり
12
- 14. 2.調査の結論
1. 「預けてはいけない」固定観念や、「他人
を家に上げたくない」という最初のハード
ルの存在は大きいが、社会貢献ニーズを
満たすことによって、意識の高い家庭に
対し、それを上回るメリットを見せる戦略
が考えられる。
2. 認知の家庭を中心に、学生のシッター力や
、学生のメリットについて十分理解がいか
ないとする家庭があるので、これらの説明
をこれまで以上に十分行う必要がある。
13
- 17. 学生のヒアリング結果(属性)
分類 対象者 属性=対象の精緻化 アプローチ
両立・子育
スリールと
ヒアリング 自己成長 キャリア てへの不安 参加の 明確な 理念への 有効な
の 性別 子育て経験 きっかけ
対象者 意欲 志向 認識 意思 目的意識 共感 ツール
関わり
不安の認識
堀江さんとの
W 女 なし ○ ○ あり ― ○ ― ―
出会い
スポット
ETIC .の
T 女 多少あり ○ ○ ― ― ○ ― ―
サイト から
E 女 多少あり ○ ○ あり ― ○ ― tw i
tter ―
専属 G 女 あり ○ ○ あり ― ○ ― 就活サイト ―
T 女 なし ○ ― ― ― △ ― 友達の紹介 ―
堀江さんとの
S 女 なし ○ ○ あり ○ ○ ○ 口コミ
既知未参加 出会い
O 女 なし ○ △ あり ○ ○ ○ ― ―
H 女 なし ○ ○ なし × ― ○ ― ―
O 男 なし ○ △ なし △ △ ○ ― ―
なし
人からの
K 男 なし ○ ○ (言われて △ × ○ ―
勧め
未認知 みるとあり)
人(先輩)、
S 女 あり ― ― △ △ ― ― からの勧め
大学の単位
K 女 なし ○ ○ なし × ― ― ― 口コミ
16
- 18. Findings 学生の属性
‣ターゲットの候補となる学生の特徴
• 事業の特性から「子どもが好きであること」は欠かせないが
、子育て経験の有無は関係がない。
• 積極的に行動して経験を積みたい・自分を高めたいという
自己成長意欲があり、(女性の場合は)キャリア志向のあ
る学生が対象となる。
• 〈ヒアリング結果から〉メインターゲットとして、現在参加中
の学生の中心である大学3、4年生を想定できる。将来の
両立・子育てに対する不安の認識や疑問を持っており、実
践的な子育てスキルを身につけたり、ロールモデルを見つ
けたりしたいという明確な目的意識がある学生である。
• 〈アンケート結果*から〉サブターゲットとして、大学1、2年生
も対象になりうることがわかった。将来の具体的な不安や
目標はなくても、漠然とした成長意欲を持つ学生(男性を
含む)にもアピールすることは有効である。
17
*アンケート結果については次セクションで解説
- 19. 学生のヒアリング結果(参加メリット)
分類 対象者 参加前に特に魅力を感じた点( ニーズ)=◎ 参加前にある程度魅力を感じた点=○ 参加後に顕在化した魅力=● あまり魅力ではない=△ 魅力を感じない=×
将来のた
スリール めに 両立家庭の 社会人・ 子育て
自己成長 その他のメリット、制度の工夫
への関わり しっかり準 環境を覗いてみたい ママパパと交流したい
備したい
子育て 子どもと 家族のよ
ロールモ 共に学
スキルを 両立の 現在の子 遊べる・ 社会貢献 う
デル 社会人と び、 コミュニケーション
身につけ イメージを 育て メンタル面 仲良くな になる 人の役に な存在を 社会勉強
、メンター 深いつなが 助け合う 能力や
て 具体化でき 環境を知 での成長 れる (理念への 立てる喜び 得られる、 になる
を りをつくれる 仲間をつく マナーが身につく
将来に備 る る 成長を見 共感) 深い関係
見つける る
える れる喜び を築ける
スポット W ◎ ◎ ○ ― ― ― ● ― ― ― ― ― ―
T ● ― ― ● ― ― ● ― ― ― ― ― ◎
専属 E ― ○ ◎ ― ● ● ● ● △ ● ― ● ―
G ◎ ○ ◎ ● ― ● ● ● △ ― ― ● ―
T ― ― ― ● ● ― ― ● ― ● ― ● ―
既知未参加 S ◎ ◎ ― ○ ◎ ― ○ ○ ○ ― ― ― ―
O ◎ ○ ― ○ ○ ― ― ― ― ― ― ― ○
×
△理念は
未認知 H × 理解はでき ― ― ― ― × × ― × × ―
理解できる
る
O ― ― ― ○ ○ ― ◎ ○ ○ ― ― ― ―
K ○ ― ― ― ― ― ― ― ○ ― ― ― ◎
S ○ ― ― ○ ― ― ― △ ― ― ― ― ―
K × ― ○ ○ ― ― ― △ ― ― ― ― ―
18
- 20. Findings 学生への参加メリット①
‣「専属サポーター制度」の訴求ポイント
• 研修で学ぶことのできる実践的な子育てスキルが有効。
