プランナーが見るべきKPIと
シリコンスタジオの分析ノウハウ
シリコンスタジオ株式会社
データアナリスト 中村一哉
自己紹介
• 名前 中村 一哉 32歳
• 経歴
• 東京理科大学 理工学部機械工学科卒
大和生命保険 アクチャリー職
→住商マテリアル 貴金属のデリバティブ商品設計
→株式会社gloops データマイニング
→クラウドナイン データマイニング を経て
2016年4月よりシリコンスタジオ株式会社入社
趣味
• 映画、ジム
シリコンスタジオのコンテンツ紹介
• グランスフィア~宿命の王女と竜の騎士~
• 2015年6月リリース
(APP Store,Google Play)
• 王道のカードRPG
2017年6月にちょうど2周年を迎え、大型アップ
デートをおこない大盛況となっているタイトル
TERRA BATTLE2
●対応OS:スマートフォン(iOS, Android) / PC(Windows)
●料金:基本プレイ無料(アイテム課金型)
●配信開始予定:2017 年夏
●配信予定国:日本、アメリカ、カナダ
●開発者情報
・プロデューサー:坂口 博信(MISTWALKER)
・開発:シリコンスタジオ
乞うご期待!!
プランナーが見るべきKPI
KPI(Key Performance Indicator)
平たく言えば、コンテンツの調子の判断基準となる数値
主に2つの評価軸!!
・ログイン人数=(ユニークユーザ数)
・売上
KPIとは
UU( Unique User )
・Install 日別月別のインストールユーザ数
・DAU(Daily Active User) 日別ログインユーザ数
・MAU( Monthly Active User)月別ログインユーザ数
売上指標
・売上
・課金率
・課金者数
・ARPU (Average Revenue Per User) 全ログインユーザの平均課金額
・ARPPU (Average Revenue Per Paid User) 全課金ユーザの平均課金額
ソーシャルゲーム
とデータマイニング①
ソーシャルゲームの成功はリリース後の運用で決まると言っても
過言ではありません。
プランナーは常にゲームのKPI(Key Performance Indicator)を
注視し、ユーザの離脱や売上低下などの問題と向き合っていかなけ
ればなりません。
ソーシャルゲーム
とデータマイニング②
データアナリストは
プランナーが見るべきKPI指標を独自に開発し、コンテンツをデータ分析
することで問題点を浮き彫りにし、その解決案、改善案を提示していくこ
とが主な仕事。
弊社はそれをもとにコンテンツを改善、安定的な運用を目指す、データ駆
動型運用をおこなっています。
具体的にどのようなプロセスを踏んでいるかというと
シリコンスタジオでは
1.KPIからコンテンツの問題点を発見する (企画・データアナリスト)
2.ログを分析し問題の原因を探る (データアナリスト)
3.問題の対策・改善案を提案する (データアナリスト)
4.提案の協議・実装 (チーム全員)
5.効果検証 (データアナリスト)
• ➡効果が確認できれば万々歳!!
• ➡効果なしなら2からやり直し
今回は
1.KPIからコンテンツの問題点を発見する (企画・データアナリスト)
2.ログを分析し問題の原因を探る (データアナリスト)
3.問題の対策・改善案を提案する (データアナリスト)
4.提案の協議・実装 (チーム全員)
5.効果検証 (データアナリスト)
• ➡効果が確認できれば万々歳!!
• ➡効果なしなら2からやり直し
シリコンスタジオで使うKPI指標
弊社でもUUと売上指標の2軸でコンテンツの全体像を把握する点は変わりません。
しかし一般的なKPI指標では本当にゲームをプレイしているアクティブユーザの
推移を捉えずらく、アラートを見逃したり、誤った解釈をしてしまう危険性があります。
例えば単純にDAUの数値を追ったとしても、その多寡でゲームの正確なアクティブユー
ザ数を把握できない局面が存在します。
DAU≠アクティブユーザではない
運用中コンテンツのDAU推移
・矢印のようにプロモーションやコラボイベントなど大量流入が起きるとDAUは跳ね上がる
➡多くは一過性の現象なので直ぐに元の水準に戻る
このようなノイズが発生すると真のUU推移や課金率、ARPUなどが不明確となり、その期間のイベント施策の
効果測定がしづらくなる問題がある。
他にも
DAUの20~30%はほとんど活動のないユーザでログインボーナスを
受け取って、その日のプレイを終了している。
(プレイ時間にして10数秒程度)
このようなユーザグループをアクティブユーザと定義するのは
よろしくない!
そこで
しっかりとゲームをプレイしている=アクティブユーザの正確な推移を
把握できるような指標が必要!
そこで弊社の運用チームが指標としているパラメータは
7日ログインユーザ数
=直近7日間毎日ログインしているユーザ
例えば、7月14日の7日ログインユーザは
7月14日(金) ○ログイン
7月13日(木) ○ログイン
7月12日(水) ○ログイン
7月11日(火) ○ログイン
7月10日(月) ○ログイン
7月 9日(日) ○ログイン
7月 8日(土) ○ログイン
7日ログインユーザ
当該日を含む直近1週間毎日欠かさずログイン
しているユーザを7日ログインユーザと定義し
ています。
なぜ7日なのか?
弊社のコンテンツユーザのペルソナ像は
20代~30代の男性サラリーマン
概ねこのペルソナ像の生活サイクルを1週間と想定しています。
➡7日間連続で毎日ログインするということはユーザの日々の生活
サイクルの中にゲームをプレイすることが組み込まれていると考え
ています。
7日ログインユーザはどんな特徴があるの??
