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2022年12月
Copyright, 合同会社デジトレ 1
デジタル力を強化する20のポイント
社外との関係を
拡げ、深める
自社の魅力を
発信する
情報で会社の
回転数を高める
情報の使い勝手を
良くする
情報で現場を
滑らかにする
振返りの習慣 共働の習慣
魅力伝達機能
の整備
魅力形成機能
の整備
顧客利便性
の整備
パートナー連携
の整備
管理水準を
高める整備
データ活用環境
の整備
そろえる
習慣
データ保全
の習慣
デジタル環境の整備レベル デジタル活用の習慣化レベル
育成の習慣
外の声を聞く
習慣
コントロール
の習慣
チャレンジ習慣
デジタルを
活かす目的
成長に
活かす習慣
知恵を
集める習慣
デジタル力
情報アクセス
の整備
一元管理環境
の整備
業務ルール
の整備
職場環境の整備
伝える力
つながる力
回転力
基礎体力
体幹力
=
+
=
+
=
+
=
+
=
+
伝える力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
魅力伝達機能の整備
2022年12月 2
魅力を伝える手段を整える
 顧客に見つけてもらうための情熱的情報発信
• WebサイトやECサイトを作ること自体は比較的簡単になった
が、作ったサイトにアクセスしてもらうためには、SNSや
YouTubeなど複数の経路を通じて情熱を持って情報発信に取
り組み、足跡を残すこと。お客様の方から、自分の価値観や
感性、好みにあった、自分にとって魅力的なお店を、足跡を
たどって見つけくれることにつながる。
 日々の仕事で魅力を伝える
• 魅力を伝える役割を担うのはWebサイトだけではなく、営業
担当者や購買、配達、採用など、社外と接するすべてのス
タッフ。提案資料、売れ筋商品データ、顧客の評価、接客ノ
ウハウ等、伝えるべき魅力をデジタル化して日常業務の中で
利用しやすくしておくこと。
 メッセージの統一と分担
• 信頼され長くよい関係を築くためには、社外に発信するメッ
セージに統一性があり、組織として一貫した姿勢を伝えるも
のであること。
 更新し続ける
• 発信している情報が古くならないよう定期的に見直して素早
く簡単にWebサイトなどの情報を更新できること。届けたい
相手に適した媒体を選択できているかを定期的にチェックし
て、情熱を注げるツールを選ぶこと。
伝える力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
魅力形成機能の整備
2022年12月 3
魅力を伝える素材をつくる
 写真や動画を撮る
• WebサイトやSNSで自社の魅力を伝えようと思っても、素材
が無ければ何も発信できない。職場のありのままを写し取る
写真や動画はまず何よりもそろえたい素材。
 お客様の声を集める
• お客様から頂戴したお礼のメール、サイトに投稿いただいた
クチコミ、手書きのアンケートに書かれた温かいメッセージ
などは、自社の財産と言えるもの。一歩踏み込んで許可をい
ただきお客様の生の声をデジタル素材として積極的に集める
こと。
 販売実績の可視化
• 社内の販売関連のデータは、変化する市場の中で自社に期待
されているポイントを見出す良い素材。飲食店であれば人気
メニュー、小売店であれば売れ筋商品、試作中心の製造業で
あれば最近の受注傾向など。
 社史まとめ
• 自社の歩んできた歴史や実績から魅力の源泉を考え、その中
からさらにお客様や社会から評価されてきたものを抽出する
こと。それらをまとめ社史のようなカタチにして、社内でい
つでも学べる環境を整える。営業先でもすぐにご披露できる
ようにする。
伝える力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
育成の習慣
2022年12月 4
魅力そのものを磨く
 魅力強化・カイゼン活動
• ホームページやSNSで自社の魅力を発信することと同じか、
それ以上に重要なのは、伝えるべき自社の魅力の源泉、すな
わち、商品やサービスそのものを磨き続けること。魅力伝達
と魅力磨きは表裏一体。発信した情報に対するフィードバッ
クを受け止めて世の中の変化を感じ取り、商品サービスの強
化に活かすこと。
 教育研修、学びの場
• ビジネスを形作るのはスタッフ一人ひとりの日々の仕事の積
み重ね。基本的な価値観の共有とベクトルをあわせて、全員
が伝える力を持ち、発揮できるようにすること。
• 経営理念という常に拠り所となる価値判断の基軸を持つこと
で、発信する情報に一貫性と力強さが備わる。この情報を発
信していいのか、こういう表現でいいのか、迷いを払拭する
判断軸となる。
• 定期的に経営理念を確認する機会や、新しい社員が自社の魅
力を理解できる教育、メンバー間で相互に自社の魅力を議論
できる場を作る。
伝える力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
外の声を聞く習慣
2022年12月 5
社外の声を聞く
 アンケート
• ホームページやパンフレットで高品質をウリにしていたが、
お客様の期待は違うところにあった。そういうミスマッチに
気づくことが重要。社内から自社を完全に客観的な視点で見
ることはなかなか難しい。社外からどう見えているかを定期
的に把握すること、定量化して変化に気づきやすくする。
• アンケートによりお客様や取引先、スタッフの評価や満足度
を把握するのは大切な一手。定量化してできるだけ数字で把
握することで違いや変化が見えやすくなる。
 インバウンド分析
• サイトのアクセス解析により、お客様が何を期待しているの
か、どういった情報に関心を示しているのかをうかがい知る
ことができる。自社が打ち出した情報とお客様の期待がどれ
くらいマッチしていて、どのくらいズレているかを評価。表
現方法や写真の選択、サイトのデザインの見直しなど、伝え
方をブラッシュアップしていく。
• 社外と接点のあるスタッフからのフィードバックは今後重要
に。グループウェアやチャットツールなどを情報共有インフ
ラとして、社外で起きた小さな動きから兆しをとらえること
ができる感度の良いアンテナとして。
つながる力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
顧客利便性の整備
2022年12月 6
お客様に便利を提供する
 時間・場所・情報の制約をなくして利便性を高める
• デジタル技術を使って社外とつながるオンライン化は、お客
様に「便利」を提供することで成立する。お客様の手間を減
らし、待ち時間を減らし、不明や不安というストレスを減ら
して、当社と取引するとなんだか便利だ、ラクだ。そう実感
していていただくこと。
 社内もラクになるWin-win
• 自社にとっても便利であることも大切。お客様に利便性を提
供してこちらは我慢すればいいという話ではない。現場が疲
