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与
与田 明
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大学2年時に作成したゼミ論文です。 売上に差がついているメジャーリーグと日本プロ野球界の経営の違いに関して論じました。
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部員向けに配布したマニュアルです。編集部4名で手分けして作りました。 【p5:<年間スケジュール>とある英字の1年間】 従来開示されていなかった年間スケジュールを載せ、各工程の締め切り設定に部員の理解を得られるようにしました。 【p11-17:<和文(アウトライン)書き方>Outline&p21-25:<英語表現・単語>俺の英訳がこんなにひどい訳がない】 英字新聞を作るサークルでありながら英語を苦手とする部員がほとんどでした。そこで、(1)基本的な英文の構成を解説し、(2)使いやすい単語と表現をまとめました。授業のレポートを書く際に使った部員もいました。 【p26:<納品後>お礼状】 完成品が来たところで完了したような雰囲気ができやすかったので、忘れないようにと思い、フォーマット集とは別に掲載しました。 【巻末付録「フォーマット集」】 どの取材先に対しても失礼のないようにと思い、各種フォーマットを作成しました。
価値観レポート
価値観レポート
b142703k
住居学ゼミでの文献調査レポートです。
階級と食事
階級と食事
nao toya
私は英語文化コースゼミに所属しています。今年の前期の演習の授業で発表した際の資料です。 人の体と文化という課題で、私は自分にとっても身近である食事から、イギリス文化を考えてみようとこのテーマを選びました。 来年度からは卒論でイギリス文学「マクベス」を研究しますが、この授業で学んだイギリス文化を取り込んで研究していきたいと考えています。
NPTとは
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国際法のゼミ研究の発表時に配布したレジュメです。 NPTがどのように核兵器社会を秩序付けているかを自分なりにまとめました。
成果主義と主観的成功
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Kaito Hashimura
本研究の目的は、成果主義導入企業の評価面談が従業員の主観的キャリア成功を促す要因を明らかにすることである。 先行研究により明らかにされている評価面談とキャリアの関係は、主に制度への納得性を高めることであり、主観的キャリア成功との結びつきは弱い。そこで、本研究では評価面談が従業員の主観的キャリア成功を促す要因は何かという研究課題を挙げた。調査対象は、人事制度が評価される企業3社(花王株式会社、リクルートホールディングス リクルートマネジメントソリューションズ、株式会社ロフト)であり、人事、教育担当の5名に対してインタビュー調査を行った。 調査の結果から、3社の共通点として、評価面談の際に「評価だけでなく従業員の成長度合いを伝えること」「従業員が次に就きたい職務などを伝える機会があること」また、面談で明らかになった理想と現実のギャップを埋めるための「自主的キャリア育成支援が充実していること」の3点が明らかになった。一方、花王株式会社、リクルートホールディングス リクルートマネジメントソリューションズでは、従業員の10年後などの長期のキャリアを考える評価を行わない面談が設けられていたことに対し、株式会社ロフトではそのような面談は設けられていなかったという点で違いが見受けられた。このような違いが見受けられた要因として、企業の雇用形態及び勤続年数が考えられる。株式会社ロフトによる「全員ロフト社員」制度は従業員の多様な働き方を認めるものであり、パートや短時間労働者が多い環境では「従業員の多様性を認める」ことが主観的キャリア成功に効果的なのではないかと考察した。 今回の研究から、成果主義導入企業が従業員の主観的成功を促すには、評価面談の際に「従業員の成長度合いを伝える」、および「従業員が次に就きたい職務などを伝える機会を設ける」、「従業員の自主的キャリア育成支援の充実」の3点を行うことが不可欠であり、この3点に加えて「従業員の長期のキャリアを考える場を設ける」、「従業員の多様性を認める」のどちらかを選び4点を行うことで、従業員の主観的成功を促すことができる可能性が示唆された。
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「あさひる統計」は、スマートフォンの位置情報というビッグデータをベースに、125m四方という狭い単位で時間帯別の人口を推計した統計データ。従来の国勢調査利用の課題をクリアできる「その街の今がわかる」人口統計データです。 「あさひる統計」の活用でリアルな商圏を理解し、正確な経営判断を行ってみませんか。
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mlbのリーグビジネス
1.