・DAUの50~80%を占める
・翌日継続ログイン率が高い
➡7日ログインユーザがその翌日もログインする確率は97~99%と非常に高い
・課金ユーザの80%以上、売上の90%強は7日ログインユーザによるもの
・イベントの参加率が高い
・1日の平均プレイ時間が長い
DAUの動きに対して、7日ログインユーザは安定的な推移をするため、突発的な動きに左右されることなく
コンテンツの状況を把握することが可能
DAUの動きに対して、7日ログインユーザは安定的な推移をするため、突発的な動きに左右されることなく
コンテンツの状況を把握することが可能
7日ログインユーザをUU指標とすることで
本当にゲームをプレイしているユーザ人口推移を把握することができる。
トレンドが安定的に推移しやすいので、ユーザ人口の増加、減少、横ばい局面を
把握しやすく対策・要因分析を立てやすい。
次に課金関連で見ているKPIを紹介します
売上指標
・売上
・課金率
・課金者数
・ARPU (Average Revenue Per User) 全ログインユーザの平均課金額
・ARPPU (Average Revenue Per Paid User) 全課金ユーザの平均課金額
いずれも注視すべき指標ではありますが、
例えば月商1億2千万円、課金者数10,000人、 ARPPU¥12,000のコ
ンテンツがあった場合、単純にARPPU(平均課金額)で課金施策の価格設定を
するのではなく、もう一段階掘り下げて数値を見るようにしています。
デシル分析
• マーケティングでの顧客分析手法の一つ
• 全顧客(ソーシャルゲームの場合、課金ユーザ)を課金額に応じて
10のグループ(=セグメント)に分類し、
• その各セグメント毎に売上、ARPPUなどを計算し、自社の顧客層を把握する
分析方法
手順
・対象月の課金ユーザを月間課金額の多い順に並べ替えます
・課金額の上位10%をセグメント1, 上位10%~20%をセグメント2
…90%~100%をセグメント10として10個のセグメントにグループ分け
・各セグメント毎に総課金額、ARPPUを計算する。
購入金額の高いユーザ順にソートする
セグメント1
セグメント2
セグメント3
デシル分析
➡要は課金ユーザを月間課金額の多い順に10セグメント(グループ)に分け
て、それぞれのセグメント毎に売上、ARPPU(平均課金額)を計算して
課金額の実態を知る手法
この分析手法で冒頭の月間売上1億2000万円、課金者数10000人、
ARPPU¥12000のコンテンツのデシル分析をおこなうと…
デシル=10個のセグメントに分けてそれぞれのセグメントごとにKPIを集計
1,2セグメント(20%)で全体売上
の70%以上を占める。
➡パレートの法則
10個のセグメントに分けて集計するだけで、より課金ユーザの実態がみえてくる
デシル=10個のセグメントに分けてそれぞれのセグメントごとにKPIを集計
逆に6~10セグメント(50%)の課
金ユーザが全体売上に占める割合は
6%程度
10個のセグメントに分けて集計するだけで、より課金ユーザの実態がみえてくる
これをさらに発展させ、各セグメント毎に翌月の売上高を集計してみます。
各セグメントが翌月
・いくら売上をあげていて
・何人が課金しているのか?
課金デシル分析に翌月の課金状況を連結
課金者維持率:各セグメント毎に何%のユーザが翌月も課金しているか
売上維持率 :各セグメント毎に前月の売上の何%の売上を翌月あげたか
課金デシル分析に翌月の課金状況を連結
課金者維持率:各セグメント毎に何%のユーザが翌月も課金しているか
上位セグメントの維持率が低下している場合、課金ユーザのゲーム離脱、もしくは無課金化が懸念される。
課金デシル分析に翌月の課金状況を連結
売上維持率 :各セグメント毎に前月の売上の何%の売上を翌月あげたか
上位セグメントの維持率が低下している場合、課金意欲の低下、アイテム需給バランスが崩れている可能性が
ある
課金デシル分析に翌月の課金状況を連結
今回は翌月の課金状況を連結して売上状況をセグメント毎にみてみたが応用例として
・高レアリティカードの平均所持枚数
・特定アイテムの平均所持数
・ゲーム内通貨の平均所持量
・イベントでの平均獲得ポイント
などいろんなパラメータで比較してみると興味深いデータを取得できることが多々ある。
課金ユーザをデシル分析で10セグメントのグループにわけることで
微課金~重課金者の人数規模、ARPPUを小分けに把握し、
・課金施策の適切な価格設定
・売上見積りの精度の改善
・課金額に応じたユーザステータスの把握
・高レアリティのカードやアイテムの需給状況
を把握することができる。
最後に
日本のアプリゲーム市場は依然拡大傾向にあるものの、やや鈍化の動きを見せています。
特にAppAnnie様2016年の国内アプリ市場の総括レポートによると
・アプリ全体を通じてユーザ継続率は低下
・アプリのライフサイクルは2012年と比較して10倍近くまで加速している
➡ユーザの目が肥え、ゲームをとっかえひっかえプレイしている
弊社は「運用」に注力し、ユーザをコンテンツに定着させLTVを高めることを目標に運営しています。
その手段としてデータアナリストがデータ駆動型の運用でコンテンツの価値を高め、市場での生き残りに
活路を見出そうとしている。

GTMF 2017:プランナーが見るべきKPIとシリコンスタジオの分析ノウハウ シリコンスタジオ株式会社