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(1)関数f(x)は[0,∞)上連続でλ>1が存在してsup{𝑥 𝜆 𝑓 𝑥 : x ≧ 0}<∞が成り立つとする。
このとき広義積分 0
∞
𝑓 𝑥 𝑑𝑥 が存在することを示せ。
(2)自然数nに対し、広義積分Γ(n)= 0
∞
𝑒−𝑥 𝑥 𝑛−1 𝑑𝑥 が存在することを示せ。
(1)関数f(x)は[0,∞)上連続でc>1が存在してsup{𝑥c
𝑓 𝑥 : x ≧ 0}<∞が成り立つとする。
このとき広義積分 0
∞
𝑓 𝑥 𝑑𝑥 が存在することを示せ。
証明
あるc>0が存在しsup{𝑥c
𝑓 𝑥 : x ≧ 0}=M<∞とする。このとき、 𝑓 𝑥 ≦
𝑀
𝑥 𝑐 (x≧0が成り立つ。
f(x)の連続性から 0
1
𝑓 𝑥 𝑑𝑥 < ∞なので
| 0
∞
𝑓 𝑥 𝑑𝑥|=| 0
1
𝑓 𝑥 𝑑𝑥+ 1
∞
𝑓 𝑥 𝑑𝑥|≦| 0
1
𝑓 𝑥 𝑑𝑥|+| 1
∞
𝑓 𝑥 𝑑𝑥|≦
0
1
|𝑓 𝑥 |𝑑𝑥+ 1
∞
|𝑓 𝑥 |𝑑𝑥≦ 0
1
|𝑓 𝑥 |𝑑𝑥+ 1
∞ 𝑀
𝑥 𝑐 𝑑𝑥 = 0
1
|𝑓 𝑥 |𝑑𝑥 +
𝑀
𝑐−1
<∞
よって広義積分は存在する。
(2)自然数nに対し、広義積分Γ(n)= 0
∞
𝑒−𝑥 𝑥 𝑛−1 𝑑𝑥 が存在することを示せ。
証明
Exp(x)=Σk=1
∞
xk/k!≧
𝑥 𝑛+1
𝑛+1 !
よりexp(-x)𝑥 𝑛−1 ≦
𝑛+1 !
𝑥2 x2 exp −x xn−1 ≦ 𝑛 + 1 ! < ∞
よって 𝑒−𝑥
𝑥 𝑛−1
は上に有界であり、c=2に対しsup{ 𝑥c
exp −x xn−1
: x ≧ 0}<∞だから(1)より収束する。

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  • 2. (1)関数f(x)は[0,∞)上連続でc>1が存在してsup{𝑥c 𝑓 𝑥 : x ≧ 0}<∞が成り立つとする。 このとき広義積分 0 ∞ 𝑓 𝑥 𝑑𝑥 が存在することを示せ。 証明 あるc>0が存在しsup{𝑥c 𝑓 𝑥 : x ≧ 0}=M<∞とする。このとき、 𝑓 𝑥 ≦ 𝑀 𝑥 𝑐 (x≧0が成り立つ。 f(x)の連続性から 0 1 𝑓 𝑥 𝑑𝑥 < ∞なので | 0 ∞ 𝑓 𝑥 𝑑𝑥|=| 0 1 𝑓 𝑥 𝑑𝑥+ 1 ∞ 𝑓 𝑥 𝑑𝑥|≦| 0 1 𝑓 𝑥 𝑑𝑥|+| 1 ∞ 𝑓 𝑥 𝑑𝑥|≦ 0 1 |𝑓 𝑥 |𝑑𝑥+ 1 ∞ |𝑓 𝑥 |𝑑𝑥≦ 0 1 |𝑓 𝑥 |𝑑𝑥+ 1 ∞ 𝑀 𝑥 𝑐 𝑑𝑥 = 0 1 |𝑓 𝑥 |𝑑𝑥 + 𝑀 𝑐−1 <∞ よって広義積分は存在する。 (2)自然数nに対し、広義積分Γ(n)= 0 ∞ 𝑒−𝑥 𝑥 𝑛−1 𝑑𝑥 が存在することを示せ。 証明 Exp(x)=Σk=1 ∞ xk/k!≧ 𝑥 𝑛+1 𝑛+1 ! よりexp(-x)𝑥 𝑛−1 ≦ 𝑛+1 ! 𝑥2 x2 exp −x xn−1 ≦ 𝑛 + 1 ! < ∞ よって 𝑒−𝑥 𝑥 𝑛−1 は上に有界であり、c=2に対しsup{ 𝑥c exp −x xn−1 : x ≧ 0}<∞だから(1)より収束する。