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課題解説(その1)
フーリエ変換の復習
• 課題1 負の周波数の持つ意味
• 課題2 フーリエ変換の定義
• 課題3 電流波形に高周波成分を含む場合の電力値

• 課題4 フーリエ変換とラプラス変換の関係
• 課題5 フーリエ変換対
• 課題6 余弦波のフーリエ変換

• 課題7 振幅変調波の振幅特性
• 課題8 ガウス関数のフーリエ変換
• 課題9 畳み込み計算に対する2つの解釈

• 課題10 距離関数の拡張
• 課題11 畳み込みと相関関数の関係
課題1
実関数f(t)のフーリエ変換F(ω)は-∞<ω<∞で定義され,信号
f(t)が負の周波数を持つことになる.
教科書に書かれているフーリエ級数からフーリエ変換を導く過
程を参考にして負の周波数の持つ意味を答えなさい.
→負の周波数がどこで出てくるか?
課題1
フーリエ級数展開

∞

𝑓 𝑡 = 𝐴0 +

𝐴 𝑛 𝑐𝑜𝑠𝑛𝜔0 𝑡 + 𝐵 𝑛 𝑠𝑖𝑛𝑛𝜔0 𝑡
𝑛=1

2𝜋
(𝜔0 = )
𝑇

周波数がω0,2ω0,3ω0…のサイン波およびコサイン波の和でf(t)
を表している【任意の関数は偶関数と奇関数の和で表せる】
まず複素指数関数型に変換 (𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 )
オイラーの公式を用いる
𝑒 𝑖𝜔 = cos 𝜔 + 𝑖sin 𝜔
課題1


f (t )  A0   An cos n0t  Bn sin n0t 
n 1

 e jn0t  e  jn0t
e jn0t  e  jn0t 
 A0    An
 Bn

2
2j
n 1 



 A  jBn jn0t An  jBn  jn0t 
 A0    n
e

e

2
2


n 1




A  jBn 

Cn e jn0t    n  n
C



2


n  


負の周波数が現れている

複素フーリエ級数展開
【任意の関数は複素関数の和で
表せるよ】
課題1
つまり…
• 「負の周波数」はフーリエ級数展開を複素フーリエ変換にした
時に出てくる.
• sinとcosで位相を表す代わりにReとImで位相を表現した

しかし複素成分が残るのはよくないので…
• フーリエ係数は複素成分を打ち消すように𝜔0 の時と−𝜔0 の時
の係数をセットで決める
• |Cn|=|C-n|
• ∠Cn=-∠C-n

マイナスの周波数は複素成分を打ち消すため便宜上用意され
たものといえる
課題2
フーリエ変換は

∞

𝐹 𝜔 =

𝑓(𝑡)𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡

−∞

と定義されるが
𝐹′

𝜔

∞

=

𝑓 𝑡 𝑒 𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡

−∞

と定義してもよいのではないでしょうか??

A.よいです
課題2
どうしてこの形になったのか
もう一度複素フーリエ変換の式を見てみる(課題1参照)
 An  jBn jn0t An  jBn  jn0t 
...  A0   
e

e

2
2

n 1 

An  jBn 1 T 2


jn0t
  Cn e
   n 
C
  f (t )e  jn0t dt 

2
T T 2


n  


これをもし
... 



 C 'n e

n  

 jn0t

An  jBn 1

   'n 

C
2
T


として計算をすすめたら

𝐹′ 𝜔 =

∞
−∞

となる



T 2

T 2


f (t )e jn0t dt 


𝑓 𝑡 𝑒 𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡
課題2(補足)
• 詳しくは教科書などを見ていただきたいのですが…
• フーリエ級数の式から算出されるのはフーリエ逆変換
• フーリエ係数の式からフーリエ変換が算出される
• フーリエ級数とフーリエ変換の関係
• フーリエ級数…周期信号
• フーリエ変換…非周期信号
• フーリエ級数の周期を∞にすることによりフーリエ変換になる
• つまり周期を∞にすることによりω=2π/Tなのでωが0に近くなる
• ω0,2ω0,3ω0…が連続になっているとみなせる⇒フーリエ変換
課題3
電力会社が提供する交流電源は,関西では60Hzの定電圧源
と考えることができる.この時,交流1周期の平均電力は
𝑝 𝑡 = 60

1
60

𝑒 𝑡 𝑖 𝑡 𝑑𝑡

0

で計算される.
電気機器に流れる電流波形が以下のように高周波成分を多く
含む場合,平均電力はどのようになるか答えなさい.
高周波ノイズによって平均電力が上が
り法外な電気料金が請求されてしまう
のではないか??という問題
課題3
• 電流波形が高周波成分を多く含むとは

V (t )  A0e  j0t

電圧
先程の式に代入し
てみよう
周波数

(a)電圧の周波数特性

I (t )  B0e j0t  B1e j 20t  B2e j 30t  

電流

高周波成分

(b)電流の周波数特性

周波数
課題3
代入してみると…
1/60

𝑝 𝑡 = 60
1/60

= 60
0

𝑉 𝑡 𝐼(𝑡)𝑑𝑡
0

𝐴0 𝑒 −𝑗𝜔0 𝑡 𝐵0 𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 +𝐵1 𝑒 𝑗2𝜔0 𝑡 + 𝐵2 𝑒 𝑗3𝜔0 𝑡 + ⋯ 𝑑𝑡