• 「家庭と仕事の両立のイメージを具体化できること」、「ロ
ールモデルを見つけられること」、「社会人と深いつながり
を持てること」、「子どもと遊べること」がポイントとなる。
• ヒアリング結果から、参加中の学生が「家族のような存在
」や「精神的な支え」を得られたと感じていることがわかっ
ており、特に就職活動中で大学やサークルの友達との関
係が希薄になってしまう時期や、地方出身で一人暮らし
の学生にそうした点がメリットとなる。また、スポット*との
差別化を図れるポイントでもある。
• 「社会勉強」として、普通のインターンでは得られない体験
ができることや、家庭と濃いつながりを構築できることが、
成長意欲のある学生にとってプラスになる。
• 「コミュニケーション能力やマナーが身につく」という点は
大きなメリットとしては感じられていない。
*スポット: スリールの提供サービスのひとつ。契約期間3ヶ月間の専属サポーター制度に対して、スポットは研修
を経れば単発での参加が可能。ただし、派遣先家庭との関係づくりの機会やワークライフに関するプログラムは
設定されていないため、こちらは「インターン」ではなく有償アルバイト扱いとなる。
19
- 21. Findings 学生への参加メリット②
‣ 「専属サポーター制度」の訴求ポイント
• 「社会貢献」ニーズは学生には顕著ではない。理念へ
の共感度合いも学生によって異なるので、「子育て体
験&自己成長」という点をアピールの柱とすべきで
ある。
→ただし、他のメリットに魅力を感じていない学生にもスリ
ールの理念自体は理解を得やすく、学生への認識を広
めるという点でこの点を説得力のある形で提示していくこ
とは重要である。
→「社会貢献」ニーズのある学生は、スリールの事業普及
の方に関心を持っている傾向があるので、広報・営業ス
タッフの募集には有効なポイントになり得る。
• 「仲間を得られる」ことは、専属サポーター制度に参加
する決め手とはならないが、実施した学生からは仲間
がいることによる安心、モチベーションの高まりなどの
効果が見られている。
20
- 24. 学生のヒアリング結果(参加のハードル)
分類 ハードルではない=× ある程度ハードル=△ ハードル=○
スリールと 他の手段
時間的 責任の 現在の
の 無償 の方が自己
制約 重さ 必要性
関わり 成長に有効
W △(専属) △(専属) × × ×
スポット
T △(専属) △(専属) × × ―
E × △ × × ―
専属 G × × × × ×
T × △ × ― ―
S △ × △ × ×
既知未参加
O × × × × ×
H ○ ○ △ ○ ○
O × △ × △ △
未認知 K ○ ― × ○ ○
S ○ ○ ― △ ―
K ○ ― ― ○ ―
23
- 25. Findings 学生に対する参加ハードル①
‣インターンに参加する前のハードル
・時間的制約は、参加条件をより具体的に提示することによって
認識を変えられる可能性あり(月・木の18時~20時など)。
・金銭的制約は、アルバイトとの両立が必要だと考える学生の場
合は時間的制約と関連する。
・トライアル学生*からは、無償だからこそ家庭と良い関係が築
けた、アルバイトのようにやらされているという気持ちにならず
にすんだと評価されている。ただし、トライアル学生の中にもア
ルバイトとして紹介されて参加した学生がいるように、最初は
スポットで参加してもらい、その後に金銭的制約のハードルを乗
り越えてもらうというアプローチもありえる。
・責任に対する捕らえ方は、二人体制*になっていることでだい
ぶ緩和されている。しかし責任への認識には個人差があり、十
分な説明が必要となる。
*トライアル: 専属サポーター制度への参加には、約1か月半の研修(座学3回、実習6回)を経て認定を受けるこ
とが条件となる。本調査では、研修期間中の学生へのヒアリングも実施している。
二人体制: 家庭への派遣は二人一組で行う。
24
- 28. アンケート概要
アンケート対象
• サンプル数46
– A大学2~4年生(36名)
– B女子大学3年生(10名)
• 性別
– 男性:13名
– 女性:30名
– 無回答3名
• 学年
– 2年生:13名
– 3年生:19名
– 4年生:14名
27
- 29. Findings ワーク&ライフ・インターンへの興味
・アンケートの結果、堀江さんの話を聞いてワーク&ライフ
・インターンを実施してみたいと考えた学生が48%、興味
があると答えた学生を合わせると80%となった。
ワーク&ライフ・インターン実施意向 →特にB女子大学では10名中9名の学生が興味があると
回答しており、顔を合わせて話を聞くこと・参加者の話を聞く
4 興味
全く
がない,
1 ことで興味を持ってもらえる可能性が高いと言える。そのた
無回答,
6 め、説明会や交流会等に参加してもらい、堀江さんや体験
