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標準プロセスを肥大化させない補完型チケット駆動開発の提案
SS2015@和歌山 発表スライド
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標準プロセスを肥大化させない補完型チケット駆動開発の提案
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Research Associates, Inc. All Rights Reserved 株式会社 SRA 阪井 誠 標準プロセスを肥大化させない 補完型チケット駆動開発の提案
2.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved 背景:組織レベルの改善 標準プロセス 想定外の事象と対処 プロジェクトA テーラリング X 各組織の問題に 応じた改良 X プロジェクトB X プロジェクトC X X X 追加作業 プロダクトA プロダクトB プロダクトC フロント ローディング • 標準プロセスに従えば過去の経験を利用できる
3.
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Research Associates, Inc. All Rights Reserved 補完型チケット駆動開発を提案する 2 組織的な改善の課題 • 経験を蓄積すると標準プロセスが肥大化する • 品質確認作業 • チェックリスト • 標準プロセスが肥大化すると実施が困難になる =>標準プロセスを肥大化させずに経験を 蓄積したい
4.
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Research Associates, Inc. All Rights Reserved 補完型チケット駆動開発 標準プロセス 想定外の事象と対処 プロジェクトA テーラリング X 各組織の問題に 応じた改良 X プロジェクトB X プロジェクトC X X X 追加作業 プロダクトA プロダクトB プロダクトC フロント ローディング 計画 チケット 想定外の事象と対処 チケットからどのような情報が得られるかは明らかでは なかった
5.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved 4 発表概要 • 標準プロセスを肥大化させないノウハウの蓄積方 法として,補完型チケット駆動開発を提案する • 補完型チケット駆動開発では計画と異なるタスクがチ ケットとして記録される • チケットを参照すれば,過去の想定外の事象に対する対 処法を知ることができる • しかし,チケットからどのような情報が得られる か明らかになっていなかった • 導入が容易であるにも関わらず広く普及している とは言い難い. =>補完型チケット駆動開発のプロジェクトの 追加タスクのチケットを分析した
6.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved 5 目次 • 背景 • 目次 • 補完型チケット駆動開発 • ケーススタディ • 対象プロジェクト • 検証方法 • 検証結果 • 考察 • まとめ
7.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved 6 補完型チケット駆動開発 • チケット駆動開発 • ITSのチケット(障害票)でタスクを管理する • チケットとバージョン管理ツールのコミットを紐づ けることが可能 • 検索やチケット間の関連付けが可能 • 補完型チケット駆動開発 • 全てのタスクをチケット化する完全型に対し、 補完型は線表にないタスクをチケット化する • 標準プロセスの大きな変更が不要 • チケットが少ないので検索が容易 • 小川, 阪井, “チケット駆動開発”, 翔泳社, 2012.
8.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved 補完型チケット駆動開発のイメージ チケット チケット • 計画にない想定外の作業をチケットで管理する
9.
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Research Associates, Inc. All Rights Reserved 8 対象プロジェクト概要 • 文教パッケージのカスタマイズ(最大8人x1年) o 短納期 & 仕様の決定遅れ・変更 o スキルは高いが経験者が少ない(リーダは途中交代) o オープンフレームワークの初めての組み合わせ (サブシステム、ミドルウェアのバージョン) o 義務感と不安、重苦しい雰囲気、閉塞感、、、 o 守りに入るので、コミュニケーションが悪い システムテストの時期になると、計画外の環境構築やリリー ス準備作業が明らかになった(環境に関連するバグも、、、) ⇒ そうだ!チケット駆動開発をしよう!
10.
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Research Associates, Inc. All Rights Reserved 9 チケット駆動開発の導入 • 宣言と実行 「 バグだけではなく、ソースを触るときや、 WBSにない作業をするときは、チケットを登録してください!」 • 環境の準備 o レポート(チケットの一覧)の作成 bugのみ、 taskのみ、 その他、など o 権限の追加 tracの権限の設定は堅いので、チケットを修正できるように memberにTICKET_ADMINの権限を与えた (リスクを考慮して設定してください) • 教育 • パッケージチームとのQAの経験はあった
11.