高周波間の内積を見てみると…
1 𝑇 𝑗(𝑛−𝑚)𝜔 𝑡
1 (𝑚 = 𝑛)
0 𝑑𝑡 =
𝑒
0 (𝑚 ≠ 𝑛)
𝑇 0
よって
𝑝(𝑡) = 𝐴0 𝐵0

計算してみよう!!
課題3
計算方法
1.𝑛 = 𝑚のとき
1 𝑇
𝑇 0

𝑒

𝑗(𝑛−𝑚)𝜔0 𝑡

𝑑𝑡 =

1 𝑇
𝑇 0

𝑑𝑡

1
=
𝑇

𝑇=1

2.𝑛 ≠ 𝑚のとき(𝑛 − 𝑚 = 𝑎として(𝑎は0でない整数))
1 𝑇
𝑇 0

1

1

𝑇

𝑒 𝑗(𝑛−𝑚)𝜔0 𝑡 𝑑𝑡 = [
𝑒 𝑗𝑎𝜔0 𝑡 ] 0
𝑇 𝑗𝑎𝜔0
1
1
𝑗𝑎𝜔0 𝑇 − 1 =
𝑒
cos 𝑎𝜔0 𝑇 + 𝑗 sin 𝑎𝜔0 𝑇 − 1
𝑗𝑎𝜔0 𝑇
𝑗𝑎𝜔0 𝑇

ここでT =
=

1
𝑗2𝜋𝑎

2𝜋
であるので
𝜔0

1

0

cos 2𝜋𝑎 + 𝑗 sin 2𝜋𝑎 − 1 = 0
課題4
ラプラス変換とフーリエ変換の関係を述べなさい
フーリエ変換
∞

𝐹 𝜔 =

ラプラス変換
∞

𝑓(𝑡)𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡

𝐹 𝑠 =

−∞

𝑓(𝑡)𝑒 −𝑠𝑡 𝑑𝑡

0

f(t)にexp(-ct)とステップ関数を掛ける
∞

−∞

𝑓 𝑡 𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑒 −𝑐𝑡 𝐻 𝑡 𝑑𝑡
∞

=

𝑓 𝑡 𝑒 −(𝑗𝜔+𝑐)𝑡 𝑑𝑡

0

この式でs=jω+cとおけばラプラス変換の式になる
課題4
何を意味しているのか…?
• フーリエ変換の存在条件を緩和している
∞
−∞

𝑓 𝑡

f (t )

𝑑𝑡 < ∞

t
0

tが-∞か∞の時に発散すると
フーリエ変換が求まらないのでexp(-ct)を 発散
掛けることによりより多くの関数を扱えるよ
うになる

 e  ct
0に収束

t
0

t<0で
f(t)=0

(制御でよく見かけるexp(-ax)の形も
フーリエ変換は求まらない)
0

t
課題4(補足)
• 利点はそれだけか…

例えば制御の問題で
𝑦 𝑡 + 3𝑦 𝑡 + 2𝑦 𝑡 = 𝑥(𝑡)
のインパルス応答を求める場合
𝑠 2 𝑌 𝑠 + 3𝑠𝑌 𝑠 + 2𝑌 𝑠 = 𝑋 𝑠
1
1
𝑌 𝑠 = 2
𝑋 𝑠 =
𝑋(𝑠)
𝑠 + 3𝑠 + 2
𝑠+2 𝑠+1
これを見ただけで元の波形が想像できる
(´-`).。oO(exp(-2t)とexp(-t)の線形結合になるからインパルス
応答は時間とともに発散しないし,振動的な挙動もしないな…)
課題4(補足)
sの重ね合わせのイメージ
𝑒 −(𝑗𝜔+𝑐)𝑡 = 𝑒 −𝑐𝑡 𝑒 −𝑗𝜔𝑡
ωを変化させていくと…

つまり…
t→∞にした時に発散する関数を足し合わせれば,t→∞にした
時に発散する関数も有限の係数で表すことができる
課題5
𝑓(𝑡) ↔ 𝐹(𝜔)のとき𝐹 𝑡 ↔ 2𝜋𝑓(−𝜔)を証明しなさい
フーリエ逆変換の式

1
𝑓 𝑡 =
2𝜋

∞
−∞
∞

2𝜋𝑓 −𝑡 =

𝐹(𝜔)𝑒 𝑖𝜔𝑡 𝑑𝜔
𝐹(𝜔)𝑒 −𝑖𝜔𝑡 𝑑𝜔

−∞

Fとfの記号を入れ替えると

∞

2𝜋𝐹 −𝑡 =
−∞

𝑓(𝜔)𝑒 −𝑖𝜔𝑡 𝑑𝜔
課題5
フーリエ変換対の性質…信号とスペクトルを入れ替えても同様
の関係が成立する(これが↔の意味)
矩形波



f (t )

F ( )

sinc関数

1
 2



f (t )

 2

0

t

F ( )