弊してビジネスの継続が困難となっては本末転倒。
• デジタル技術を上手に活用して、双方向でWin-winのメリッ
トを享受できる方策を見つける。
 お客様からの注文をデータで受領する
 オンラインで接客・営業できるようにする
 注文履歴のように自社内で記録蓄積しているデータをオンラ
インで見ていただけるようにする
 SNSなどを活用した双方向コミュニケーションでコミュニ
ティを形成する
つながる力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
パートナー連携の整備
2022年12月 7
パートナー共に競争力を高める
• 物理的・時間的制約を低下させるデジタル技術は、組織の違
い、業種や業態の違いといった提供者都合で設定された境界
線を飛び越して、利用者目線で最も便利で快適な手続きや流
れ、役割分担を最適化するよう迫っている。
• 事業ドメインが変化すれば、競争相手も変わり、ビジネス
パートナーも変わる。自社の立ち位置や守備範囲も見直しを
余儀なくされる。
• 新しい競争の枠組みの中で、互いのビジネスの強みを生かし
弱点を補い合える仲間とデジタル技術を活かして資源を有機
的に連携させることが求められている。
• デジタルを活かしてオンライン化を進めることで、組織の枠
組みを超えたCo-Work(共働・協働)を行いやすくする。
業務のやり方をあわせる
業務の重複を減らす
データ・システムを共有する
つながる力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
コントロールの習慣
2022年12月 8
リスクコントロール
 情報セキュリティ対策
• 外部からの攻撃への対応策。許可していない第三者の侵入を
防ぐこととコンピューターウィルスへの感染を防ぐこと。個
の二点を徹底することに尽きる。
• 内部からの情報漏洩への対応策。会社にとって重要なデータ
がどこに保存されているかを把握することが最初の一歩。重
要なデータとは、それが紛失したり第三者の手に渡ってしま
うと事業の存続に大きく影響するデータのこと。
• パートナー側にも同様の情報セキュリティ対策を求める。
• データを失わないための対策は必ず取り組みたい点。
 事業リスク対策
• 外部へ情報システムを提供したりオンラインサービスを提供
するような場合は、利用規約を整えて、サービス内容や範囲、
利用上のルール、運用時間帯や制約条件などを明確にしてお
くことが提供者の責務として必要。
 主体的にリスクを管理する
• 問題が起きないようにベストを尽くしつつも、問題が起きた
場合に、制御ができない状況に陥らないよう、やみくもにつ
ながるを拡げていくのではなく、リスクを理解して、最悪の
ケースでもコントロールできる範囲にとどめておくこともま
た重要なポイント。
つながる力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
チャレンジの習慣
2022年12月 9
変化に挑戦する
• 情報通信技術やデジタル機器はこれからも進化を続ける。社
会とのつながりを構築するということは、すなわち、日々変
化していくデジタル社会に適合し続けていくこと。
• この変化は、一人ひとりの個人から始まる。デジタル好きな
人もいればそうではない人もいる。それぞれの塩梅でデジタ
ルと付き合う社会が形成される。こういう「差」をまずは認
識し、受け止めた上で、会社のデジタル化を行う際の軸足を
定める。
• 社外とつながることで、会社の中には新たな「風」が入って
くる。オンライン接客など新しい挑戦に取り組む中で、社内
独自の手続きに古さを感じたり、ルールの見直しを迫られた
りする。スタイルの異なるパートナー企業と仕事を共にする
ことで、良い変化がスタッフにもたらせるかもしれない。人
事制度や職務規定も見直して、職場の風土の変革にも取り組
む。社内でやるべきことと外部に委託すべきことも見直す。
そういう「風」を事業をレベルアップするきっかけにする。
社内ルールの見直し
内製範囲の見直し
回転力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
管理水準を高める整備
2022年12月 10
省力化・自動化・管理水準Up
 省力化と自動化
• 「えっ、そんなことできるの」というような、省力化と自動
化が可能なさまざまなツールが日進月歩で「目の前にあるデ
ジタル」として登場している。これを活かして事務作業を効
率化しつつ、今までよりも少ない時間で同じ業務ができれば、
品質やサービスレベルの向上など、仕事の管理水準を一段階
レベルアップすることができる。
サイクル短縮
判断の精緻化
非定型業務への時間投入
• 職場のすべての業務の省力化とスピードアップを図るべきか
というとそうではない。コンピュータはあらかじめ記述でき
るルールがあれば自動化できるが、人が臨機応変に対応して
いるようなものは自動化できない。
• 人手でやっていた「やり方が決まっている仕事」をデジタル
や機械に置き替えることで、担当者の作業時間を減らすこと
ができ、その時間を人間にしかできない観察や思考などのク
リエイティブな仕事に充てることができる。
回転力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
データ活用環境の整備
2022年12月 11
データを活かせる環境整備
 データを取り出す
• 業務システムなどに記録されたデータを取り出せること。
CSVとよばれる形式でダウンロードができれば、パソコンの
表計算ソフトなどで取り扱える。
• データをダウンロードして分析しなくても、リスクや異常の
発生を検知して通知してくれるシステムもある。故障を検知
したらアラートを発するような仕組みは、受動的に情報を受
け取れるため、緊急通報などに向いている。
 データを分けて比較する
• 取り出したデータを分析して事象の原因や背景を見つけ出せ
る環境を整える。データの分析とは、分けること、そして、
分けたものを比較すること。元の情報をさまざまな切り口で
「分割できる」ことがとても重要。データ分析の用語でいえ
ば「ドリルダウン」や「スライス&ダイス」。属性やカテゴ
リを付加しやすくしておくと、簡単にデータを分割して比較
検討しやすくなる。
 それを素早くする
• 事業の運転状況を常に把握できるように、定量的で正確な
データを迅速に取得し、可視化し、分析しやすい環境を整え
る。
• データ分析用のソフトウェアは、手間をかけずにグラフ生成
できるためダッシュボードとして活用するのに最適。
回転力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
成長に活かす習慣
2022年12月 12
事業にデータを役立てる
 商品サービス改良にデータを使う
• 会社の価値をストレートに評価してくれるのはいつの時代も
顧客。顧客の評価を継続して取得することはとても重要。商
