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x=(x1,x2,…,xn)に対して
r=|x|= Σi=1
n
xi
2
1
2 △=Σi=1
n
𝜕2
/𝜕x 𝑖
2
とおく。r>0の関数f(r)が2回微分可能として次の問に答えなさい。
(1)△f(r)=f”(r)+(n-1)f”(r)/r を示せ。
(2)f”(r)/f’(r)に注目して、△f(r)=0となるf(r)を求めなさい。
x=(x1,x2,…,xn)に対して
r=|x|= Σi=1
n
xi
2
1
2 △=Σi=1
n
𝜕2
/𝜕x𝑖
2
とおく。r>0の関数f(r)が2回微分可能として次の問に答えなさい。
(1)△f(r)=f”(r)+(n-1)f’(r)/r を示せ。
証明
𝜕r
𝜕𝑥𝑖
=
1
2
Σi=1
n
xi
2 −
1
2・𝑥𝑖 =
𝑥𝑖
𝑟
よって
𝜕𝑓(𝑟)
𝜕𝑥𝑖
=
𝜕𝑓(𝑟)
𝜕𝑟
𝜕r
𝜕𝑥𝑖
=
𝑓′
𝑟 𝑥𝑖
𝑟
𝜕2 𝑓(𝑟)
𝜕𝑥 𝑖
2 =
𝜕
𝜕xi
(
𝜕𝑓 𝑟
𝜕𝑥 𝑖
)=
𝜕
𝜕xi
𝑓′ 𝑟 𝑥 𝑖
𝑟
=
𝜕
𝜕xi
𝑥𝑖
𝑓′ 𝑟
𝑟
=
𝑓′ 𝑟
𝑟
+𝑥𝑖
𝜕
𝜕xi
𝑓′ 𝑟
𝑟
また
𝜕
𝜕xi
𝑓′ 𝑟
𝑟
=
𝜕
𝜕r
𝑓′ 𝑟
𝑟
𝜕r
𝜕𝑥 𝑖
=
𝑓′′ 𝑟 𝑟−𝑓′(𝑟)
𝑟3 𝑥𝑖
△f(r)=Σi=1
n 𝜕2 𝑓(𝑟)
𝜕𝑥 𝑖
2 = Σi=1
n
(
𝑓′ 𝑟
𝑟
+
𝑓′′ 𝑟 𝑟−𝑓′(𝑟)
𝑟3 𝑥𝑖
2
)= f”(r)+(n-1)f’(r)/r
(2)f”(r)/f’(r)に注目して、△f(r)=0となるf(r)を求めなさい。
計算
△f(r)=0とすると、(1)より
f”(r)+(n-1)f”(r)/r=0 f”(r)/f’(r)=(n-1)/r
積分してlog|f’(r)|=-(n-1)logr+C=logexp(C)𝑟− 𝑛−1
f’(r)=±exp(C)𝑟− 𝑛−1
C1=±exp(C)としてこれを積分すると
f(r)=
𝐶1 𝑙𝑜𝑔𝑟 + 𝐶2 𝑛 = 2
−
𝐶1
𝑛−2
𝑟− 𝑛−2
+ 𝐶2 𝑛 ≠ 2

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