成長を続ける MLB の「リーグビジネス」 とNPBの課題 2年
MG4233 与田 明
2.
目次 Ⅰ 問題意識 Ⅱ MLB
の20年 ・1990年代の MLB ・バドセリグの功績 ・総括 Ⅲ NPB の20年 ・NPB の発展と読売巨人軍 ・球界再編と各球団の企業努力 ・NPB コミッショナーの迷走 ・総括 Ⅳ 日米の比較 ・全体最適と部分最適 ・環境の変化への適応 Ⅴ 結論~NPB の課題~ ・コミッショナーの権限強化 ・新たな収益源の確立
3.
Ⅰ問題意識 アメリカのプロ野球リーグ(MLB)は1876年に誕生し、その後日本のプロ野球リ ーグ(NPB)が1936年に誕生した。60年の違いはあるものの日米ともに長い歴史 の中で国民的スポーツとしての地位を確立し、ビジネスとしても大きな成長を遂げてきた。 1995年の時点での売上げはどちらも1400億円ほどで並んでいた。むしろ為替レー トの変化を考えるとNPBのほうが多くの売上げがあったとも言われている。その後、M LBはわずか15年間で約4倍の5000億~5500億円にまで収入を伸ばすことに成 功したが、一方のNPBはこの15年間推定1400億円の収入のまま推移している。で はなぜ、MLBとNPBの間にこれだけの格差ができてしまったのだろうか。私はMLB が行なっているリーグビジネスに要因があると考えている。MLBはリーグによる事業が 整備されており、各球団はチケットやローカルの放映権、ローカルスポンサーの収入を管 理するだけで、それ以外はすべてリーグが管理している。リーグが全国的な事業や海外戦 略を担当し、そこで得た収益を各球団に分配しているのである。一方、NPBの場合リー グによる事業はオールスターゲーム、日本シリーズの主催などに限られる。その他の基本 的な権利義務はホームゲームを行う各球団に帰属し、放映権の管理もリーグではなく各球 団で行われる。つまりMLBではリーグがビジネスを行う全体最適であり、NPBでは各 球団がビジネス活動を行う部分最適に基づいているのが現状である。MLBを模倣すれば 良いというわけではないが、NPBの歴史はジャイアンツ、タイガースの球団名から2リ ーグ制、ドラフト制度、ポストシーズンゲームなどMLBの模倣によって発展を遂げてき た。このビジネスモデルの違いに関してもNPBが見習うべき点を考察し、今後の発展へ と繋げなければならない。そこで日米で差がついた20年の両者の歩みをまとめ、全体最 適と部分最適の視点から比較することでNPBが今後するべき事を提案する。
4.
Ⅱ.MLBの20年 ・1990年代のMLB 1990年代のMLBは様々な問題を抱えていた。原因は世界最強の労働組合とも揶揄 されるMLB選手会による圧力だ。MLB選手会はこれまでストライキの実行を含む労使 交渉によってFA制度の獲得し年棒のつり上げに成功した。しかし、FA制度によって球 団間の戦力格差の拡大、選手年棒の高騰によって地方球団の財政の悪化、度重なるストラ イキの実行による野球人気の低下、観客動員数の減少など深刻な悪循環に陥っていた。 このような状況下で1992年に当時ブ リュワーズのオーナーであったバドセリ グが第 9 代MLBコミッショナーに就任 した。彼こそが様々な施策を用いてML Bを約
4 倍の市場へと成長させた張本人 である。MLBの20年はバドセリグの 20年と言っても過言ではないだろう。 (2014年オールスターゲームでのバドセリグコミッショナー ) ・バドセリグの功績 1.戦力バランスの均等化(フィールドをならす) まず、MLBが着手しなければならなかったことがヤンキースやレッドソックスなどの 金満球団とアスレチックスやデビルレイズ(現レイズ)などの財力に乏しい地方球団との 間の戦力格差の是正である。なぜなら、他のビジネスに比べプロスポーツビジネスの最も 特殊な点が、その最終製品(=試合)が複数チームのパフォーマンスがおりなす複合物で あるという点であので特定のチームが飛びぬけて強くなり過ぎないように(試合がつまら なくなる=製品の質が低くなる)、ある程度チーム間の経営規模、戦力バランスを均等化す ることが必要不可欠な為である。つまり毎年ヤンキースが優勝してしまってはしらけムー ドが生まれてしまうのだ。そこでMLBは対策として1997年に「課徴金制度(ぜいた く税)」と「収入分配制度」が 3 年間実施された。課徴金制度はMLBが定めた年棒上限を 超えた額に足して35%課税する仕組み。一方の収入分配金制度は各球団の収入額から球 場運営費を差し引いた金額から一律の割合で課税し、集まった金額を30球団で均等分配 する方式である。これによって金持ち球団は差し引きで球団収入の一部を拠出することに なる。これに対し、貧乏球団は分配額の方が多くなるので他球団の収入を受け取ることに なる。収入の格差をならすことで戦力の均衡を図ろうという狙いである。しかし、この 3 年間では効果は現れず、2001年にMLBが発表した球団収支では30球団中19球団
5.