品やサービスの売れ筋データや顧客ごとの販売データ、アン
ケート調査データを使って、売れ行きの変化、ニーズの変化
をつかみ、見直しや新規開発に役立てる。
 業務改善にデータを使う
• 業務にかかった時間のデータや単位当たりの生産数量などを
目標値に照らして定量的に比較することで、どこにボトル
ネックがあるのか、次にどういう手を打つべきかを判断しや
すくなる。特に、商品サービスの提供スピードや品質に直接
影響する指標値については継続的にモニタリングすることが
重要であるし、現場の担当者とも目標と現在地を共有するこ
とで、現場での小さな改善活動が生まれやすくなる。
 人材育成にデータを使う
• 現場で働くスタッフが疲弊していたり、スキルが足りないま
まで仕事をしていたりすれば、業務のスピードや品質が落ち
て顧客サービスが低下してしまう。スタッフの満足度が下
がっていないか、スキル不足を感じていないか。人時生産性、
納期遵守率、品質目標達成率、ロス率、顧客満足度、残業時
間、定着率、そして、スタッフ満足度といった点の定点観測
も会社の回転数アップには不可欠。
回転力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
知恵を集める習慣
2022年12月 13
知恵と情報を集める
 社外から情報を集める
• ホームページやパンフレットといった広告媒体を見れば、そ
の会社が提供するサービス・製品の機能や特長をつかむこと
ができるが、自社に本当に役立つか、は、やはり直接話を聞
くに限る。展示会やセミナーに参加したら、ひと言講師に質
問をしてみる。会場にいるスタッフに気軽に声をかけて質問
してみる。そういった機会が身近になければ、電話をして相
談してみる。
• 経営者仲間の集まりや社外の交流会、SNSなどでよい評判を
耳にするような製品は有力な候補になる。実際に使わないと
見えてこない点があるから、利用者の生の声は積極的に集め
たい。
 足元から情報を集める
• 現場のスタッフが直面している課題の共有や改善のアイディ
アから発想すると、それを克服できるITツールを見つける糸
口になる。アンテナを張り続け、常によりよい方法を探し続
ける取り組みを続ける。
• すでに利用中のシステムでも、もしかしたらまだ使っていな
い機能があるかもしれない。そういった中に、ちょうど必要
としていた機能が見つかる可能性もある。少額の追加費用で
オプションを購入することで実現できることもあるかもしれ
ない。取引しているITベンダーと会話してみる。
基礎体力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
情報アクセスの整備
2022年12月 14
情報にアクセスしやすくする
 リモートアクセスを整備する
• 情報の使い勝手をよくするために強化したいポイントの一つ
目は、現場が必要とするタイミングで必要な情報に簡単にア
クセスできるように環境を整えること。
• 普段から使っている表計算ソフトのファイルやデータに現場
から直接アクセスしたい場合は、社内LANにWi-Fiのアクセス
ポイントを整備したり、外出先から社内LANにリモートアク
セスできる機器を整備する。
 クラウドを活用する
• パソコンを拡げることができないような現場では、普段と同
じファイルは扱いにくいかもしれない。現場から更新しやす
く、誤ってデータを消してしまうことがないような方式が望
ましく、スマートデバイスから利用できるクラウド型の業務
システムへの移行は有力な選択肢。
 便利なIT機器を買う
• 最近では「バーコード」「QRコード」など情報を簡単に読み
取れる仕組み、「ICタグ」のように自動で読み取る技術もあ
る。近年精度が向上してきた音声入力なども、正確な情報入
力を助ける。入力回数を減らし正確さを保つ機能の有無を、
現場からアクセスする業務システムを選択する際の評価ポイ
ントとする。
基礎体力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
一元管理環境の整備
2022年12月 15
情報を一元的に管理する
 一か所に置いて共有する
• 情報へのアクセスのしやすさだけを考えれば、データはそれ
ぞれの現場で持っていた方がいい。でも、似た情報を社内で
バラバラに保管することになり、データの二重管理や集計の
手間が発生する。データの正確性も低下する。皆で使うデー
タは一元管理し、使い勝手を向上させる。
• 一元管理とは、物理的に一箇所に集約する、という意味では
ない。別々に保管されていても、一部の情報が更新されたら
関連する別の場所にある情報も連動して更新される状態、こ
れが一元化。スマホで馴染みがある言葉でいえば「同期」。
 マスタ化する
• さまざまな業務で共通して使われる基本的な情報は「マスタ
(マスタデータ)」と呼ばる。顧客名や住所、商品名や原材
料名、部署名や担当者名など、頻繁には変わらず、社内のさ
まざまな業務で利用される情報のこと。このマスタをつねに
正しく最新になるよう管理する。
• 誰もかれもが自分が管理しているデータこそが「マスタ」だ
と主張したら一元管理にならない。マスタを一つに決めて、
常にそれを利用すること、守っていくこと。安易にコピーし
たり、自分独自のバージョンを作ったりせずに、マスタを充
実させる、育てていく考え方を徹底していく。
基礎体力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
そろえる習慣
2022年12月 16
データの呼称や粒度をそろえる
 単位や呼称を統一する
• 情報の使い勝手を良くするためには、蓄積されるデータの呼
称や型、データの粒度を統一する習慣が大切。情報は決めら
れた型、構造化された状態で保管されることで活用しやすく
なる。定量的に管理する場合には、数値をそろえて比較分析
を容易にする。
 報告書の様式を決める
• 表や文章を作成する時も、できるだけ入力ルールやフォー
マットを決めてバラつきを防ぐ。
• 例えば、営業担当者が活動状況を報告する営業報告書。そこ
から受注見込みを抽出してデータとして集計したい場合、報
告してもらいたいのは社数なのか金額なのか、金額の単位は
円なのか千円なのか、そこに記載するルールを決めておかな
いと集計が面倒なことになる。数字の単位も日別なのか一週
間の合計なのか、前回報告から今回までの差分なのか、その
基準を決めておかないと、前回の報告との比較がしにくくな
る。
• 一つひとつはほんのちょっとしたバラツキ。見逃してしまい
がち、目をつぶってしまいがち。でもそれが積もり積もって
現場の重荷になる。バラツキを見つけたらその場でそろえる
ことを習慣にしていく。デジタル活用は、業務をスリム化す
るきっかけにもできる。
基礎体力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
データ保全の習慣
2022年12月 17