3あまり興
味がない,
者のお話を直接聞いてもらうことがアピールの有効な手段
2 となり得るだろう。
1大変興
味があり 、 →B女子大学の興味を持った理由の欄では「こうしたイ
実施し て ンターンが存在することを初めて知った」、「インターンや
2 興味は みたい,
22 子育て体験の必要性を認識した」という声が多く見られ、
あるが、 実際に話を聞くことで初めて関心を持つようになるという
実施し よう 過程が示されており、社会的な意識・価値観の変革という
と は思わ 意味でもこうした機会を設けることが非常に重要であると
ない,
15 言える。
→ただし「興味はあるが、実施しようとは思わない」を選ん
だ学生の理由から、参加へのハードルとしてやはり時間
が制約になっていることも伺える。アンケート対象は3年生
で就職活動を控えている状態であることから、より具体的
な両立可能性や、就職活動時期こそ「定期的な予定が入
ることで時間管理がしやすくなる」「精神的な支えができて
頑張れた」といったヒアリング結果から顕在化したメリット
をアピールすると良いだろう。
28
- 31. Findings ワーク&ライフ・インターンの魅力
・また、ワーク&ライフ・インターンの魅力を問う項目につい
て、1位=3点、2位=2点、3位=1点として集計した結果、「
子どもと遊ぶ・接する」、「ママパパになった時のために子
育て体験をする」という回答が多く、逆に「現在の子育て環
境を知る」、「共に学び、助け合う同世代の仲間を作る」、「
就職活動に役立てる」という回答が少なかった。
→子どもと触れ合えること、将来に向けて子育て体験がで
きることが学生にとって大きな魅力となっている半面、就職
活動への対策やと仲間を得られるといった点は学生への
効率的なアプローチにはならない。
→ただしトライアル学生からは仲間がいることによる意識
の向上や、就職活動への好影響が示されており、むしろこ
うした点が現在はうまくアピールされていないために参加
前の学生が気が付けていないという可能性もある。
→子育て体験に関して、「絶対将来必要になる」、「今は自
信がなくて不安」、「他に学べる機会がない」といった声が
上がっており、学生も言われてみると必要性を感じるが、
他にそのような知識や経験を得られるところがなく、将来に
不安を感じていることがわかった。スリールはこのような学
生が気付かない、かつ他では充足されないニーズに応え
ることができる。
→今後は上記の点を踏まえ「学生に対するメリット」をより
明確かつ具体的に提示していく必要がある。
30
- 32. Findings 学生の求める能力
・学生が大学卒業までに高めていきたい能力に関す
る項目(経済産業省の提示する社会人基礎力を参照
)では、実行力が非常に高く、創造力、柔軟性、主体
性が続いた。逆に、働きかけ力、傾聴力、規律性など
は少なかった。
→実行力について「自分に欠けている」、「実行する
のは難しい」、「積極的になれない」といった理由が多く
、現状では何か思うことがあってもなかなか実行でき
ないため、自分は実行力を高める必要があると多くの
学生が考えていることがわかった。
→また「柔軟な考え方ができるようになりたい」、「人と
違うことを考えたい」、「多面的な見方をしたい」、「何
事にも対応したい・挑戦してゆきたい」といった理由で
創造力と柔軟性を高めたいと考えている人が多かった。
→実行力がこれだけ必要だと感じられているというこ
とは、逆に現在多くの学生に実行力が欠けており、イ
ンターンに興味があっても実際に実行には移せない
といった状況がありえると想定される。
→ワーク&ライフ・インターンは通常のインターンに参
加するよりも責任は大きいものの、就職に直結する/
選考で落とされるといった不安は感じることがなく、そ
の点でハードルが低いことをアピールできる。
→参加者が実行力や創造性・柔軟性を伸ばしたと
アピールすることが有効である。
→この点を踏まえて、かつ学生が気が付かない能力
の必要性を気付かせてあげることと併せて研修など
のプログラムに組み込んでいくことを検討する必要が
ある。
31
- 33. Findings 学生の求める経験
・求める能力を高めるために学生時代に行っておきた
いことしては、学業、社会人との交流、インターン、ア
ルバイト、旅・旅行、趣味を広げるという回答が多く、
逆に学生団体の活動、国際交流、部活、起業といっ
た回答は少なかった。
→特にインターン、社会人との交流、アルバイトについ
て、社会について知ることができ、将来の役に立つと考
えて経験したいと思っている学生が多かった。
→専属サポーター制度では実際に仕事をすること・も
しくはお金を稼ぐことはできないが、大学では得られ
ない社会体験ができるという点で強みを持つ。
→学生が学生団体やサークル・部活などよりも上記の