が赤字という状況であった。そこで2003年には課税率をさらに強化し、さらに中央基 金要素が新設され、裁量によって追加徴収又は追加配分が可能になった。これらの施策に よって2007年の時点で赤字球団は19球団から 3 球団までに減った。今では戦力強化 を怠ったチームにも課徴金を課す制度も検討されています。これに加えて完全ウエーバー 制ドラフトが導入されました。完全ウエーバー制ドラフトとは日本のようなくじ引きでは なく、シーズンの順位が低いチームから順位の高いチームへと順番で選手を指名していく 制度です。これによってアマチュアのスター選手は弱いチームへと集まることになり、戦 力の均衡がより推し進められました。 2.リーグビジネスを支える4つの柱 表の通りMLBの傘下には4つの会社がありそれぞれMLBのリーグビジネスを支えて いる。それぞれの会社の解説は以下の通りである。 ①
MLB properties 1966~ 4つのなかで設立は最も歴史があり、リーグビジネスの中核を支えている。最も重要な 収益源はリーグとしての放映権料収入である。現在 FOX,ESPN,TBS の三社と契約があ り、放映権料は伸び続け1000億円を超えているとも推定されている。各チームがば らばらに放映権を販売すると安く買い叩かれる可能性があるが、リーグ全体としてメデ ィアとの交渉に当たるために、放映権を吊り上げられるという構図になっている。さら にスポンサーの獲得にあたっても1業種 1 社に絞ることでスポンサー料を釣り上げた。 こうすることでスポンサーは競合する企業のなかで唯一MLBのロゴを使用したり、タ
6.
イアップキャンペーンを行うことが出来るためである。 ② MLB international
1986~ 海外でのライセンス事業及び野球の世界的な普及を目的とする。中でも日本での事業は 大きな収益をもたらしたおり、日米野球の開催や東京ドームでのMLB開幕戦の開催、 さらに放映権を電通へと一括売却することで、年間40億円以上の収益を得ている。そ して2000年代の最も大きな功績はWBCの開催である。WBCは結果としてWBC は多額のジャパンマネーを吸い上げた。なぜなら、日本代表についたスポンサーの収益 は一旦MLBへと入り、NPBへは10%程度しか分配されないシステムであった為で ある。第 1 回大会で日本が優勝したこともあり、第2回大会でのスポンサー企業は26 社から56社へと倍増した。そしてWBCは海外のスター選手を発掘する場としての意 味も成した。世界中のスター選手がわざわざアメリカで試合をしてくれるのでMLB各 球団にとっては格好のスカウティングの場である。現にWBCで活躍したダルビッシュ 有、田中将大、A.チャップマンなどがMLBで活躍している。 ③ MLB advanced media 2000~ バドセリグがコミッショナー在籍中に最も強力に推し進めた事業がオンライン事業で ある。同社が運営するウェブページ「MLB.com」はスポーツ分野で米国有数の人気サ イトであり 1 日に600万ページビューを誇る。人気の秘密は第一に、細微にわたる膨 大なデータと豊富なコンテンツ。球場の案内やアクセス、試合結果、選手の個人成績は 当然として、投手が投げた 1 球 1 球の球速、球種、コース、軌道から打球方向まで、試 合を精密に再現できるほどデータは細かい。また、各球団に担当のライターが張り付き、 毎日記事や写真を更新する。ホームページを通してチケットや球団グッズも購入できる。 第二に、統一されたレイアウト。1社がホームページを一括して作成・運営・管理する 為、デザインや情報の表示手順などが全球団共通で、利用者の使い勝手がいい。レイア ウトの共通化はコストの低減にもつながる。ファンを引き付ける知恵と工夫がヒット数 をさらに押し上げ、ネット広告料金を釣り上げる。ネット広告の世界は、テレビの視聴 率にあたるヒット数が広告額を大きく左右するからである。 (MLB.com より 詳細なデータを閲覧できる) (iphone アプリ「AtBat」より 統一されたデザイン)
7.