データを守る
 バックアップする
• 情報を活用していけばいくほど、会社の資産としてさまざま
なデータを守っていく必要性が高まる。情報を上手に活用し
ていればいるほど、消失したときの影響が大きく、停止する
業務の範囲も広がる。情報をバックアップすることを習慣に
する。
 バックアップからの戻しをリハーサルする
• いざという時に、そのデータを戻して再利用する手順も確認
しておく。単純にファイルをコピーして戻せば済む場合もあ
れば、システムで何らかの処理をしないとデータが戻らない
場合もある。
 データの正しさを維持する
• 一元化された情報は、その情報が更新されれば、他の関連す
る情報も連動して更新されることになる。職務上の役割や権
限に応じて、新規登録や更新、削除ができる人を決め、更新
時に誤りがないかダブルチェックする手順を整える。
 データ漏洩を防ぐ
• 情報の一元化は、共有が容易な反面、機密度の高い情報まで
共有されてしまうこともある。情報の閲覧の権限を特定の関
係者に限定することで、情報を守るだけでなく、ビジネスそ
のものを守ることにつながる。
体幹力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
業務ルールの整備
2022年12月 18
業務に必要な情報の整備
 仕事で使う情報の整理整頓
• 現場が迷ったり、立ち止まったりしないよう、現場をガイド
(導く・案内)するために情報を活用する。いつ、どんな時
に、だれが、何を、どのようにするのかといった情報が文字
や図、画像、映像などのデジタルデータとして整理されてい
れば、必要な時にそれを参照し、不安や戸惑いなく自信を
持って業務にあたることができ、仕事はスムーズになりサー
ビスや商品を高いレベルに保つことができる。
• なんでもかんでも枠にはめようということではない。職場の
ベストプラクティスを形にする。個人的に工夫していたノウ
ハウをデジタル化して共有すれば業務の品質を全員でレベル
アップできる。ベテランの頭の中にある知識の一部でもデジ
タル化して共有すればスキルの底上げにつながる。
 手順・基準・書式を決める
• 業務の手順がわかりにくかったり、業務の細かいやり方がそ
もそも定まっていなかったりすると、人によって仕事の進め
方が変わり、個人的な解釈で仕事を進めてしまうことで、ミ
スや手戻り、仕事の成果のばらつきを生じやすくなる。
• 業務に必要な情報を整理整頓していれば、仕事のやり方を他
の人に教えやすくもなる。学ぶ側にとっても、いつ何をどこ
までやればよいか基準が明確なので覚えやすく、仕事に取り
組みやすくなる。土台があると、より良くする方法を発見し
たり、無駄な手順を省いたり、新たな手順を加えて業務の質
をあげたりと、改善をしやすくなる。
体幹力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
職場環境の整備
2022年12月 19
現場の情報通信環境を整える
 文房具と同様にPCやスマホを整備する
• 現場を滑らかにしたい業務を選ぶ。その業務の環境整備の一
環でペーパーレスやスマートデバイスを活用し始める。
• ただし、ペーパーレスはあくまでも仕事をする環境整備手段
の一つ、かえってやりにくくなる仕事は無理に置き換えず、
紙の使い方を工夫する。
 インターネット接続
• 「情報の伝達スピードが速い」「最新の情報を共有できる」
といったデジタルの特徴を生かして、現場の仕事を滑らかに
するには、現場から情報を発信できる、現場で確認が必要な
情報を流すネットワークの整備が不可欠。
 便利なソフトを導入する
• 中小ビジネスへの時代からのプレゼントともいえるのが「ク
ラウド」。ファイル共有サービス、グループウェア、チャッ
トツール、書類・図面管理、画像管理、ネット会議、最近で
は会計ソフトなど、クラウドサービスとして提供されるよう
になったITツールなら、場所を問わず利用できるので、現場
での仕事がしやすくなる。
• また、OA(オフィス・オートメーション)ツールも、今なお
現場を滑らかにするために欠かせない。
基礎体力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
振り返りの習慣
2022年12月 20
振り返りを習慣化する
 振り返りの会議をする
• 今日一日の仕事を振り返る。一つの仕事をやり終えたら、次
はもっと上手くできる方法がないかとおさらいしてみる、現
場が滑らかではなかったことを思い起こしてみる。「振り返
り」を習慣化する。
 経験や工夫を学び合う
• 当時はベストプラクティスだったルールでも、環境が変われ
ば手直しが必要になる。時代遅れとなったルールや実情にあ
わない制度や慣習が、「これが会社の決まりだから」と放置
され、現場の滑らかさを阻害していることはないか。現場か
ら発案された改善提案の中に、これまで慣れ親しんだ自社な
らではのやり方の見直しの種があるのに見逃してはいないか。
ベストプラクティスをもう一度集めて、サービス品質・仕事
の精度をレベルアップさせていく。
 振り返るために記録する
• 仕事とは学習と成長の機会であり、仕事を振り返って学びを
得ようとするには、仕事の過程の記録がしっかりと残されて
いることが重要。振り返りに必要な情報には、顧客情報、仕
事をした人の情報、仕事の早さや仕上がりの情報、顧客から
の評価などがあるが、記録されていない情報は活用すること
はできない。ここにデジタルが活きてくる。
基礎体力 強化ポイント
Copyright, 合同会社デジトレ
共働の習慣
2022年12月 21
互いの業務を知りあう
 仕事の流れを理解する
• 共に働く。チームで働く。ミスややり直しを起こさない現場
を作るには、「共働」の考え方を浸透させることが大切。働
く人それぞれが、自分の役目の内側だけを見るのではなく、
前後の工程や別の日に同じ仕事を担当する人のことを考えて
動ける、そんな風土づくりが求められている。
• 人員の限られた中小ビジネスだからこそ、共働の習慣が醸成
され始めれば、情報を仲間と積極的に共有してよりよい仕事
をしようという気持ちはすぐに伝播していく。情報が社内の
潤滑油となって滑らかな現場の形成につながり、お客様から
見た「チーム」の評価も高まる。
 情報の流れを理解する
• 役割分担して仕事を進める際には、役割同士の接点で、必ず
情報の交換が発生する。適切なタイミングで、正しい情報が、
手間をかけずにスムーズに提供されているか。
• 自分一人で担当している仕事でも、その情報を他のスタッフ
にも見てもらえる場所に記録しておけば、何かあった時にお
互いにカバーしあうことだってできる。そういうフォローが
できるチームになれば、お客様へのサービスレベルを格段に
アップさせることだって可能。