ような経験をしたいと望んでいることから、このアンケー
ト結果からはワーク&ライフ・インターンを「インターン」
としてアピールすることにより、多くの学生に認識しても
らうきっかけになる可能性が高いといえる(スポットに関
しては「アルバイト」の側面もアピールとしては有効) 。
32
- 34. Findings 学生の求める能力と経験の関係性
・手段に関わらず、「実行力」
卒業までに高めたい能力と、そのために経験したいこと
を高めたい学生が圧倒的に
多い。
ストレス
主体性 働きかけ力 実行力 課題発見力 計画力 創造力 発信力 傾聴力 柔軟性 状況把握力 規律性 →専属サポーター制度への
コントロール 参加により、「実行力」が高め
学業 7 4 16 2 7 5 7 3 5 3 2 5 られることは大前提と考えら
学生団体 1 1 3 1 1 5 1 5 2 れる。
インターン 6 3 15 2 3 8 6 4 8 2 1 2 ・専属サポーター制度に関連
ボランティア 3 1 10 4 5 5 2 5 1 性の高い「インターン」「ボラ
ンティア」「社会人との交流」を
社会人との
10 4 17 3 4 6 8 2 9 2 3 能力習得手段と考える学生を
交流 見ると、「柔軟性」「主体性」「
アルバイト 4 3 15 1 5 10 7 3 7 3 3 5 創造力」「発信力」の習得を望
旅・旅行 10 3 17 3 9 5 1 8 4 2 4 んでいる。
留学 5 9 1 4 4 2 8 2 1 2 →これらは子育てに直接必要
国際交流 4 1 8 1 5 2 1 6 3 2 1 な能力ではないが、子育て経
趣味を広げる 7 4 14 3 4 7 7 1 5 1 3 験を通じて習得することができ
る能力である。研修制度の中
サークル 2 2 7 2 4 3 1 4 3 1 2
にもこれらの能力を高める
部活・体育会 2 1 2 1 2 1 スキームを組み込むことがで
起業 1 1 1 きれば、大きなアピールになる
語学 5 1 9 2 5 4 2 5 3 3 3 と考えられる。
資格取得 3 3 12 1 2 7 4 2 7 2 1 3 ・ただし、専属サポーター参加
との比較対象となる「アルバ
イト」でも「創造力」「発信力」「
柔軟性」が習得できると考え 33
られており、より具体的な自己
成長の形を提示していくこと
が求められる。
- 35. Findings インターンの経験・参加意欲
5 ンタ
イ ーン インターン参加経験
シッ 知ら
プを な 6その他,
3
・インターンの参加経験を問う項目 い,
1 1参加した事
では「興味はあるが、応募はしたこと 4興味がなく 、
がある,
8
がない」という回答が半数(23名)を 参加していな 2応募はし た
い,
6 が、選好や抽
占めており、24%の学生が実際に 選の結果、 参
応募したことがあるということがわか 加できなかっ
た,
3
った。
3興味はある
→通常のインターンよりも始めやすく が、応募はし
たこ がない,
と
、より深いコネクションを作れるという
23
点で専属サポーター制をアピールす
ることができる。
インターン参加意欲
参加したい
・また、インターンへの参加意欲につ とは思わな 無回答,
1
いては、「今すぐに参加したい」という
い, 6
回答が多く、「就職活動など必要
になったら参加したい」、「いつか参 今すぐに参
加した
いつか参 加したい,
加したい,
19
い」と合わせるとインターンへの参加
就職活動 11
に興味を持っている学生は85%程度
など、必要
になった参
を占めている。
加したい,
9
34
- 36. Findings インターンシップに参加したい理由
・インターンシップに参加・応募したことがあるか、興
味がある学生がインターンシップに参加したい理由は
、「自分の成長」という回答が最も多く、次に「自分の
適性を見極められる」、「就職活動に有利になる」、「
社会人のネットワークを広げたいから」が続いた。逆に
、「友達が参加しているから」は0、「給与がもらえる
から」、「起業に役立つ」、「学生のネットワークを広げ
たいから」、「大学の単位になるから」は非常に少なか
った。
→学生が通常のインターンシップに参加する理由と
して、自分を成長させたいという思いがあることと、実
際に働くことで自分の適性を見極めたいと考えている
ことが中心になっているとわかった。ワーク&ライフ・
インターンでは前者の点をアピールすることが有効で
ある。また、社会人のネットワークという点について
、ワーク&ライフ・インターンでは通常(職場)のインタ
ーンのように一度に多くの社会人と接することはでき
ないが、職場では得られないような相談役・メンターと
しての社会人とのつながり、子どもを介した対等な立