2002年には「MLB.TV」を開局し年間約8000円、一カ月単位なら約1500円で 公式戦の生中継及び過去の全ての試合を MLB.com で閲覧することができる。さらにチッケ トの販売では一般のチケット販売にとどまらず米国チケット再販大手のスタブフブと提携 しチケット再販市場にも乗り出した。MLB
properties がテレビ局やスポンサー企業を相手 とする BtoB であったのに対し、MLB advanced media は個人の顧客に対して番組やチケ ットを販売する BtoC のビジネスを開拓した。同社は IT エンジニアやプログラマなどのス タッフを400人以上抱え、年率30%の収益拡大を誇る高成長企業である。設立から 7 年でメジャーリーグ全体の収入の7%を占めるまでに成長した。 ④ MLB network 2009~ 24時間放送の MLB 専門チャンネルである。設立はまだ新しく規模は他の事業と比べると 大きくないがすでにスポーツ専門チャンネルでは最大規模の5000万世帯を獲得し、リ ーマンショックがあったにも関わらず開設以来黒字経営を続けている。今後のさらなる成 長が見込める事業である。 ・総括 これらの施策には一貫した MLB の理念を感じることができる。MLB の球団同士はライバ ルではなく目的を一つにした同志であり、利害の一致した運命共同体であるという考えだ。 MLB の各球団にとっての競合他社は NFL、NBA、NHL といった他のスポーツリーグや、 ハリウッドやディズニーなどのエンターテイメント産業である。それらに国民の関心や興 味を奪われないように徹底した戦力均衡化、各球団が協力してリーグビジネスを行いカル テルを形成することで収益を伸ばしていると考えられる。
8.
Ⅲ.NPB の20年 ・NPB 発展の歴史と読売巨人軍 「アメリカ野球に追いつき、追い越せ」日本プロ野球の父であり読売ジャイアンツ初代 オーナーである正力松太郎の言葉だ。その言葉の通り日本のプロ野球は先駆者である
MLB の良い部分を取り入れながら発展し、国民的な娯楽としての地位を確立した。しかし日本 のプロ野球を先導してきたのはコミッショナーでもNPBでもなく読売巨人軍であり読売巨 人軍のオーナーだ。かつての野球ファンはほとんどが巨人ファンという時代であったので 巨人の人気に経営を支えられている11球団は巨人に口出しできないという構図ができて いた。さらに日本に野球を持ち込みプロ野球を創造したのは読売巨人軍の正力松太郎であ るので、その後に組織された NPB よりも実質的な権限は読売ジャイアンツが握っていた。 それゆえ日本におけるコミッショナーは天下り役人が務めるお飾りで、オーナー会議の立 会人といった側面が強い。そして1996年に渡辺恒雄が読売巨人軍のオーナーに就任し た。実質上の日本プロ野球のトップに立ったのである。 90年代、セリーグ各球団の主たる収益源は巨人戦の放映権料であり巨人以外の5球団 は巨人の人気にぶら下がる形で利益を得ていた。一方のパリーグは巨人戦がないのでセリ ーグとの収入格差が大きかったが野茂、清原、イチローといったスーパースターの登場で かろうじて人気を保っていた。