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  • 1. 2022年12月 Copyright, 合同会社デジトレ 1 デジタル力を強化する20のポイント 社外との関係を 拡げ、深める 自社の魅力を 発信する 情報で会社の 回転数を高める 情報の使い勝手を 良くする 情報で現場を 滑らかにする 振返りの習慣 共働の習慣 魅力伝達機能 の整備 魅力形成機能 の整備 顧客利便性 の整備 パートナー連携 の整備 管理水準を 高める整備 データ活用環境 の整備 そろえる 習慣 データ保全 の習慣 デジタル環境の整備レベル デジタル活用の習慣化レベル 育成の習慣 外の声を聞く 習慣 コントロール の習慣 チャレンジ習慣 デジタルを 活かす目的 成長に 活かす習慣 知恵を 集める習慣 デジタル力 情報アクセス の整備 一元管理環境 の整備 業務ルール の整備 職場環境の整備 伝える力 つながる力 回転力 基礎体力 体幹力 = + = + = + = + = +
  • 2. 伝える力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 魅力伝達機能の整備 2022年12月 2 魅力を伝える手段を整える  顧客に見つけてもらうための情熱的情報発信 • WebサイトやECサイトを作ること自体は比較的簡単になった が、作ったサイトにアクセスしてもらうためには、SNSや YouTubeなど複数の経路を通じて情熱を持って情報発信に取 り組み、足跡を残すこと。お客様の方から、自分の価値観や 感性、好みにあった、自分にとって魅力的なお店を、足跡を たどって見つけくれることにつながる。  日々の仕事で魅力を伝える • 魅力を伝える役割を担うのはWebサイトだけではなく、営業 担当者や購買、配達、採用など、社外と接するすべてのス タッフ。提案資料、売れ筋商品データ、顧客の評価、接客ノ ウハウ等、伝えるべき魅力をデジタル化して日常業務の中で 利用しやすくしておくこと。  メッセージの統一と分担 • 信頼され長くよい関係を築くためには、社外に発信するメッ セージに統一性があり、組織として一貫した姿勢を伝えるも のであること。  更新し続ける • 発信している情報が古くならないよう定期的に見直して素早 く簡単にWebサイトなどの情報を更新できること。届けたい 相手に適した媒体を選択できているかを定期的にチェックし て、情熱を注げるツールを選ぶこと。
  • 3. 伝える力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 魅力形成機能の整備 2022年12月 3 魅力を伝える素材をつくる  写真や動画を撮る • WebサイトやSNSで自社の魅力を伝えようと思っても、素材 が無ければ何も発信できない。職場のありのままを写し取る 写真や動画はまず何よりもそろえたい素材。  お客様の声を集める • お客様から頂戴したお礼のメール、サイトに投稿いただいた クチコミ、手書きのアンケートに書かれた温かいメッセージ などは、自社の財産と言えるもの。一歩踏み込んで許可をい ただきお客様の生の声をデジタル素材として積極的に集める こと。  販売実績の可視化 • 社内の販売関連のデータは、変化する市場の中で自社に期待 されているポイントを見出す良い素材。飲食店であれば人気 メニュー、小売店であれば売れ筋商品、試作中心の製造業で あれば最近の受注傾向など。  社史まとめ • 自社の歩んできた歴史や実績から魅力の源泉を考え、その中 からさらにお客様や社会から評価されてきたものを抽出する こと。それらをまとめ社史のようなカタチにして、社内でい つでも学べる環境を整える。営業先でもすぐにご披露できる ようにする。
  • 4. 伝える力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 育成の習慣 2022年12月 4 魅力そのものを磨く  魅力強化・カイゼン活動 • ホームページやSNSで自社の魅力を発信することと同じか、 それ以上に重要なのは、伝えるべき自社の魅力の源泉、すな わち、商品やサービスそのものを磨き続けること。魅力伝達 と魅力磨きは表裏一体。発信した情報に対するフィードバッ クを受け止めて世の中の変化を感じ取り、商品サービスの強 化に活かすこと。  教育研修、学びの場 • ビジネスを形作るのはスタッフ一人ひとりの日々の仕事の積 み重ね。基本的な価値観の共有とベクトルをあわせて、全員 が伝える力を持ち、発揮できるようにすること。 • 経営理念という常に拠り所となる価値判断の基軸を持つこと で、発信する情報に一貫性と力強さが備わる。この情報を発 信していいのか、こういう表現でいいのか、迷いを払拭する 判断軸となる。 • 定期的に経営理念を確認する機会や、新しい社員が自社の魅 力を理解できる教育、メンバー間で相互に自社の魅力を議論 できる場を作る。
  • 5. 伝える力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 外の声を聞く習慣 2022年12月 5 社外の声を聞く  アンケート • ホームページやパンフレットで高品質をウリにしていたが、 お客様の期待は違うところにあった。そういうミスマッチに 気づくことが重要。社内から自社を完全に客観的な視点で見 ることはなかなか難しい。社外からどう見えているかを定期 的に把握すること、定量化して変化に気づきやすくする。 • アンケートによりお客様や取引先、スタッフの評価や満足度 を把握するのは大切な一手。定量化してできるだけ数字で把 握することで違いや変化が見えやすくなる。  インバウンド分析 • サイトのアクセス解析により、お客様が何を期待しているの か、どういった情報に関心を示しているのかをうかがい知る ことができる。自社が打ち出した情報とお客様の期待がどれ くらいマッチしていて、どのくらいズレているかを評価。表 現方法や写真の選択、サイトのデザインの見直しなど、伝え 方をブラッシュアップしていく。 • 社外と接点のあるスタッフからのフィードバックは今後重要 に。グループウェアやチャットツールなどを情報共有インフ ラとして、社外で起きた小さな動きから兆しをとらえること ができる感度の良いアンテナとして。
  • 6. つながる力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 顧客利便性の整備 2022年12月 6 お客様に便利を提供する  時間・場所・情報の制約をなくして利便性を高める • デジタル技術を使って社外とつながるオンライン化は、お客 様に「便利」を提供することで成立する。お客様の手間を減 らし、待ち時間を減らし、不明や不安というストレスを減ら して、当社と取引するとなんだか便利だ、ラクだ。そう実感 していていただくこと。  社内もラクになるWin-win • 自社にとっても便利であることも大切。お客様に利便性を提 供してこちらは我慢すればいいという話ではない。現場が疲 弊してビジネスの継続が困難となっては本末転倒。 • デジタル技術を上手に活用して、双方向でWin-winのメリッ トを享受できる方策を見つける。  お客様からの注文をデータで受領する  オンラインで接客・営業できるようにする  注文履歴のように自社内で記録蓄積しているデータをオンラ インで見ていただけるようにする  SNSなどを活用した双方向コミュニケーションでコミュニ ティを形成する