場での社会人との関係を構築できるというメリットが
ある。ある程度の学生が就職活動を意識してインター
ンへの参加を希望していることもわかっており、この
点をワーク&ライフ・インターンのメリットとしてより重
視していくのかは検討が必要である。逆に、大学の単
位になることや給与がもらえることは参加の理由と
はなっておらず(選択時の条件になっている可能性は
35
あるが)、インターンの内容やそこで得られる経験が
重視されていると考えられる。
- 37. Findings 学生の属性①
係数a
どのような学生が実際にワーク&ラ
イフ・インターンに興味を持つのかを
、回帰分析によって調べた。(有効サ
ンプル数37)
標準化されて 標準化 共線性の統
いない係数
係数
計量
標準誤 有意 許容 ・ワーク&ライフ・インターンへの興味
モデル
B
差
ベータ
t
値
確率
度
VIF
と性別や学年には有意な関係はない。
1
(定数)
2.522
.886
2.847
.008
・インターンへの参加意欲が高い学
生ほど、ワーク&ライフ・インターン
インターン .073
.091
.146
.804
.428
.624
1.603
への興味も高い(有意水準0.5%)。
の経験
・インターンの参加経験、女子大ダミ
インターン .289
.135
.447
2.145
.040
.475
2.106
ーはプラスだが有意ではない。
への参加意 ・性別と学年はマイナスだがこれも有
欲
意ではない。
→ターゲットとなる学生は学年・性別
性別
-.023
.272
-.015
-.085
.933
.694
1.442
を問わない(ただしアンケート対象に
1年生は含まれていない)。
学年
-.050
.198
-.048
-.251
.804
.575
1.740
→インターンへの参加意欲が高い学
生ほどワーク&ライフ・インターンへ
女子大
.175
.271
.108
.646
.523
.739
1.354
の興味も高いため、そうした情報を
集めている学生にアプローチするこ
とは有効性が高いと考えられる。
a.
従属変数
ワーク&ライフ・インターンへの興味
36
- 38. Findings 学生の属性②
係数 標準誤差 t
P-値 下限
95% 上限
95% 下限
95.0%上限
95.0% ワーク&ライフ・インターンへの興味の高さと、学
生がワーク&ライフ・インターンのどのような点に
切片 1.82641 0.346302 5.274041 5.15E-05 1.098857 2.553963 1.098857 2.553963 魅力を感じているかということ、また学生がどのよ
Q5 0.048612 0.064016 0.759371 0.457461 -0.08588 0.183104 -0.08588 0.183104 うな能力を高めたいと考えているかということとの
Q4-1学業 0.013453 0.189258 0.071084 0.944115 -0.38416 0.41107 -0.38416 0.41107 関係を、前記の主成分分析を踏まえて回帰分析
によって調べた。
Q4-2学生団体 0.031899 0.295966 0.107779 0.915364 -0.5899 0.6537 -0.5899 0.6537 →結果、ワーク&ライフ・インターンへの興味の高
Q4-3インターンシップ 0.14831 0.202539 0.732253 0.473442 -0.27721 0.573828 -0.27721 0.573828 さとワーク&ライフ・インターンの魅力、学生の高
Q4-4ボランティア -0.23728 0.248632 -0.95436 0.352543 -0.75964 0.285072 -0.75964 0.285072 めたい能力との間には有意な関係性はほとんど
見られなかった。
Q4-5社会人との交流 -0.35337 0.184076 -1.91967 0.070892 -0.74009 0.033364 -0.74009 0.033364
Q4-6アルバイト -0.96926 0.276245 -3.5087 0.002508 -1.54963 -0.38889 -1.54963 -0.38889
Q4-7旅・旅行 0.257667 0.272907 0.944156 0.357592 -0.31569 0.831023 -0.31569 0.831023 また、ワーク&ライフ・インターンへの興味の高さ
Q4-8留学 -0.71276 0.247563 -2.87911 0.009986 -1.23287 -0.19265 -1.23287 -0.19265 と学生の経験したいこととの関係性を回帰分析
Q4-9国際交流 0.152811 0.313612 0.48726 0.631955 -0.50606 0.811686 -0.50606 0.811686 によって調べた(左表)。
