Ikeph 1-appendix2(pdf)
- 3. ● 1. 単体での物理的意味を考える必要は
ありません。数学的には広く「微分演算子」というくくり
になります。
● 2. すみません、これは上の式が下の式になるという意
味ではありません。上の式が調和振動子(f = - kx) の
場合、下の式が自由粒子(f = 0)の場合です。第一回の
資料と見比べて下さい。自由粒子の式はここでは「必
要」ではありませんが、調和振動子の場合と同じく線形
であるという特徴を持つことから言及しておきました。
● 3. これはおそらく、納得するには自分で[x(t)を含まない
演算]*x(t)の形に書こうとしてみることが必要です。「書
けるじゃん!」と思ったらやってみて、私に見せてくださ
い。それはどこか違うはずなので、指摘します。そのとき
始めて、ああ、これはやってはいけない操作なのか、そ
れじゃ無理だな、と納得できるでしょう。
- 6. ● 5. ここは理解が逆です。x1、x2をそれぞれこのDx(t) = 0の解
とすると、と言っているので、先にDx1(t) = 0、Dx2(t) = 0が与
えられており、そこからD(αx1(t) + βx2(t)) = 0を導いていま
す。
● 6. 「ベクトル空間」というのが、「足し算とスカラー倍について
閉じている集合」のことなので、論理的にはここは単なる同
値な言い換えにすぎません。
そういう意味では、ベクトル空間について知らないとこう言っ
たからといって直接何かが分かるわけではありませんが、後
でベクトル空間について一般的に成り立つ性質(それこそが
「線形代数」ということですが)を何か学んだとき、それがこの
方程式にも適用できることが直ちに分かるわけです。またこ
の方程式の性質を考えるとき、線形代数の結果が直ちに適
用できることを知っていれば役立つでしょう。そういった意味
で、「線形微分方程式の解→ベクトル空間」と念仏のごとく
(表現が古いな…)頭に入れておくことは無意味ではありま
せん。
- 11. ● 9. おっしゃる通り、間違っていました。Reは全体にかかりま
す。TeXは括弧が入り組んでくると見づらいですな…
● 10. そうです、別物です。プログラムにおけるローカル変数の使い
まわしと似たようなものとお考え下さい。
● 11. Re(x(t)) = x(t)が「x(t)が実数である」ことの式による表現であ
ることはいいでしょうか。7、8の説明とも関係しますが、要は「運動
方程式からだけでは自動的に出てこない、xは実数であるという
制限を物理的要請として課す」ということです。言い回しとして
は、
– x(t) = Re(x(t))
– x(t) ←Re(x(t))
– 演算子Q(x(t)) := x(t) - x*(t)を定義して、解の空間をQ(x(t)) = 0を満た
すものに制限する。
などがありえますが、言っていることはどれも同じです。「モデル
化」の手続きの一部と考えて下さい。