  • 7. つながる力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ パートナー連携の整備 2022年12月 7 パートナー共に競争力を高める • 物理的・時間的制約を低下させるデジタル技術は、組織の違 い、業種や業態の違いといった提供者都合で設定された境界 線を飛び越して、利用者目線で最も便利で快適な手続きや流 れ、役割分担を最適化するよう迫っている。 • 事業ドメインが変化すれば、競争相手も変わり、ビジネス パートナーも変わる。自社の立ち位置や守備範囲も見直しを 余儀なくされる。 • 新しい競争の枠組みの中で、互いのビジネスの強みを生かし 弱点を補い合える仲間とデジタル技術を活かして資源を有機 的に連携させることが求められている。 • デジタルを活かしてオンライン化を進めることで、組織の枠 組みを超えたCo-Work(共働・協働)を行いやすくする。 業務のやり方をあわせる 業務の重複を減らす データ・システムを共有する
  • 8. つながる力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ コントロールの習慣 2022年12月 8 リスクコントロール  情報セキュリティ対策 • 外部からの攻撃への対応策。許可していない第三者の侵入を 防ぐこととコンピューターウィルスへの感染を防ぐこと。個 の二点を徹底することに尽きる。 • 内部からの情報漏洩への対応策。会社にとって重要なデータ がどこに保存されているかを把握することが最初の一歩。重 要なデータとは、それが紛失したり第三者の手に渡ってしま うと事業の存続に大きく影響するデータのこと。 • パートナー側にも同様の情報セキュリティ対策を求める。 • データを失わないための対策は必ず取り組みたい点。  事業リスク対策 • 外部へ情報システムを提供したりオンラインサービスを提供 するような場合は、利用規約を整えて、サービス内容や範囲、 利用上のルール、運用時間帯や制約条件などを明確にしてお くことが提供者の責務として必要。  主体的にリスクを管理する • 問題が起きないようにベストを尽くしつつも、問題が起きた 場合に、制御ができない状況に陥らないよう、やみくもにつ ながるを拡げていくのではなく、リスクを理解して、最悪の ケースでもコントロールできる範囲にとどめておくこともま た重要なポイント。
  • 9. つながる力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ チャレンジの習慣 2022年12月 9 変化に挑戦する • 情報通信技術やデジタル機器はこれからも進化を続ける。社 会とのつながりを構築するということは、すなわち、日々変 化していくデジタル社会に適合し続けていくこと。 • この変化は、一人ひとりの個人から始まる。デジタル好きな 人もいればそうではない人もいる。それぞれの塩梅でデジタ ルと付き合う社会が形成される。こういう「差」をまずは認 識し、受け止めた上で、会社のデジタル化を行う際の軸足を 定める。 • 社外とつながることで、会社の中には新たな「風」が入って くる。オンライン接客など新しい挑戦に取り組む中で、社内 独自の手続きに古さを感じたり、ルールの見直しを迫られた りする。スタイルの異なるパートナー企業と仕事を共にする ことで、良い変化がスタッフにもたらせるかもしれない。人 事制度や職務規定も見直して、職場の風土の変革にも取り組 む。社内でやるべきことと外部に委託すべきことも見直す。 そういう「風」を事業をレベルアップするきっかけにする。 社内ルールの見直し 内製範囲の見直し
  • 10. 回転力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 管理水準を高める整備 2022年12月 10 省力化・自動化・管理水準Up  省力化と自動化 • 「えっ、そんなことできるの」というような、省力化と自動 化が可能なさまざまなツールが日進月歩で「目の前にあるデ ジタル」として登場している。これを活かして事務作業を効 率化しつつ、今までよりも少ない時間で同じ業務ができれば、 品質やサービスレベルの向上など、仕事の管理水準を一段階 レベルアップすることができる。 サイクル短縮 判断の精緻化 非定型業務への時間投入 • 職場のすべての業務の省力化とスピードアップを図るべきか というとそうではない。コンピュータはあらかじめ記述でき るルールがあれば自動化できるが、人が臨機応変に対応して いるようなものは自動化できない。 • 人手でやっていた「やり方が決まっている仕事」をデジタル や機械に置き替えることで、担当者の作業時間を減らすこと ができ、その時間を人間にしかできない観察や思考などのク リエイティブな仕事に充てることができる。
  • 11. 回転力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ データ活用環境の整備 2022年12月 11 データを活かせる環境整備  データを取り出す • 業務システムなどに記録されたデータを取り出せること。 CSVとよばれる形式でダウンロードができれば、パソコンの 表計算ソフトなどで取り扱える。 • データをダウンロードして分析しなくても、リスクや異常の 発生を検知して通知してくれるシステムもある。故障を検知 したらアラートを発するような仕組みは、受動的に情報を受 け取れるため、緊急通報などに向いている。  データを分けて比較する • 取り出したデータを分析して事象の原因や背景を見つけ出せ る環境を整える。データの分析とは、分けること、そして、 分けたものを比較すること。元の情報をさまざまな切り口で 「分割できる」ことがとても重要。データ分析の用語でいえ ば「ドリルダウン」や「スライス&ダイス」。属性やカテゴ リを付加しやすくしておくと、簡単にデータを分割して比較 検討しやすくなる。  それを素早くする • 事業の運転状況を常に把握できるように、定量的で正確な データを迅速に取得し、可視化し、分析しやすい環境を整え る。 • データ分析用のソフトウェアは、手間をかけずにグラフ生成 できるためダッシュボードとして活用するのに最適。