しかし彼らのようなスター選手は断続的に生まれるわけで はなく、球団の経営としては非常に不安定な状態であった。それにも関わらず巨人はもち ろん自前で十分な収益をあげられない11球団にも危機感はなく経営努力というものはほ とんど見受けられなかった。なぜなら当時のオーナー達はプロ野球事業で採算をとる気は なく、球団の赤字は親会社の広告宣伝費という考えであったからだ。親会社の事業が好調 ならそれでもいいかもしれないが、それでは親会社が傾けば同時に球団も立ち行かなくな ってしまうだろう。そして90年代後半から生命線である巨人戦の視聴率はみるみる低下 していく。理由は娯楽の多様化などいくつか挙げられるが巨人軍の暴走による部分は大き いと考えられる。1993年に FA 制度と逆指名ドラフト制度を巨人主導で導入した。これ を機にアマチュア選手の獲得に裏金が横行、さらに FA で四番コレクションと形容されるほ ど他球団の主力選手をかき集め戦力バランスを崩壊させたことが巨人、そしてプロ野球人 気凋落の原因だと言えるだろう。巨人は自チームの優勝の為に権力を振り回した結果自ら の首を絞めることとなったのである。
9.
・球界再編と各球団の企業努力 2004年、ついに大阪近鉄バファローズの親会社である近畿鉄道は経営難に陥り身売 りを模索し始めた。間もなくしてオリックスとの合併案が有力となったが同時に渡辺オー ナーを筆頭に球団数削減と1リーグ構想が提唱された。不人気球団を切り捨てて1リーグ 8球団の実現が思惑であった。しかし1リーグ制では必然的に日本シリーズ、オールスタ ーゲームは消滅し、長期的な視点で考えれば球界全体のパイが縮小すれば、自ずと野球人 口は減り、野球人気も低下する。非常に短絡的な構想だと言えるだろう。結果的にはファ ンの反対や選手会のストライキ、楽天の新規参入によって1リーグ構想は実現しなかった。 球界再編以降、球団経営に危機感を抱き始めた各球団が様々な施策を打ち出し、親会社 に頼らずプロ野球事業で収益をあげるための動きがみられた。 ① 東北楽天ゴールデンイーグルス 球団創設時から単なる広告塔としての役割に甘んじる ことなく独自採算をとるために地域密着をコンセプト とし、そのマインドを選手から経営陣まで浸透させた。 仙台市内にイーグルスの PR
ポスターを掲示、そして 土曜日を「キッズデー」日曜日を「ファミリーデー」 としファン参加型のイベントを開催するなどの施策で地域密着を推し進めた。 ② 北海道日本ハムファイターズ 2004年の東京から北海道への本拠地移転を機に地域密 着を軸とし「HOKKAIDO」のロゴが入ったユニフォームを来 場者に無料配布する「WE LOVE HOKKAIDO」シリーズ などのイベントなどを行った。北海道だけでなく2軍の本拠 地である千葉県鎌ケ谷しでも地域密着への取り組みをし2軍 でも独立採算を目指している。 ③ 広島東洋カープ 2009年にメジャーリーグの球場にならった新スタジアムの建設。 BBQ シートなどのといった斬新な座席も設置した。マーケティング 戦略では女性ファンをターゲットとして女性向けのグッズの販売など を行った。結果的に「カープ女子」という言葉がブームとなり、 多くのライト層を獲得することに成功した。
10.