矩形波

sinc関数



5 / 

0

2

0

5 / 

t

 2

0

 2


課題6
• 𝑓 𝑡 = cos(𝜔𝑡 + 𝛼)のフーリエ変換を求めなさい

フーリエ変換の存在条件を満たしていないが…
∞
−∞

𝑓 𝑡

𝑑𝑡 < ∞

本当は計算できないがデルタ関数を用いて強引に求めてみよう
𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 ↔ 2𝜋𝛿 𝜔 − 𝜔0
1 ↔ 2𝜋𝛿(𝜔)
課題6
∞

𝐹 𝜔 =
=
=
=
=
=

𝛼
−𝑗 𝜔 𝜔
0
𝑒
𝛼
−𝑗 𝜔 𝜔
0
𝑒
𝛼
−𝑗
𝜔
𝜔0
𝑒

2

𝛼
−𝑗
𝜔
𝜔0
𝑒

2

𝛼
−𝑗 𝜔 𝜔
0
𝑒

∞
−∞
∞

−∞

cos(𝜔0 𝑡 + 𝛼)𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡
F(ω)

cos(𝜔0 𝑡)𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡

−∞

𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 + 𝑒 −𝑗𝜔0 𝑡 −𝑗𝜔𝑡
𝑒
𝑑𝑡
2

∞
−∞

𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡 +

∞

-ω0

𝑒 −𝑗𝜔0 𝑡 𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡

−∞

2𝜋𝛿(𝜔 − 𝜔0 ) + 2𝜋𝛿(𝜔 + 𝜔0 )
𝜋 𝛿(𝜔 − 𝜔0 ) + 𝛿(𝜔 + 𝜔0 )

ω
ω0
課題7
𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 ↔ 2𝜋𝛿(𝜔 − 𝜔0 )
1
𝑥 𝑡 𝑦 𝑡 ↔
𝑋∗ 𝑌 𝜔
2𝜋
に基づいて,振幅変調波の振幅特性を求めなさい
変調波をg(t),搬送波c(t)を振幅A,各周波数𝜔 𝑐 の正弦波形と
おく.このとき振幅変調信号𝑆AM (𝑡)は以下のようになる
𝑆 𝐴𝑀 𝑡 = 𝐴 cos 𝜔 𝑐 𝑡[1 + 𝑚𝑔(𝑡)]

mは規準化前の変調信号の最大値と搬送波の最大値との比で
変調波と呼ばれるパラメータで0 ≤ 𝑚 ≤ 1である.
課題7
𝐴 cos 𝜔 𝑐 𝑡 ↔ 𝐴𝜋 𝛿 𝜔 + 𝜔 𝑐 + 𝛿 𝜔 − 𝜔 𝑐
1 + 𝑚𝑔 𝑡 ↔ 2𝜋𝛿 𝜔 + 𝑚𝐺 𝜔
それらを畳み込みすると

A cos ct *1  mg(t )  A { (  c )   (  c )}
mA
G(  c )  G(  c )

2
S  
G(ω)
AM

搬送波

 m

m

(a)変調信号の振幅特性

 c  m

 c  m

搬送波

c  m

(a)被変調信号の振幅特性

c  m
課題8
ガウス関数の無限積分は以下のようになる.
∞

−𝑥 2
𝑒

𝑑𝑥 =

𝜋

−∞

以下の等式が成り立つことを証明しなさい.
𝑥2
𝜎 2 𝜔2
1
𝑒 2𝜎2 ↔ 𝑒 2
𝜎 2𝜋
課題8


1
  2 e
1

 2
1

 2









e

x2
2 2

e  jx dx

x 2  2 j  2 x
2 2







e

( x  j  2 ) 2

2 2




1

e
 2

 2 2
2





e

xに関係のない項を外へ
eの指数部の整理

dx
e



 
2

eの指数部を平方完成
2

2

 x  j  2


2




 

1

e 2  2  
 2
2

dx





xに関係のない項を外へ

2

dx

2

e



 
2

2

2

ガウス関数の無限積分利用
ガウス関数はフーリエ変換し
てもガウス関数である
課題9

∞

ℎ 𝑡 = 𝑓 𝑡 ∗ 𝑔 𝑡 =

𝑓 𝜏 𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑑𝜏
−∞

畳み込み計算に対する2つの解釈の違いは,どのような考え方
から来ているのだろうか??
解釈1

g(t)をt0平行移動してf(t0)倍し
たものを全て重ね合わせる
→工学的な考え方

解釈2

g(t)をy軸で反転したものとf(t)
との類似度を計算
→数学的な考え方
課題9
• 解釈1の例
• 離散で考えてみる
0だけ動かしたとき

1だけ動かしたとき

f(t) 0 0 0 0 0 3 3 3 3 3 3
×
g(t)

…+

f(t) 0 0 0 0 0 3 3 3 3 3 3
×

f(0)
g(t)

0 0 1 1 1 0 0 0
…0 0 3 3 3 0 0 0…

すべて足し合わせると

+

f(1)

0 0 1 1 1 0 0 0
…0 0 3 3 3 0 0 0…

…0 0 3 6 9 9 9 9… となる

+…
課題9
• 解釈2の例
• 相関関数と同様に考える
• 類似度を計算する相関関数は畳み込み時に反転させないような式を定
義し直したともいえる
0だけ動かしたとき