→アルバイト・社会人との交流を挙げている学生
Q4-10趣味を広げる -0.12672 0.263839 -0.48031 0.636792 -0.68103 0.427581 -0.68103 0.427581 ほどワーク&ライフ・インターンへの興味も高く
Q4-11サークル 0.549779 0.240368 2.287236 0.034507 0.044784 1.054774 0.044784 1.054774 、サークルを挙げている学生は興味が低い。
Q4-12部活、体育会 -0.611 0.371951 -1.64268 0.117804 -1.39244 0.170445 -1.39244 0.170445 →アプローチとしてアルバイトと類似する特徴や
Q4-13企業 -0.38164 0.610665 -0.62496 0.539838 -1.6646 0.901317 -1.6646 0.901317 社会人との交流メリットを明確に示しつつ、サーク
ル活動等の形で学生を取り込む工夫をすること
Q4-14語学 0.34458 0.308691 1.116261 0.278991 -0.30396 0.993117 -0.30396 0.993117 によって学生の参加をひろげることができる可能
Q4-15資格取得 0.207566 0.195619 1.061074 0.302686 -0.20341 0.618546 -0.20341 0.618546 性がある。
37
- 39. Findings アンケートまとめ
【回答学生の情報・属性】
【学生が求めている能力}
・回答に性別や学年との有意な関係は見られず、全 ・大半の学生が「実行力」を高めたいと考えており、次
学年、男子学生も対象になりうる可能性がある。
いで「創造力」や「柔軟性」、「主体性」が重視されてい
ることがわかった。特に自分に実行力が足りないと考
・インターンへの参加意欲が高い学生ほどワーク&
えている学生が多く、そうしたニーズについてさらに検
ライフ・インターンへの興味も高く、アプローチの際に
討する必要がある。
この点を活用することが有効である。
・また経験したいこととして社会人との交流やアルバ
イトに関心を持っている学生はワーク&ライフ・インタ 【学生が求めている経験】
ーンへの興味も高く、サークル活動に関心を持って ・インターンやアルバイト、社会人との交流等を通じて
いる学生は興味が低い。
社会に出た時に役立つ経験をしたいという学生が多い。
【ターゲットになり得る学生のボリューム】
【ワーク&ライフ・インターンの魅力】
・インターンへの参加意欲がある学生は全体の80% ・「子どもと触れ合えること」、「家庭体験」、「コミュニケ
以上だが、実際に応募したことがある学生は24%に ーション力の向上」、「両立ロールモデルを見つけら
とどまっており、ワーク&ライフ・インターンに関して れる」ということが学生にとって魅力となっていること
も参加意欲と参加の間にはかい離があることが予測 が分かった。
される(ただし対象学生に2,3年生も含まれている ・ただし、トライアル学生のヒアリングからは「家庭環
ため、今まではあまり意識していなかったという点も 境を知れること」、「本音を話せる仲間ができること」
考慮する必要がある)。
、「家庭の存在がメンタル面の支えになること」といっ
・またワーク&ライフ・インターンに興味を持つ学生は た別のメリットがあることもわかっている。
80%以上となっており、「初めて知り、必要性を認識
した」とする意見が多かったことから、より学生への
露出量・頻度を増やすことで興味を持つ学生を増や
すことが可能であろう。
38
- 40. 3.調査の結論
• メインターゲットとして目的意識が明確な大学3~4年生、サブターゲットと
して漠然とした自己成長意欲がある1~2年生を想定できる。
• メインターゲットに対し「子育てスキルの習得」が特に魅力になっており、
両者に対し「子どもとの触れ合い」、「家庭イメージを得られること」、「社会
人とのつながりを持てること」が訴求ポイントになる。
• 実施学生へのヒアリングで「メンタル面での支えを得られる」、「成長意欲
が高まる」、「就職活動への好影響」というメリットが顕在化した。これは時
間的制約というハードルの解消につながる点であり、より具体的・説得的
な形で提示することにより成長意欲の高い学生への訴求ポイントにもなり
うる。
• 金銭的制約や責任のとらえ方は人によって異なるが、研修やスポットへの
参加をアピールすることで参加へのハードルを下げられる可能性が高い。
• インターンや社会人との交流を通じて社会に出た時に役立つ能力を伸ば
したいと考えている学生は多く、インターンについて金銭的・単位になる