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Research Associates, Inc. All Rights Reserved チケット駆動開発導入の結果 • 作業が見える化され、作業漏れ減少! (知らないこと、気付かないことはできませんでした) • ゴールに向かって協力し、納期までに作業完了! • サブリーダ(クラス)なのに遠慮をして いたメンバーが、生き生きしだした • 「チケットを切ってもいいですか?」 • 「チケットを切っておかないと忘れてしまう!」 • 「ちゃんとクローズしてね」 • 「残っているチケットが多くてわかりにくいから 整理しますね」
12.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved チケットから得られる情報を検証 • プロジェクトのチケットを分類した • タスクチケットのみを対象として分類 (計画時や問題発生時に参考にすることを想定して, 障害チケットや未分類チケットは対象しなかった) • ITSのレポート機能でタスクチケット一覧を 作成 • 類似しているチケットを順次まとめていく方法 で分類した. 11
13.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved 検証結果 • 全265チケットのうち,計画以外の作業として 追加されたタスク77チケットを分析した • チケットの内容を確認して,類似チケットごと に分類した • 客先業務に固有のチケット,汎用的な内容のチケッ トに大きく分けることができた • 全体では7種類に分類が可能だった(次ページ) 12
14.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved チケットの分類結果 13 客先業務 固有 仕様 11 顧客の要望に基づく仕様変更 データ 25 連携システムからの運用データ移行など 準備 6 客先固有の資料作成などの準備作業 汎用的な 内容 基盤 17 最新のシステムやDBなどへの入れ替え テスト 12 構築した環境依存のテストなど 管理 3 リリース前の確認作業など追加の管理作 業 障害 3 障害に関連する分析作業 • チケットはプロジェクトの特性をあらわしていた
15.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved チケットの分類結果 14 客先業務 固有 仕様 11 顧客の要望に基づく仕様変更 データ 25 連携システムからの運用データ移行など 準備 6 客先固有の資料作成などの準備作業 汎用的な 内容 基盤 17 最新のシステムやDBなどへの入れ替え テスト 12 構築した環境依存のテストなど 管理 3 リリース前の確認作業など追加の管理作 業 障害 3 障害に関連する分析作業 • チケットはプロジェクトの特性をあらわしていた • 同一顧客の他システム構築時や リプレス時に参考になる
16.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved チケットの分類結果 15 客先業務 固有 仕様 11 顧客の要望に基づく仕様変更 データ 25 連携システムからの運用データ移行など 準備 6 客先固有の資料作成などの準備作業 汎用的な 内容 基盤 17 最新のシステムやDBなどへの入れ替え テスト 12 構築した環境依存のテストなど 管理 3 リリース前の確認作業など追加の管理作 業 障害 3 障害に関連する分析作業 • チケットはプロジェクトの特性をあらわしていた • 同一システムの導入やトラブル発生 時に参考になる • 多発するのであれば,標準プロセス に組み入れると良い
17.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved 考察(1/2) • 補完型チケット駆動開発のチケットは数も少なく, 容易に検索ができる • 将来のリプレス時など、過去のプロジェクトを参考に, リスク見積,計画,問題が発生した際の対策,などの 参考にすることが可能 • プロジェクトのノウハウを個人に閉じることなく, 類似プロジェクトや将来の保守の際に効果を発揮する • タイトルを見るだけでも経験の少ない管理者・開発者 には大いに参考になる 16
18.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved 考察(2/2) • 技術的なTIPSはタイトルだけではわからない • 技術的に明らかなことは,詳しく書かれていなかった • 社内教育やOJTによる技術移転が必要と考えられる. • 追加タスクの収集はできたが,削除や修正に関し ては収集できなかった • 差分はとりにくいが、完全型チケット駆動開発なら 記録された可能性がある • 一般化するにはより多くの検証が必要 • より早いフェーズからの実施 • 様々な規模や対象業務 • プロジェクト毎に固有の問題は存在するので 一定の効果は期待できる 17
19.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved まとめ • 標準プロセスを肥大化させないノウハウの 蓄積方法として,補完型チケット駆動開発を提案 • 補完型チケット駆動開発のタスクチケットは 標準プロセスに追加されたタスク • 補完型チケット駆動開発を実施したプロジェクト の追加タスクのチケットを分類した • 客先業務固有のチケットと汎用的な内容のチケットが あった • 類似プロジェクトの計画時の作業項目漏れ確認や トラブル時に類似障害を検索して対応策の検討が可能 18
20.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved 今後の課題 • 削除や修正された作業の記録は含まれておらず また汎用的なTIPSは記録されにくい • 標準プロセスの改良や社内教育などと組み合わせて 利用すると良い • チケット駆動開発には、ITSなどのチケットを 管理するツールが必要 • 従来の標準プロセスが制約になって実施できない 組織が未だに多い • さらに多くの検証を通じて補完型チケット駆動開発 を普及させていきたい 19
21.
Copyright © Software
Research Associates, Inc. All Rights Reserved おわり
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