1だけ動かしたとき
f(t) 0 0 0 0 0 3 3 3 3 3 3

f(t) 0 0 0 0 0 3 3 3 3 3 3
×
0 0 1 1 1 0 0 0

g(t)

0 0 1 1 1 0 0 0
+

+

g(t)

h(1)

×

h(0)

9

6

すべて合わせると

…0 0 3 6 9 9 9 9…

となる
課題10
𝑋 = 𝑎𝑋0 + 𝑏のとき
𝑑

∗

𝑋, 𝑌 =

𝑛
𝑖=1(𝑥 𝑖 −𝑥)(𝑦 𝑖 −𝑦)
𝑛 (𝑥 −𝑥)2
𝑖=1 𝑖

𝑛 (𝑦 −𝑦)2
𝑖=1 𝑖

𝑥=

1
𝑛

𝑛
𝑖=1

𝑥𝑖 𝑦 =

とすると𝑑∗ 𝑋0 , 𝑌 、𝑑∗ 𝑋, 𝑌 はどんな関係になるか?

1
𝑛

𝑛
𝑖=1

𝑦𝑖
課題10
• 𝑋 = 𝑎𝑋0 + 𝑏 を代入すると…
• 𝑥 = 𝑎𝑥0 + 𝑏となるので

𝑑 ∗ 𝑋, 𝑌 = 𝑑 𝑎𝑋0 + 𝑏, 𝑌
𝑛
𝑦𝑖 − 𝑦
𝑖=1 𝑎𝑥 𝑖 + 𝑏 − 𝑎𝑥 − 𝑏
=
𝑛
𝑛
𝑎𝑥 𝑖 + 𝑏 − 𝑎𝑥 − 𝑏 2
𝑦𝑖 − 𝑦 2
𝑖=1
𝑖=1
𝑛
𝑎 𝑖=1(𝑥 𝑖 − 𝑥)(𝑦 𝑖 − 𝑦)
=
= 𝑑 ∗ (𝑋0 , 𝑌)
𝑛
𝑛
𝑎
(𝑥 𝑖 − 𝑥)2
(𝑦 𝑖 − 𝑦)2
𝑖=1
𝑖=1

よって𝑑 ∗ 𝑋, 𝑌 = 𝑑∗ (𝑋0 , 𝑌)である
課題10
• 講義資料より𝑑 𝑋, 𝑌 =

𝑑(𝑋0 , 𝑌)であった

𝑛
𝑖=1(𝑥 𝑖

− 𝑦 𝑖 )2 は𝑑 𝑋, 𝑌 ≠

• 課題10の式は
• それぞれのxを平均をとって正規化…bを消去
• xの和全体を正規化…aを消去

することにより𝑑∗ 𝑋, 𝑌 = 𝑑 ∗ (𝑋0 , 𝑌)にしているといえる
課題11
1.𝑤 𝑡 =

∞
−∞

𝑓 𝜏 𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑑𝜏の時𝑊 𝜔 = 𝐹 𝜔 𝐺 𝜔 を証明しなさい

2.𝑦 𝑡 =

∞
−∞
∞
−∞

𝑓 𝑠 𝑔 𝑠 − 𝑡 𝑑𝑠のとき𝑌 𝜔 = 𝐹 𝜔 𝐺(𝜔)∗

𝑧 𝑡 =

𝑓 𝑠 𝑔 𝑠 + 𝑡 𝑑𝑠のとき𝑍 𝜔 = 𝐹(𝜔)∗ 𝐺(𝜔)

を証明しなさい.
3.𝑔(𝑡)が偶関数の場合,畳み込みと相関関数はどのようになるかを考
え,両者の関係を議論しなさい.
課題11-1
• フーリエ変換の定義に即して

𝑊 𝜔 =
=
=

∞
∞
[
𝑓 𝜏
−∞ −∞
∞
∞
𝑓(𝜏)[ −∞
−∞
∞
∞
𝑓(𝜏)[ −∞
−∞

𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑑𝜏]𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡
𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡] 𝑑𝜏
𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑒 −𝑗𝜔(𝑡−𝜏) 𝑑𝑡]𝑒 −𝑗𝜔𝜏 𝑑𝜏

𝑡 ′ = 𝑡 − 𝜏として

=

∞
−∞

𝑓 𝜏 𝑒

−𝑗𝜔𝜏

𝑑𝜏・

∞
−∞

= 𝐹 𝜔 𝐺(𝜔)
11-2も同様の計算なので省略

𝑔 𝑡′ 𝑒 −𝑗𝜔𝑡′ 𝑑𝑡′
課題11-3
𝑔(𝑡)が偶関数ならば𝑔 𝑡 = 𝑔(−𝑡)であるので
∞

∞

𝑓 𝜏 𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑑𝜏 =
−∞

𝑓 𝜏 𝑔 𝜏 − 𝑡 𝑑𝜏
−∞

• よって𝑔(𝑡)が偶関数ならば相関関数と畳み込みは同じ演算結

果を示す
• 反転しても同じ関数であるので妥当(課題9参照)
• 𝑔(𝑡)が偶関数であるケースは実世界によく出てくる.
• 後々出てくる画像のフィルタリングは𝑔(𝑡)が偶関数であることが多い