といったメリットよりもその内容&得られることが重視されており、スリール
の事業は通常のインターンへの参加を躊躇している学生にも参加しやす
いと考えられる。
• サブターゲットへの露出量も増やしていくことで、すぐに参加には結びつか
39
なくても認識を変えられる可能性は高く、その社会的意義も大きい。
- 43. 共働き世帯数
(出所:総務省「労働力調査」・内閣府「国民生活白書」)
1995
2000
2005
埼玉県
703,993
704,965
719,102
千葉県
593,940
586,566
596,547
東京都
1,094,196
1,071,322
1,090,238
神奈川県
770,984
771,653
817,081
ü 学生の潜在的な受け入れ先となる共働き世帯数は、
1都3県で300万世帯ほどあり、十分存在している。
ü また、同調査によれば、若年層で夫婦ともフルタイムの
共働き世帯は共働き世帯全体の約50%。
42
- 47. ターゲットとなる家庭まとめ
• メインターゲット:母親もキャリアを持つ家庭
– 母親が都市部でフルタイムで仕事をしている。
• サブターゲット:専業主婦家庭
– 現在は主婦やパートでも、キャリアをつめる仕事がしたいと
考えている。
→1都3県で30万世帯規模で存在
• 家庭の受入れハードル
– 派遣学生に対する研修内容や学生側のメリットが不明確
– 学生のシッター力に対する不安
– 他人を家に上げることへの抵抗感等
– 「預けてはいけない」という固定観念
• 家庭のニーズ
– 現在は仕事と家事の両立で一杯一杯だが、その中でも、何
らかの形で社会貢献したいと考えている。(社会貢献意識)
– 一般的な保育のニーズのみならず、自分を高めるための時
間も欲しい。(自己成長意欲)
46
- 49. 大学生数(市場規模)
(出所:文部科学省「学校基本調査」)
大学数
学生総数
男子
女子
国立(全国)
86
621,788
410,096
211,692
公立(全国)
92
136,914
67,724
69,190
私立(全国)
595
2,087,263
1,209,731
877,532
東京
136
714,308
409,512
304,796
神奈川
27
201,853
126,081
75,772
千葉
28
116,830
76,292
40,538
埼玉
29
123,486
73,872
49,614
ü 1都3件の大学に通学する学生は約100万人
48
- 50. 「京都大学/電通育英会共同 大学生のキャリア意識調査2010」
Q 32-1
あなたは、いろいろな人と出会って自分を
高めたいと 思いますか。 近いも
最も のを つお知
ひと
ら ださ
せく い。
高めたい 高めたい
高めたい
と が、 と が、
思う 思う
と し
思う 、
すべきこ 何をした
全体 すべきこ 思わない
とを実行 らよいか
とを実行
できてい わからな
している
ない い
2652 688 1388 479 97
全体
100.
0 25.
9 52.
3 18.
1 3.
7
1328 350 701 237 40
大学1年生
100.
0 26.
4 52.
8 17.
8 3.
0
1324 338 687 242 57
大学3年生
100.
0 25.
5 51.
9 18.
3 4.
3
ü 人と出会って自分を高めたいと思っている学生は95%。
しかし、思ってはいるけど出来ていない人が過半数。
また、18%の人は、何をしたらよいか分からない。
49
- 51. 「京都大学/電通育英会共同 大学生のキャリア意識調査2010」
ü ボランティア・イン
ターンの参加経験は
それぞれ3,4割と少
ない。
→本事業は、自己向
上意欲はあるが行動
に踏み出せていない
首都圏の学生層(約
50万人)や、そもそも
何から始めればよい
のかわからない学生
層(約15万人)に訴求
できる。
*この数字は男
子含む。
- 52. ターゲットとなる学生まとめ
• メインターゲット:目標が明確でそれがスリールのサービ
スと合致している学生
– 主に3・4年生
• サブターゲット:自己成長意欲は強いが、目標が漠然と
している学生
→約65万人の市場
– 幅広い活動への挑戦を通じて目標、将来像の明確化に向け
て努力している(しようとしている)学生
– 主に1・2年生
• 学生の参加ハードル
– 時間的制約・金銭的制約・責任の重さ
– 専属のメリットが不明確
– 専属になった後のサポート
• 学生のニーズ
– 実践的な子育てスキル
– 子どもとの交流
– ロールモデルの獲得(社会勉強)・両立のイメージ
51
- 54. 調査結果と施策提案のまとめ
検討課題
調査結果&施策
子育て家庭は、特段の事情なくベビーシッターなどの子育てサポートを受けることは社会的に認められていないと感じる傾向
