系統的レビュー研究計画書作成ワークショップ
第7回サプリメント
知りたい効果
京都大学大学院 辻本康
尼崎総合医療センター Hospital Care Research Unit
片岡裕貴 辻本啓
滋賀医科大学 岡見雪子 平大樹 山本晴香
精治寮病院 阪野正大
亀田総合病院 総合内科 佐田竜一
このサプリメントの目標
• ランダム化の利点がわかる
• ITT解析とPer-protocol解析がわかる
• ITT効果とPer-protocol効果がわかる
• ITT効果とPer-protocol効果が、ITT解析
およびPer-protocol解析と違うことがわか
る
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ご質問のスライド、レビューにおける知りたい介入効果
どちらかを選ぶ
• 介入に割り付けられた時の効果を知りた
い(intention to treat effect)
• 介入を行い、介入を遵守した時の効果を
知りたい(per-protocol effect)
ITT解析やper-protocol解析とは違うので
注意
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そもそもランダム化とは?
本当はダミー人間を作って治療とコントロール
を割り付けて比較し効果を見たい。
でもそんなことできません。
ランダム化の最も強力な点とは
対象者の背景因子を、計測できないものも含め
て揃えることができる
つまり治療の割り付け以外は同じ集団とみなす
ことができるため、集団に対する平均の治療効
果を正確に推定することができる
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ITT解析とPer-protocol解析とは?
ITT解析
介入群に割り付けられた対象者は、介入を
守れていなかったとしても、介入群として
解析する。つまり、割り付けられた通りに
解析する。
Per-protocol解析
割り付けられた治療を受けた者のみをその
治療群として解析する。
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例:やせ薬のRCT
例:1日4回飲むやせ薬と介入なしの体重減少
効果を比較するRCT
ITT解析では
100人中50人しか正確に内服できなかったと
してもその100人はやせ薬群として解析する。
Per-protocol解析では
100人中50人しか正確に内服できなかったと
したら守れた50人をやせ薬群として解析する
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効果を計算
やせ薬群は、守れた50人が平均で2キロ減少、守れなかった50人が平
均で体重減少なし
比較群は100人は平均で1キロ減少
ITT解析
やせ薬群 (50x2+50x0)➗100=1キロの効果
比較群 (100x1)➗100=1キロの効果
介入と比較の差=0
Per-protocol解析
やせ薬群 50x2➗50=2キロの効果
比較群 (100x1)➗100=1キロの効果
介入と比較の差=1キロ
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遵守できる人ってどんな人?
やせ薬群は、守れた50人が平均で2キロ減
少、守れなかった50人が平均で体重減少な
し
守れない人と比べると、この守れた50人は、
規則正しい生活、きちんと介入を守れる性
格、家族のサポート、高い収入がある集団
かもしれない。
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どっちがいい?
ITT解析です。
Per-protocol解析では割り付けられた介入を
しっかり守る集団と、守る人と守れない人が混
ざった集団を比べています
つまり、ランダム化が成り立たない
ランダム化の最も強力な点である「同じ集団を
作り出す」メリットを損ね、介入群と比較群が
違う集団になっている
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メタアナリシスでは
メタアナリシスではPer-protocol解析の
データは基本的に使いません。
ITT解析のデータを用いるのが原則です。
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レビューにおける知りたい介入効果(再掲)
どちらかを選ぶ
• 介入に割り付けられた時の効果を知りた
い(intention to treat effect)
• 介入を行い、介入を遵守した時の効果を
知りたい(per-protocol effect)
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ITT効果をみたい
100人にやせ薬を割り付けたときの効果は?
100人が守れるかはどちらでもいい
しかし、やせ薬を100人に渡せば、全体で平均どれくらいの効
果があるのか知りたい
先ほどの例:
介入群 (50x2+50x0)➗100=1キロの効果
比較群 (100x1)➗100=1キロの効果
つまり100人にやせ薬を渡しても平均でみると比較群との効果
の差は0
これがITT効果
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Per-protocol効果を見たい
では、Per-protocol効果は?
やせ薬をきちんと1日4回飲んだときの効果のこと
守れたときの効果なので、Per-protocol解析の結果(やせ薬と
比較の差=1キロ)でよい??
これは間違いです。
なぜなら、介入を遵守したときの効果は介入を遵守できる人た
ちを対象に、介入とコントロールを割り付けてその差を見ない
とわかりません
例では、もしやせ薬群に割り付けられていたらきちんと飲むこ
とができない人たちが比較群に含まれています。
したがって、この効果(1キロやせる)は、遵守できたときの
正しい値とは言えません。
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Per-protocolの効果
ではITT解析で出てきた値をper-protocol効果と呼べる?
ITT解析では
介入群 (50x2+50x0)➗100=1キロの効果
比較群 (100x1)➗100=1キロの効果
つまり100人に介入しても平均でみると比較群との効果の差は0
でもこれは守れる人と守れない人が混ざった集団に対しての効果。
守れた場合の効果とは違いそうですよね。
ここがRoB2.0で見るポイントです。
つまり、遵守出来ない人が多いと、ITT解析で出てきた結果は遵守出
来たときの効果から、離れていきます。その離れる具合(=バイア
ス)を評価する質問項目が2番目のドメインです。
14
RoB評価
ITT効果を見たいかPer-protocol効果を見
たいかで同じ研究でもRoB評価は違う可能
性がある
例の場合、ITT解析で出てきた値(介入-比
較=0)はITT効果には一致しそうな値であ
りバイアスは低そう
一方、Per-protocol効果には一致しないリ
スクが高いのでバイアスは高そう
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ITTとPer-protocol
ITT解析 > Per-protocol解析(特殊な場
合を除く)
ITT効果とPer-protocol効果はどちらが知
りたいかを選択するもの
どちらが知りたいかによってRoB評価も変
わりうる
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参考文献
RoB2.0
https://sites.google.com/site/riskof
biastool/welcome/rob-2-0-tool
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20170202 srws第7回補講RoB2.0で決める知りたい効果とは?

Editor's Notes

  • #3 まず、本コースの目標ですが、、、、、