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ディジタル信号処理の課題解説

  • 2. フーリエ変換の復習 • 課題1 負の周波数の持つ意味 • 課題2 フーリエ変換の定義 • 課題3 電流波形に高周波成分を含む場合の電力値 • 課題4 フーリエ変換とラプラス変換の関係 • 課題5 フーリエ変換対 • 課題6 余弦波のフーリエ変換 • 課題7 振幅変調波の振幅特性 • 課題8 ガウス関数のフーリエ変換 • 課題9 畳み込み計算に対する2つの解釈 • 課題10 距離関数の拡張 • 課題11 畳み込みと相関関数の関係
  • 4. 課題1 フーリエ級数展開 ∞ 𝑓 𝑡 = 𝐴0 + 𝐴 𝑛 𝑐𝑜𝑠𝑛𝜔0 𝑡 + 𝐵 𝑛 𝑠𝑖𝑛𝑛𝜔0 𝑡 𝑛=1 2𝜋 (𝜔0 = ) 𝑇 周波数がω0,2ω0,3ω0…のサイン波およびコサイン波の和でf(t) を表している【任意の関数は偶関数と奇関数の和で表せる】 まず複素指数関数型に変換 (𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 ) オイラーの公式を用いる 𝑒 𝑖𝜔 = cos 𝜔 + 𝑖sin 𝜔
  • 5. 課題1  f (t )  A0   An cos n0t  Bn sin n0t  n 1  e jn0t  e  jn0t e jn0t  e  jn0t   A0    An  Bn  2 2j n 1     A  jBn jn0t An  jBn  jn0t   A0    n e  e  2 2   n 1   A  jBn   Cn e jn0t    n  n C    2   n    負の周波数が現れている 複素フーリエ級数展開 【任意の関数は複素関数の和で 表せるよ】
  • 6. 課題1 つまり… • 「負の周波数」はフーリエ級数展開を複素フーリエ変換にした 時に出てくる. • sinとcosで位相を表す代わりにReとImで位相を表現した しかし複素成分が残るのはよくないので… • フーリエ係数は複素成分を打ち消すように𝜔0 の時と−𝜔0 の時 の係数をセットで決める • |Cn|=|C-n| • ∠Cn=-∠C-n マイナスの周波数は複素成分を打ち消すため便宜上用意され たものといえる
  • 7. 課題2 フーリエ変換は ∞ 𝐹 𝜔 = 𝑓(𝑡)𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡 −∞ と定義されるが 𝐹′ 𝜔 ∞ = 𝑓 𝑡 𝑒 𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡 −∞ と定義してもよいのではないでしょうか?? A.よいです
  • 8. 課題2 どうしてこの形になったのか もう一度複素フーリエ変換の式を見てみる(課題1参照)  An  jBn jn0t An  jBn  jn0t  ...  A0    e  e  2 2  n 1   An  jBn 1 T 2   jn0t   Cn e    n  C   f (t )e  jn0t dt   2 T T 2   n    これをもし ...    C 'n e n    jn0t An  jBn 1     'n   C 2 T  として計算をすすめたら 𝐹′ 𝜔 = ∞ −∞ となる  T 2 T 2  f (t )e jn0t dt   𝑓 𝑡 𝑒 𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡
  • 9. 課題2(補足) • 詳しくは教科書などを見ていただきたいのですが… • フーリエ級数の式から算出されるのはフーリエ逆変換 • フーリエ係数の式からフーリエ変換が算出される • フーリエ級数とフーリエ変換の関係 • フーリエ級数…周期信号 • フーリエ変換…非周期信号 • フーリエ級数の周期を∞にすることによりフーリエ変換になる • つまり周期を∞にすることによりω=2π/Tなのでωが0に近くなる • ω0,2ω0,3ω0…が連続になっているとみなせる⇒フーリエ変換