・NPB コミッショナーの迷走 企業努力を始めている各球団に対して統括する役割であるコミッショナーはじめNPBは 依然として効果的な施策を打ち出すこともなく企業努力をしているようには見えない。近 年、観客動員数は上昇しているが各球団がそれぞれに企画などを実施した成果であり NPB はただ傍観しているに過ぎない。近年
NPB が主導して行った事を挙げると統一球の導入と 侍ジャパン事業がある。統一球は2011年に導入されたが低反発球が使用された為ホー ムランが減少し不満の声が多く挙がった。その後の2013年には NPB が公表せずに飛ぶ ボールに変更したことが発覚する不祥事をおこした。侍ジャパン事業に関しては2014 年に侍ジャパン関連事業を担う NPB エンタープライズを設立した。しかし各球団による選 手の出し渋りがあるなど問題点は山ほど残っている。 ・総括 以上のように日本のプロ野球を主導しているのはコミッショナーではなく読売巨人軍を はじめ各球団がそれぞれ動かしているが12球団が足並みを揃えることはできていない。 各球団が自分の利益だけを求めれば金のあるチームに戦力バランスが偏るなど球界全体と してマイナスになってしまう部分が多い。しかしながら12球団全体の収益と発展を考え るリーダーは現在のところ存在していない。 (巨人戦平均視聴率の推移) (NPB の事業構造)
11.
Ⅳ.日米の比較 ・全体最適と部分最適 冒頭でも述べたように MLB は全体最適、NPB
は部分最適に基づいた組織構造になって いる。ではなぜ部分最適をとってしまうと収益をあげることが難しくなってしまうのか。 もし仮に球界全体の利益の為に明らかに実行したほうが良いことでも、各球団の立場によ っては不利になる施策は実行されない。しかし全ての球団の利害が一致することは難しい ので球界をよくする施策がほとんど球団間の摩擦によって実行に移すことができないので ある。例をあげれば完全ウエーバー制ドラフトの導入や FA 制度の見直しである。一方の全 体最適をとる MLB は良いと思われるものをすんなりと実行することができる。ひとつひと つの施策は誰もが考えている当たり前のことだが、これらを確実に実行していくことで NPB と比べて約4倍の収益差を生み出しているのである。 ・環境の変化への適応 情報化社会への流れは今に始まったことではないが MLB はその流れを迅速にくみ取り、 対応した。2章でも述べたようにウェブサイト、アプリ、オンラインでの動画配信など最 先端技術を使いこなしている。IT の導入はメディアだけにとどまらずチャレンジ制度(ビ デオ判定)を導入する際には10億円以上の費用をかけ MLB リプレイセンターの設置によ って正確無比な判定を実現、さらに pitch f/x という最先端のスピード測定システムを導入 しピッチングをより詳細に分析することが可能になった。一方の NPB は IT 技術の導入に 関してかなり遅れている。動画配信どころか NPB のホームページは情報量が乏しく公式ア プリすらない。これは日本の球団の親会社がテレビ局と新聞社が多いのでいまだにインタ ーネットなどの新たなメディアは軽視されることがおおいのであろう。 (MLB リプレイセンター) (NPB 公式 HP 2015/12/22)
12.
Ⅴ.結論~NPB の課題~ 以上から私は現状におけるNPBの課題を2つ提示する。「コミッショナーの権限の強化」 と「新たな収益源の確立」である。 ・コミッショナーの権限強化 現状のようにお飾りとしての意味合いが強いコミッショナーでは今後の成長はない。1 2球団の全体最適を考えることができ、なおかつ12球団に対して強制力を持ち物事を迅 速に進めることができる日本野球界のリーダーとしての役割を果たすことができるコミッ ショナーが求められている。その為には現在のような天下りによるコミッショナー就任は 避け、プロ野球ビジネスに精通している12球団のトップマネジメントからの選出、若し くは他業種で成功を収めている実力のある実業家から選ばれるべきである。 ・新たな収益源の確立 日本球界は未だに巨人戦の放映権料と親会社からの赤字補填に収益を依存する体質から 抜け出せていない。しかし、巨人戦の視聴率は低下していることに加えて独立採算ができ ておらず親会社に頼っているような球団はいつでも近鉄バファローズのように消滅する可 能性にさらされている。球団が独立採算をとることはこの先生き残っていく上で必要不可 欠なのである。その為にも放映権料、チケット収入以外にも収益源をつくりだせることを NPB と各球団は
MLB から学んで頂きたい。オンライン事業、グッズ販売、ファンクラブ、 ライセンス事業など NPB には成長が見込める分野が沢山あるはずだ。
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