がある。また、身近にサポートを受ける機会も限られるため、孤育てと呼ばれるような状況に陥るケースも多く見られ、子育
て中は自分の時間を作ることもできない状況に陥っている。このような負担が、子どもを作ること自体への障壁にもなり、少
子化の一因となっている可能性がある。
社会課題の要因
学生は、高い成長意欲を持っているものの実際には行動に移せない、何をすれば良いか分からないでいる割合が高く、また
子育て世代と接する機会がなく、子育ての難しさを経験することもないため、自分にも問題なく行えるものと思い込んでしまっ
ているケースも見られる。このため、実質的な子育てに関する知識を得たり実情を知るための行動が実施されることが少なく、
ワークライフバランスを考える上での知識不足につながっている可能性がある。
上記のような状況に対して、専属サポーター制度によって次のような効果が見られる。
ステークホルダーの現 専属サポーター制度は子どもを預けることが学生の将来のため、次世代の子育て意識の向上にもなる(=社会貢献にもな
る)という理由から、一般的なベビーシッターなどと比較して子育てサポートを受け易い状況を作りだすことができる。子ども
状とスリールの提供価 を持つことを考える世代はサポートを受けられるようになることで、子どもを作ることへの障壁、負担を軽減することができる。
値
学生は専属サポーター制度に参加することを通して、子育てに関する知識や実情を知る事ができ、ロールモデルも見付けら
れることから、ワークライフバランスを含めたライフプランを考えることができるようになる。
専属サポーター制度は、家庭にとって、子育て支援サービスを頼むことの障壁を軽減することができるが、これは専属サ
ポーター制度が持つ「学生のためになる」という社会貢献的な要素に裏打ちされたものである。このため、制度を受け入れて
もらうためには家庭が社会貢献を行いたいという意識を持っていることが望ましく、まずは社会貢献意識を持つ家庭にター
ゲットを絞り、学生のためになることを訴求することで、制度を広げるのが効果的だと考えられる。
また、子どもを預けるには事業に対する信頼が不可欠なため、制度内容を詳細に示したパンフレットを準備することや、学生
への研修内容の情報を公開することで学生のシッター力への不安を解消することも、効果的であると考えられる。
事業の拡大アプロ
ーチ
専属サポーター制度に未参加の学生からは実態以上に「時間的な制約が大きく、アルバイトなど他の活動との両立が難し
い」と誤解される傾向があることから、制度の時間的な柔軟性や時間対メリットを正確に伝えることで参加を増やすことがで
きると考えられる。また、子育てスキルが身に付く、子どもと交流できるという専属サポーター制度が持つ利点を求めている
学生に対してこの利点を訴求することで参加を促せるが、こういった学生のボリュームは十分でないため、ロールモデルの
獲得、社会勉強につながるという点を訴求することで、高い成長意欲を持っていながらの何をすべきか分からないと考えて
いる学生の参加も促す必要があると考えられる。
53
- 55. その他のコメント・全体所感
Ø 専属サポーター制度の名称の議論からはじまり、どのような「見せ方」をすれば
家庭や学生に制度が普及するのか?という問題意識で参加させていただいたリ
サーチだったが、聞き取りや調査の過程でわかってきたことは、本事業の「特
徴」の一つが、正確かつ明確な情報のやり取り(いつお預かりするか・いつのお
預かりならできるのか・家庭と学生双方のメリットは何か・報酬や拘束時間の条
件はいかなるものなのか・どのようなサービスを受けられるのか等々)を行うとい
うことであり、それを実現することを第一目標に、名称なりサービスのあり方なり
を考える必要があると感じた。事業内容自体がとても魅力的なため、「何かで釣
ろう」と考えるのではなく、魅力と制約を正直に正確に伝えることが事業の発展
に寄与するだろうと感じた。
Ø スリールは家庭・学生双方が、自身のニーズと社会貢献を両立しなければ成立
しないモデル。利用家庭は、仕事・育児の両立を継続すること(育児ニーズ)+
学生の自己成長に寄与すること(社会貢献)、参加学生は、スキルを高めて将
来の仕事・家庭の両立に備えること(自己成長ニーズ)+家庭の仕事・育児の両
立を支えること(社会貢献)。今回の調査では家庭・学生それぞれの視点から
別々に検証を行ったが、上記4つの要素どれが欠けても目指す社会の姿の実
現は難しく、今後は家庭・学生の意識・行動を統合的に分析していく必要があり
そう。社会貢献意欲に依存しすぎたり、ニーズを満たすことばかりに注力して、
社会課題への取組みが後手に回らないよう、家庭・学生の社会における役割を
明確にして、スリールの理念とともにしっかり伝えていくとよいと思う。
54