  • 10. 課題3 電力会社が提供する交流電源は,関西では60Hzの定電圧源 と考えることができる.この時,交流1周期の平均電力は 𝑝 𝑡 = 60 1 60 𝑒 𝑡 𝑖 𝑡 𝑑𝑡 0 で計算される. 電気機器に流れる電流波形が以下のように高周波成分を多く 含む場合,平均電力はどのようになるか答えなさい. 高周波ノイズによって平均電力が上が り法外な電気料金が請求されてしまう のではないか??という問題
  • 11. 課題3 • 電流波形が高周波成分を多く含むとは V (t )  A0e  j0t 電圧 先程の式に代入し てみよう 周波数 (a)電圧の周波数特性 I (t )  B0e j0t  B1e j 20t  B2e j 30t   電流 高周波成分 (b)電流の周波数特性 周波数
  • 12. 課題3 代入してみると… 1/60 𝑝 𝑡 = 60 1/60 = 60 0 𝑉 𝑡 𝐼(𝑡)𝑑𝑡 0 𝐴0 𝑒 −𝑗𝜔0 𝑡 𝐵0 𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 +𝐵1 𝑒 𝑗2𝜔0 𝑡 + 𝐵2 𝑒 𝑗3𝜔0 𝑡 + ⋯ 𝑑𝑡 高周波間の内積を見てみると… 1 𝑇 𝑗(𝑛−𝑚)𝜔 𝑡 1 (𝑚 = 𝑛) 0 𝑑𝑡 = 𝑒 0 (𝑚 ≠ 𝑛) 𝑇 0 よって 𝑝(𝑡) = 𝐴0 𝐵0 計算してみよう!!
  • 13. 課題3 計算方法 1.𝑛 = 𝑚のとき 1 𝑇 𝑇 0 𝑒 𝑗(𝑛−𝑚)𝜔0 𝑡 𝑑𝑡 = 1 𝑇 𝑇 0 𝑑𝑡 1 = 𝑇 𝑇=1 2.𝑛 ≠ 𝑚のとき(𝑛 − 𝑚 = 𝑎として(𝑎は0でない整数)) 1 𝑇 𝑇 0 1 1 𝑇 𝑒 𝑗(𝑛−𝑚)𝜔0 𝑡 𝑑𝑡 = [ 𝑒 𝑗𝑎𝜔0 𝑡 ] 0 𝑇 𝑗𝑎𝜔0 1 1 𝑗𝑎𝜔0 𝑇 − 1 = 𝑒 cos 𝑎𝜔0 𝑇 + 𝑗 sin 𝑎𝜔0 𝑇 − 1 𝑗𝑎𝜔0 𝑇 𝑗𝑎𝜔0 𝑇 ここでT = = 1 𝑗2𝜋𝑎 2𝜋 であるので 𝜔0 1 0 cos 2𝜋𝑎 + 𝑗 sin 2𝜋𝑎 − 1 = 0
  • 14. 課題4 ラプラス変換とフーリエ変換の関係を述べなさい フーリエ変換 ∞ 𝐹 𝜔 = ラプラス変換 ∞ 𝑓(𝑡)𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡 𝐹 𝑠 = −∞ 𝑓(𝑡)𝑒 −𝑠𝑡 𝑑𝑡 0 f(t)にexp(-ct)とステップ関数を掛ける ∞ −∞ 𝑓 𝑡 𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑒 −𝑐𝑡 𝐻 𝑡 𝑑𝑡 ∞ = 𝑓 𝑡 𝑒 −(𝑗𝜔+𝑐)𝑡 𝑑𝑡 0 この式でs=jω+cとおけばラプラス変換の式になる
  • 15. 課題4 何を意味しているのか…? • フーリエ変換の存在条件を緩和している ∞ −∞ 𝑓 𝑡 f (t ) 𝑑𝑡 < ∞ t 0 tが-∞か∞の時に発散すると フーリエ変換が求まらないのでexp(-ct)を 発散 掛けることによりより多くの関数を扱えるよ うになる  e  ct 0に収束 t 0 t<0で f(t)=0 (制御でよく見かけるexp(-ax)の形も フーリエ変換は求まらない) 0 t
  • 16. 課題4(補足) • 利点はそれだけか… 例えば制御の問題で 𝑦 𝑡 + 3𝑦 𝑡 + 2𝑦 𝑡 = 𝑥(𝑡) のインパルス応答を求める場合 𝑠 2 𝑌 𝑠 + 3𝑠𝑌 𝑠 + 2𝑌 𝑠 = 𝑋 𝑠 1 1 𝑌 𝑠 = 2 𝑋 𝑠 = 𝑋(𝑠) 𝑠 + 3𝑠 + 2 𝑠+2 𝑠+1 これを見ただけで元の波形が想像できる (´-`).。oO(exp(-2t)とexp(-t)の線形結合になるからインパルス 応答は時間とともに発散しないし,振動的な挙動もしないな…)
  • 17. 課題4(補足) sの重ね合わせのイメージ 𝑒 −(𝑗𝜔+𝑐)𝑡 = 𝑒 −𝑐𝑡 𝑒 −𝑗𝜔𝑡 ωを変化させていくと… つまり… t→∞にした時に発散する関数を足し合わせれば,t→∞にした 時に発散する関数も有限の係数で表すことができる
  • 18. 課題5 𝑓(𝑡) ↔ 𝐹(𝜔)のとき𝐹 𝑡 ↔ 2𝜋𝑓(−𝜔)を証明しなさい フーリエ逆変換の式 1 𝑓 𝑡 = 2𝜋 ∞ −∞ ∞ 2𝜋𝑓 −𝑡 = 𝐹(𝜔)𝑒 𝑖𝜔𝑡 𝑑𝜔 𝐹(𝜔)𝑒 −𝑖𝜔𝑡 𝑑𝜔 −∞ Fとfの記号を入れ替えると ∞ 2𝜋𝐹 −𝑡 = −∞ 𝑓(𝜔)𝑒 −𝑖𝜔𝑡 𝑑𝜔