  • 12. 回転力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 成長に活かす習慣 2022年12月 12 事業にデータを役立てる  商品サービス改良にデータを使う • 会社の価値をストレートに評価してくれるのはいつの時代も 顧客。顧客の評価を継続して取得することはとても重要。商 品やサービスの売れ筋データや顧客ごとの販売データ、アン ケート調査データを使って、売れ行きの変化、ニーズの変化 をつかみ、見直しや新規開発に役立てる。  業務改善にデータを使う • 業務にかかった時間のデータや単位当たりの生産数量などを 目標値に照らして定量的に比較することで、どこにボトル ネックがあるのか、次にどういう手を打つべきかを判断しや すくなる。特に、商品サービスの提供スピードや品質に直接 影響する指標値については継続的にモニタリングすることが 重要であるし、現場の担当者とも目標と現在地を共有するこ とで、現場での小さな改善活動が生まれやすくなる。  人材育成にデータを使う • 現場で働くスタッフが疲弊していたり、スキルが足りないま まで仕事をしていたりすれば、業務のスピードや品質が落ち て顧客サービスが低下してしまう。スタッフの満足度が下 がっていないか、スキル不足を感じていないか。人時生産性、 納期遵守率、品質目標達成率、ロス率、顧客満足度、残業時 間、定着率、そして、スタッフ満足度といった点の定点観測 も会社の回転数アップには不可欠。
  • 13. 回転力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 知恵を集める習慣 2022年12月 13 知恵と情報を集める  社外から情報を集める • ホームページやパンフレットといった広告媒体を見れば、そ の会社が提供するサービス・製品の機能や特長をつかむこと ができるが、自社に本当に役立つか、は、やはり直接話を聞 くに限る。展示会やセミナーに参加したら、ひと言講師に質 問をしてみる。会場にいるスタッフに気軽に声をかけて質問 してみる。そういった機会が身近になければ、電話をして相 談してみる。 • 経営者仲間の集まりや社外の交流会、SNSなどでよい評判を 耳にするような製品は有力な候補になる。実際に使わないと 見えてこない点があるから、利用者の生の声は積極的に集め たい。  足元から情報を集める • 現場のスタッフが直面している課題の共有や改善のアイディ アから発想すると、それを克服できるITツールを見つける糸 口になる。アンテナを張り続け、常によりよい方法を探し続 ける取り組みを続ける。 • すでに利用中のシステムでも、もしかしたらまだ使っていな い機能があるかもしれない。そういった中に、ちょうど必要 としていた機能が見つかる可能性もある。少額の追加費用で オプションを購入することで実現できることもあるかもしれ ない。取引しているITベンダーと会話してみる。
  • 14. 基礎体力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 情報アクセスの整備 2022年12月 14 情報にアクセスしやすくする  リモートアクセスを整備する • 情報の使い勝手をよくするために強化したいポイントの一つ 目は、現場が必要とするタイミングで必要な情報に簡単にア クセスできるように環境を整えること。 • 普段から使っている表計算ソフトのファイルやデータに現場 から直接アクセスしたい場合は、社内LANにWi-Fiのアクセス ポイントを整備したり、外出先から社内LANにリモートアク セスできる機器を整備する。  クラウドを活用する • パソコンを拡げることができないような現場では、普段と同 じファイルは扱いにくいかもしれない。現場から更新しやす く、誤ってデータを消してしまうことがないような方式が望 ましく、スマートデバイスから利用できるクラウド型の業務 システムへの移行は有力な選択肢。  便利なIT機器を買う • 最近では「バーコード」「QRコード」など情報を簡単に読み 取れる仕組み、「ICタグ」のように自動で読み取る技術もあ る。近年精度が向上してきた音声入力なども、正確な情報入 力を助ける。入力回数を減らし正確さを保つ機能の有無を、 現場からアクセスする業務システムを選択する際の評価ポイ ントとする。
  • 15. 基礎体力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 一元管理環境の整備 2022年12月 15 情報を一元的に管理する  一か所に置いて共有する • 情報へのアクセスのしやすさだけを考えれば、データはそれ ぞれの現場で持っていた方がいい。でも、似た情報を社内で バラバラに保管することになり、データの二重管理や集計の 手間が発生する。データの正確性も低下する。皆で使うデー タは一元管理し、使い勝手を向上させる。 • 一元管理とは、物理的に一箇所に集約する、という意味では ない。別々に保管されていても、一部の情報が更新されたら 関連する別の場所にある情報も連動して更新される状態、こ れが一元化。スマホで馴染みがある言葉でいえば「同期」。  マスタ化する • さまざまな業務で共通して使われる基本的な情報は「マスタ (マスタデータ)」と呼ばる。顧客名や住所、商品名や原材 料名、部署名や担当者名など、頻繁には変わらず、社内のさ まざまな業務で利用される情報のこと。このマスタをつねに 正しく最新になるよう管理する。 • 誰もかれもが自分が管理しているデータこそが「マスタ」だ と主張したら一元管理にならない。マスタを一つに決めて、 常にそれを利用すること、守っていくこと。安易にコピーし たり、自分独自のバージョンを作ったりせずに、マスタを充 実させる、育てていく考え方を徹底していく。
  • 16. 基礎体力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ そろえる習慣 2022年12月 16 データの呼称や粒度をそろえる  単位や呼称を統一する • 情報の使い勝手を良くするためには、蓄積されるデータの呼 称や型、データの粒度を統一する習慣が大切。情報は決めら れた型、構造化された状態で保管されることで活用しやすく なる。定量的に管理する場合には、数値をそろえて比較分析 を容易にする。  報告書の様式を決める • 表や文章を作成する時も、できるだけ入力ルールやフォー マットを決めてバラつきを防ぐ。 • 例えば、営業担当者が活動状況を報告する営業報告書。そこ から受注見込みを抽出してデータとして集計したい場合、報 告してもらいたいのは社数なのか金額なのか、金額の単位は 円なのか千円なのか、そこに記載するルールを決めておかな いと集計が面倒なことになる。数字の単位も日別なのか一週 間の合計なのか、前回報告から今回までの差分なのか、その 基準を決めておかないと、前回の報告との比較がしにくくな る。 • 一つひとつはほんのちょっとしたバラツキ。見逃してしまい がち、目をつぶってしまいがち。でもそれが積もり積もって 現場の重荷になる。バラツキを見つけたらその場でそろえる ことを習慣にしていく。デジタル活用は、業務をスリム化す るきっかけにもできる。
