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『ミクロ経済学の力』3章2節
- 5. コメの市場
❖ 多数の売り手と買い手 → 各人はプライステイカー
❖ 市場均衡(需要と供給の交点)で分析できる!
❖ コメの国内価格は自由市場で決定
❖ 自由化前:国内需要と国内供給の交点
❖ 自由化後:国内需要と国際価格の交点
→ 国内需要・供給はどうやって推計すれば良いか?
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- 6. 供給曲線の求め方
❖ 供給曲線 = 売り手の1単位あたりの生産費用(限界費用
と呼ぶ)を安い方から並べたもの
1. 個々の農家の限界費用は一定であると仮定
(農家ごとの費用は異なるので注意)
2. 各農家の生産費用をデータから推計
3. 生産費用 = 他人に支払う費用(会計費用) + 所有
する生産要素への対価(機会費用)
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- 10. 米作農家の9割は…
❖ 1ha(= 100m × 100m)ほどの小規模の水田を持つ
❖ 農業が主業ではなく、休日の労働や引退世代の労働でコ
メを作っている(機械化による短時間労働)
❖ 平均年収はほぼ日本の中流で、農業収入は所得のごく一
部(マイナス10万円∼50万円くらい)
❖ 生産性は低いが、何らかの理由で米作をしている
❖ 経営主は高齢で、引退世代の年金受給者が多い
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- 13. 減反政策の影響
❖ コメの高価格を維持するための減反 = 生産調整
❖ 全国の米作農家に他の作物に転作するよう要請
❖ 「生産調整下の供給 = 真の供給の4割減」と仮定
❖ 各農家は真の供給の3/5しか作っていない
(実際には減反に応じない農家もいる)
❖ 同じ費用の下で5/3倍の供給が可能
→ 真の供給曲線の傾きは緩やか(3/5倍)に
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- 22. 補償原理
❖ 各消費者から
自由化前の消費量 × 自由化による価格の下落
を徴収し、
❖ 各農家に
自由化前の生産量 × 自由化による価格の下落
を支払う
(自由化「前」の数量である点に注意)
→ すべての国民に自由化の利益が及ぶ
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- 23. 注意点
❖ 関税収入は余剰分析に出てこない
❖ 自由化前 — 輸入量 = ゼロ(禁止的高関税)
❖ 自由化後 — 関税率 = ゼロ(と仮定)
→ 関税率がプラスでも総余剰は自由化前より必ず増加
❖ 自由化後の国内生産量(減少幅)の予測誤差は大
❖ 国際価格や消費者の嗜好に大きく依存する
(国産米と輸入米は異なる商品 → 財の差別化)
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