  • 19. 課題5 フーリエ変換対の性質…信号とスペクトルを入れ替えても同様 の関係が成立する(これが↔の意味) 矩形波  f (t ) F ( ) sinc関数 1  2  f (t )  2 0 t F ( ) 矩形波 sinc関数  5 /  0 2 0 5 /  t  2 0  2 
  • 20. 課題6 • 𝑓 𝑡 = cos(𝜔𝑡 + 𝛼)のフーリエ変換を求めなさい フーリエ変換の存在条件を満たしていないが… ∞ −∞ 𝑓 𝑡 𝑑𝑡 < ∞ 本当は計算できないがデルタ関数を用いて強引に求めてみよう 𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 ↔ 2𝜋𝛿 𝜔 − 𝜔0 1 ↔ 2𝜋𝛿(𝜔)
  • 21. 課題6 ∞ 𝐹 𝜔 = = = = = = 𝛼 −𝑗 𝜔 𝜔 0 𝑒 𝛼 −𝑗 𝜔 𝜔 0 𝑒 𝛼 −𝑗 𝜔 𝜔0 𝑒 2 𝛼 −𝑗 𝜔 𝜔0 𝑒 2 𝛼 −𝑗 𝜔 𝜔 0 𝑒 ∞ −∞ ∞ −∞ cos(𝜔0 𝑡 + 𝛼)𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡 F(ω) cos(𝜔0 𝑡)𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡 −∞ 𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 + 𝑒 −𝑗𝜔0 𝑡 −𝑗𝜔𝑡 𝑒 𝑑𝑡 2 ∞ −∞ 𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡 + ∞ -ω0 𝑒 −𝑗𝜔0 𝑡 𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡 −∞ 2𝜋𝛿(𝜔 − 𝜔0 ) + 2𝜋𝛿(𝜔 + 𝜔0 ) 𝜋 𝛿(𝜔 − 𝜔0 ) + 𝛿(𝜔 + 𝜔0 ) ω ω0
  • 22. 課題7 𝑒 𝑗𝜔0 𝑡 ↔ 2𝜋𝛿(𝜔 − 𝜔0 ) 1 𝑥 𝑡 𝑦 𝑡 ↔ 𝑋∗ 𝑌 𝜔 2𝜋 に基づいて,振幅変調波の振幅特性を求めなさい 変調波をg(t),搬送波c(t)を振幅A,各周波数𝜔 𝑐 の正弦波形と おく.このとき振幅変調信号𝑆AM (𝑡)は以下のようになる 𝑆 𝐴𝑀 𝑡 = 𝐴 cos 𝜔 𝑐 𝑡[1 + 𝑚𝑔(𝑡)] mは規準化前の変調信号の最大値と搬送波の最大値との比で 変調波と呼ばれるパラメータで0 ≤ 𝑚 ≤ 1である.
  • 23. 課題7 𝐴 cos 𝜔 𝑐 𝑡 ↔ 𝐴𝜋 𝛿 𝜔 + 𝜔 𝑐 + 𝛿 𝜔 − 𝜔 𝑐 1 + 𝑚𝑔 𝑡 ↔ 2𝜋𝛿 𝜔 + 𝑚𝐺 𝜔 それらを畳み込みすると A cos ct *1  mg(t )  A { (  c )   (  c )} mA G(  c )  G(  c )  2 S   G(ω) AM 搬送波  m m (a)変調信号の振幅特性  c  m  c  m 搬送波 c  m (a)被変調信号の振幅特性 c  m
  • 25. 課題8  1   2 e 1   2 1   2     e x2 2 2 e  jx dx x 2  2 j  2 x 2 2    e ( x  j  2 ) 2  2 2   1  e  2  2 2 2   e xに関係のない項を外へ eの指数部の整理 dx e    2 eの指数部を平方完成 2 2  x  j  2   2      1  e 2  2    2 2 dx     xに関係のない項を外へ 2 dx 2 e    2 2 2 ガウス関数の無限積分利用 ガウス関数はフーリエ変換し てもガウス関数である
  • 26. 課題9 ∞ ℎ 𝑡 = 𝑓 𝑡 ∗ 𝑔 𝑡 = 𝑓 𝜏 𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑑𝜏 −∞ 畳み込み計算に対する2つの解釈の違いは,どのような考え方 から来ているのだろうか?? 解釈1 g(t)をt0平行移動してf(t0)倍し たものを全て重ね合わせる →工学的な考え方 解釈2 g(t)をy軸で反転したものとf(t) との類似度を計算 →数学的な考え方