  • 17. 基礎体力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ データ保全の習慣 2022年12月 17 データを守る  バックアップする • 情報を活用していけばいくほど、会社の資産としてさまざま なデータを守っていく必要性が高まる。情報を上手に活用し ていればいるほど、消失したときの影響が大きく、停止する 業務の範囲も広がる。情報をバックアップすることを習慣に する。  バックアップからの戻しをリハーサルする • いざという時に、そのデータを戻して再利用する手順も確認 しておく。単純にファイルをコピーして戻せば済む場合もあ れば、システムで何らかの処理をしないとデータが戻らない 場合もある。  データの正しさを維持する • 一元化された情報は、その情報が更新されれば、他の関連す る情報も連動して更新されることになる。職務上の役割や権 限に応じて、新規登録や更新、削除ができる人を決め、更新 時に誤りがないかダブルチェックする手順を整える。  データ漏洩を防ぐ • 情報の一元化は、共有が容易な反面、機密度の高い情報まで 共有されてしまうこともある。情報の閲覧の権限を特定の関 係者に限定することで、情報を守るだけでなく、ビジネスそ のものを守ることにつながる。
  • 18. 体幹力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 業務ルールの整備 2022年12月 18 業務に必要な情報の整備  仕事で使う情報の整理整頓 • 現場が迷ったり、立ち止まったりしないよう、現場をガイド (導く・案内)するために情報を活用する。いつ、どんな時 に、だれが、何を、どのようにするのかといった情報が文字 や図、画像、映像などのデジタルデータとして整理されてい れば、必要な時にそれを参照し、不安や戸惑いなく自信を 持って業務にあたることができ、仕事はスムーズになりサー ビスや商品を高いレベルに保つことができる。 • なんでもかんでも枠にはめようということではない。職場の ベストプラクティスを形にする。個人的に工夫していたノウ ハウをデジタル化して共有すれば業務の品質を全員でレベル アップできる。ベテランの頭の中にある知識の一部でもデジ タル化して共有すればスキルの底上げにつながる。  手順・基準・書式を決める • 業務の手順がわかりにくかったり、業務の細かいやり方がそ もそも定まっていなかったりすると、人によって仕事の進め 方が変わり、個人的な解釈で仕事を進めてしまうことで、ミ スや手戻り、仕事の成果のばらつきを生じやすくなる。 • 業務に必要な情報を整理整頓していれば、仕事のやり方を他 の人に教えやすくもなる。学ぶ側にとっても、いつ何をどこ までやればよいか基準が明確なので覚えやすく、仕事に取り 組みやすくなる。土台があると、より良くする方法を発見し たり、無駄な手順を省いたり、新たな手順を加えて業務の質 をあげたりと、改善をしやすくなる。
  • 19. 体幹力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 職場環境の整備 2022年12月 19 現場の情報通信環境を整える  文房具と同様にPCやスマホを整備する • 現場を滑らかにしたい業務を選ぶ。その業務の環境整備の一 環でペーパーレスやスマートデバイスを活用し始める。 • ただし、ペーパーレスはあくまでも仕事をする環境整備手段 の一つ、かえってやりにくくなる仕事は無理に置き換えず、 紙の使い方を工夫する。  インターネット接続 • 「情報の伝達スピードが速い」「最新の情報を共有できる」 といったデジタルの特徴を生かして、現場の仕事を滑らかに するには、現場から情報を発信できる、現場で確認が必要な 情報を流すネットワークの整備が不可欠。  便利なソフトを導入する • 中小ビジネスへの時代からのプレゼントともいえるのが「ク ラウド」。ファイル共有サービス、グループウェア、チャッ トツール、書類・図面管理、画像管理、ネット会議、最近で は会計ソフトなど、クラウドサービスとして提供されるよう になったITツールなら、場所を問わず利用できるので、現場 での仕事がしやすくなる。 • また、OA(オフィス・オートメーション)ツールも、今なお 現場を滑らかにするために欠かせない。
  • 20. 基礎体力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 振り返りの習慣 2022年12月 20 振り返りを習慣化する  振り返りの会議をする • 今日一日の仕事を振り返る。一つの仕事をやり終えたら、次 はもっと上手くできる方法がないかとおさらいしてみる、現 場が滑らかではなかったことを思い起こしてみる。「振り返 り」を習慣化する。  経験や工夫を学び合う • 当時はベストプラクティスだったルールでも、環境が変われ ば手直しが必要になる。時代遅れとなったルールや実情にあ わない制度や慣習が、「これが会社の決まりだから」と放置 され、現場の滑らかさを阻害していることはないか。現場か ら発案された改善提案の中に、これまで慣れ親しんだ自社な らではのやり方の見直しの種があるのに見逃してはいないか。 ベストプラクティスをもう一度集めて、サービス品質・仕事 の精度をレベルアップさせていく。  振り返るために記録する • 仕事とは学習と成長の機会であり、仕事を振り返って学びを 得ようとするには、仕事の過程の記録がしっかりと残されて いることが重要。振り返りに必要な情報には、顧客情報、仕 事をした人の情報、仕事の早さや仕上がりの情報、顧客から の評価などがあるが、記録されていない情報は活用すること はできない。ここにデジタルが活きてくる。
  • 21. 基礎体力 強化ポイント Copyright, 合同会社デジトレ 共働の習慣 2022年12月 21 互いの業務を知りあう  仕事の流れを理解する • 共に働く。チームで働く。ミスややり直しを起こさない現場 を作るには、「共働」の考え方を浸透させることが大切。働 く人それぞれが、自分の役目の内側だけを見るのではなく、 前後の工程や別の日に同じ仕事を担当する人のことを考えて 動ける、そんな風土づくりが求められている。 • 人員の限られた中小ビジネスだからこそ、共働の習慣が醸成 され始めれば、情報を仲間と積極的に共有してよりよい仕事 をしようという気持ちはすぐに伝播していく。情報が社内の 潤滑油となって滑らかな現場の形成につながり、お客様から 見た「チーム」の評価も高まる。  情報の流れを理解する • 役割分担して仕事を進める際には、役割同士の接点で、必ず 情報の交換が発生する。適切なタイミングで、正しい情報が、 手間をかけずにスムーズに提供されているか。 • 自分一人で担当している仕事でも、その情報を他のスタッフ にも見てもらえる場所に記録しておけば、何かあった時にお 互いにカバーしあうことだってできる。そういうフォローが できるチームになれば、お客様へのサービスレベルを格段に アップさせることだって可能。