  • 27. 課題9 • 解釈1の例 • 離散で考えてみる 0だけ動かしたとき 1だけ動かしたとき f(t) 0 0 0 0 0 3 3 3 3 3 3 × g(t) …+ f(t) 0 0 0 0 0 3 3 3 3 3 3 × f(0) g(t) 0 0 1 1 1 0 0 0 …0 0 3 3 3 0 0 0… すべて足し合わせると + f(1) 0 0 1 1 1 0 0 0 …0 0 3 3 3 0 0 0… …0 0 3 6 9 9 9 9… となる +…
  • 28. 課題9 • 解釈2の例 • 相関関数と同様に考える • 類似度を計算する相関関数は畳み込み時に反転させないような式を定 義し直したともいえる 0だけ動かしたとき 1だけ動かしたとき f(t) 0 0 0 0 0 3 3 3 3 3 3 f(t) 0 0 0 0 0 3 3 3 3 3 3 × 0 0 1 1 1 0 0 0 g(t) 0 0 1 1 1 0 0 0 + + g(t) h(1) × h(0) 9 6 すべて合わせると …0 0 3 6 9 9 9 9… となる
  • 29. 課題10 𝑋 = 𝑎𝑋0 + 𝑏のとき 𝑑 ∗ 𝑋, 𝑌 = 𝑛 𝑖=1(𝑥 𝑖 −𝑥)(𝑦 𝑖 −𝑦) 𝑛 (𝑥 −𝑥)2 𝑖=1 𝑖 𝑛 (𝑦 −𝑦)2 𝑖=1 𝑖 𝑥= 1 𝑛 𝑛 𝑖=1 𝑥𝑖 𝑦 = とすると𝑑∗ 𝑋0 , 𝑌 、𝑑∗ 𝑋, 𝑌 はどんな関係になるか? 1 𝑛 𝑛 𝑖=1 𝑦𝑖
  • 30. 課題10 • 𝑋 = 𝑎𝑋0 + 𝑏 を代入すると… • 𝑥 = 𝑎𝑥0 + 𝑏となるので 𝑑 ∗ 𝑋, 𝑌 = 𝑑 𝑎𝑋0 + 𝑏, 𝑌 𝑛 𝑦𝑖 − 𝑦 𝑖=1 𝑎𝑥 𝑖 + 𝑏 − 𝑎𝑥 − 𝑏 = 𝑛 𝑛 𝑎𝑥 𝑖 + 𝑏 − 𝑎𝑥 − 𝑏 2 𝑦𝑖 − 𝑦 2 𝑖=1 𝑖=1 𝑛 𝑎 𝑖=1(𝑥 𝑖 − 𝑥)(𝑦 𝑖 − 𝑦) = = 𝑑 ∗ (𝑋0 , 𝑌) 𝑛 𝑛 𝑎 (𝑥 𝑖 − 𝑥)2 (𝑦 𝑖 − 𝑦)2 𝑖=1 𝑖=1 よって𝑑 ∗ 𝑋, 𝑌 = 𝑑∗ (𝑋0 , 𝑌)である
  • 31. 課題10 • 講義資料より𝑑 𝑋, 𝑌 = 𝑑(𝑋0 , 𝑌)であった 𝑛 𝑖=1(𝑥 𝑖 − 𝑦 𝑖 )2 は𝑑 𝑋, 𝑌 ≠ • 課題10の式は • それぞれのxを平均をとって正規化…bを消去 • xの和全体を正規化…aを消去 することにより𝑑∗ 𝑋, 𝑌 = 𝑑 ∗ (𝑋0 , 𝑌)にしているといえる
  • 32. 課題11 1.𝑤 𝑡 = ∞ −∞ 𝑓 𝜏 𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑑𝜏の時𝑊 𝜔 = 𝐹 𝜔 𝐺 𝜔 を証明しなさい 2.𝑦 𝑡 = ∞ −∞ ∞ −∞ 𝑓 𝑠 𝑔 𝑠 − 𝑡 𝑑𝑠のとき𝑌 𝜔 = 𝐹 𝜔 𝐺(𝜔)∗ 𝑧 𝑡 = 𝑓 𝑠 𝑔 𝑠 + 𝑡 𝑑𝑠のとき𝑍 𝜔 = 𝐹(𝜔)∗ 𝐺(𝜔) を証明しなさい. 3.𝑔(𝑡)が偶関数の場合,畳み込みと相関関数はどのようになるかを考 え,両者の関係を議論しなさい.
  • 33. 課題11-1 • フーリエ変換の定義に即して 𝑊 𝜔 = = = ∞ ∞ [ 𝑓 𝜏 −∞ −∞ ∞ ∞ 𝑓(𝜏)[ −∞ −∞ ∞ ∞ 𝑓(𝜏)[ −∞ −∞ 𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑑𝜏]𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡 𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑒 −𝑗𝜔𝑡 𝑑𝑡] 𝑑𝜏 𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑒 −𝑗𝜔(𝑡−𝜏) 𝑑𝑡]𝑒 −𝑗𝜔𝜏 𝑑𝜏 𝑡 ′ = 𝑡 − 𝜏として = ∞ −∞ 𝑓 𝜏 𝑒 −𝑗𝜔𝜏 𝑑𝜏・ ∞ −∞ = 𝐹 𝜔 𝐺(𝜔) 11-2も同様の計算なので省略 𝑔 𝑡′ 𝑒 −𝑗𝜔𝑡′ 𝑑𝑡′
  • 34. 課題11-3 𝑔(𝑡)が偶関数ならば𝑔 𝑡 = 𝑔(−𝑡)であるので ∞ ∞ 𝑓 𝜏 𝑔 𝑡 − 𝜏 𝑑𝜏 = −∞ 𝑓 𝜏 𝑔 𝜏 − 𝑡 𝑑𝜏 −∞ • よって𝑔(𝑡)が偶関数ならば相関関数と畳み込みは同じ演算結 果を示す • 反転しても同じ関数であるので妥当(課題9参照) • 𝑔(𝑡)が偶関数であるケースは実世界によく出てくる. • 後々出てくる画像のフィルタリングは𝑔(𝑡)が偶関数であることが多い